レン鉄★気ままな乗車記

乗り鉄&きっぷ鉄の管理人が、備忘録を兼ねてブログに綴っていきます。

乗り鉄&きっぷ鉄っぽい管理人が、乗り鉄旅行とそこで使用したきっぷを思うがままに記録したブログです。
どうぞ、お付き合いください。
 

JR線直通の特急「ふじさん」に乗車

 小田急新宿駅から松田駅を経由してJR御殿場線に乗り入れる特急は、長きにわたり「あさぎり」の愛称で運転されていましたが、2018年3月のダイヤ改正にあわせて「ふじさん」に改称されました。運行経路や運転本数に変更がないにもかかわらず、なぜこのタイミングで愛称が変更されたのかは分かりませんが、インバウンドにより富士山を観光で訪れる訪日外国人が増加傾向にあったことから、富士山に近い御殿場方面に直通する列車であることを、訪日外国人にも分かりやすくアピールする狙いがあったのではないかと思います。

 特急列車に付けられた「富士(ふじ)」に関連する愛称は、JRと私鉄を含めて結構な数があり、JR東日本では「富士回遊」(E353系)、富士急行では「富士山ビュー特急」(8500系)と「フジサン特急」(8000系)、JR東海では「ふじかわ」(373系)が運行されています。これほど多くの列車名が混在していると、日本の列車に不慣れな訪日外国人にとっては、かえって混乱を招くのでないかと心配されます。特に、JR新宿駅を発着する「富士回遊」と小田急新宿駅を発着する「ふじさん」を勘違いする人もいるのではないでしょうか?

 そんな思いもあり、僕としては「あさぎり」の愛称のままでもよかったんじゃないかと思うのですが、愛称が「ふじさん」に変更されてすでに2年半が経過してしまいました。これまで、小田急60000形MSEには、「はこね」「あさぎり」として乗車したことがありますが、「ふじさん」としてはまだ乗車したことがありません。今回、久々に在来線で東京まで往復してみることにしましたが、「青春18きっぷ」の利用可能期間ではないため、「休日乗り放題きっぷ」と小田急線を組み合わせて新宿まで往復する乗り鉄旅に出かけることにしました。手元には、ヤフオク!で購入した小田急線の株主優待券がちょうど2枚あったので、よい具合に小田急線を利用することができます。

 今回の旅行経路として、往路は、豊橋から東海道線普通列車で小田原まで行き、小田原から30000形EXEα「はこね」に乗車することとし、復路は、小田急新宿からJR松田まで60000形MSE「ふじさん」に乗車して、JR松田から御殿場線東海道線普通列車を乗り継いで豊橋まで戻るルートとしました。ちなみに新宿まで行く目的ですが、実は特にありません。あえて言えば、品川駅でJR東日本の車両を撮影したかったことと、次の乗り鉄旅で使用する予定の企画乗車券をJR東日本の窓口で購入したかったという程度です。僕にとっては、電車に乗車することが目的なので、これでもちゃんとした乗り鉄旅と言えます。

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ふじさん号で使用されている小田急60000形MSE(貫通型先頭車):新宿駅 2020/9/21

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ふじさん号で使用されている小田急60000形MSE(非貫通型先頭車):松田駅 2020/9/21

 小田急60000形MSEには、さきほどお話ししたとおり、これまで新宿-箱根湯本・松田間で何度か乗車したこともあり、その時から特に車両自体は変わっていません。以前に「あさぎり」への乗車を紹介した記事の中では、非貫通型(小田原方)の先頭車のみを撮影しましたが、今回は、貫通型(新宿方)の先頭車も撮影してみました。

 車体側面には、ちょっと控えめながら“ODAKYU-SUPER EXPRESS 60000”のロゴがあります。車体色は本来、フェルメール・ブルーですが、文字色はバーミリオンオレンジで、しっかりとロマンスカーのイメージカラーが配色されています。

 松田に到着後、小田急の乗務員からJR東海の乗務員に交代するため、特急列車にしては比較的長い停車時間となります。その間の停車時間を利用して車内も撮影してみました。

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 車内はご覧のとおりです。前回の「あさぎり」に乗車した時もそうでしたが、新宿から乗車した方の多くは、途中の新百合ヶ丘、相模大野、秦野で下車してしまい、JR御殿場線区間まで乗車する方は数えるほどです。したがって、松田を発車する頃には、車内は閑散として、寂しい雰囲気になってしまいます。以前は、御殿場よりも先の沼津まで運転されていたことがありましたが、現在はすべての特急が御殿場止まりとなっています。個人的には、小田急新宿から乗り換えなしに沼津まで直通してもらえるとありがたいのですが、JR御殿場線区間の利用状況を見れば、なかなか現実的ではないことのように思います。

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 松田駅で30分以上の乗り換え待ち時間があったため、その間に、2・3番線ホームから見える小田急との連絡線を撮影してみました。左側に分岐して大きくカーブしていく単線の線路が連絡線です。1番線からの出発信号機には、小田急方面の「小田急出」と国府津方面の「上本出」が並んでいます。

 なお、小田急線とJR御殿場線を直通する列車は、特急「ふじさん」に限られ、普通列車の乗り入れはありません。また、連絡線につながる松田駅のホームは1番線に限られることから、上り下りとも「ふじさん」は1番線発着となります。

 この1番線を含め、松田駅のホームは非常に長く、10両くらいの編成にも対応していると思います。現在はJR御殿場線内でそれほどの長編成の車両が使われるようなことはありませんが、かなり昔には、そうした長編成が運転されていた名残かもしれません。

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 小田急にはe-Romancecarというインターネット予約・購入サービスがあり、僕もこれまで何回か利用したことがありますが、今回は窓側座席という以外に特にこだわりもなかったので、ガチャを引く気分で駅の券売機で特急券を購入しました。発車20分くらい前に購入しましたが、余裕で窓側席を確保することができました。

東海道新幹線N700SとN700Aを乗り比べ

 東海道新幹線では今年3月、1999年に営業運転を開始した700系新幹線が引退しました。その独特の先頭形状から「カモノハシ」の愛称で親しまれ、また、300系新幹線を置き換えて東海道新幹線の主力車両として活躍した車両ですが、ここ数年、徐々に運行本数が減少していました。定期列車の「のぞみ」としての運用はN700系N700A)に譲り、「こだま」を中心に運用されていましたが、ついに東海道新幹線から完全引退することになってしまいました。最終運転日となる3月8日には、全車指定席の臨時「のぞみ315号」として運転されることが発表され、そのラストランにあわせて引退イベントが予定されていました。この臨時「のぞみ315号」の指定券は、発売から数十秒で売り切れるほどの人気ぶりだったそうです。そんな期待の集まる700系ラストランイベントでしたが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、JR東海は、数日前に急遽、臨時「のぞみ315号」の運転中止を決定しました。当時の社会情勢を踏まえると、多くの人が集まるラストランやイベントの中止はやむを得ないものだと思いますが、ファンに見送られることなく、ひっそりと引退することになってしまった700系新幹線が、なんだか少し不憫な感じがしてしまいました。

 その後も、新型コロナウイルス感染症による外出自粛などの影響を受け、これまでにない苦境を経験した東海道新幹線ですが、700系引退から約4か月が経過した7月1日、新たな車両N700Sがデビューしました。N700系の改良版として登場したN700Aには、「Advance」を意味する「A」が付けられていますが、今回登場するN700Sは、「N700」に、シリーズ中最高の新幹線車両を意味する「Supreme(スプリーム)」の頭文字「S」が付けられています。

 東海道新幹線の車両の色は、初代0系以来、一貫して白地にブルーのラインというデザインが踏襲されており、今回登場したN700Sもその例外ではありません。正直、鉄道ファン以外の人にとってN700系N700AとN700Sの違いを瞬時で見極めることは難しいかも知れません。ちなみにJR東日本の新幹線車両には、それぞれに特徴的なカラーリングが施されており、誰の目にも容易に車両の違いを見極めることができますが、これとは対称的だと言えます。

 ちなみに、車両の外観でN700AとN700Sの違いを判別するには、車体側面のロゴを確認するのが一番分かりやすいですが、先頭車両の形状をよーく見比べてみると、N700Aの「エアロダブルウィング形」とN700Sの「デュアルスプリームウィング形」の違いが分かると思います。加えて、ヘッドライト(テールライト)の形状も若干異なっていますので、これも見分ける際のポイントになると思います。

 7月1日の運用開始にあわせて営業運転を開始したN700Sは4編成ということで、まだまだお目にかかる機会は少ないのですが、JR東海では、N700Sにより運行される列車を前日にtwitterで公開してくれています。新型車両ということで、基本的には「のぞみ」を中心に充当されていますが、twitterをこまめにチェックしていると、わずかに「ひかり」「こだま」で運用されることもあることが分かりました。「こだま」であれば、豊橋-名古屋間という短区間での乗車も可能です。そして待つこと数日、「こだま」で運用される日を見つけ、豊橋から下りの「こだま715号」に名古屋まで乗車することにしました。

◆往路(N700S)

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東海道新幹線に登場したN700S:豊橋駅 2020/8/1

 先にお話ししたとおり、N700Aとの違いは「デュアルスプリームウィング形」の先頭形状です。さらに側面のブルーのラインが運転席の窓の下まで延びており、いままで以上にスピード感が伝わってきます。ちなみに車体側面のロゴは、N700Aがブルー系だったのに対し、N700Sは金色系のものになりました。個人的にはN700Aのダイナミックなロゴが好きだったので、ロゴのデザインが大きく変わってしまったのは、少し残念です。

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 普通車の車内です。座席のモケット色はN700Aと同じく青色系統ですが、N700Sの方が少し明るい感じがします。そして、車内設備としてN700Aから大きく進化したのが、全席モバイルコンセント付きとなったことです。今回は短距離での利用だったため利用していませんが、通路側の人も気兼ねすることなく利用できるモバイルコンセントがあれば、長距離乗車の際にも何かと安心できます。また、車端部の車内案内モニターも大型化され、さらにフルカラーで見やすくなっていました。

 今回は2号車の自由席を利用しましたが、豊橋発車時点での乗客は僕も含めて5人くらいでした。しかも、僕を含めてほとんどの方が名古屋で下車し、名古屋から乗車する方はなかったので、名古屋停車時の2号車の様子はご覧のとおりです。「こだま」とはいえ、東海道新幹線の車内がここまで空席だらけというのは、かなりの驚きです。

◆復路(N700A

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東海道新幹線で活躍中のN700A三河安城駅 2020/8/1

 名古屋から豊橋までの復路では、これまでにも乗車したことのあるN700Aに乗車しました。N700Sとの比較のため、あらためて車体側面のロゴと先頭車両、普通車の車内を撮影しました。なお、先頭車両の写真は、途中の三河安城駅での停車時間を利用して撮影したものです。復路は15号車の自由席に乗車しましたが、名古屋始発の「こだま」ということもあり、名古屋発車時点での15号車の乗客は僕一人でした。

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 昨年11月にも豊橋ー名古屋間を新幹線で往復しており、その際には「新幹線名古屋往復きっぷ」を利用しました。今回利用したのは「名古屋往復きっぷ」という企画乗車券です。これは、豊橋ー名古屋間を在来線で往復するためのものですが、別に「往復・カルテットきっぷ専用新幹線変更券」を購入すれば、新幹線を利用することもできます。この新幹線変更券は、名古屋往復きっぷ専用の特急券のようなもので、片道分だけ購入することもできることから、例えば往路は新幹線で、復路は在来線を利用したい場合などに便利なきっぷです。

 僕のように、往復とも新幹線を利用する場合には、別に新幹線変更券を購入するよりも、はじめから「新幹線名古屋往復きっぷ」を購入しておけばいいのですが、今回は何となく、別々に購入してみました。きっぷのねだんは、「新幹線名古屋往復きっぷ」が2,360円で、「名古屋往復きっぷ」が1,560円です。「往復・カルテットきっぷ専用新幹線変更券」が片道あたり400円なため、どちらのきっぷを利用しても、トータルのねだんは変わりません。

 タイトルで「乗り比べ」と宣言してしまいましたが、乗り心地という点では、それほど大きな違いを感じることはありませんでした。と言っても、今回は片道当たり30分にも満たない乗車時間だったので、長距離で利用してみると、また違った一面が見えてくるかも知れません。新型コロナウイルス感染症が一日でも早く沈静化し、本格的な旅行を楽しめる日が来ることを祈るばかりです。

近鉄80000系「ひのとり」に初乗車

 早いもので、2020年もすでに半年が経過し、後半になってしまいました。例年であれば、年の前半に間違いなく乗り鉄旅に出かけるところですが、今年はそういった状況ではありません。ちなみに春の青春18きっぷシーズン期間中には、新潟から山形方面に行き、まだ乗車したことがない「海里」と「とれいゆつばさ」に乗車する1泊2日の乗り鉄旅を予定していましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う外出自粛要請が行われたことから、出発日直前にキャンセルしてしまいました。また、5月25日には緊急事態宣言が解除されたため、初夏に向けて少しずつ外出もできるようになるだろうと考え、7月に運行を開始する「志国土佐時代の夜明けのものがたり」を含む3つの「ものがたり列車」に乗車する2泊3日の四国乗り鉄旅を計画しましたが、6月下旬から急性腎盂腎炎により10日間の入院生活を余儀なくされ、これまた、キャンセルせざるを得ないこととなりました。

  7月上旬に退院できたものの、しばらくの間は継続的に通院治療が必要であり、乗り鉄旅に出かける気分にはなれませんでしたが、そうかと言って、休日に家に閉じこもりっぱなしというのも気分が滅入ってしまうので、日帰りで往復できる範囲での乗り鉄旅を計画することにしました。

 日帰りの乗り鉄旅の候補として思いついたのは、東京-伊豆急下田間を走るE261系の特急「サフィール踊り子」と、近鉄名古屋大阪難波間を走る近鉄80000系の特急「ひのとり」の2つです。どちらも今年3月にデビューしたばかりの車両ですが、ともに「プレミアムクラス」の車両を連結しているという共通点があります。「サフィール踊り子号」は全車グリーン車で、そのうち1号車はJRの車両として初のプレミアムグリーン席となっています。これに対して「ひのとり号」は、近鉄自慢のデラックスシートを超えるプレミアムシートを備えた車両が1編成中に2両組み込まれており、E5系新幹線やE7系新幹線のグランクラスに匹敵するほどの豪華な座席となっています。当然、どちらの車両にも乗車してみたいのですが、今回は現在の体調面にも配慮して、東京よりも移動距離が少ない大阪を目指すこととし、近鉄80000系の特急「ひのとり」に乗車することにしました。

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ひのとりで使用されている近鉄80000系:近鉄名古屋駅 2020/7/19

 近鉄80000系「ひのとり」です。ちなみに近鉄の特急形車両では、20000系「楽」(団体専用車両)、21000系・21020系「アーバンライナー」、22000系「ACE」、23000系「伊勢志摩ライナー」、26000系「さくらライナー」、30000系「VISTA EX」、50000系「しまかぜ」という形式が割り当てられてきましたが、なぜか60000系や70000系は存在せず、「ひのとり」で一気に80000系となりました。近鉄としても、他の特急形車両とは別格の存在と位置付けているのでしょうか?

 そして車両の外観ですが、かなり深みのあるメタリックレッドで仕上げられており、なんでも3層塗装にクリア塗装を重ねた5層塗装になっているそうです。さらに車体帯とエンブレムはプレミアムゴールドで、高級感が漂っています。僕がこれまで乗車した車両の中では、E655系「なごみ」に近い高貴な輝きが感じられました。

 先頭車両は流線形で、シャープでスマートな印象です。どことなく小田急70000系GSEを思い起こさせるデザインですが、「ひのとり」には展望席はありません。そのかわり、先頭と最後尾のプレミアムシートはすべてハイデッカー仕様となっており、側窓からの眺望を楽しむことができるようになっています。また、一部車両の側面部には「ひのとり」の大きなエンブレムが描かれており、特急形車両としての風格とスピード感溢れる外観となっています。名阪特急として活躍する近鉄特急のフラッグシップにふさわしい車両だと感じました。

 近鉄80000系「ひのとり」は、将来的には、6両1編成が8本、8両1編成が3本の計11編成が投入されるということですが、今回僕が乗車したのは6両編成で、うち1号車と6号車がプレミアムシート、2号車から5号車までがレギュラーシートとなっています。今回は、近鉄名古屋大阪難波の往路と、大阪難波近鉄名古屋の復路の両方で「ひのとり」に乗車するので、一方をプレミアムシート、もう一方をレギュラーシートにしようかとも思いましたが、近鉄名古屋大阪難波間の場合、プレミアムシートとレギュラーシートとの料金の差はわずか700円だったため、結局は往復ともプレミアムシートを利用することにしました。

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プレミアムシートが並ぶ車内

 これがプレミアムシートの座席です。「アーバンライナー」などのデラックスシートや「しまかぜ」と同様、1+2の横3列の座席配置です。「しまかぜ」に初めて乗車したときにも感じたことですが、座席のクオリティはJR車両のグリーン車をはるかに超えています。シートピッチは、新幹線のグリーン席標準1,160mmを超える1,300mmということで、グランクラスと同じだそうです。特に今回乗車した「ひのとり」は、グランクラスと同様にバックシェル構造となっており、シートを最大までリクライニングさせても、後席の方に圧迫感を与える心配がありません。さらにレッグレストやシートヒーターも含めてすべてひじ掛け部分のパネルで操作可能で、ストレスを感じさせません。さらにシート生地は本革でホールド感も心地よく、レギュラー席も含めて全席にモバイルコンセントが装備されているため、片道2時間10分弱の乗車では、もったいないと思うほどの車内設備となっています。

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 今回乗車した「ひのとり」の特急券です。「ひのとり」に乗車するには、通常の特急券の他に「ひのとり特別車両券」が必要となります。近鉄名古屋大阪難波間の場合、レギュラーシートの特別料金は200円で、プレミアムシートの特別料金は900円です。プレミアムシートの設備を考えれば、特別料金の900円は決して高くありません。ちなみに、あえて狙ったわけではありませんが、往路と復路で、利用する号車と座席位置が全く同じ(1号車5A)です。しかし、往路では最後尾の車両で、復路では最前列の車両になるため、往復で違った雰囲気を楽しむことができました。

 なお、以前に近鉄名古屋大阪難波を往復した際には、「名阪まる得きっぷ」という企画乗車券を利用しましたが、これはすでに終了しています。代わりに「名阪ビジネス回数きっぷ」という乗車券部分のみの回数券が発売されており、このバラ売り分を購入しようかと思っていましたが、今年7月末まで有効の沿線招待乗車券(株主優待乗車券のようなもの)が安く入手できそうだったので、今回は往復とも、ヤフオク!で入手した沿線招待乗車券を利用しました。2枚セットが1,300円(送料込み)で落札できたため、近鉄名古屋大阪難波間を、たった1,300円で往復することができました。ちなみに、名古屋-大阪間を鉄道で移動する際の正規運賃・料金をまとめてみると、次のとおりです。

◆新幹線(名古屋→新大阪の通常期)

列車区分 座席種別 運賃 特急料金 グリーン料金 合計
のぞみ グリーン席 3,410円 2,740円 2,800円 8,950円
普通車指定席 3,410円 3,270円 6,680円

ひかり

こだま

グリーン席 3,410円 2,530円 2,800円 8,740円
普通車指定席 3,410円 3,060円 6,470円

※ 新幹線回数券利用時の1回当たりの金額は、普通車指定席利用で5,760円

近鉄近鉄名古屋大阪難波

列車区分 座席種別 運賃 特急料金 特別車両料金 合計
ひのとり プレミアム席 2,410円 1,930円 900円 5,240円
レギュラー席 2,410円 1,930円 200円 4,540円
アーバンライナー デラックス席 2,410円 1,930円 520円 4,860円
レギュラー席 2,410円 1,930円 4,340円

※ 名阪ビジネス回数きっぷ利用時の1回当たりの運賃分は1,730円

※ 名阪チケレス割による特急料金は、期間限定で1,630円(「ひのとり」を除く。)

  もちろん所要時間は新幹線の方が圧倒的に有利ですが、運賃・料金では近鉄の方がオトクで、今回のように「ひのとり」のプレミアムシートを利用しても、新幹線「ひかり」「こだま」の普通車指定席を利用するよりも1,200円以上安いことになります。今回はさらに沿線招待乗車券を利用したため、片道当たりわずか3,480円で移動できたことになります。この金額は、JRを利用した場合の運賃額とほぼ同額であり、今回の乗り鉄旅が常識破りの価格であったことがよく分かります。

E657系「ひたち」に乗車

 あけましておめでとうございます。いよいよ2020年がスタートしました。年末年始になると、いつも思うのですが、1年の経過がとても早く感じます。年が明けると年度末に向けて仕事があわただしくなり、そして何とか新年度を迎えるとすぐにゴールデンウイークがやってきて、ちょっと仕事が落ち着いたと思えばすでに初夏です。そして、暑さの中で「青春18きっぷ」による乗り鉄旅を終える頃には、すでに9月になっており、少しずつ涼しさが感じられるようになったかと思えば、あっという間に秋も終わり、師走を迎えるという生活の繰り返しです。

 ここで2019年を振り返って見ると、乗り鉄的にはかなり充実した1年だったと思います。10月20日の「九州で在来線特急乗り鉄旅」の記事でも触れましたが、道東フリーパスで北海道内を巡る2泊3日の乗り鉄旅と、『カシオペア紀行 湯沢行き』での24時間乗り鉄旅は、どちらもそれなりの費用がかかりましたが、これまでの乗り鉄旅の中でも、特に印象深いものでした。2020年も2019年同様に、思い出深い乗り鉄旅行ができればなと思っています。ちなみに、2020年の乗り鉄旅について具体的な計画はありませんが、まだ未乗車区間の多い四国には行ってみたいと思っています。「伊予灘ものがたり」や「四国まんなか千年ものがたり」といった観光列車はもちろんのこと、定期列車として運転されている電車特急や気動車特急にも乗車して、四国一周旅行ができれば最高です。

 そんな期待を抱きつつ、今年の乗り鉄旅をスタートさせる訳ですが、現時点で冬季の青春18きっぷが、まだ1回分残っています。すでに「ムーンライトながら」号の運行は終了しているので、これを利用した長距離旅はできません。話は少し脱線しますが、近年は「ムーンライトながら」号の運行本数が減少傾向にありますが、今回の冬季の下り列車の状況をみると、12/20~30のわずか11日間です。上りは1日遅れとなるため12/21~31となりますが、いずれにしても年始の運行が行われませんでした。「ムーンライトながら」号のこれまでの運行状況をインターネットで調べてみると、例えば2010年度には、下りは12/11~31と1/1~17の計38日間も運転されていたようです。ここ10年で3分の1以下の本数になってしまったことが分かります。「ムーンライトながら」号の利用状況については、前回の記事でも僕なりの見解を書かせてもらいましたが、こうした運転本数の減少は、廃止に向けた布石であるような気がしてなりません。果たして2020年には、例年どおり「ムーンライトながら」号の運転が行われるのか、とても気になるところです。

 話しを戻して今回の乗り鉄旅ですが、久々に昼間の列車で遠方まで行ってみるのも面白そうだなと思い、東海道本線普通列車をひたすら乗り継いで東京まで行き、そこから常磐線で北上する日帰りの乗り鉄旅に出かけることにしました。要は、豊橋-東京間を普通列車で往復することを前提として、東京からちょっと足を延ばして他路線にも乗車してみようと言う、いつもの乗り鉄パターンという訳です。なぜ常磐線を利用することにしたかと言えば、僕はこれまで、あまり常磐線特急を利用したことがないため、この機会に乗車してみようと考えたからです。思い起こせば、2016年に友人Dとアクアワールド大洗水族館に行った際にE657系「ときわ」号を利用した程度で、その他には、2019年に石岡から旧国鉄色E653系を使用した快速「舞浜・東京ベイエリア号」に乗車したことくらいだと思います。

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  今回は、前回乗車した「ときわ」号と同じE657系ではありますが、まだ乗車していない「ひたち」号で水戸まで行ってみることにしました。

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ひたち号で使用されているE657系:品川駅 2020/1/4

 始発の品川駅で撮影したE657系です。常磐線を走る交直流電車が、品川駅に待機しているというのは、少し前までは見ることができない光景でしたが、上野東京ラインの開業により、常磐線の一部の列車が品川発着となってからは、日常的にみられるものとなりました。しかし、宇都宮線高崎線から直通する列車の中には、遠く沼津まで行くものもありますが、常磐線から直通する列車は、普通や快速も含めて品川以西に行く定期列車はありません。せっかくの直通運転するのであれば、例えば水戸発小田原行きといった運用があってもいいと思うのですが、やはり、横浜支所管内では交直流電車の車両故障に対応できないといった事情があるのでしょうか?

 「ときわ」号としてE657系に乗車したのは2016年10月なので、実に3年ぶりの乗車ということになります。前回乗車時にも感じたことですが、車内は都会的なシックな雰囲気で、さらに可動式の枕が付いた座席にもホールド感があり、長時間の乗車でも十分に寛ぐことができると思います。全席でモバイルコンセントを利用することができ、機能的にも申し分ありません。しかも中距離(200kmまで)利用であれば通常のB特急料金より安価で、さらに短距離(100kmまで)利用であれば普通列車グリーン車の平日グリーン料金とあまり差のない金額で、特急列車の指定席を利用することができます。運転本数や多くの駅から乗車できるという点に着目すれば、普通列車グリーン車の方が勝っていると思いますが、速達性や快適性という点から見れば、「ひたち」「ときわ」を利用する価値は十分にあると思います。

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 実際に使用した乗車券と特急券です。観光列車や運行日が限られたイベント列車に乗車しようとする場合には、少なくとも1か月前に旅行行程を確定させ、指定券が発売されたら早々に確保することが多いのですが、今回は「青春18きっぷ」の残り分の消化を兼ねた乗り鉄旅ということもあり、出発直前に指定券を手配しました。定期運行されている特急列車と普通列車に乗車するだけの乗り鉄旅ですので、前日であっても特に支障はありません。しかし、いざ指定券を購入する段階になって、品川・東京・上野から土浦以北の間で「ひたち」「ときわ」に乗車する場合、えきねっとトクだ値で10%割引の設定があったことに気が付きました。しかしながら、時すでに遅くすでに完売しており、正規料金での販売のみとなっていました。たかが1割引ではありますが、せっかくのえきねっとトクだ値を逃してしまったのは、ちょっと残念でした。

 ちなみに乗車券・特急券区間が勝田までとなっていますが、水戸でも勝田でも同額だったため、その時の気分次第で勝田まで行くことができるよう、念のため勝田まで購入したものです。

E5系「なすの」グリーン車に乗車

 ちょうど1年前のことになりますが、青春18きっぷを利用した「会津若松までの乗り鉄旅」に出かけました。この旅行では、年末年始に磐越西線で運転される快速「あいづ」に乗車することを目的として、その始発駅である郡山まではE6系「やまびこ」を、郡山からの帰路ではE5系「なすの」を利用するものでした。当時はE5系E6系とも初乗車だったため、快速「あいづ」への乗車も含めて、色々と思い出に残る乗り鉄旅となりました。

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 特に帰路で利用したE5系「なすの」については、東北新幹線内でのポイント故障の影響により大幅な遅延が発生し、やむを得ず途中の小山で下車して在来線に乗り換えることになるという、予期しないトラブルに巻き込まれたということもあり、ちょっと残念な思いも残っていました。

 ちなみに当時、小山駅の新幹線改札口において、使用したきっぷに「事故」のゴム印を押印してもらいました。1年以内であれば、特急料金の一部が払い戻されるようですが、そもそも「えきねっと」のトクだ値で購入したきっぷであっても払い戻しが受けられるのかどうか分からず、結果としてそのまま放置状態です。申し出れば一部の特急料金が払い戻されたのかもしれませんが、すでに1年を経過してしまったため、もはや無効となっています。

 そんな感じで、ちょっと消化不良な思いが残る前回のE5系新幹線乗車旅でしたが、今季の青春18きっぷを利用した乗り鉄旅で、E5系新幹線乗車のリベンジを果たすことにしました。

 東京までは安定の快速ムーンライトながら号で、そこから先はひたすら東北本線を北上します。今回は、時間との兼ね合いから最終到達駅を新白河としました。東北本線は、宇都宮までは運転本数も多く、主にE231系E233系グリーン車付きの10両編成で運転されていますが、そこから先は運転本数が大きく減少し、使用される車両も、黒磯までは205系600番台、黒磯から新白河まではE531系と、比較的短編成のものとなります。(E231系E233系で運転される列車は、一部が黒磯まで直通で運転されています。)

 ちなみに東北本線E531系が使用される理由ですが、これは黒磯駅構内の交直セクション(デッドセクション)に対応するためです。僕が今回乗車したのはE531系電車でしたが、黒磯-新白河間では、電化区間でありながらキハ110系気動車で運転されることもあるという、ちょっと変わった運用が行われています。

 話を戻して乗り鉄旅ですが、僕は新白河駅で下車するのは今回が初めてです。新幹線停車駅ではありますが、それほど大きな駅ではなく、新幹線は相対式ホームの2面2線と通過線が2線、在来線は単式ホームの1面1線と島式ホームの1面3線という構造です。新幹線は高架駅になっていましたが、在来線は地上駅でした。高架上のある改札口付近に白河ラーメンの店があったので、そこで少し遅い昼食をとった後、東京方面の新幹線「なすの」に乗車します。今回も純粋な乗り鉄旅なので、訪問先での観光要素は一切ありません。

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なすの号などで使用されているE5系郡山駅 2018/12/30

 上の写真は、今回の乗り鉄旅で乗車したものではなく、1年前の乗り鉄旅の際に郡山駅で撮影したものです(今回乗車したE5系は撮影する余裕が時間的にありませんでした)。何度見ても、驚くばかりのロングノースです。E956形ALFA-X(アルファエックス)は、20mを超える“超”ロングノースの先頭車があるということで、将来的には一体どこまで長くなるものなんでしょうか。

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 JR東日本区間での乗車ということで、今回も「えきねっと」のお先にトクだ値を利用しました。年末のこの時期、東京からの下り列車については「お先にトクだ値」の設定がありませんが、上り列車には設定があります(逆に年始になると、東京への上り列車に「お先にトクだ値」の設定がなく、下り列車のみ設定されます)。

 「なすの」号の場合、郡山~宇都宮⇔大宮~東京に「お先にトクだ値」の設定があり、普通車・グリーン車ともに35%割引です。僕は今まで、ぷらっとこだまや日帰り旅行商品などで新幹線のグリーン車を利用したことはありますが、「お先にトクだ値」の企画乗車券でグリーン車に乗車したことはありません。今回も、いつもどおりに普通車にしようかなと少し迷いましたが、前回のE5系新幹線乗車時のリベンジという意味合いもあり、グリーン車に乗車することにしました。

 上の写真は、実際に使用した一葉券です。乗車券・新幹線特急券・グリーン券がすべて一枚にまとめられています。E5系新幹線と言うと、どうしてもグランクラスの方に目が行きがちですが、グリーン車でも十分な快適性を備えています。座席はN700系などと同じ2+2配置で、非常にゆったりとしています。ヘッド部分にはピローが装備され、中央肘掛部分にはモバイル用コンセントも完備されています。座席背面は背中全体を支え、両脇から包み込むような感覚がとても心地よく、何時間でも乗車していたいと思わせる座り心地です。東海道新幹線N700系と異なり、足先のフットレストは省略されていますが、その分だけ足が思い切り伸ばせるようになっており、しかもレッグレストが脚全体を支えてくれるため、非常に楽な姿勢で旅を楽しむことができます。グリーン料金というエクストラチャージを支払うだけの価値は十分にあるなと感じました。

 東京までの約1時間30分の間、E5系新幹線グリーン車での優雅なひとときを過ごすことができました。この流れでそのまま豊橋まで帰りたいところですが、そういう訳にはいきません。東京からは青春18きっぷを使った在来線普通列車の旅です。座席などの車内設備は2ランク以上のダウンといった感じが否めませんが、贅沢ばかりする訳にもいきません。せめてもということで、東京から沼津までは普通列車グリーン車を利用しましたが、同じグリーン車であっても、やはりE5系新幹線のグリーン車と比べてしまうと、その差は歴然ですね。

成田空港からモーニングライナーに乗車

 京成が誇るAE形と言えば、もちろん京成上野-成田空港間で運用されている「スカイライナー」ですが、朝夕の時間帯には「モーニングライナー」「イブニングライナー」という有料着席サービスを提供するライナー列車があり、AE形が使用されています。いわゆるライナー列車として首都圏の大手私鉄が運用している有料着席サービスに注目してみると、おおよそ次のとおりです。

会社名 サービス名又は列車名 料金 使用車両 座席の種類
東急 Qシート 一律400円 6020系 デュアルシート
西武 Sトレイン

510円(平日の豊洲小手指間)

300円~1,060円(土休日の西武秩父元町・中華街間)

40000系 デュアルシート
京王 京王ライナー 一律410円 5000系 デュアルシート
京急 モーニング・ウィング (ウィング・シート) 一律300円 2100系 転換クロスシート
小田急

モーニングウェイ

ホームウェイ

420円(新宿-町田)

910円(新宿-小田原)など

※通常の特急料金を適用

30000形 50000形 60000形 70000形 リクライニングシート

(注)正直、首都圏のライナー運用にはあまり詳しくないので、間違いがあるかもしれません。

 これを見ると、小田急は有料特急として運用されている特急形車両(ロマンスカー)を使用しているのに対し、小田急以外の各社はロングシートクロスシートの両方に転換可能な座席を備えた通勤形(一般形)車両を使用しています(京急2100系は転換クロスシート)。

 また、料金を見ると、西武Sトレインの土休日運行を除けば、ほぼ300円から500円程度ですが、小田急「はこね」えのしま」などの通常の特急に適用される特急料金と同額となっているため、他社との比較においては、多少の割高感があります。

 つまりは、「料金」と「使用車両」の関係を見ると、Free Wifiやモバイル用電源コンセントなどのサービスを提供することによって一般車両との差別化を図っているものの、通勤形車両によるデュアルシートや転換クロスシートの場合にはライナー料金が比較的安価に設定され、リクライニングシートを備えた特急形車両を使用する場合には特急料金相当の負担が必要になるという関係性が成り立っています。ある意味、快適性に応じた対価を支払うという点では、ごく当たり前な話でもあります。

 これに対し、京成の「モーニングライナー」「イブニングライナー」は、次のようになっています。

会社名 サービス名又は列車名 料金 使用車両 座席の種類
京成

モーニングライナー

イブニングライナー

一律420円 AE形 リクライニングシート

 料金は、東急や京王並みでありながら、使用されている車両は、スカイライナーと同じ特急形車両であるAE形です。ということは、小田急のように特急形車両を利用することができるにも関わらず、料金は他社の通勤形車両を使用したライナーと同水準に設定されているということです。こうして見ると、京成のモーニングライナーイブニングライナーは、乗り鉄的な視点からすれば、首都圏の大手私鉄の中で最もオトクなライナー運用であると言えます。ちなみにAE形には、2017年にスカイライナーで乗車したことがあります。

len-railway.hatenablog.jp

  前置きはこれくらいにして、今回は成田空港ー京成上野間でモーニングライナーに乗車してみることにしました。乗車するのは、土休日ダイヤで運転されている上り列車です。あらかじめ時刻表で調べてみると、上りのモーニングライナーは1日当たり4本運転されていますが、うち3本は京成成田始発となっており、成田空港始発は7:44発の206号のみです。通勤ライナーとしての性質上、成田空港駅から乗車する通勤客はほどんどいないと思われますので、京成成田始発がメインとなっているのも当然なのかもしれません。

 成田空港駅ライナー券を購入し、早速ホームへと移動しますが、モーニングライナー京成本線経由で運転されるため、成田スカイアクセス線を経由するスカイライナーとは、乗車するホーム位置が異なります。京成の成田空港駅は、少し変わった構造になっており、同じ京成上野駅まで乗車する場合であっても、京成本線経由の列車に乗車する場合と、成田スカイアクセス線経由の列車に乗車する場合とでは、乗車するホームが異なり、京成本線経由の列車に乗車する場合には、通常の出入口改札を通った後に、さらに中間改札を通る仕組みとなっています。

 中間改札を通ってホームに着き、列車が到着するのを待ちますが、僕は京成成田方からAE形が入線してくるのかと思っていました。しかしモーニングライナー206号の車両は、どうやらスカイライナーとして到着した列車の折り返し運用となっているようで、成田スカイアクセス線用のホーム位置に停車していたAE形が、京成本線用のホーム位置まで移動してきました。

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モーニングライナー号で使用されている京成AE形成田空港駅 2019/12/29

 いつものように車両を撮影しましたが、先頭車両には「ありがとう3500万人達成」のデザインが施されていました。どうやら、現行の3代目スカイライナーの利用者が3,500万人を達成した記念に、AE形のうち1編成だけにヘッドマーク的なデザインが掲出されているようで、今回はたまたまその編成に乗車することになりました。

 年末の朝に成田空港を発車するモーニングライナーに乗車する方はどれほどいるのか想像がつきませんでしたが、始発の成田空港駅発車時点では10%未満という感じでした。成田空港駅からは、もちろんスカイライナーで京成上野に向かうこともできますが、土休日ダイヤで見ると、モーニングライナー206号の次に発車するスカイライナーは8:30発の4号(京成上野9:22着)になってしまいます。そのため、着席して京成上野まで移動したいという空港利用者の中に、モーニングライナーを利用する方が一定数はいるのかと思っていましたが、実際にはそこまで多くはないようです。これはちょっと意外でした。

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 実際に使用したモーニングライナー券です。券面はスカイライナー券と変わりありません。窓口で係員の方に窓側座席を希望したところ、3A席になりました。ちなみに、モーニングライナー206号の京成上野着は9:04なので、乗車時間は1時間20分ということになります。成田スカイアクセス線経由の場合と比べると、かなりの乗車時間となりますが、僕のような乗り鉄旅をしている人にとっては、特急料金(1,250円)よりもかなり安いライナー料金(420円)で、しかも長時間乗車できるというのは、まさに一石二鳥でした。

「ムーンライトながら」について考える

 僕は子供の頃から鉄道好きで、小中学生時代は同学年の友達を誘ったり誘われたりして、近場の乗り鉄旅をしたりしていました。その後、高校から大学、そして社会人と進むにつれて他のことにも興味が広がり、ほとんど乗り鉄をしてきませんでしたが、数年前にyoutube動画に触発されて再び乗り旅に関心を持つようになり、2016年の夏に初めて青春18きっぷを購入して本格的な乗り鉄旅をスタートさせました。その際、「ムーンライトながら」にも初めて乗車し、以降は、年3回の各シーズンにほぼ1度は利用しています。

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ムーンライトながら号に使用されている185系:東京駅 2019/12/29

 僕の場合、「ムーンライトながら」には豊橋駅から東京駅までの上り列車で乗車することになるため、ちょうど1日分の18きっぷで利用できるというメリットがあります。過去には「ムーンライト信州」「ムーンライトえちご」「ムーンライト九州」など、数々の夜行快速列車が運行されていましたが、歳月を経るごとに次々と廃止され、現在は「ムーンライトながら」だけが辛うじて生き残っているという状況です。こうした希少性に加え、青春18きっぷで利用可能な安価な移動手段として、鉄道ファン以外の一般ユーザーからも高い支持を得ています。そのため、指定席券は発売と同時にほぼ売り切れるほどの人気列車ですが、当日、駅に行ってみると指定席券は全て発売済みと案内されているにも関わらず、実際の乗車率は70%程度という不思議な現象が見られます。

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 もちろん、急な都合で直前に乗車できなくなるなどのケースも考えられることから、乗車率100%ということはあり得ないとしても、70%程度となってしまう理由は実際に乗車してみるとよく理解できます。「ムーンライトながら」の車内では、一部の乗客が2人掛けの席を我が物顔で1人で独占している光景を目にします。隣の席に他の人がこないことを前提としているようで、要は1人でペアとなる2席(A席・B席またはC席・D席)分の指定席券を購入しているものと思われます。そうした行為は裏技でも何でもなく、乗車マナー違反であるとともに、着席していない座席の指定席券は無効となる筈です。しかし、長距離の移動を少しでも快適に過ごそうという魂胆なのか、こうした「2席厨」が必ず存在します。

 こうした2席厨のせいで指定席券を入手できない方も少なからず存在する以上、利用者の良識に頼るだけではなく、何らかの対策も必要ではないかと思います。色々な方法が考えられると思いますが、多額のコストをかけず、また18きっぷの利便性が損なわれることがないよう、例えば、次のような座席指定方法に切り替えるといったことではどうでしょうか?


◆2席分を同時に発券する場合

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◆3席分を同時に発券する場合

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 つまりは、ペア席で発券しないように改めるということです。
 2席厨ではなく、友人同士2名で利用する時にまでペア席が確保できないのはいかがなものか?との意見もあるかと思いますが、2席厨をこのまま放置し続けることによるJR側と良識ある利用者側の多大な損益を考慮すれば、やむを得ない措置ではないかと思います。

 そもそも「ムーンライトながら」に使用されている185系は引退目前で、車両が更新されずに廃止されるのではないかとの噂も耳にします。僕としては、発券に多少の制約がかかろうとも、唯一の夜行快速列車として存続させてもらいたいと願っています。