レン鉄★気ままな乗車記

乗り鉄&きっぷ鉄の管理人が、備忘録を兼ねてブログに綴っていきます。

乗り鉄&きっぷ鉄っぽい管理人が、乗り鉄旅行とそこで使用したきっぷを思うがままに記録したブログです。
どうぞ、お付き合いください。
 

城北線と愛知環状鉄道線に乗車してみた

 月日の流れは早いもので、2021年もすでにゴールデンウイークを迎えました。ゴールデンウイークと言えば、昨年は新型コロナウイルス感染症の感染拡大による緊急事態宣言の真っ只中で、日常生活のために必要な場合を除いて、外出すること自体を自粛するという状況であったことから、当然ながら、全く乗り鉄旅に出掛けることができませんでした。昨年の時点では、2020年限りの我慢のゴールデンウイークかと思っていましたが、実際には今年のゴールデンウイークになっても事態に収束は見えず、愛知県においても「まん延防止等重点措置」が適用され、特に夜間や県をまたぐ不要不急の移動自粛が強く求められるところです。僕としては、「Go To トラベルキャンペーン」の再開は難しいとしても、日帰り可能な範囲で乗り鉄旅ができるようになるといいなと期待していたのですが、残念ながら、今年のゴールデンウイークも、そうした旅を楽しむことはできそうにない状況です。

 では、こうした最中にあって、大型連休をどのように過ごそうかと考えた時、県内にある鉄道路線の中に、まだ乗車したことがない路線があることを思い出しました。それは、愛知県内で唯一の非電化旅客路線である城北線です。城北線は、愛知県民にとっても“超マイナー路線”であり、その存在すら知らない人も少なくないと思います。そしてもう一つ、愛知県内には、第三セクター鉄道路線である愛知環状鉄道線(愛環線)もあります。僕はこれまでに、愛環線のうち一部区間のみを乗車したことはありますが、ここ10年くらいは利用した記憶がなく、また、全線を乗り通しての乗車経験もありません。そこで今回は、この2路線にスポットを当て、両路線の全線を完乗してみることにしました。その行程は次のとおりです。

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 大雑把な行程としては、県西部に位置する尾張一宮駅を出発し、県東部の拠点である豊橋駅を目指すものです。尾張一宮駅からは東海道本線に乗車して枇杷島駅まで行き、枇杷島駅から勝川駅までは城北線に乗車します。勝川駅からは中央本線高蔵寺駅まで行き、高蔵寺駅から岡崎駅まで愛環線に乗車します。そして、岡崎駅から豊橋駅までは、再び東海道本線に乗車するという行程で、JR東海道線城北線JR中央線→愛環線→JR東海道線の順に乗り継いで行くことになります。なお、利用する乗車券については後で紹介しますが、通過連絡運輸の都合上、尾張一宮駅から豊橋駅までの行程を1枚のマルス券で発券してもらうことはできないため、途中の春日井駅で分割することにしました。そのため、一旦、春日井駅で途中下車することとします。

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城北線で使用されているキハ11形300番台:枇杷島駅勝川駅 2021/5/3

 JR区間については割愛し、枇杷島駅から先を紹介します。
 枇杷島駅は、東海道線の中でも普通列車のみが停車する駅です。JR東海城北線を運行する東海交通事業JR東海の完全子会社)の共同利用駅であり、改札口も共通となっています。枇杷島駅を含む東海道本線の名古屋-稲沢間は、旅客用の線路とは別に貨物用の線路(通称「稲沢線」)があり、旅客用の列車と貨物用の列車とで使用する線路が分けられていますが、今回乗車する城北線用のホームは、この貨物用の路線の一部を間借りするような形で、稲沢線の本線上に設けられています。長編成のコキやタキが行き交う路線上に、有効長が2両程度の小さなホームが設置されている光景は、何だかプラレールのようでした。

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 枇杷島駅のホーム端から稲沢駅方面を見たところです。向かって右の2本が東海道線の旅客用の線路で、その左側を走るのが貨物用の線路です。城北線の線路はこの先で貨物線から分岐し、架線のない非電化区間となります。

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キハ11形300番台の車内座席

 そもそも城北線は、JR東海が第1種鉄道事業者として所有し、その子会社である東海交通事業が第2種鉄道事業者として運営している路線であり、車両についても、JR東海から購入したキハ11形300番台が使用されています。ここまでJR東海との関連が強い路線であれば、いっそのこと、JR東海が直接運営すればよいと思うのですが、Wikipediaなどで調べて見ると、借損料に関連する様々な事情があるようで、少なくとも後10年以上は、現状の運営方法が継続するようです。

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 上の写真は、走行中の車内から後方を撮影したものです。見てのとおり線形が非常によく、見事な高架のストレートです。ローカル線仕様のキハ11形が1両単独で運行するには、あまりに不釣り合いな設備です。せっかくなら、長編成のキハ85系が最高速度で駆け抜ける姿を見てみたいものです。

 城北線は11.2kmと短く、全区間を乗車しても16分程度です。乗車したと思ったら、あっという間に勝川駅に到着しました。乗車した枇杷島駅は、東海道線と同一の駅舎になっていましたが、勝川駅は、中央線の勝川駅から500mくらい離れているため、線路が繋がっていないどころか、単なる乗り換えですら10分程度の時間を要する状況となっています。中央線の勝川駅付近が立体高架化された際、勝川駅城北線との接続を想定した構造とされ、ホーム上にも城北線用のスペース(ただし線路は未敷設)が確保されるなど、将来的な乗り入れを意識したものとなりましたが、現状からすれば、何だか中途半端な状態のまま運用されている印象が残ります。

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城北線勝川駅(高架上にホームあり)

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JR勝川駅の上下線の間にある城北線用のスペース

 ちなみに利用状況ですが、枇杷島駅を発車する時点での乗客は僕を含めて6人でした。ホーム上には、僕と同じように写真撮影をしている同業者と思われる方もおり、また、途中駅では、生活利用している地元の方の乗降もあって、空気輸送といったことはありませんでした。

 春日井駅では、次に使用する乗車券を購入するため、一旦下車します。予定では春日井駅での滞在時間を20分ほど確保していましたが、乗車券もスムーズに購入することができたため、予定より少し早い列車に乗車することができました。そして高蔵寺駅からは愛環線に乗車します。

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愛環線で使用されている2000系:高蔵寺駅岡崎駅 2021/5/3

 高蔵寺駅は、JR東海愛知環状鉄道の共同利用駅となっており、改札口も分けられていません。実は以前、高蔵寺に住んでいた友人Dと旅行に行く際には、高蔵寺駅を待ち合わせに利用したこともあり、僕にとっては、いろいろと思い出のある駅のひとつです。中央本線普通列車を中心に、高蔵寺を始発又は終着とする列車が設定されており、ニュータウンからの通勤・通学客だけでなく、駅前のターミナルを発着する路線バスの起点ともなっており、春日井市の駅としては最多の利用者数となっているそうです。快速列車の停車駅になっていますが、瑞浪や中津川に向かう下りのホームライナーと特急「しなの」は全列車が通過します。

 高蔵寺駅では、愛環線の列車は1番線を発着します。高蔵寺駅には当初の予定よりも10分以上早く到着したため、愛環線も1本早い列車に乗車できました。当初乗車する予定だった列車は、途中の北野桝塚で車両交換を行うものでしたが、結果的には1本早い列車に乗車できたので、終点の岡崎駅まで乗り換えなしで行くことができました。

 乗車する車両は愛知環状鉄道2000系です。第三セクター会社である愛知環状鉄道株式会社が所有する車両ですが、どこか見覚えがある外観となっており、よく観察するとJR東海313系にそっくりです。愛環線では、車両の新造に当たり、既存の313系と部品の共通化を図ることによってコストを抑え、外装のカラーリングのみオリジナルのものを採用しています。

 ちなみに外装のカラーリングには、色調の異なる緑色を組み合わせたタイプと青色帯タイプの2つがあり、一部の編成は、落成時の緑色のカラーリングから青色帯に変更されていますが、今回乗車したG10編成は、現在も緑色バージョンのままです。この緑色バージョンですが、僕はこのタイプのカラーリングを、勝手に”ミニ四駆”と名付けています。左右非対称の炎柄のようなデザインが、何となく「爆走兄弟レッツ&ゴー」に登場するマシンを連想させるからです。皆さんは、どう思いますかね?

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2000系の車内座席

 愛環線は、春日井市瀬戸市豊田市そして岡崎市を結んでおり、沿線住民(特に学生)の利用も多い路線です。休日でもそれなりに利用客があるようで、日中は2両1編成での運行が基本ですが、今回の乗車した列車では、一部の区間で立ち客もいました。国内の第三セクター鉄道の中でも数少ない黒字路線ということで、最近では鉄道系ICカードの利用が可能となるなど、利便性も向上しており、こうした取組がさらに乗客アップに繋がるという好循環を産み出すことになっているのだと感じました。

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 今回の移動で利用した乗車券です。先にお話したとおり、城北線と愛環線を経由する尾張一宮から豊橋までの乗車券は発券されないため、途中の春日井で分割しています。左のきっぷは経由に城北線を含んでいますが、マルス券には路線名は表示されていません。また、「乗換案内」など一部の時刻表アプリでは、城北線を通過連絡する場合のJR線区間の運賃が正しく計算されないようで、僕が使っている「乗換案内」では880円と誤表示されました。JR線区間の合算距離が16.2kmの330円で、城北線区間が450円なので、正しくはマルス券に表示されたとおり780円です。

 右のきっぷは経由に愛環線を含んでおり、マルス券にも印字されています。こちらの春日井ー豊橋間については、「乗換案内」も愛環線の通過連絡に対応していて、正しい金額が表示されました。愛環線を全線乗車すると片道890円ということで、春日井から豊橋までの運賃は1,570円です。春日井から金山経由で豊橋まで行く場合(つまりすべてJR線を利用する場合)の運賃は1,520円なので、それほど金額差はありませんが、乗車時間では、金山経由の場合が乗り換え時間を含めて約1時間20分なのに対し、愛環線経由の場合だと2時間以上かかります。つまりは、金額も時間もかかるルートとなり、一般に利用する方はほどんどいないと思いますが、乗り鉄&きっぷ鉄としては、なかなか貴重な経験ができたのではないかと思っています。

急行「飯田線秘境駅号」に乗車

 飯田線には、「秘境駅」と呼ばれる駅がいくつか存在します。「秘境駅」という言葉に明確な定義がある訳ではないようですが、一般的には、鉄道路線でしか辿り着けない場所や、周囲に人家のない人里離れた場所にある駅を指すということで問題ないと思います。日本各地にはさまざまな秘境駅があり、JR北海道室蘭本線にある小幌駅や、JR四国土讃線にある坪尻駅などは、テレビ番組や鉄道系youtuberなどによる紹介動画などでもたびたび取り上げられたことから、その駅名を耳にしたことがある人も多いと思います。ちなみに僕は、小幌駅には行ったことはありませんが、坪尻駅は「四国まんなか千年ものがたり」に乗車した際に、停車時間を利用してホームに降り立ったことがあります。駅周辺には、人家どころか構造物がほとんど見当たらず、駅自体が周囲の自然に溶け込んで一体化しているような、不思議な感覚を味わったことを覚えています。こうした秘境駅を独自の基準で順位付けし、ランキング形式で紹介しているWebページがあり、「秘境駅へ行こう!!」の著者である牛山隆信氏による最新のランキング(2021年度版)によると、坪尻駅は第4位となっています。

 このランキングをさらに詳しく見ていくと、飯田線の駅がいくつか登場します。第3位は小和田駅、第5位は田本駅、第6位は金野駅、そして第10位は中井侍駅と、上位10駅のうち飯田線の駅が4駅も占めています。さらに、第13位に為栗駅、第20位に千代駅がランクインし、飯田線の「秘境駅」度は全国でもトップクラスであることが分かります。

 こうした秘境駅を訪れる鉄道ファンはいると思いますが、秘境駅というだけあって、運行されている列車は非常に少なく、しかも普通列車しか停車しないために、乗降可能な本数が一日数本だけという駅がほとんどです。そのため、限られた時間の中で、定期運行されている列車を使って秘境駅を訪れるというのは難しく、その困難さが、さらに秘境度合いを高めていると言えます。真の秘境駅ファンであれば、こうした難関を乗り越えてこそ、達成の喜びがあると言えるのでしょうが、もっと気軽に秘境駅巡りを楽しみたいというユーザーも少なくないはずです。また、「秘境駅マニア」とまではいかないまでも、観光気分で効率的に秘境駅巡りができる列車が運行されていれば、一度くらいは参加してみたいという方もいると思います。

 そんな思いを受けて、飯田線にある秘境駅を巡るための列車として運行を開始したのが、「飯田線秘境駅号」です。2010年のゴールデンウィークに運行されたツアー参加者用の団体臨時列車が好評だったことを受け、以降は、ツアー参加者以外でも、乗車券類を駅の窓口で購入することで乗車可能な列車として運転されるようになりました。今では毎年、春と秋の行楽シーズンに数日間、週末を中心に臨時列車として運転されています。昨年は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、春季の運行がすべて中止となってしまいましたが、秋季には、運行開始から10周年を記念した「10周年飯田線秘境駅号」として運転されました。

 秘境駅を巡るという、ちょっと変わったコンセプトで運行される列車ですが、様々なメディアで取り上げられることも多く、鉄道ファン以外の方からも人気を博しています。また、車窓から天竜川沿いの風光明媚な景観を堪能できるとあって、沿線の景色を楽しみたいという観光客の利用もあるようです。こうした人気に後押しされながら、JR東海ツアーズを始めとする旅行会社は、「飯田線秘境駅号」への乗車を組み込んだ旅行商品を発売しており、秘境駅号の多くの座席は、旅行会社向けのツアー用に割り当てられているのが現状です。そのため、駅の窓口で一般に発売される座席数は少数で、個人で指定席券を確保するのは相当困難だと聞きます。twitterなどを見ると、過去には「10時打ち」しても確保できなかったという声も聞かれました。

 そんな「飯田線秘境駅号」ですが、僕はこれまで一度も乗車したことがありません。実は昨年の秋季に「10周年飯田線秘境駅号」に乗車しようと思っていたのですが、指定席券の手配が発売開始日より数日遅れてしまい、結局、キャンセル拾いも含めて指定席券を確保することができませんでした。そして2021年春季になり、例年どおり「飯田線秘境駅号」が運転されることが発表されました。運転日は、4月10・11日(土・日)と16・17・18日(金・土・日)の5日間です。今回も発売開始日直後の機会を逃してしまい、指定席券は入手できないかなと諦めかけましたが、3月下旬のとある日、もしかしたら団体枠の開放があったかもしれないと思って窓口で確認したところ、運よく11日(日)の飯田→豊橋間に空席があったため、速攻で指定席券を購入しました。窓口の方によれば、数日前までは空席がなかったとのことで、やはり団体枠の開放があったようです。何はともあれ、貴重な指定席券が確保できたことから、今回は飯田線秘境駅を存分に味わう乗り鉄旅を楽しむことにしました。

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飯田線秘境駅号に続いて飯田に向け発車する伊那路号:豊橋駅 2021/4/11

 まずは、始発の飯田駅まで行くため、豊橋から下りの飯田線に乗車します。時刻表で調べて見ると、秘境駅号の発車時刻に間に合うように、豊橋から普通列車を乗り継いで飯田まで行くこともできるようなので、当初は、のんびりと普通列車で行こうかと考えていましたが、直前に考え直して、特急「伊那路」を利用することにしました。「伊那路」に乗車するのは久しぶりで、以前に乗車したときは新城→豊橋間だったため、新城以北の区間では初めてになります。

len-railway.hatenablog.jp

  「伊那路」は普段、373系3両で運転されており、そのうち1号車のみが指定席で、2・3号車は自由席となっていますが、例外的に2・3号車のコンパートメント席だけは、指定席となっています。さらに秘境駅号の運行日など、多くの利用が見込まれる日には、2号車の通常座席も指定席に変更されます。数日前に駅の指定席券売機で4月11日の伊那路1号の指定席の発売状況を確認したところ、1号車、2号車ともかなり余裕のある状態でした。当日になって、発車30分くらい前に豊橋駅の窓口で再度聞いてみると、普通座席とコンパートメント席のどちらにも空席があったため、今回はコンパートメント席を利用することにしました。コンパートメント席は、4人掛けのボックスタイプの座席ですが、座席単位で指定席券を発売するため、場合によっては、他の乗客と相席になる可能性があります。しかし、コンパートメント単位で空きがあるとのことだったため、おそらく相席になることはないだろうと判断し、ゆったりできるコンパートメント席を選んだという訳です。

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 僕は、373系のコンパートメント席が結構お気に入りで、静岡地区のホームライナーを利用する際、空きがあれば、コンパートメント席を利用することが多いです。大型のテーブルが備え付けられているため食事をしたりするのにも便利で、また、車端部に位置するため人の行き来が少ない点も、コンパートメント席の利点だと思います。

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 ちなみに豊橋駅では、「飯田線秘境駅オリジナル弁当」を販売しています。秘境駅号の運行日限定というわけではないようですが、せっかくの機会なので「伊那路」の車内で食べようと購入しました。この弁当のどういったところが秘境駅オリジナルなのかは、よく分かりませんでしたが、内容は松花堂風の幕の内弁当といった感じで、いろいろなおかずが盛り込まれており、どれも美味しかったです。価格は税込み1,130円です。

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 写真は「飯田線秘境駅号」です。上の2枚は豊橋駅で、下の2枚は飯田駅で撮影したものです。僕が乗車する秘境駅号は、飯田発の上り列車ですが、同じ秘境駅号の下り列車が豊橋駅を9時50分に発車するため、その発車直前の様子も撮影しました。秘境駅号で使用されている車両は、特急「伊那路」と同じ373系です。

 JR東海では、こうしたイベント列車に373系を使用することが多く、中央線の「中山道トレイン」や身延線の「ゆるキャン△梨っ子号」も373系で運行されました。僕はこれまで、373系には何度も乗車しており、今回も伊那路1号に乗車するため、車両自体に目新しさはありませんが、イベントにあわせた専用のヘッドマークが掲出されていると、何となく特別感のようなものがあります。

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 ちなみに今回乗車する上りの秘境駅号の停車駅は、天竜峡千代金野田本為栗平岡伊那小沢中井侍小和田浦川そして終点の豊橋で、このうち赤字の7駅が秘境駅ということです。種別は急行ですが、秘境駅を巡ることをメインとするイベント列車のため、特急停車駅である豊川や本長篠などは上下列車とも停車駅となっていません。また、秘境駅の各駅では、5分から15分程度の停車時間が設定されており、平岡駅では地元の特産物の販売なども行われていました。

 

千代駅

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金野駅

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田本駅

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為栗駅

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伊那小沢駅

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中井侍駅

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小和田駅

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 せっかくの秘境駅を巡る列車ということで、それぞれの停車駅では、駅周辺の様子を見学したり、写真を撮影したりしました。その中でも一番印象的だったのが小和田駅です。まさに日本を代表する秘境駅と言える駅ですが、単純に殺風景といった感じではなく、古びた木造駅舎と山深い周辺の景色が広がっており、まるで数十年もの間、時間が止まっているかのような光景でした。また、田本駅は、両側をトンネルに挟まれており、さらにホームの背後には大きなコンクリート壁が立ちはだかるという狭小空間に位置する駅でした。為栗駅では、ホーム上から新緑の天竜川の風景を眺めることができ、どの駅でも秘境駅号ならではの貴重な経験ができました。

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 飯田駅発車後、すぐに乗車証明書の配布が始まりました。こうした証明書や記念乗車証は、ポストカードサイズの1枚ものがほとんどですが、今回いただいた乗車証明書は二つ折りになっており、開いてみると、中井侍駅駅名標と周囲の風景が立体的に飛び出す仕組みとなっていました。

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 乗車券は、豊橋-飯田間を含むJR東海の西側区間が1日乗り降り自由となる「青空フリーパス」を利用しました。青春18きっぷと異なり、別に特急券急行券を購入することで、特急・急行列車にも乗車可能なため、今回のような乗り鉄旅にはぴったりです。フリーパス区間に比べて、実際に乗車する区間が限定的になってしまいますが、豊橋-飯田間の普通運賃は片道で2,640円であるため、今回の旅行行程でも十分に元が取れます。
 あわせて往路の伊那路号の特急券と、復路の秘境駅号の急行券も紹介します。伊那路号は、コンパートメント席を利用したため、列車名の後ろに(コ)と記載されています。

 そして気になる乗車率ですが、「飯田線秘境駅号」と言えば、先にお話ししたとおり、指定券の発売直後に満席となってしまうこともある中、今回乗車した上り列車は、おおよそ50%程度といったところでした。僕は窓側のA席でしたが、隣のB席は終点まで空席のままでした。周りの様子を見ても、相席となっている人はいなかったように思います。どうやら、旅行会社によるツアー客がいなかったようで、その影響が大きかったようです。おかげで、あまり気兼ねし過ぎることなく、ゆったりとした秘境駅の旅を楽しむことができました。

北陸本線と高山本線を利用した富山往復乗り鉄旅

 今季はすでに4回、青春18きっぷを利用した乗り鉄旅に出かけました。その内容を振り返ると、姫路・岡山方面(新快速Aシートに乗車)、軽井沢・長野方面(しなの鉄道「軽井沢リゾート列車」に乗車)、首都圏方面(横須賀線E235系1000番台グリーン車に乗車)、関西方面(271系「はるか」に乗車)となっており、日帰り可能な範囲で様々な地域に足を延ばすことができたと思います。今季の乗り鉄旅で初めて利用した路線や初めて乗車した車両もあり、一つ一つの旅が思い出に残っています。

 そして、今季の青春18きっぷを利用した乗り鉄旅も、ついに最後の1回となったわけですが、その行き先は北陸にしました。特にお目当ての列車があるわけではありませんが、日帰りの乗り鉄旅にはちょうどいい距離感であることと、まだ乗車したことがない高山本線の一部区間(富山-飛騨古川間)にも乗車してみたいと思い、久しぶりに富山を目指すことにしました。名古屋方面から富山に行く経路としては、米原経由で北陸本線(+北陸新幹線)を利用するルートと、岐阜から下呂・高山を経由する高山本線を利用するルートがあるため、どの経路でも乗車可能な青春18きっぷの強みを活かし、往路は北陸本線を利用し、復路は高山本線を利用することにしました。これらの区間には、特急「しらさぎ」や特急「ひだ」が運行されていますが、今回はどちらにも乗車しません。青春18きっぷを利用する乗り鉄旅ということで、青春18きっぷが利用できない金沢-富山間のみ新幹線に乗車して、その他の区間はすべて、普通(快速)列車を利用することにしました。具体的な旅行行程は、次のとおりです。

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 行程としては、往路で高山本線を利用して富山まで行き、北陸新幹線で金沢まで移動して、金沢から北陸本線を利用して米原を目指す「反時計周り」のルートも考えられます。しかし、事前に時刻表で調べたところ、「反時計周り」のルートではうまく乗り継ぎができないことが分かり、今回は「時計回り」ルートを選択しました。なお、金沢-富山間では、IRいしかわ鉄道・あいの風とやま鉄道を利用する方法もありますが、まだ乗車したことがない「つるぎ」号に乗車してみようと思い、北陸新幹線を利用することにしました。いつもに比べてちょっと地味な乗り鉄旅ですが、たまにはそんな旅もいいかなと思い、思いつくままに車両を撮影してみました。

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 まずは、金山から米原まで東海道本線に乗車します。これまで何度も乗車したことのある区間ですが、この区間はあまり運転本数が多くないのがネックです。また、名古屋方面から米原に向かう場合、土・休日ダイヤでは米原まで直通する列車が比較的多いのですが、平日ダイヤでは大垣で乗り換えが必要となることも多く、意外と時間もかかってしまいます。過去には、その後の乗車行程を考えて、新幹線でワープすることもありましたが、今回は、在来線でも十分に乗り換え時間が確保でき、また、平日の朝には数少ない米原まで直通する列車に乗車できる行程だったため、在来線を利用しました。

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 車両は安定のJR東海313系です。JR東海を代表する一般形の主力車両であり、ほぼすべての電化区間で活躍しています。線区によって使用される車両の番台に違いがあり、車内設備も異なっていますが、豊橋米原間では、転換クロスシート車となっているため、とても快適に移動できます。今回乗車した列車は、金山から大垣までは4両で運転されており、通勤時間帯ということもあってそれなりに混雑しましたが、大垣で前に2両連結し、終点の米原までは6両での運転でした。

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 米原から先は北陸本線に乗車します。北陸本線では、おおむね敦賀と福井で運転区間が分けられており、特急「しらさぎ」を除いて全区間を直通する列車は設定されていません。僕も今回、近江塩津敦賀、福井で乗り換えながら金沢を目指すことになります。

 米原から乗車した近江塩津行きの列車は、琵琶湖線から直通する新快速で、米原まで12両で運転されていたものが、米原で後ろの8両を切り離し、その先終点までは4両となるため、米原発車時点では予想以上に混雑しました。終点の近江塩津まで行く人が多いのかと思って様子を見ていると、途中の田村で学生らしき人が多く下車し、さらに高月で高齢者の旅行グループ(?)が下車すると、閑散とした状態になりました。ちなみに車両はJR西日本225系です。近江塩津から乗車した敦賀行きも同じ225系でした。僕は、初めて225系のフロントフェイスを見た時、角ばった厳つい印象を受けましたが、大阪環状線323系や広島地区のレッドウイングこと227系にも受け継がれるなどして、現在ではすっかり定着した感じがします。今回は、乗り換え時間の都合上、残念ながら近江塩津敦賀での写真撮影はできませんでした。

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 敦賀から金沢までは、途中の福井で乗り換えることになります。乗車する車両はどちらもJR西日本521系でした。通勤時間帯のピークは過ぎていましたが、車内はそれなりに混雑していました。地元の学生も多少はいましたが、高齢者のグループ利用が目立ちます。僕の前後の座席もこうした高齢者でしたが、楽しい旅行に話が弾むようで、車内の一部は団体旅行のバスのような賑わいでした。旅先では、ついつい開放的な気分になるのは理解できますが、他の乗客がいるということを忘れずに、周囲に不快な思いをさせることがないよう、僕自身も気をつけなければならないと、あらためて感じた次第です。

 話が逸れてしまいましたが、上の写真は福井で撮影した521系です。片側3扉の転換クロスシート車で、車内は東海道線の新快速などで活躍している223系とそっくりです。北陸本線と言えば、ひと昔前には、"食パン電車"こと419系が走っていましたが、この521系によって置き換えられ、車両性能や快適性は格段に向上しています。数年後には、北陸新幹線の延伸に伴って、敦賀-金沢間も第三セクター化されることになり、今回のように青春18きっぷを利用して乗り鉄旅を楽しむこともできなくなってしまいます。今後、三セク化による運賃改定やダイヤの変更がどのような影響をもたらすことになるのか、気になるところです。

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 北陸新幹線の金沢-富山間には、両駅間を結ぶシャトルタイプの「つるぎ」という種別があります。途中の停車駅は新高岡のみで、新幹線としては珍しい短区間での運用となっています。なぜこのような短区間での運用が設定されているのか、詳しい理由は分かりませんが、北陸本線時代に「しらさぎ」や「雷鳥」が富山発着で運転されていたため、この代替措置として設定されているのではないかと思います。使用されている車両は、「かがやき」「はくたか」と同じE7/W7系新幹線ですが、グランクラスなどの一部の車両は締め切り扱いとなっています。

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 北陸新幹線では、JR東日本E7系JR西日本W7系が共通運用されているため、JR西日本区間で完結する「つるぎ」にE7系が充当されることもあり、今回僕が乗車した「つるぎ」もE7系のほうでした。今回の乗り鉄旅では、在来線(特に北陸本線区間では乗客が意外と多かったのですが、北陸新幹線「つるぎ」はガラガラで、僕が乗車した1号車は最後まで他の乗客はいませんでした。

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 「つるぎ」は自由席で十分だろうと考えて、乗車直前に金沢駅みどりの券売機で購入しました。往復利用であれば、「金沢/富山自由席往復きっぷ」という企画乗車券があるのですが、今回は片道利用なので、おトクなきっぷの設定もなく、普通乗車券と自由席特急券の組み合わせとなりました。特急料金は1,870円で、乗車距離を考えるとちょっと高いかなと感じました。

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 富山からは、高山本線で岐阜に向かいます。富山から途中の猪谷まではJR西日本の管轄で、猪谷から先の岐阜まではJR東海の管轄となります。「ワイドビューひだ」では、1日当たり4本が名古屋-富山間を直通しますが、普通列車で猪谷をまたぐ運用はなく、必ず猪谷での乗り換えが必要となります。

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 富山-猪谷間では、JR西日本のキハ120形に乗車します。富山発車時点では、2両のワンマン列車に立ち客がいるほどの混雑状況でした。中には僕と同じ青春18きっぱーと思われる方もいましたが、多くは地元の高校生のようで、速星や越中八尾で下車していき、終点の猪谷まで乗客したのは10人もいないくらいでした。キハ120形の車内は、車端部にロングシート、中央部にボックスシートが配置されています。僕は最初、ボックス席に空きがなかったためロングシートを利用していましたが、越中八尾からはボックス席に空きができたので、ボックス席を利用することができました。ローカル線の醍醐味といえば、のどかな風景をのんびりと眺めることにありますが、やはりボックス席に座って車窓を楽しむのは気持ちがいいものです。

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 反対列車の遅れの影響で、猪谷到着が3分程遅れてしまったため、乗り換えはギリギリでしたが、島式ホームでの対面乗り換えのため、焦ることなく無事に美濃太田行きの列車に乗車することができました。ここから先は、再びJR東海管内となり、車両もJR東海キハ25形になります。この列車で一気に美濃太田まで行くことになりますが、乗車時間は4時間超えで、今回の乗り鉄旅で乗車する列車のうち、最長の乗車時間になります。そういう意味でも、できれば転換クロスシート車がよかったのですが、残念ながらロングシート車でした。

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 写真は、途中の高山での停車時間を利用して撮影したものです。フロントフェイスはまさしく"JR東海顔"で、313系とほとんど同じように見えますが、細かな部分は異なっており、特に、おでこの部分にヘッドライトがあるかどうかが区別しやすいポイントです。さすがに猪谷-美濃太田間を乗り通すのは僕一人くらいだろうと思いましたが、僕以外にも乗り通す乗客(青春18きっぱー)が数人いました。ひとり車内で「JR時刻表」をペラペラめくっている人、ほぼ100%鉄ヲタで間違いありません。

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 美濃太田に到着後、乗り換えて高山本線の終着となる岐阜に向かいます。車両はJR東海キハ75形でした。過去には、関西本線経由で名古屋-奈良間を結ぶ急行「かすが」で使用され、現在でも、一部に指定席を設定する快速「みえ」で使用されている車両だけあって、普通列車としては申し分のない車両です。車内は転換クロスシートで、窓には特急形車両のような横引きカーテンも備えられています。今回の乗車は、美濃太田-岐阜間のわずか約30分だけでしたが、もし猪谷-美濃太田区間もこの車両に乗車できたら、最高に素晴らしい乗り鉄旅になったと思います(現実的にはあり得ませんが…)。

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 岐阜では、東海道本線への乗り換え時間に余裕がなかったため、急いで撮影したのが上の写真です。岐阜到着後に再び美濃太田に引き返す運用のため、方向幕はすでに美濃太田になっています。なお、岐阜から金山までは、往路と同じく東海道本線に乗車しましたが、乗車した車両は往路と同じ313系だったため、特に写真撮影はしていません。

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 何はともあれ、当初の予定どおり、無事に北陸本線高山本線をすべて完乗することができました。これで今季の青春18きっぷを使用した乗り鉄旅も終了です。今季は、青春18きっぷ5回分の中で、一度も「ムーンライトながら」を利用しない初めての機会となりましたが、何だかちょっと寂しい感じが残る今日この頃です。

1年ぶりに運用復帰した271系「はるか」に乗車

 僕はこれまでの乗り鉄旅で、何度か“空港連絡特急”に乗車しています。国内の主要空港とその近隣都市とを結ぶJR及び私鉄の特急としては、次のようなものがあります。

◼️成田空港

 f:id:Len_Railway:20210326201018p:plain成田エクスプレスJR東日本E259系首都圏各地と成田空港を結ぶ日本を代表する空港特急。なぜかA特急料金が適用されるため、やや割高感あり

f:id:Len_Railway:20210326201043p:plain スカイライナー(京成:AE形)上野ー日暮里ー成田空港を成田スカイアクセス線経由で結び、所要時間は最短で36分(日暮里ー空港第2ビル間)

◼️関西国際空港

f:id:Len_Railway:20210326201114p:plain はるか(JR西日本281系日本が世界に誇る観光地・京都(一部は野洲)を発着。空港特急としては珍しい和風な愛称

f:id:Len_Railway:20210326201133p:plain ラピート(南海:50000系)「はるか」が新大阪を経由するのに対して、「ラピート」は難波を発着。ガンダムモビルスーツを連想させる面構えが特徴

◼️中部国際空港

f:id:Len_Railway:20210326201200p:plain ミュースカイ名鉄:2000系)中部国際空港にアクセスする唯一の空港特急。ミューチケットは距離にかかわらず一乗車につき360円と格安

 これらの5つの車両には、いずれも乗車したことがあります。どの列車も“空港連絡特急”ということで、車内に大型荷物用のスペースが設置されたり、外国語による案内表示が行われるなど、いつくかの共通点がありますが、個々の車両や運用状況を詳しく見ていくと、それぞれに違いがあります。例えば、同じJRの空港連絡特急でも「はるか」には自由席の設定がありますが、「成田エクスプレス」は全車指定席です。また、「成田エクスプレス」・「はるか」のグリーン車や「ラピート」のスーパーシートのように、他の座席よりも上位に位置する特別車両が組み込まれた車両もあれば、「スカイライナー」や「ミュースカイ」のように、座席区分のないモノクラス仕様の車両もあります。両数についても、「ミュースカイ」は最短で4両編成で運転されることがあるのに対し、「成田エクスプレス」は最長12両編成(6両+6両)で運転されることがあります。

 こうした様々な特色を持つ“空港連絡特急”ですが、ここ1年は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による国際線の大幅減便の影響を受けて、どの特急も一部運休などの対応を余儀なくされました。今年3月(JR線についてはダイヤ改正前)の状況を簡単に調べてみると、

成田エクスプレス】全54本中、36本が全区間運休、5本が区間運休
【京成スカイライナー】全82本中36本が運休
【はるか】全60本中42本が運休
【ラピート】全66本中、平日ダイヤでは34本が運休、土・休日ダイヤでは48本が運休
ミュースカイ】全63本中、平日ダイヤでは22本が運休、土・休日ダイヤでは35本が運休

となっており、相当数の特急が運休に追い込まれているのがよく分かります。JRが発表した2020年から2021年にかけての年末年始の列車利用率をみても、「はるか」は対前年比2%、「成田エクスプレス」は同3%となっており、まさに危機的な状態と言えます。新型コロナウイルス感染症の収束が見込まれない中、“空港連絡特急”はしばらくの間、こうした厳しい状況が続くものと思われます。

 そんな中にあって、僕が昨年3月から注目していたのが「はるか」です。「はるか」は、その登場時からJR西日本281系が運行を担ってきましたが、2020年3月のダイヤ改正を機に、新型車両となる271系の運用が開始されました。コロナ禍以前、「はるか」は、インバウンド需要による利用客の増や、大阪・関西万博などによる利用拡大を想定して、全ての列車を9両編成で運転することとされ、そのための新たな増備用の編成として、271系が新造されたものです。

 運用開始当初は、想定どおりに281系6両+271系3両による9両編成での運行が行われましたが、上記のとおり、新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって利用客が急激に落ち込む中、「はるか」は、9両編成での運用が見直され、4月以降は6両編成(281系のみ)で運行されることとなってしまいました。これにより、271系は営業運転開始から1か月も経たないうちに、早くも運用から離脱することになってしまったわけです。誰しも想定しえなかった社会情勢の変化によるものとは言え、運用開始直後に活躍の場を奪われるという、何とも悲運な車両となってしました。

 そして時間は瞬く間に過ぎ、2021年3月のダイヤ改正を迎えました。271系はまだまだ休車状態が続くのではないかと心配されましたが、今回のダイヤ改正を機に、「はるか」の上下それぞれ2本が再度、9両編成で運転されることになり、271系もめでたく営業運転に復帰することになりました。僕はまだ271系を見たことがなく、この機会に是非乗車してみようと思い、関西空港まで271系に乗車することにしました。

 関西空港への乗り鉄旅と言えば、4年以上前の記事で、281系「はるか」と南海50000系「ラピート」による往復乗り鉄旅を紹介しました。

len-railway.hatenablog.jp

  この時には、新大阪から関西空港まで「はるか」に乗車しましたが、僕がこれまでに「はるか」に乗車したのは、この時の1度限りです。今回は、もう少し長く乗車してみたいと思い、始発の京都から乗車することにしました。

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はるか号として運用に復帰した271系:京都駅 2021/3/27

 京都駅30番線ホームに停車中の「はるか」です。281系(1号車から6号車まで)+271系(7号車から9号車まで)となっており、グリーン車は1号車、普通車の2号車から9号車のうち自由席は5・6号車で、3・4号車と7~9号車は指定席です。271系の先頭車両前面だけでなく、比較の意味も込めて281系との連結部も撮影してみました。

 新たに製造された271系ですが、基本的なカラーリングは281系を踏襲しています。白色を基調として屋根部が濃いグレー、裾部分がブルーというデザインで、スクエアドットと呼ばれる青色の模様なども281系と共通となっています。一方、先頭車両の形状をよく見ると、「くろしお」や「きのさき」などの一部で使用されている287系にそっくりで、よく言えばJR西日本らしさが現れています。

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 ちなみに281系も271系もそうですが、現在、ハローキティのラッピングが施されています。コラボ企画などにより、一部の編成にラッピングが施されることはよくあることですが、どうやら271系は現時点で全車両ともハローキティ編成となっているようです。JR西日本では、同じハローキティをあしらった500系新幹線を運行しており、「はるか」についても、ハローキティとコラボする所以があるのかもしれません。上の写真は、281系と271系のラッピング箇所を撮影したものです。

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281系普通車の車内

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271系普通車の車内

 車内も281系と271系をそれぞれ撮影してみました。4年以上前に281系に乗車した時には、ところどころに車内設備の劣化が目についたことを覚えています。今回あらためて車内を比べると、やはり271系の進化ぶりがよく分かります。座席のモケット柄が、何となく東海道新幹線N700系グリーン車を連想させるため、見た目にも上質な印象でした。車端部にある液晶の案内表示も大きくて見やすく、Free-Wifiや各座席へのモバイルコンセントの設置によって、利便性も大きく向上しており、僕としては断然、271系の方が快適で心地いい車内だと思います。どちらの車両も同じ特急料金で利用できるため、選択可能であれば271系の方に乗車することをオススメします。また、ハローキティとのコラボは車内装飾にも施されており、ヘッドカバーにはハローキティが描かれていました。

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 「はるか」の7号車から9号車までは普通車指定席となっているため、271系に乗車するには普通車指定席を利用することになります。JR西日本区間であるため、いつものように「e5489」で特急券を購入することにしました。現在、京都ー関西空港間で「はるか」に乗車するためのきっぷには、次のようなものがあり、条件さえあえば、かなりおトクに利用することができます。

きっぷの名称 総額 運賃 特急料金 備考
通常のきっぷ 3,430円 1,910円 1,520円  
J-WESTチケットレス 2,640円

1,910円

730円 前日・当日限定
チケットレス特急券 3,230円 1,910円 1,320円  
はるか指定席きっぷ 2,700円  ー  ー  

 「はるか指定席きっぷ」は特急料金込みで2,700円で、通常のきっぷの場合と比べて2割以上安くなっていますが、現在は、これよりもさらにおトクな「J-WESTチケットレス」が設定されています。「J-WESTチケットレス」は「e5489」会員限定のきっぷですが、J-WESTカードである必要はないため、僕は今回、これを利用することにしました。乗車券は通常の1,910円ですが、特急料金はわずか730円です。新快速のAシートの指定席料金(840円)よりも安く特急の指定席が利用できるということで、この価格は破格と言っていいのではないのでしょうか。 こうしたおトクなきっぷがあるにもかかわらず、「はるか15号」の8号車に京都から乗車したのは僕1人だけでした。途中の新大阪から1人が乗車しましたが、他の号車もガラガラで、とても9両編成で運転するに相応しい乗車率ではありません。このような状況が続けば、また近いうちに、増結なしの基本編成6両だけの運用に戻ってしまうのではないかと心配でなりません。

E235系1000番台の普通列車グリーン車に乗車

  E235系は、E233系に続く次の世代を担う一般形車両(JR東日本では「通勤形」と「近郊形」を区分しない「一般形」という名称が用いられるようです。)として、JR東日本が開発・製造した車両です。E235系初となる0番台については、すでに山手線に導入済みで、それまでのE231系500番台をすべて置き換えて、現在では山手線を走行するすべての車両がE235系0番台に統一されています。車両の外観としては、無塗装のステンレス地の一部にウグイス色が配色され、これまでどおり、山手線のラインカラーを継承していますが、その中でもドット柄のグラデーション塗装された先頭車両前面のデザインが実に印象的で、見た目のインパクトから「電子レンジ」と呼ばれることもあるようです。

 そんなE235系ですが、山手線に続いて横須賀・総武快速線にも導入されることになりました。横須賀・総武快速線は、これまで、E217系で運用されてきましたが、新たにE235系1000番台を導入し、E217系をすべて置き換えるというものです。新造されるE235系1000番台は、合計で745両(基本編成が51本、付属編成が46本)にも及び、数年間かけて置き換えが進められるようですが、2020年6月には、基本編成の1本目となるF01編成が鎌倉車両センターに配置されました。その後、JR東日本管内で試運転を行うなどして、2020年12月、ついに営業運転を開始する運びとなりました。E235系1000番台の最大の特徴としては、やはり0番台にはなかったダブルデッカーグリーン車2両が組み込まれている点だと思います。事前に公表されたプレスリリースによると、シート色や車内の色合いが従来のグリーン車から変更され、また、床がカーペット敷きとなるなど、これまで以上にグリーン車らしい高級感のある内装となっているそうです。さらに、これまで首都圏の普通列車グリーン車にはなかったFREE Wi-Fiのサービスが提供され、各座席にモバイルコンセントも設置されるとのことです。

 首都圏の普通列車グリーン車が大好きな僕としては、一日でも早くE235系1000番台のグリーン車に乗車してみたいと思っていたのですが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大や、11都府県を対象とした緊急事態宣言の再度の発令などの状況を踏まえると、首都圏を目的地とする乗り鉄旅は控えるべきと考え、少なくとも緊急事態宣言が解除されるまでは延期することにしていました。こうした中、いろいろと議論はあったものの、21日に宣言が解除されたことから、青春18きっぷを利用して首都圏への乗り鉄旅に出かけることにしたものです。

 ここまではよかったのですが、いざ行程を組む段階になって考えてみると、横須賀・総武快速線の運用は、まだまだE217系の方が多く、どの列車がE235系1000番台により運用されているのか、いまひとつはっきりしません。せっかくE235系1000番台に乗車する目的で首都圏に足を運ぶ以上、確実に乗車したいと思い、事前にいろいろとインターネット上を検索してみたところ、首都圏の主要路線を走る列車の運用情報をリアルタイムで発信しているWebサイトを発見しました。これによれば、E235系1000番台の運用はある程度、固定化されているようなのですが、確実とまでは言えないようです。そこで今回は、E235系1000番台が充当される可能性が高い運用のうち、乗車可能な時間帯の2本の運用(案1:久里浜13:44発成田空港行きのうち久里浜-東京間、案2:逗子13:22発千葉行きのうち逗子-津田沼間)に目を付けておき、このどちらかに乗車することにしました。案1を優先することにしますが、案1でも案2でも乗車時間は約1時間30分で、大きな違いはありません。この2本の運用は、3月13日のダイヤ改正以降、E235系1000番台による運用が続いているため、よほどのことがない限り、変更はないと思いますが、念のため、当日の朝にもう一度、その日の運用をWebサイトで確認した後に、実際にどちらの列車に乗車するのかを決めることにしました。万が一、2本ともE217系になってしまえば、それは相当に運が悪かったと思って諦めるしかありません。ちょっとしたガチャになりますが、その結果は次のとおりです。

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横須賀・総武快速線に投入されたE235系大船駅久里浜駅 2021/3/24

 当日の朝にWebページで運用を確認し、最終的には予定どおり案1の運用でE235系1000番台に乗車することができました。大船駅逗子駅では途中の停車時間を利用して、そして久里浜駅では折り返して発車する直前の列車を撮影することができました。山手線の0番台と同様にドット柄のグラデーション塗装が施されていますが、カラーリングは従来からの「スカ色」を踏襲しているため、ひと目で横須賀・総武快速線の車両であると識別できます。E233系までの多くの一般形車両で施されていた車両側面窓下部のラインカラーの横帯について、0番台では姿を消し、ドア箇所にのみ縦方向に塗装されていましたが、1000番台では従来どおり、窓下部にクリームとブライトブルーのツートンカラーの帯が引かれており、逆にドア部分には帯が引かれていません。

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 また、ダブルデッカー構造のグリーン車は、これまでどおり、4号車と5号車に組み込まれており、編成の中でも目を引く存在となっています。グリーン車の構造自体は、先輩のE217系や、東海道線E231系E233系常磐線E531系などから大きな変更はないようで、特に外観上の目新しさはありません。新造されて間もない車両ということで、まだまだ新車の輝きが見て取れます。

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 車内ですが、今回はグリーン車に乗車する前に普通車にも乗車しました。車内を撮影する時は、他の乗客の方の迷惑にならないよう、注意しなければいけませんが、今回は途中の区間で僕1人だけになったため、気兼ねすることなく撮影できました。日中の横須賀線の車内で乗客がいない車内を撮影できる機会は、そうそうないのではないかを思います。

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階下席の車内

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階上席の車内

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 続いてグリーン車の車内です。今回は始発駅から乗車するため、平屋席、階下席、階上席のどの座席でも自由に選択することができますが、やはり景色を眺めるのに適した階上席にしました。E217系E231系E233系などでは、階上席と階下席・平屋席とで、シートのモケット色が異なっていましたが、E235系1000番台ではグレイと赤紫系のツートンカラーで統一されています。実際に乗車してみると、やはりこれまでの普通列車グリーン車との共通点が多いことが分かります。一方で、これまでの普通列車グリーン車よりもさらに上質な雰囲気が感じられました。デッキとの境に黒基調の化粧板が使われていることや、通路部分がカーペット敷きとなっていることなどが、高級感アップに一役買っているのだと思います。

 ちなみに今回乗車したグリーン車の乗車率は写真のとおりです。久里浜発車時点で4号車に乗車していたのは僕一人で、おそらく5号車には乗客が1人もいなかったと思います。おかげでグリーン車の車内もゆっくりと撮影することができました。4号車には、途中の横須賀や逗子でも乗車がなく、鎌倉でやっと数人が乗車してきた程度です。平日の日中ということで、それほど混雑する時間帯ではありませんが、青春18きっぷ利用可能期間であるにもかかわらず、これほど利用客が少ないのは意外でした。

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 グリーン券は、先にお話しした案1の列車に乗車することを想定して、あらかじめ久里浜→東京のものを購入しておきました。乗車直前に駅の券売機で購入する方法もありますが、状況によっては乗車前に時間的な余裕がないかもしれないと考えて、前日に準備しておいたものです。平日の51km以上の区間ということで、ちょうど1,000円です。今回乗車した列車は成田空港行きで、どうせ同じグリーン料金ならば、久しぶりに終点の成田空港まで行きたいところですが、帰路の時間を考えると、今回は諦めざるを得ません。成田エクスプレスの大幅運休が解消した際には、E235系1000番台のグリーン車E259系成田エクスプレスを利用した、成田空港往復乗り鉄旅をしてみたいものです。

しなの鉄道SR1系「軽井沢リゾート号」に初乗車

 先週は、今季の青春18きっぷを利用した乗り鉄旅の第1弾として、山陽方面(姫路・岡山)に行ってきましたが、今回は第2弾として、軽井沢・長野を目指すことにしました。長野県は県域がとても広く、JR線の在来線だけを見ても、中央本線信濃境~田立間)、小海線(野辺山~小諸間)、篠ノ井線全線、大糸線(松本~北小谷間)、信越本線篠ノ井~長野間)、飯山線(豊野~森宮野原間)、飯田線中井侍~辰野間)があり、その他の私鉄・第三セクターでも、しなの鉄道長野電鉄アルピコ交通松本電鉄上高地線)、上田電鉄があります。僕はこれまでの乗り鉄旅で、これらの中のいくつかの路線に乗車していますが、まだ乗車していない区間もあり、JR線では小海線佐久平~小諸間と大糸線の白馬~北小谷間には乗車したことがありません。また、私鉄線・第三セクター線では、しなの鉄道のうち北しなの線(長野~妙高高原間)と、長野電鉄アルピコ交通には乗車したことがありますが、しなの鉄道のうちしなの鉄道線(軽井沢~篠ノ井間)と上田電鉄には全く乗車したことがありません。

 これらのうち、しなの鉄道は、昨年夏、新型車両であるSR1系を導入しました。そしてこのSR1系を使用し、平日には通勤用の『しなのサンライズ号』『しなのサンセット号』を、そして土休日には観光での利用にも適した『軽井沢リゾート号』を、それぞれ有料のライナー列車として運行しています。そこで今回の乗り鉄旅では、まだ乗車したことのないしなの鉄道線区間で、SR1系による『軽井沢リゾート号』に乗車する乗り鉄旅に出かけることにしました。

 『軽井沢リゾート号』には、しなの鉄道線(JR信越本線区間を含む。)と北しなの線を直通する1号及び4号と、しなの鉄道線の軽井沢とJR信越本線の長野間を結ぶ2号及び3号とがあり、今回は旅行行程の都合上、軽井沢発長野行きの「軽井沢リゾート3号」に全区間で乗車することにしました。その旅行行程は、次のとおりです。

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 全体をとおして、重複する区間がほどんどない一筆書きルートです。豊橋から東海道本線で東に向かい、熱海での乗り換えを経て、小田原で湘南新宿ラインの高崎行きに乗車します。高崎からは信越本線で横川まで行き、ここからはバスに乗り換えて軽井沢駅を目指します。軽井沢からは、しなの鉄道の乗車券を購入して「軽井沢リゾート3号」に乗車し、終点の長野からは中央西線で金山を目指すというものです。途中で路線バスを利用する行程となっていますが、横川-軽井沢間は、長野新幹線の開業に伴い鉄道路線が廃止されてしまったため、その代替となる路線バスに乗車するものです。また、帰路の長野-上松間では、時間や運転本数の都合上、特急「しなの」を使ってワープすることにしました。なお、今回乗車するJR線+しなの鉄道線の総路線距離は751.1kmで、1日の移動距離としては、なかなか乗りごたえのある乗り鉄旅になっています。

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軽井沢リゾート号で使用されているSR1系:長野駅軽井沢駅 2021/3/14

 東海道本線高崎線、横川までの信越本線区間は割愛して、軽井沢から乗車したしなの鉄道SR1系による「軽井沢リゾート3号」を紹介します。上の写真は、下車後の長野駅と乗車前の軽井沢駅で撮影したものです。軽井沢駅は、JR東日本北陸新幹線の途中駅のひとつですが、在来線(しなの鉄道線)では、始発(終着)駅となっています。在来線ホームは1面2線となっており、ホーム上からは、一見すると、さらに東へ線路つながっているような錯覚を覚えてしまいますが、さきほどお話ししたとおり、実際には横川-軽井沢間の鉄道路線は廃止されているため、現在では、在来線を利用して東に向かうことはできません。

 車体の外観を見ると、濃い鮮やかな青色に、緑と水色のラインが引かれた爽やかで清々しいイメージで、高原や清流を連想させるデザインとなっています。また、有料のライナー運用を念頭に製造された車両ということもあり、車両前面や側窓中央部に引かれた細いゴールドのラインが、さりげなく気品を感じさせます。

 しかしこの車両、実は、しなの鉄道のオリジナルではなく、JR東日本E129系をベースに製造されたものであり、その車体形状は、新潟地区でよく見かけるE129系そのものです。先頭車両前面の行先表示器や前照灯、運転台周りの黒枠塗装部分などを見比べてみると、確かにE129系との共通点が見つかります。外観色もJR車両のままだとインパクトに欠けてしまいますが、部品の共通化などによってコストの削減を図りながらも、しなの鉄道独自のカラーリングにすることで、JR車両との差別化を図っているようです。

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2号車のテーブル付き座席

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2号車の普通座席

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1号車の車内

 SR1系2両編成のうち、軽井沢方の1号車は通常の座席車で、長野方の2号車には一部に固定テーブルが備え付けられた座席が用意されています。「軽井沢リゾート号」に乗車するには、乗車券の他に列車指定券(500円)が別に必要となりますが、さらに“軽食付プラン”(軽食セット1,500円+列車指定券500円の計2,000円)というものも設定されており、このプランを予約した場合には、テーブル付の座席が割り当てられるという仕組みになっています。僕は今回、乗車のみのプランで利用するため、テーブル付きではない通常の座席を利用することになります。

 車内設備ですが、まずは座席が特徴的で、ロングシートにも転換可能なデュアルシート構造となっています。おそらく間合い時に通常の普通運用に入ることを想定し、その際には通勤通学のラッシュにも対応できるよう、ロングシートに転換させるものと思います。今回は有料ライナーとしての運用のため、列車の進行方向に向けた座席配置となっていました。(ちなみに2号車にあるテーブル付座席は、軽井沢方向に固定されているようで、長野方面に向かう列車では、進行方向と反対向きになってしまうようです。)

 近年、こうしたデュアルシート構造を持った車両による有料着席サービスは、首都圏の大手私鉄を中心に一般的になりつつあります。西武のS-TRAIN(40000系)、東武TJライナー(50090系)、東急のQシート(6020系)などが有名ですね。一つの編成で二役こなすことが可能なこうしたタイプの車両は、場面にあわせて効率的に使い分けることが可能となり、有料ライナー運用の拡大にあわせ、今後も各地で導入されていくものと思われます。

 少し話がそれてしまいましたが、このSR1系は車内設備として、モバイルコンセントを装備しており、無料Wi-fiも利用することができます。このあたりの車内設備は、最近の有料ライナーとしては、もはや定番になりつつあります。

 車内にはトイレも設けられており、今回のような1時間程度の乗車には、十分な車内設備だと思います。ただ、列車指定券500円という金額は、ちょうど先週乗車した223系「Aシート」の乗車整理券と同額なため、どうしても両者を比較してしまいますが、SR1系の座席にはリクライニング機能がない点が少し残念でした。デュアルシート構造である以上、やむを得ないのかもしれませんが、“リゾート列車”の名に相応しい更なる快適性が感じられると、より魅力が高まるのではないかと思いました。

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 列車指定券の購入方法は2つあり、一つはしなの鉄道の主な駅の窓口で購入する方法で、もう一つはしなの鉄道のWebページにある専用の申し込みサイトから購入する方法です。少し調べてみると、乗車当日でも十分に座席は確保できるような状況だったため、今回は当日の乗車直前に軽井沢駅で購入しました。マルス券のような様式ではなく、レシートタイプの用紙に指定された座席位置が印字されています。ちなみにWebサイトから購入した場合、チケットレスとなるようで、紙の指定券に換券することはできないようです。

 座席位置は、できるだけ車窓を楽しむことができそうな席を事前に調べておいて、その中から1号車7Aを選びました。実際に乗車してみると、全体的に窓枠と座席位置が一致していない座席が多く、ハズレ席だと真横が窓枠になってしまいます。車窓を楽しみたいのであれば、1号車の2A、4D、7Aか、2号車の8A、10Dをおススメします。ちなみに今回乗車した「軽井沢リゾート3号」の乗車率ですが、途中駅から乗車した方を含めても10人程度で、ガラガラでした。1都3県を対象とした緊急事態宣言が再延長され、まだまだ首都圏からの旅行客が少ないことが影響しているのだと思います。

 長野で「軽井沢リゾート列車」を下車した後、特急「しなの」で帰路につきます。終点の名古屋まで「しなの」に乗車する方法もありますが、今回は青春18きっぷをメインとする乗り鉄旅ということで、「しなの」への乗車は必要最小区間とし、長野から上松までとします。今回の旅の行程上、上松まではどうしても「しなの」を利用せざるを得ず、上松からは再び普通列車に乗車して金山を目指しました。

 こうして、今季の青春18きっぷを利用した乗り鉄旅も、2回目を終えました。今回の旅では、湘南新宿ラインに乗車して首都圏を通過利用しましたが、まだ首都圏を目的地とした乗り鉄旅に出かけていません。1都3県を対象とした緊急事態宣言が一日でも早く解除され、首都圏での乗り鉄旅を楽しむことができる日が来ることを、楽しみにしている今日この頃です。

姫路から岡山に、そしてまた姫路に

 前回の記事では、青春18きっぷを利用して姫路まで乗車した新快速の「Aシート」を紹介しましたが、新快速1号の姫路到着から新快速4号の姫路発車までには、約5時間あります。この間の時間の使い方については、いろいろと考えましたが、これといった妙案も思い浮かばなかったので、安直ですが岡山に行ってみることにしました。と言っても、ただ単に姫路と岡山間を山陽本線で往復するだけでは面白くありません。そこで、姫路から姫新線に乗車して途中の佐用まで行き、佐用から智頭急行線に乗り換えて上郡を経由して岡山まで行くことにしました。僕はこれまでの乗り鉄旅で、一度も姫新線を利用したことがありませんので、乗車するいい機会になりそうです。また、佐用から先は智頭急行線を利用するため、別に乗車券を購入する必要がありますが、ちょうどいい時間に特急「スーパーいなば」があることから、あわせて特急券も購入し、これに乗車してみることにしました。智頭急行線を利用することも初めてですし、キハ187系気動車に乗車するのも初めてになります。

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 まずは、岡山から佐用まで姫新線に乗車します。以前にも紹介したことがありますが、姫路駅には「播但線姫新線のりかえ口」というものがあり、山陽本線から姫新線に乗り換える場合には、この専用の乗換改札口(中間改札口)を通る仕組みになっています。この改札口で青春18きっぷを提示してホームに上がると、すでに乗車予定の列車が入線していました。

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姫新線で活躍しているキハ122系:佐用駅・姫路駅 2021/3/5

 姫新線には優等列車が設定されておらず、普通(快速)列車のみ運行されてます。僕の勝手なイメージとしては、地方の非電化区間と言えばキハ40形・キハ47形気動車を思い浮かべるのですが、どうやら姫新線でのキハ40形・キハ47形気動車による運用はごく一部に限られているようで、今回乗車したのは、両運転台仕様のキハ122気動車でした。

 乗車計画を作成した時点では、車内はきっとガラガラだろうと予想していたのですが、実際には車内はかなり混雑しており、始発の姫路を出発する時点ですでに立ち客がいるほどでした。平日の昼間に混雑する理由はよく分かりませんが、確かに過去の乗り鉄旅でも、地方のローカル線が意外と混雑している場面に遭遇したことがあります。運転本数が限られており、しかも両数も少ないため、1両当たりの輸送人員が多くなるということなのでしょうか。

 ちなみにキハ122気動車の車内は、1+2列の転換クロスシートとなっており、いかにもJR西日本車らしい車内となっていました。

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スーパーいなば号で使用されているキハ187系岡山駅 2021/3/5

 終点の佐用で下車した後、続いて乗車したのが、JR西日本キハ187系気動車による特急「スーパーいなば」です。「スーパーいなば」は、因美線鳥取-智頭間)、智頭急行線(智頭-上郡間)そして山陽本線(上郡-岡山間)を走る特急で、1日当たり6往復が運行されています。今回乗車する佐用は、このうち智頭急行線の途中駅であり、列車の停車時間がわずかなため、ホーム上で写真を撮影する時間がなく、終着の岡山で撮影してみました。

 このキハ187系気動車ですが、ご覧のとおり、なかなかユニーク(?)な外観となっています。誰が皮肉ったのか知りませんが、“小学生の工作”と言われるほど単純で飾り気のない前面形状です。いろいろとツッコミどころがありますが、中間運転台が顔を出したかのような真っ平らの切妻面の先頭形状、黄色一色に塗装された車両前面など、一体どういったモチーフで製造されることになったのか、様々な疑問が湧いてくる車両です。最近は、私鉄のみならずJRにおいてもデザイン性を重視した車両が多い中、このキハ187系はそういった要素をかなぐり捨てて、あくまで実用性のみに重点を置いて設計・製造された車両といったところなのでしょうか。

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 なお、キハ187系気動車ですが、大出力エンジンと制御付自然振り子装置を搭載しており、最高速度は120kmで山陰本線などの高速化に大きく貢献しているそうです。特急列車としての運用の幅も広く、今回僕が乗車した「スーパーいなば」以外にも、「スーパーおき」(新山口-米子・鳥取間)や「スーパーまつかぜ」(益田・米子-鳥取間)としても活躍しており、鳥取と各都市とを結ぶ特急として運用されています。そのためか、車体の客用扉付近には、鳥取県をイメージさせる梨の花などが描かれていました。

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 事前にWebページで確認したところ、佐用駅にも「みどりの窓口」があるようだったので、乗車券と特急券は現地で購入することにしました。「スーパーいなば」は2両編成で、1号車が指定席、2号車が自由席となっていますが、自由席でも問題なく着席できそうだったので、今回は自由席を利用しました。

 実際に乗車してみると、やはり自由席の乗客はまばらでしたが、その中でも、キャリーバッグを持った若い女性が多く乗車していたのは意外でした。「スーパーいなば号」は、ビジネスで利用する方ももちろんいるでしょうが、どちらかと言えば沿線の方の移動手段としての役割が大きいのかも知れません。

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ひかりレールスター仕様の700系:相生駅 2021/3/5

 「スーパーいなば」を下車し、岡山からは、再び姫路に戻る訳ですが、始めに乗車計画を作成した時点では、帰路では山陽本線を利用する予定でした。しかし、出発前夜、過去に青春18きっぷを利用して岡山→相生→姫路を利用した際に車内が相当混雑したことを思い出し、また同じような状況に遭遇するのは避けたいと思い直して、この区間だけ新幹線を利用するように変更しました。時間的には在来線でも十分に間に合う区間を、わざわざ新幹線でワープするのはちょっともったいないかなとも思いましたが、金曜日であれば「新幹線 近トク1・2・3」という期間限定の企画乗車券が利用できるため、これを使うことに決めました。そしてこのきっぷを利用して乗車したのが700系「こだま」号です。

 東海道新幹線では、すでに700系は完全に引退してしましたが、山陽新幹線では引き続き運転されています。このうち「ひかりレールスター」と呼ばれる車両があるのですが、僕はこれまで「ひかりレールスター」仕様の700系に乗車したことがありませんでした。今回利用するきっぷは、自由席であれば「のぞみ・みずほ」「ひかり・さくら」であっても乗車することができたのですが、今回はあえて、「ひかりレールスター」車両で運用される「こだま」号を選びました。ちなみに上の写真は、通過待ちのため相生駅に10分停車した際に撮影したものです。

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 「ひかりレールスター」仕様の700系では、1号車から3号車までは一般的な新幹線と同じく2+3シート配列となっていますが、4号車から8号車までは2+2シート配列となっており、座席幅も広くゆとりのある車内となっています。山陽新幹線の8両編成の「こだま」号では、1~3号車と7・8号車が自由席で、4~6号車が指定席となるのが一般的で、これであれば、自由席であっても7・8号車に乗車すれば、2+2シートを利用することができます。しかし、あいにく僕が乗車した「こだま」号では、7・8号車も指定席となっており、自由席は1~3号車のみとなっていたため、残念ながら2+2シートを利用することはできませんでした。

 上の写真は、岡山停車中に2号車の車内を撮影したものです。車内の様子は、東海道新幹線で乗車したことがある16両編成のものとほとんど変わりません。ちなみに2号車の乗客は、僕を含めて3人しかいませんでした。

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 今回利用した「新幹線 近トク1・2・3」の実物です。最近、山陽新幹線にはいろいろな旅行商品や企画乗車券が設定されており、旅の目的にあった商品や企画乗車券を利用することで、かなりおトクに利用することができます。「新幹線 近トク1・2・3」は、山陽新幹線の1駅から3駅までの区間について、1,000円/1,500円/2,000円というキリのいい値段で自由席が利用できるというもので、一人での利用や片道利用も可能です。当日の購入はできませんが、乗車前日まで購入可能なため、今回の僕のように、直前であっても「e5489」から手続きして購入することができます。ただし、利用可能日が金・土休日に限定されており、金曜日を除く平日には利用できないため、旅行日によっては注意が必要です。