レン鉄★気ままな乗車記

乗り鉄&きっぷ鉄の管理人が、備忘録を兼ねてブログに綴っていきます。

乗り鉄&きっぷ鉄っぽい管理人が、乗り鉄旅行とそこで使用したきっぷを思うがままに記録したブログです。
どうぞ、お付き合いください。
 

大阪に行ってきました

 僕が住む愛知県では最近、連日のようにジブリパークに関するテレビ番組が放送されています。以前のニュースは、各エリアのコンセプトや現地での工事進捗状況などを伝えるものが中心でしたが、開園直前の10月には内覧会の様子が、そして11月1日の開園を迎えるとパーク内の各施設の見どころや販売グッズの紹介など、ジブリパークに関するありとあらゆる事柄が放送されるようになり、また、地元新聞でも大きく採り上げられ、どこもかしこもジブリパークの話題で持ちきりといった感じです。

 そのジブリパークは、愛知万博長久手会場となった愛・地球博記念公園(通称:モリコロパーク)内に建設された施設です。鉄道を利用して訪れる場合には、東部丘陵線(通称:リニモ)の愛・地球博記念公園駅を下車してすぐのところに公園のメインゲートがあるため、下車してすぐに入園できるというメリットがありますが、名古屋駅からの鉄道によるアクセスにはやや課題を抱えています。名古屋駅からジブリパークのある愛・地球博記念公園までのルートとしては、地下鉄東山線で藤が丘まで行き、藤が丘からリニモに乗車する方法が一般的ですが、リニモは3両編成で一度に大量の乗客を輸送することができないことから、藤が丘駅での乗り換えがボトルネックとなり、同駅での滞留が生じてしまうといった問題が懸念されています。実際、愛知万博期間中にはこうした問題が発生しました。そこで県などは、これとは別の迂回ルートとして、名古屋から中央西線高蔵寺まで行き、高蔵寺から八草まで愛知環状鉄道を利用して、八草からリニモに乗車する方法を推奨しています。前者のルート(藤が丘経由)と比べると後者のルート(高蔵寺・八草経由)は乗り換え回数が増えて時間もかかり、運賃も高くなってしまいますが、藤が丘駅での滞留問題を避けられるとしています。

 県はこうした呼びかけを行っていくようですが、僕としては正直どうなのかなと疑問に思うところがあります。まず、県として本気で迂回ルートを推奨するのであれば、JR東海と協議し、混雑が予想される時間帯を中心に、名古屋駅から高蔵寺経由で愛知環状鉄道に乗り入れる列車を設定(増便)するなどして乗客の利便性を高めるべきです。さらに藤が丘経由とした場合の運賃を基準にしたおトクな企画乗車券を発売すれば、利用客は自然と藤が丘経由から高蔵寺・八草経由にシフトしていくと思うのですが、そうした動きはありません。県などは、来場者に対して迂回ルートの呼びかけはするものの、実は鉄道での来場者対策にあまり本腰を入れているとは思えません。愛知県はクルマ社会と言われており、やはり来場者の多くは自家用車だろうと予想しているのかもしれません。

 鉄道ファンとしては、ジブリパークをイメージした列車が名古屋―八草間で運行され、パークに入園する前からジブリの世界観を味わえるような企画があれば面白いと思うのですが、今のところ、リニモ愛知環状鉄道ジブリパークをイメージしたラッピング車両が登場した以外には、きっぷ類を含めて目立った動きは見られず、ちょっと残念な気持ちです。

 ここまで、今回の乗り鉄旅には全く関係のない話を長々としてしまいましたが、最近はジブリパークの開園に限らず、全国旅行支援の影響もあって各地の行楽地やテーマパークなどはどこも盛況のようです。今回の全国旅行支援は、政府による発表から開始までの期間が短く、また、10月11日の開始早々に予算の上限に達してしまう旅行会社があるなど、様々な混乱の中でのスタートとなりましたが、こうしてコロナ禍以前の日常に近きつつあることは、やはり喜ばしいこととして、前向きに考えたいものです。

 前回の九州乗り鉄旅では、全国旅行支援の適用によって、旅行計画時よりもおトクに旅行できたことは以前の記事で紹介したとおりですが、ただ残念なことに、大手旅行会社が発売する旅行商品の状況をみると、全国旅行支援の対象となる商品は、Go Toトラベル事業の対象となった旅行商品よりも限定されているようで、例えばJR東海ツアーズでは、Go Toトラベル事業の対象となっていた日帰り1day商品はすべて全国旅行支援の対象外となっています。日帰りでの乗り鉄旅が中心の僕にとってはちょっと期待はずれな感がありますが、仕方がありません。

 ということで、全国旅行支援の対象とはなりませんが、今回は日帰りで大阪に行ってきました。大阪での滞在時間は短く、正直言ってあまり内容のあるものではありませんが、その一部を紹介したいと思います。

ひのとりで使用されている80000系:近鉄名古屋駅 2022/11/5

 往路では、いつものように近鉄特急を利用することにしました。今回の旅行を決定したのは11月2日で、出発日の直前でした。近鉄のインターネット予約・発売サービスで特急券を購入しようと確認すると、希望する時間帯に近鉄名古屋駅を発車するアーバンライナーのデラックスシートにはほぼ空きがなく、ひのとりのプレミアムシートにいたっては満席でした。それならば、まだ乗車したことがない80000系ひのとりのレギュラーシートを利用してみようとシートマップをみると、数席の空きはあるものの満席に近い状況で、窓側の座席はあと2席しか残っていなかったので、速攻で購入しました。

 近鉄名古屋駅を発車する時点では数席の空きがありましたが、次の停車駅である津駅でも多くの乗車があり、車内は満席状態となりました。ひのとりは車内設備が充実しており、レギュラーシートであっても全席バックシェルが採用され、後ろの乗客を気にせずリクライニングを利用することができます。また、プレミアムシートほどではないものの、シートピッチも1,160mmとゆったりしており、フットレストも装備されています。これまではいつもプレミアムシートを利用してきましたが、レギュラーシートでも十分に快適なことが分かりました。ただ今回のように満席状態が続くとなると、やはり独立性の高いプレミアムシートを利用したくなってしまいます。

◆串かつだるま

 大阪難波駅到着後は、少し早いですがお昼にすることにしました。今回は道頓堀にあるお店で食事をしようと決めていたので、駅から歩いて向かいましたが、街中も人で溢れかえっている感じです。コロナ拡大以降、外国人観光客を目にする機会はめっきり減っていましたが、水際対策が緩和され、訪日外国人観光客が確実に増加していることをあらためて感じました。

 そして今回の昼食で利用するのは、大阪新世界元祖と言われる串かつだるまです。以前は大阪駅ビルにあるルクアイーレ店を利用したことがありますが、その時は時間が悪かったのか入店するまでに結構な待ち時間でした。そういったこともあり、今回は少し早めに昼食にすることにしたものです。しかし店舗に到着すると、すでにかなりの行列ができており、相当待たされるのかなと心配しましたが、思っていた以上にスムーズに入店できました。一つ一つの串を注文することもできますが、セットの方が早く提供されるだろうと考え、串9本にどて煮が付いた道頓堀セットをいただきました。

◆とんぼりリバークルーズ

 串かつだるまでは、テラス席に案内されたため、道頓堀川を眺めながら昼食を楽しみましたが、目の前にあるドン・キホーテ道頓堀店付近の遊歩道沿いに船着場があり、屋根のないオープントップ型の遊覧船が発着しているのが見えました。昼食後に船着場近くにある乗船券売場をみると、すぐに乗船できるチケットを販売しており、乗船時間も20分程度とちょうどいい感じだったことから、乗船してみることにしました。天気もよく快晴で、暑くも寒くもない天候の下、ちょっとした観光クルーズは爽快で気持ちよかったです。

 航行中は、道頓堀川沿いの風景を楽しむことができますが、やはり一番有名なのは大阪を象徴するグリコの看板で、多くの方がカメラを向けていました。

東海道新幹線を走るN700:新大阪駅 2022/11/5

 道頓堀での観光を楽しんだ後は梅田に移動し、ここでちょっとしたお楽しみ(?)の後、帰路に着きました。往路は近鉄特急でしたが、復路は大阪から新大阪に移動し、そのまま新幹線で名古屋に戻ります。僕の場合、日帰りの乗り鉄旅で往復する際には、同じ交通機関を利用することが多いのですが、今回は時間の都合から復路のみ新幹線を利用することにしました。上の写真は新大阪駅で撮影したN700ですが、2枚目はたまたま向かいのホームから発車していった車両を撮影したもので、僕が今回乗車した車両ではありません。往路の近鉄特急も満席状態でしたが、復路の「こだま」号もかなり混雑していました。乗車した「こだま」744号は、土休日は13号車と14号車も指定席になり、普通車の指定席車が16両中5両設定されていますが、にも関わらずこれほど混雑するということは、やはり全体の乗客数が相当多いのだろうと感じました。

 最後に今回の乗り鉄旅で利用したきっぷ類を紹介します。往路の近鉄では、名阪ビジネス回数きっぷという企画乗車券を利用しました。近鉄名古屋大阪難波間の乗車券が14枚セットになったもので、1枚当たりにすると1,730円になります。もちろん僕一人で14枚も利用する予定はないので、金券ショップでバラ売りされているものを1枚1,850円で購入しました。1,850円支払えば、近鉄株主優待乗車券(または沿線招待乗車券)を購入できる金券ショップも多いため、名古屋―大阪間を乗車する際にはどちらを利用しても大体同じ金額となりますが、僕はこれまでに、名阪ビジネス回数きっぷを利用したことがなかったので、今回はこちらを利用してみました。

 新幹線の乗車には、久しぶりにJR東海ツアーズのぷらっとこだまを利用しました。こちらはWebサイトで申し込んで購入すると、後は駅の指定席券売機で発券するだけで、旅行会社の窓口に行ったり郵送物を受け取る必要はありません。一度申し込むと、座席の変更も含めて一切の変更はできないという制約はありますが、その分だけオトクに「こだま」号を利用することができます(名古屋―新大阪間のこだま号は、日中の時間帯に毎時1本しか運転されていないというのが、ちょっと残念なところですが…)。

 今回はいつも以上にまとまりのない記事になってしまいましたが、大阪旅を満足できたことは確かです。ちなみにかなり以前の記事で、名古屋―大阪間を関西本線で移動するルートにも挑戦してみたいと書いたことがありますが、未だに実現していません。最近は青春18きっぷを利用することが少なくなり、こうしたルートでの移動を楽しむ乗り鉄旅には出かけていませんが、機会があれば、いつかは達成したいと思っています。

西九州新幹線と2つの観光列車に乗車する九州乗り鉄旅(3)

 前回の記事からの続きです。

 1泊2日の九州乗り鉄旅の2日目となります。ちなみに今回の旅行では、JR東海ツアーズが発売している旅行商品「ダイナミックぷらっと」の博多シングルを利用しており、宿泊は博多駅の目の前にあるコンフォートホテル博多を選択しました。博多駅の博多口から徒歩約1分との案内がありましたが、駅前の横断歩道を渡るとすぐにホテルがあり、博多駅を利用する方にとっては非常に便利だと思います。そして今回の旅行代金は31,900円(早割による500円引後の額)でしたが、ご存知のとおり10月11日から全国旅行支援が開始され、運よくその適用を受けることができたため、8,000円が割り引かれて実負担額は23,900円となりました。さらに3,000円分のクーポン券までいただけたので、当初の予定よりもかなりオトクに旅行することができました。

 そんないい事ずくめの乗り鉄旅ですが、ここからは2日目の乗り鉄旅を紹介したいと思います。2日目の主な目的は2つで、1つ目は博多南線博多南駅までを往復すること、そして2つ目は西鉄のレストラン列車である「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」に乗車することです。順番としては、まず最初に「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」に乗車して、その後に博多南線を利用してもよかったのですが、時間的には先に博多南線博多南駅までを往復することができそうだったので、こちらを先に乗車する行程としました。

博多南線での運用に就く700系新幹線:博多駅博多南駅 2022/10/15

 まずは今回乗車する博多南線ですが、鉄道ファンでない方だと、あまり聞いたことがないかもしれません。博多南線は、博多駅の南方にある新幹線の車両基地(博多総合車両所)までの回送線を旅客線化して誕生した路線で、新幹線用の路線を新幹線車両が走っているものの、あくまで在来線の扱いになっているという、国内ではあまり例のない、ちょっと変わった珍しい路線です(これに似た例として、上越新幹線越後湯沢駅ガーラ湯沢間があります)。

 旅客線化の背景には、古くからの地元住民からの強い要望があったようで、1990年に開業しました。九州内で完結する路線でありながら、山陽新幹線を運営するJR西日本の路線となっているのは、こうした旅客線化に至る経緯が影響しています。ちなみに博多南線が開業する以前は、車両基地のある那珂川町から博多駅まで、路線バスで1時間近くかかっていたものが、博多南線の開業によってその所要時間は大幅に短縮され、現在では10分程度となっていることから、地元住民の方が旅客線化を要望し続けたということも納得できます。

 今回乗車した車両は、上の写真のとおり往復とも700系レールスターでしたが、これ以外に500系N700系で運行されることもあります。また、一部の列車は山陽新幹線との直通運転を行っているものもありますが、博多南駅でのホーム有効長の制約から、使用車両は8両編成に統一されています。

 博多南駅は博多総合車両所の一角に位置しており、ホーム上からは広々とした車両基地の様子を眺めることができます。東海道新幹線にも大井車両基地や鳥飼車両基地がありますが、この博多総合車両所山陽新幹線の大規模な車両基地のひとつとなっています。僕が訪れた時間帯には、多くの新幹線車両がずらりと並んでおり、なんだか胸踊らされるようで気持ちが高ぶってきます。N700Aをはじめとする見慣れた新幹線車両ですが、これだけの数の車両が一同に会しているのを見る機会はなかなかなく、車両基地ならでは光景が広がっていました。

 乗車券と特急券は、往復分をまとめて博多駅で購入しました。博多南線には途中駅はなく、始発駅の次は終着駅となる訳ですが、列車はすべて特急扱いとなっているため、乗車には特急券が必要になります。と言っても特急料金は片道100円で、博多―博多南間の乗車券を含めてもたった600円で往復することができます。実際に乗車してみると、僕が思っていた以上の乗車率に少し驚きました。乗車時間は10分程度で、しかも片道300円で移動できるということで、地元の方は日常的に利用しているようです。

 博多からは西鉄福岡(天神)に移動し、ここからはいよいよ「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」に乗車します。「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」に乗車するには、団体旅行商品を購入する必要がありますが、こうした商品によくある2名以上といった制約はありませんので、1人でも申し込むことができ、ひとり旅を楽しみたい方にとっても利用しやすいものとなっています。「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」は最近まで、カフェコース1便、ランチコース1便そしてディナーコース1便の計3便運行されていましたが、9月から運行体制が見直され、アーリーランチコースとレイトランチコースの2便運行となりました。アーリーとレイトで運行ルートは異なりますが、提供される料理は共通のようです。僕は今回、このうちアーリーランチコースを利用することにしましたが、その運転時刻は次のとおりです。

         

 福岡(天神)駅から花畑駅までを単純に往復するものですが、公式ホームページを見ても花畑駅の発着時刻は記載されておりません。乗車時間は約2時間20分で、車内では前菜からデザートまでのコース料理を楽しむことができます。ちなみに僕はインターネットを利用して専用のWebページから申し込みましたが、事前に乗車票やパンフレット類が郵送されてくるのではなく、メールで送られた最終案内画面が乗車票の代わりとなっていました。

THE RAIL KITCHEN CHIKUGOで使用されている6050形:福岡(天神)駅・花畑駅 2022/10/15

 福岡(天神)駅の有人窓口でメール画面を提示し改札を通り、待合スペースで待つことしばし、「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」が入線してきました。
 「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」は、他社の多くのレストラン列車と同様、新造ではなく既存の6050形を改造して誕生したもので、2019年3月に運行を開始しました。外装はキッチンクロスをモチーフにしたポップなデザインで、都会的でありながらカジュアルな感じが伝わってきます。先頭の方向幕部分には何やらネオン表示のようなものがあり、最初は何が書かれているのか分かりませんでしたが、後から調べてみると「hello」という文字だったようです。

 また、外観上の特徴としては、鉄道車両としては珍しく側窓が格子状となっており、街中にあるレストランのような雰囲気となっています。車両の種車は古く、正直、最新型の車両と比べるとやや不格好な印象ですが、レールキッチンというコンセプトを見事に表現したデザインになっており、乗車する前から期待に胸が膨らみます。

 続いて車内を紹介したいと思います。「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」は全3両編成で、1号車と3号車はすべてが客席スペース、そして2号車はオープンキッチンスペース(一部に客席スペースあり)となっています。全体的には2人用の座席が多いようですが、1号車の運転席寄りには最大6人で利用可能な大型テーブルを備えた座席や、ボックスタイプの4人用の座席も用意されており、様々な利用形態に対応しています。乗車中や花畑駅での停車時間を利用し、各号車内の様子を少し撮影しました。

1号車

 僕が今回乗車したのは、この1号車です。車両中央部に客用扉があり、乗務員の方が利用するテーブルが置かれています。車内はまさにカフェレストランといった感じで、先ほど紹介した格子状の窓やそこに取り付けられたカーテンが、お洒落で素敵な空間を演出しています。2番テーブルから7番テーブルまでが2人用の座席となっていますが、改造車ということで座席と窓位置が一致しておらず、景色を眺めるにはやや不向きな座席もあります。しかし、特に車窓を楽しむポイントがある訳ではなく、車内での食事がメインの列車になるため、それほど気にならないのではないかと思います。

2号車

 オープンキッチン付近は、あまり邪魔になることのないようにと、通路からやや遠慮がちに撮影したため、その全体の様子は分かりにくいですが、予想していた以上に本格的なキッチンです。この車両が誕生した直後には、“車内にピザ窯のある鉄道車両”として話題になりましたが、残念ながら実物の窯を撮影することはできませんでした。
 2号車には、オープンキッチン以外にも、4人用の座席スペースが2区画あります。キッチンからのいい匂いが漂ってきそうな“当たり席”ですが、今回乗車した便では、この座席を利用している方はいませんでした。

3号車

 3号車も1号車とほぼ同じ雰囲気ですが、座席の配置が若干異なっています。今回乗車した便では乗客がいませんでしたが、一部のテーブル上には紙のクロスが敷かれて食器類も用意されていました。僕が利用したアーリーランチコースでは、すべての乗客が1号車に乗車しましたが、ひょっとするとレイトランチコースでは3号車を利用するというような、使い分けがなされているのかもしれません。僕が3号車の車内を撮影しようとしていたところ、乗務員の方が僕に気付き、わざわざスペースを空けてくださり、上の写真を撮影することができました。

 そして、レストラン列車の最大の楽しみである料理の数々も写真に収めましたので、ここでまとめて紹介したいと思います。

 ちなみに今回の旅行代金は8,800円で、これまで乗車したレストラン列車の中では比較的リーズナブルな値段でしたが、他のレストラン列車と比べて、車両やサービス面で見劣りするようなことは全くありませんでした。発車早々にウエルカムドリンクが提供され、また、料理は前菜から魚料理、肉料理、デザートに至るまで見た目にも美しく、味も十分満足いくもので、コストパフォーマンスほ非常にいいと感じます。また、僕にとってはちょうどいいタイミングで次の料理が提供されたため、心地よい優雅なランチ旅を味わうことができました。

 最後にきっぷ類の紹介ですが、今回は先にお話ししたとおり、紙の乗車票類はありません。そのかわりに車内で車掌さんから記念乗車券が配布されました。「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」の車両のデザインをそのまま乗車券にしたもので、画像だとちょっと分かりづらいですが、乗客自身で乗車日を入鋏することができるようになっています。最近の鉄道では、きっぷに鋏を使って切り込みを入れるようなことはほとんどなく、目にすることもないことから、貴重な経験ができたと思っています。

 以上で今回の九州乗り鉄旅は終了となります。全国旅行支援が開始されて迎えた初めての週末ということもあり、全体的に人手が多かった印象です。特に博多駅の混雑は想像以上で、1日目の「リレーかもめ」乗車前にきっぷを券売機で受け取る際には、長蛇の列となっていました。僕は発車時間まで余裕があったため、そこまで焦ることはありませんでしたが、もし時間ギリギリだった方がいたとすれば、乗り遅れてしまう危険性もあったと思います。行楽シーズンということもあり、しばらくはこうした状況が続くのかもしれません。やはり、何事にも多少の余裕を持った行程としておくことが大切ですね。こうした教訓は、次回以降の乗り鉄旅にも活かしていこうと思います。

西九州新幹線と2つの観光列車に乗車する九州乗り鉄旅(2)

 前回の記事からの続きです。

 長崎駅を訪れるのは今回が初めてですが、新しいきれいな駅舎となっていました。ちょっと調べてみると、2000年9月に4代目となる駅舎が完成したそうですが、駅全体が高架化されることに伴い供用を終了し、2020年3月から現在の駅舎が使われているそうです。ということは、先代の駅舎はたった20年間しか使われなかったということになり、年数だけを見れば何だかもったいないような気もします。しかし最近は、都市部を中心として踏切を撤去するための連続立体交差事業が進められていることから高架化は避けられず、また西九州新幹線の開業を見据えると、より利便性が高く、時代にあった駅舎が必要になったということだと思います。

 そんな長崎駅ですが、ここからは今回の乗り鉄旅の目的のひとつである「ふたつ星4047」に乗車します。まずは「ふたつ星4047」の運転日と運転区間ですが、現在は、金・土・日・月曜日や休日を中心に運転されており、それぞれの運転日には、武雄温泉―江北―諫早―長崎を主に長崎本線経由で走行する午前便と、長崎―諫早早岐―武雄温泉を主に大村線佐世保線経由で走行する午後便とが設定されています。発駅と着駅は同じですが、単純な往復ではなく、途中の経路が一部異なっていることから、往路と復路では違った路線の旅を楽しむことができるようになっています。僕の場合、時間的に午前便には乗車できないことから、長崎発の午後便に乗車することにしました。午後便の運転時刻は次のとおりです。

 始発の長崎から終点の武雄温泉までを約3時間で結び、途中の停車駅は、諫早、新大村、千綿、ハウステンボス早岐、有田の6駅です。特急という種別である以上、基本的には利用者の多い駅に停車していきますが、千綿駅はその例外で、ここはいわゆる観光目的での停車ということになります。

 それでは早速、今回乗車した「ふたつ星4047」を紹介したいと思います。長崎駅では、ちょっと遅めの昼食を済ませてお土産のカステラを購入した後、早々に在来線ホームに移動しました。実は新幹線を下車する際に在来線ホームに目を向けた時、すでに「ふたつ星4047」が停車していたため、少し早めにホームに行けばゆっくりと写真撮影ができると思い、時間に余裕を持って発車番線に向かいました。

ふたつ星4047で使用されているキハ40形・47形:長崎駅 2022/10/14

 そこで撮影したのが上の写真です。発車時刻まで余裕があったため、反対側のホームに移動して車両全体の姿も撮影してみました。

 ここで、「ふたつ星4047」という列車名について紹介したいと思います。九州を走る列車と言えば、日本における周遊型豪華寝台列車(クルーズトレイン)の先駆けである「ななつ星in九州」が名実ともに有名ですが、何だかこの2つの列車はちょっと名前が似ています。「ななつ星〜」は九州7県を示しているのに対して、「ふたつ星〜」は佐賀県長崎県を表しているそうです。そして「〜4047」という謎の数字ですが、これは使用車両の形式であるキハ40形・キハ47形を示しているものです。つまり「ふたつ星4047」は、キハ40・47形車両に乗車して佐賀・長崎両県での観光を楽しむ列車ということになります。

 外観はパールメタリックを基調とし、輝かしいゴールドのロゴとラインを配したもので、「36ぷらす3」と対をなすようなカラーリングとなっています。車両のデザインはN700Sの「かもめ」と同じく水戸岡鋭治氏が手がけており、JR九州の他のD&S列車に通じる水戸岡テイストが伝わってきます。

 そしてこの「ふたつ星4047」車両ですが、カラーリングは変更されているものの、その外観にはどこか見覚えがあります。特に各車両の中央部に設けられた大型の側窓から、何となく種車が思い浮かぶ方もいると思います。実は「ふたつ星4047」用の3両のうち、1号車と3号車は「はやとの風」車両であった2両を再改造したもので、2号車は「いさぶろう・しんぺい」の予備車を再改造したものです。吉松―鹿児島中央間を結んでいた「はやとの風」は、僕が2017年に乗車した際は毎日運転される定期列車で、当時は指定席の確保も難しい状態でしたが、いつの間にか臨時列車となってしまい、2022年3月にはついに運行を終了しました。そこでこの列車が改造され、「ふたつ星4047」へと生まれ変わったというわけです。

 ちなみに1号車と3号車は普通車指定席の座席車ですが、2号車は「ラウンジ40(よんまる)」と名付けられた共用スぺースとなっており、指定席としての設定はありません。

 この日は平日にもかかわらず、すべての座席が発売済となっていました。長崎発車時点で周囲を見渡すと、確かにほとんどの座席が埋まっています。特に旅行会社が団体枠で座席を確保しているという雰囲気はなかったので、個人での旅行者が多かったということだと思いますが、正直、満席になるほど混雑するとは思っていなかったので、少し驚きました。

 車内が混雑する中で、車内の様子を撮影しずらい状況でしたが、なるべく人の少ない停車時間帯などのタイミングを利用して、ちょっとだけ座席や内装なども撮影してみました。

1号車

 午後便の場合、1号車は進行方向に向かって最後尾の車両となります。車内には一般的な回転式リクライニングシート以外に、4人掛けのボックス席と2人掛けソファ席があります。上の写真はリクライニングシートの一部を撮影したものですが、座席自体は僕が乗車した3号車のものと変わりありません。ただ、3号車のものより少し明るい色調のものが使われており、車内も軽快な雰囲気です。

2号車

 さきほどお話したとおり、2号車は1両丸ごとラウンジカーとなっています。車端部にビュッフェ兼物販カウンターがあり、その前には壁際にショーケースがあります。その他のスペースには、乗客が自由に利用することができるカウンター席やソファ席がありました。ちょうど「36ぷらす3」のマルチカーに似た雰囲気です。しかし、お互いに譲り合うという雰囲気がなく、一部の方がずっと独占している感じがしました。2人掛け座席で他の乗客と相席になるのを嫌ったり、テーブル付きの座席を使いたいという方が長時間に渡って利用しているようです。本来であれば、ビュッフェで購入したものを飲食する方や、指定された座席とは違った雰囲気で車窓を楽しみたい方が一時的に利用するスペースだと思いますので、早い者勝ち状態となってしまっているのは残念でなりません。

3号車

 今回僕が乗車したのが3号車です。車内の座席はおおむね1号車と同じで、回転式リクライニングシートと2人掛けソファ席がありますが、1号車にある4人掛けボックス席がない代わりに、1人掛けのカウンター席が4席設けられています。上の写真を見てもらうと分かりますが、回転式リクライニングシートは1号車のものと同じですが、少し暗めの落ち着きのある色調のものとなっています。1号車もそうですが、種車である「はやとの風」で使用されていたものがそのまま再利用されているようです。

 午後便は、一部区間大村湾沿いの海岸線近くを走るため、車窓の間近に海が広がっています。僕は進行方向左側の窓側にあたるD席だったため、こうした風景を存分に味わうことができました(この季節は陽が強く当たるため、かなり眩しいですが…)

ふたつ星4047で使用されているキハ40形・47形:千綿駅 2022/10/14

 途中停車した千綿駅でも写真を撮影しました。この駅では、約10分間の停車時間が設けられています。千綿駅青春18きっぷのポスターとして登場したことのあるそうで、ホームからは間近に海を望むことができます。以前、「伊予灘ものがたり」に乗車した際に予讃線の下灘駅に降り立ったことがありますが、どこか似たような雰囲気があります。また、レトロな木造駅舎も趣があり、多くの方が写真撮影していました(僕は駅舎の撮影を忘れてしまいました…)

 千綿駅では、「ふたつ星4047」の到着にあわせて、「くじら焼き」の販売が行われていました。千綿駅到着前、アテンダントさんから「くじら焼き」の案内がありましたが、はたしてどんな食べ物なのかよく分からず、興味本位で様子を見に行ったところ、どうやら「たい焼き」のくじらバージョンのようです。ちょうど小腹が空いていたので、車内で食べてみようと買ってみました。値段は2枚入りで500円です。モチモチ食感で、食べごたえは十分です。くじらをイメージした形ということでしたが、うーん、言われてみればくじらのようにも見えるのかなっていう感じです。ちなみに、一枚は小豆餡でもう一枚は抹茶餡でした。僕のお気に入りは抹茶餡の方です。

ふたつ星4047で使用されているキハ40形・47形:武雄温泉駅 2022/10/14

 終点の武雄温泉駅でも、最後に車両の外観を撮影しました。長崎から約3時間の乗り鉄旅でしたが、先ほどお話したとおりかなりの混雑ぶりで、あまりゆったりとできなかったのが心残りです。佐賀・長崎DCが終わり一段落すれば、もう少し落ち着いた車内で気兼ねなく乗り鉄旅を楽しめると思いますので、機会があればもう一度乗車してみたいと思えるような列車でした。

 車内には記念乗車証が置かれており、自由に記念スタンプを押印することができるようになっていました。揺れる車内で所定の位置にスタンプをきれいに押印するのは意外と難しいのですが、今回はうまく押印することができました。以前に乗車した別のD&S列車でも、こうしたポストカードサイズの記念乗車証をいただいたことがあります。旅の思い出として、大切に保管したいと思います。

 今回の乗車に使用したきっぷです。「ふたつ星4047」は座席数も少なく、特に希望する窓側座席は早々に完売してしまうことが想定されたため、いわゆる10時打ちで確保しました。本当のところを言えば、3号車にある1人掛けカウンター席が希望だったのですが、残念ながら10時打ちでも確保できませんでした。デビューからまだ1か月も経っておらず、また、佐賀・長崎DC期間中ということもあって、指定券の確保は難しい状態が続いているようです。

 さて、今回の1泊2日の乗り鉄旅のうち、1日目が無事に終了しました。いよいよ明日は、西鉄のレストラン列車である「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」に乗車しますが、その様子はまた次回の記事でお伝えしたいと思います。

 >>(3)に続く

西九州新幹線と2つの観光列車に乗車する九州乗り鉄旅(1)

 9月23日、ついに西九州新幹線(武雄温泉-長崎間)が開業しました。以前は整備計画上の路線名であった「九州新幹線(西九州ルート)」であったり、一般の方にも分かりやすく「長崎新幹線」と呼ばれることもありましたが、現在は「西九州新幹線」という路線名が定着しつつあるようです。西九州新幹線の開業日前後には、テレビの情報番組で採り上げられることも多く、JR九州の発表によれば、開業当日の一番列車となる「かもめ」号(下り1号・上り2号)の指定席は、発売からわずか10秒で完売したそうです。僕のような鉄道ファンにとってはもちろんですが、これまで県内に新幹線停車駅が全くなかった長崎県民の方にとっては、待望の新幹線開業ということで感慨深いものがあったことと思います。

 しかし、現在の西九州新幹線は一部区間での暫定開業であり、博多まで直通させるための整備方式やルートをどうするのかという大きな課題が残されたままになっています。国土交通省JR九州などは、武雄温泉―新鳥栖間も既開通区間と同じフル規格(新鳥栖―博多間は九州新幹線と共用区間)で整備する方針であるのに対し、佐賀県は費用負担の問題からこれに反対しており、既設路線を利用して最高速度時速200km程度で走行するフリーゲージトレイン(略してFGT)を導入することや、フル規格で整備するとした場合でも、佐賀市北部を経由するルートや佐賀空港を経由するルートを検討すべきとする「幅広い協議」を求めています。今のところ両者の主張は並行線状態で具体的な進展が見られず、中には西九州新幹線が博多まで直通する日は来ないのではないかという悲観的な見方もある程です。

 そんな先行き不安な要素もある西九州新幹線ですが、そのお膝元である佐賀・長崎両県では、10月から“あなたの旅のコンパスをSとNへ”をキャッチコピーとしてデスティネーションキャンペーン(佐賀・長崎DC)が始まりました。その主役は西九州新幹線であることは間違いないでしょうが、今回の佐賀・長崎DCでは、長崎と佐賀を結ぶ新たな観光列車「ふたつ星4047」が誕生した点も注目されるところです。

 季節は秋となり、絶好の行楽シーズンとなりました。そこで今回、夏から続いた大きな仕事が一段落したこともあり、約1年ぶりに1泊2日で九州の乗り鉄旅に出かけることにしました。実はすでに1か月以上前から計画を進めて行程を組み立てており、今回の旅行にあわせて1か月前の発売開始直後に指定券も確保するなど、着々と準備を進めていたものです。せっかくの2日間を有効に利用したいと思い、1日目には西九州新幹線「かもめ」号と「ふたつ星4047」に乗車し、2日目には以前から一度乗車してみたいと思っていた博多南線西鉄のレストラン列車である「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」に乗車してみることにしました。これらを踏まえた今回の乗り鉄旅の全行程は次のとおりです。

10月14日の旅行行程

10月15日の旅行行程

    

 九州での起点は博多で、1日目はまず、「リレーかもめ」号に乗車して西九州新幹線の出発駅である武雄温泉を目指します。先ほどお話ししたとおり、西九州新幹線は武雄温泉―長崎間での運行となっているため、博多からは在来線を利用して武雄温泉に行くことになります。武雄温泉からは「かもめ」号に乗車して終点の長崎に向かい、長崎からは「ふたつ星4047」で武雄温泉に引き返し、武雄温泉から再び上りの「リレーかもめ」号で宿泊地の博多まで戻るというものです。

 そして2日目はまず、博多から博多南線を利用して博多南までの間を往復した後、地下鉄で天神に行き、西鉄天神大牟田線西鉄福岡(天神)から花畑までの間の往復で「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」に乗車します。その後は再び地下鉄で天神から博多に移動し、博多から帰路につくというものです。

 西九州新幹線や「ふたつ星4047」に乗車するのはもちろん初めてですし、長崎駅を訪れることも、西日本鉄道を利用するのも初めてです。計画段階では、欲張っていくつも詰め込みすぎないように気をつけましたので、これまでの九州乗り鉄旅と比べると、全体的に余裕のある行程に仕上がったと思います。

 では早速、武雄温泉に向う「リレーかもめ」号から紹介したいと思います。

リレーかもめ号で使用されている787系博多駅 2022/10/14

 JR九州では、西九州新幹線の開業にあわせて在来線特急を再編し、従来の「かもめ」号は運行区間門司港吉塚・博多―佐賀・肥前鹿島・長崎から門司港・博多―武雄温泉に変更した上で、列車名も「リレーかもめ」号となりました。また、これに伴い肥前山口(江北)―肥前鹿島が「リレーかもめ」号の運行経路から外れてしまうことから、これを補完する形で門司港・小倉・吉塚・博多―佐賀・肥前鹿島を結ぶ在来線特急として「かささぎ」号が新設されました。

 また、「リレーかもめ」号は、武雄温泉駅で新幹線「かもめ」に接続することになっており、その役割を「ハウステンボス」号や「みどり」号が担う際には、「ハウステンボス(リレーかもめ)」号や「みどり(リレーかもめ)」号と呼ばれています。そんな「リレーかもめ」号にはいくつかの形式の特急型車両が使われることになり、現在は787系885系そして783系が充当されています。どの編成で運行されるのかはあらかじめ固定されているようで、JR時刻表などを使って調べることができますが、僕は事前に調べていませんでした。そして、博多駅の在来線ホームで乗車予定の「リレーかもめ」号を待っていると、入線してきたのは8両編成の787系でした。よって今回は、787系の「リレーかもめ」号で博多から武雄温泉まで移動することになります。

 787系に乗車するのは、昨年9月の乗り鉄旅で「にちりんシーガイア」号と「36ぷらす3」に乗車して以来で約1年ぶりとなります。
 787系と言えば、以前は門司港・博多―西鹿児島(現在の鹿児島中央)間を結ぶ「つばめ」号として運用されていましたが、九州新幹線の暫定開業に伴って運行区間を博多―新八代間に短縮し、九州新幹線の博多延伸までの間は「リレーつばめ」号として活躍していました。その列車が、今度は西九州新幹線のリレー列車になろうとは、何とも不思議な縁のようなものを感じずにはいられません。

リレーかもめ号で使用されている885系武雄温泉駅 2022/10/14

 乗車した順序は入れ替わってしまいますが、「リレーかもめ」号のつながりということで、武雄温泉から博多まで乗車した「リレーかもめ」号を先に紹介します。博多行の上りの「リレーかもめ」号は885系でした。せっかくの機会なので、行きに乗車した787系ではない車両に乗車したいと思っていたところ、運よく885系に乗車することができました。885系に乗車するのも昨年9月以来のことになります。

 ちなみに武雄温泉駅は、在来線特急である「リレーかもめ」号と新幹線「かもめ」が同一ホームで乗り換えられる構造となっており、ホームを挟んで新幹線車両と在来線特急型車両とが並んでいる姿を見ることができます。乗り換え時間の関係から、行きに武雄温泉駅で乗り換えた際には、写真撮影する余裕がありませんでしたが、長崎からの帰りに再び武雄温泉で乗り換える際には、ホームの端から2つの列車が並んでいる姿を撮影することができました。

西九州新幹線かもめ号で使用されているN700S:長崎駅 2022/10/14

 ここからは、いよいよ新幹線の「かもめ」号を紹介します。車両は東海道・山陽新幹線でもおなじみのN700Sですが、西九州新幹線用のN700Sは6両編成で、従来のN700Sと同様に白を基調としながらもJR九州のコーポレートカラーである赤を車体下部に配し、オリジナル感あふれる外観となっています。16両編成の新幹線だと、ホーム上から車両全体を撮影することは困難ですが、6両編成であれば何とか車両全体を撮影することができます。水戸岡鋭治氏がデザインを担当したということで、同じく同氏がデザインを手掛けた800系新幹線の兄弟のような感じがしました。

 車体側部には、「かもめ」号の大きなロゴが描かれています。「KAMOME」と書かれているものと毛筆体で「かもめ」と書かれたものがあり、なかなかインパクトがあります。東海道新幹線には「のぞみ」「ひかり」「こだま」といった複数の種別があり、車両も共通で運用されているため、その愛称を車体にデザインすることはできませんが、西九州新幹線は「かもめ」に統一されているため、こうした表記が可能になったのだと思います。

 続いて車内の紹介です。一部の列車を除いて1号車から3号車までが普通車指定席、4号車から6号車までが普通車自由席となっており、グリーン車は連結されていません。山陽・九州新幹線N700系と同様、指定席車は2+2列、自由席車は2+3列配置となっており、自由席と指定席とで差別化が図られています。上の写真は、今回利用した指定席車のものです。自由席の車内には立ち入っていないため、写真はありません。車内の内装についても水戸岡鋭治氏がデザインしているということで、座席の背板に木材が使用されるなど、ちょっとした観光列車のような雰囲気が伝わってきます。一方、1号車のモケット柄はダークグレーで、新幹線らしい落ち着きのある空間となっていました。

 乗り心地で言えば、高速走行時の揺れも少なく、新幹線らしい申し分のない快適なものでしたが、個人的には座席の座り心地がやや気になりました。東海道新幹線N700系の普通車と比べると、ゆったりした座席であることは間違いありませんが、座席幅の広さを活かしてもう少しホールド感がある座席だと、より快適性が高まるのではないかと思いました。しかし、乗車時間は30分程度であることを考慮すれば、十分な座席だと言えるかもしれません。このあたりは個人の好みによるところが大きいと思います。

 実際に乗車してみると、始発の武雄温泉から終点の長崎まで、あっと言う間だったというのが率直な感想です。営業キロは69.6 km(実距離は66km)という日本で一番短い区間を走る新幹線で、途中駅が3駅(嬉野温泉、新大村、諫早の各駅)あるため、発車してしばらくするとすぐに次の駅に到着してしまいます。最新の新幹線であるN700Sですが、西九州新幹線での最高時速は時速260kmであり、山陽新幹線区間のような力強いパワフルな走りは感じられなかった点は少し残念でした。

 ここで「リレーかもめ」号と「かもめ」号の乗車に使用したきっぷを紹介しておきます。博多→長崎間については現在、JR九州からインターネット予約でのみ購入可能な企画乗車券「おためし!かもめネット早特7」が期間限定で発売されていたため、これを利用しました。博多→長崎間で「リレーかもめ」と「かもめ」を乗り継いで利用する際の運賃+特急料金の合計は6,050円(通常期)ですが、この企画乗車券は3,200円なので約47%引ということになり、大変おトクに「リレーかもめ」号と「かもめ」号に乗車することができました。

 また、武雄温泉→博多間の「リレーかもめ」号の乗車には、九州ネットきっぷを利用しています。正規の運賃+特急料金が3,410円(通常期)のところ、九州ネットきっぷでは2,200円と、こちらもおトクに乗車することができました。

 さて、「かもめ」号で長崎に到着した後は、再び武雄温泉を経由して博多に戻る訳ですが、今度は新幹線ではなく在来線を利用して武雄温泉を目指します。ここからは、西九州新幹線と同時に誕生した観光列車「ふたつ星4047」に乗車しますが、長くなってきましたので、今回はここまでにします。

 >>(2)に続く

681系「しらさぎ」に乗車して芦原温泉へ

 僕はいわゆる“乗り鉄”であり“きっぷ鉄”でもあるため、旅行行程を組み立てて、それに沿って乗車券や指定席券などのきっぷ類を手配することも楽しみのひとつにしています。旅行行程については、比較のためや予備分を含めて数パターン作成しておくこともありますし、きっぷ類についても、利用可能な企画乗車券やおトクな旅行商品がないかなど複数のWebサイトで探すようにしています。そして僕の場合、旅行行程を作成するタイミングときっぷ類を手配するタイミングについては、主に2つのパターンがあります。

 一つ目は指定席券の発売開始日(JR券で言えば乗車日の1か月前)までにすべての旅行行程を組み立てておき、発売と同時に指定席券を確保するパターン(いわゆる10時打ち)です。人気の高い観光列車や臨時運行されるイベント列車などは、人気が集中して発売開始直後に満席となることも少なくなく、さらに特定の座席位置を希望する場合(眺望のいい窓側座席を確保したい場合や1人掛けのカウンター席を利用したい場合など)には座席数も限定されることから、とにかく早い者勝ちということで、指定席券の確保を最優先としています。そして運悪く目的の列車の指定席券が入手できなかったときには、上り列車での乗車を諦めて下り列車したり、乗車区間を見直すなどの旅行行程の変更を行います。

 そして2つ目の方法は、旅行行程を大まかに想定した上で、出発日の直前になってから指定席券を確保するパターンです。出発日直前になると、列車によってはすでに満席となってしまっている可能性もありますが、当日の天気を見極めてから旅行日を決めることができる上、急な予定変更にも対応できるというメリットがあります。新幹線や定期運行されている特急列車であれば、指定の座席数も多く、直前であっても満席になることはあまりないため、基本的にはこちらの方法でも十分に対応可能です。

 基本的には、利用する列車の種類によってこの2パターンを使い分けていますが、最近でいえば、8月の「52席の至福」とSL「パレオエクスプレス」に乗車する乗り鉄旅は、人気列車ということで早めに旅行商品を申し込み、9月の赤沢森林鉄道に乗車する木曽福島までの往復旅は、平日の「しなの」号の利用ということもあり、出発日の直前に手配しています。

 そして今回、事前に予定はなかったものの、直前になってどこか乗り鉄旅に出かけたいと思い立ち、久しぶりに「しらさぎ」号に乗車して北陸に行ってみることにしました。直近で「しらさぎ」号に乗車したのは約1年前で、北陸を最終目的地とした乗り鉄旅も、2021年4月の北陸本線高山本線を利用した富山までの乗り鉄旅以来となります。ちなみに旅の最終目的地は芦原温泉にしました。「しらさぎ」号のダイヤを眺めていると、名古屋発着だと程よい時間で往復することができるからです。さらに調べて見ると、JR芦原温泉駅からは少し離れているものの、バスでの移動圏内に観光名所である東尋坊があり、また、えちぜん鉄道あわら湯のまち駅付近には日帰り入浴可能な温泉施設もあります。そこで今回は、東尋坊の観光とあわら温泉への入浴を楽しむ乗り鉄旅にすることにしました。

しらさぎ号で使用されている681系:名古屋駅 2022/10/1

 名古屋-芦原温泉間は、乗り換えなしで直通する名古屋発着の「しらさぎ」号を利用する方法と、名古屋-米原間は東海道新幹線に乗車して米原芦原温泉間のみ「しらさぎ」号を利用する方法とがありますが、今回の乗り鉄旅では、往路はすべて「しらさぎ」号に、そして復路は芦原温泉米原間でのみ「しらさぎ」号に乗車することにしました。上の写真は、名古屋駅発車前の681系を撮影したものです。

しらさぎ号で使用されている681系:芦原温泉駅 2022/10/1

 またこちらの写真は、僕が名古屋から乗車した「しらさぎ」号の芦原温泉駅到着後と、芦原温泉駅で帰りの「しらさぎ」号の到着を待っている間にちょうど反対側のホームに停車した「しらさぎ」号を撮影したものです。

 681系、683系それに289系は近畿圏を中心に活躍するJR西日本の特急形車両で、非貫通型先頭車・貫通型先頭車とも馴染みのある姿です。写真では分かりにくいですが、「しらさぎ」用車両の側面には青色とオレンジ色の帯が引かれており、JR西日本JR東海それぞれのコーポレートカラーを用いることで、両社間を行き来する列車らしいデザインとなっています。

 以前、「しらさぎ」号は国鉄を代表する特急型車両である485系で運用されていました。それも国鉄色だけでなく、しらさぎ色という専用塗装された編成もあったそうですが、僕は残念ながら、そのどちらにも乗車した経験がありません。長年、愛知に住んでいながら、家族での旅行先は専ら東京・横浜・京都だったため、「しらさぎ」号を利用して北陸方面に行く機会がなかったためです。当時は名古屋から485系に乗車することができたにも関わらず、その機会を逃してしまったことは、今から思えば本当に残念でなりません。

東尋坊

 芦原温泉駅到着後、路線バスに乗り換えて東尋坊を目指します。ちなみに芦原温泉駅は、敦賀延伸に向けて建設中の北陸新幹線の停車予定駅であり、現在は着々と準備が進められていました。駅前から路線バスに乗車して約45分程で東尋坊に到着します。この路線バスの運転本数は土休日の日中で1時間当たり2本でしたが、かなりの乗車率で驚きました。特に大阪方面からの「サンダーバード」号から乗り換える方が多かったように思います。

 この日は気温も穏やかな快晴で、まさに旅行日和でした。暑くもなく寒くもなく、屋外にいるだけでも気持ちがいいです。バスを下車し、バス停から海岸線を目指して土産物屋や飲食店が立ち並ぶ道をしばらく歩くと、青く澄んだ日本海雄大な景色が目に飛び込んできます。日本海というと、大きな波が次々と打ち寄せて岩場にぶつかり波しぶきをあげるような荒々しい光景を想像してしまいがちですが、実際には非常に穏やかで波の音も聞こえません。美しい空と海に囲まれて、久しぶりに青色の中に身を置いた気がします。

 東尋坊と言えば、やはり不思議な形をした数々の岩壁が有名です。地学を全く理解していない僕には、こうした奇岩が誕生した経緯はよく理解できていませんが、簡単に言えば火山活動と荒波の浸食によって形成されたもののようです。自然の力というものには本当に驚かされるばかりです。

 そして東尋坊には遊覧船があり、地上からでは見ることのできない風景を海上から楽しむことができます。船内から見上げるように眺める岩壁や奇岩は見ごたえ抜群で迫力もあり、また、程よい海風も心地いいものでした。

◆やまに水産

 今回の乗り鉄旅では、「しらさぎ」号に乗車することや遊覧船で東尋坊を見学すること以外に、もう一つ楽しみにしていたことがあります。それは上の写真のとおり、日本海の海の幸を味わうことのできる昼食をいただくことです。出発前にWebサイトで調べた際、沿道にあるやまに水産という越前ガニの専門店が気になっていたため、今回はここを利用することにしました。店内に入ってメニューを見てみると、定食類だけでなく海鮮丼や甘エビ丼など丼物も充実しており、どれにしようか少し迷いましたが、席に案内してくれた店員さんオススメの『セイコ丼』に決めました。福井では、オスよりも一回り小さいメスの越前ガニを「セイコガニ」と呼ぶそうです。この丼ぶりにはセイコガニの内子、外子、足肉がたっぷり入っていて、まさにカニづくしの逸品です。下のご飯が見えないほど多くの具材で彩られた丼は、思わず顔がニヤけてしまう程の美味しさで、普段はどちらかといえば少食の僕ですが、この『セイコ丼』であれば1.5倍の量であったとしても、ペロリと平らげてしまう自信があります。この丼ぶりを食べることができただけでも、東尋坊を訪れる価値は十分にあると思います。

◆IWABA CAFE

 東尋坊の岩場を俯瞰できる場所に、お洒落でスタイリッシュなカフェがありました。こうした旅行先でちょっと気になるカフェを見つけると、つい利用してみたくなります。店先から店内を見ると、それほど混雑している様子はなく、帰りのバスまでの時間にも余裕があったため、このIWABA CAFEでひと休みすることにしました。何かスイーツが食べたいなと思ってメニューを見てみると、もこもこソフトクリームのパイナップルというものがあり、珍しそうだったのでこれをいただくことにしました。カエル(?)をモチーフにした台に差し込まれた容器には、パイナップル味のゼリーの上にソフトクリームが盛り付けられ、さらにパイナップルソースとカットされたパイナップルが添えられています。見た目のインパクトでこの商品を選んでしまいましたが、ソフトクリームとパイナップルの相性もよく、最後まで美味しくいただくことができました。値段は800円でちょっとお高めですが、東尋坊の景色を見ながらゆっくりとスイーツを楽しむことができたのでよしとします。

あわら温泉
 東尋坊からは再び路線バスに乗り、今度はあわら温泉に行くことにしました。あわら温泉の近くには、えちぜん鉄道あわら湯のまち駅があり、鉄道でのアクセスも可能ですが、今回は東尋坊から直接向うことにしたため、路線バスを利用したものです。

 あわら湯のまち駅の駅舎には、おもてなしキャラクターが描かれた丸太風の飾り付けがありました。また、あわら湯のまち駅の近くにある広場には、上の写真にあるような無料で利用できる足湯設備もありました。

 僕は今回、足湯は利用せず、駅から徒歩5分ほどの距離にある旅館「清風荘」の日帰り入浴を利用することにしました。ここには北陸最大級と言われる庭園露天風呂と内湯があり、露天風呂には陶器風呂や八角腰掛風呂といった珍しい浴槽も用意されています。なかなか風情ある露天風呂で、記念に写真でも撮影したいところですが、そうもいかないため実際の雰囲気をお伝えできないのが残念です。本来は午後3時から利用可能となりますが、僕はちょっと早めの午後2時40分頃に伺ったところ、すでに入浴可能ということで、誰もいない一番風呂に入ることができました。大きな庭園風呂を独り占めしながら、気分よく温泉に浸ることができました。

 「清風荘」からは徒歩であわら湯のまち駅に戻り、路線バスで芦原温泉駅に戻り、米原まで「しらさぎ」号に乗車しました。帰りの時間帯には、名古屋まで直接するちょうどいい列車がなかったため、米原から東海道新幹線を利用することにしたものです。乗車するN700Aを撮影すればよかったのですが、結果的には撮影していませんので写真はありません。

 何はともあれ、今日は東尋坊のきれいな景色を眺め、美味しいセイコガニの丼ぶりをいただき、さらには露天風呂にも入浴して、大満足の乗り鉄旅となりました。

 今回の乗り鉄旅では「北陸往復割引きっぷ」を利用しました。名古屋市内↔芦原温泉間で「しらさぎ」号の普通車指定席を利用できますが、名古屋―米原間については在来線特急列車の指定席券の交付を受けていない場合に限り、同区間東海道新幹線の「ひかり」号・「こだま」号の普通車自由席を利用することができます。復路はこの利用方法にしたがって、芦原温泉米原間のみ指定席券の交付を受けています。

 最後に話題は変わりますが、いよいよ10月11日から「全国旅行支援」が開始されます。2020年12月下旬に全国で一時停止したままの「Go To トラベル」に代わる新たな全国規模での観光支援事業で、12月下旬までの期間で旅行代金の40%(交通付旅行商品を購入した場合の上限額は1泊8,000円)が割り引かれるとともに、平日3,000円、休日1,000円の地域クーポンが利用可能となります。昨今の物価高や円安・ドル高などによって商品や各種サービスの値上げが続く中、旅行支援が必要と言えるかといった観点から賛否両論あるようですが、僕としてはこの機会を利用して、ちょっと遠出できればと思い、次回の乗り鉄旅を予定しています。これについては、また次回以降の記事で紹介したいと思います。

赤沢森林鉄道に乗ってきました

 9月になっても真夏のような暑い日が続き、体力的にも精神的にも限界を感じる今日この頃です。僕がまだ小学生だった頃は、2学期が始まってしばらくすると、連日のように屋外の校庭で運動会の練習をしていましたが、当時はここまでの暑さは感じませんでした。自分が歳をとったせいで暑く感じるようになったのか、それとも地球全体の気温上昇の影響によるものなのか、僕にははっきりとした原因は分かりませんが、もう少し暑さが和らいでほしいものです。話は少し逸れてしまいますが、僕が子どもだった時には、まだ冷房装置のない電車があり、客室内の窓を全開にして走っていたことを思い出します。最近は電車内はもちろん、どこでもクーラーが当たり前になっており、身体が冷房慣れしてしまっている分だけ、昔よりも暑さに対して弱くなっているのかも知れません。かと言ってクーラーなしではとても生活できるような状況ではありませんから、結局のところ、今の生活様式を続けるしかないということなのでしょう。

 そんなことを考える日々が続いていますが、今年の夏の乗り鉄旅を振り返って見ると、青春18きっぷの購入を見送ったということもあり、昨年よりも旅行回数は少なく、また、宿泊を伴うような旅行もありませんでした。しかし、見方を変えると、例年以上に近県を中心とした乗り鉄旅を楽しむことができたと思っています。7月には新型車両のHC85系に乗車し、岐阜の下呂を往復しました。また、先月は休日乗り放題きっぷを活用して静岡の伊東までの乗り鉄旅を楽しむことができました。もちろん、まだ行ったことのないところに遠出して、新しい車両に乗車したり初めての路線を利用することも旅の醍醐味ですが、あまり目を向けてこなかった近場の観光地を巡って見るのも、遠出する乗り鉄旅とはまた違った魅力があります。

 そこで今回の乗り鉄旅では、長野の赤沢自然休養林を旅の目的地として、しなの号で名古屋―木曽福島間を往復する乗り鉄旅を計画しました。これまでの乗り鉄旅では何度も中央西線を利用しており、普通列車だけでなくしなの号にも乗車していますが、そのほとんどは通過利用で、木曽福島で上下車したことはありません。また、赤沢自然休養林についても、以前に何かのパンフレットで休養林内にある赤沢森林鉄道の記事を読んだことがあったくらいで、もちろん訪れたことはありません。まだまだ暑さは厳しい中ですが、自然休養林という言葉からは、避暑地的なイメージもあり、今回この機会に行ってみることにしたものです。

 僕の最寄り駅から赤沢自然休養林まで行くには、まずは名古屋まで移動し、そこから木曽福島まで中央西線に乗車します。木曽福島から赤沢自然休養林までは直通の路線バスがあり、これを利用するのですが、この路線バスの本数が非常に少なく、通常期の平日だと往路が3本、復路が2本のみです。そのため利用するしなの号もある程度限定されてしまいます。今回は、バスの時間を考慮して、往路では名古屋を9時に発車するしなの5号に乗車し、帰路では木曽福島を15時31分に発車するしなの16号に乗車することにしました。

しなの号で使用されている383系名古屋駅木曽福島駅 2022/9/15

 特急しなの号といえば383系です。ちょっと調べてみると、383系が登場したのは1994年とのことで、もうすぐ30年を迎えようとしています。車体がステンレス製の無塗装のため、ぱっと見たところでは劣化を感じさせませんが、先頭部をよく観察すると、運転席周りの窓枠部分に塗装の剥げ落ちた箇所があり、また、前頭部のスカート部分の汚れも目立つようになりました。同じJR東海キハ85系は近いうちに引退となるでしょうが、HC85系による置き換えが完了すれば、次はいよいよ383系も新たな車両に置き換えられていくことになるのではないかと思っています。

 ちなみに上の写真は、名古屋駅出発前のしなの5号と、木曽福島駅でたまたま居合わせたしなの11号を撮影したものです。往路のしなの号は増結編成を連結した8両でしたが、平日にも関わらず、かなりの乗車率でした。僕は指定席を利用しましたが、自由席は名古屋発車時点で窓側座席はすべて埋まっており、通路側の座席を相席で利用している方もいたほどです。往路のしなの号に乗車していてちょっと驚いたのは、僕が利用していた指定席車に名古屋→多治見間での利用者が一定数いたことです。50kmに満たない区間であっても、やはり着席需要な少なからずあることを実感しました。

 復路のしなの号は基本編成のみの6両で、往路ほどの乗車率ではありませんでしたが、それでもビジネス利用らしき方も何人か見かけました。名古屋―松本・長野間を結ぶしなの号は、僕が思っている以上に需要は高いようです。

 名古屋―木曽福島間はおよそ1時間30分程度で、長すぎず短すぎずちょうどいい乗車時間です。この日は晴れたり曇ったりの天気でしたが、木曽福島到着時点では、ご覧のとおり気持ちいい快晴でした。駅前のバス乗り場で赤沢自然休養林行きの便を待つこと40分以上、やっとバスがやって来ました。ちなみに始発から終点の赤沢自然休養林まで、乗客は僕1人だけでした。車内があまりに混雑するのも嫌ですが、乗客がたった1人というのも正直あまり居心地よくありません。

 バスは途中で少し工事渋滞に巻き込まれてしまいましたが、その後の回復運転が功を奏し、予定どおりの時刻に赤沢自然休養林に到着しました。往路のバスの運転手さんはなかなかアグレッシブで、まるでアトラクションのようなスリル感あふれる乗車を楽しみました。到着後すぐに森林鉄道乗り場に向うと、ちょうど12時に発車する便に間に合ったため、到着早々に森林鉄道に乗車することにしました。

 この鉄道施設は元々、伐採した木材を運搬するために整備されたもので、1975年にはその役目を終えて廃止されたものの、1987年には園地内の復元軌道を乗車体験することができるようになりました。茶色とクリーム色に塗り分けられた小さなディーゼル機関車が貨車のような客車をけん引しています。運転区間は丸山渡停車場までの往復2.2kmで、丸山渡停車場での機関車付け替えのための停車時間を含めて約25分間の乗車となります。渓流沿いをゆっくりと走行し、また客車にはガラス窓もないため、風を感じながら心地よい乗車を楽しむことができます。

 森林鉄道乗場には森林鉄道記念館が併設されており、歴史的資料や写真などが展示されています。また、木材運搬に活躍していたアメリカ製の蒸気機関車ボールドウィン号の姿も見ることができました。小さな車体と大きく膨らんだユニークな煙突が特徴的で、まるでおもちゃの蒸気機関車のような可愛らしい外観です。100歳を超える機関車には風格が感じられ、この機関車が現役だった古き時代が偲ばれます。

 また、記念館前には、理髪車なるものが展示されていました。長期にわたって入山する営林署員のため、月に数回、この車両が巡回してきたそうです。揺れる車両内で髪を切ったり髭を剃ったりできるのだろうかと思いましたが、実際には留置線などに停車させて使用していたそうです。この森林鉄道がいかに当時の人々の生活に密着していたのかを感じることができました。

 赤沢自然休養林の駐車場付近には「せせらぎの里 赤沢」という食堂があり、今回はここで昼食をとることにしました。店舗にはテラススペースもあり、テーブルと丸太のイスが置かれています。平日ということもあってか利用客はまばらで、店内もテラスも空席があったので、気持ちのよさそうなテラス席を利用することにしました。ちなみに赤沢自然休養林は僕が予想していたとおり、じめじめした蒸し暑さは全くなく、心地よい風が吹き爽快です。こうした日はやはり屋外で食事を楽しみたくなるのですが、今回は食事中に大きな蜂が現れてちょっと慌てましたので、虫が苦手な方には店内で食事をすることをオススメします。

 せっかく赤沢自然休養林まで来たので、食後は園地内に整備されたコースを散策してみました。いくつかのコースがありますが、僕は「ふれあいの道」というコースを選びました。最も気軽に森林浴が楽しめるコースで、段差なく整備された舗装路となっており、初心者向きです。往復2.8kmということで、無理なく歩くことができそうです。途中には、野生生物の出没に注意するよう案内された看板があり、熊や蛇が現れたらどうしようかとビクビクしましたが、運よく遭遇することはありませんでした。緑溢れる大自然の中に身体を置くのは、実に気持ちがいいものです。「となりのトトロ」に描かれていたような風景の中を歩くのは実に新鮮で、往復2.8kmはあっという間でした。今まで山歩きなどにあまり関心を持っていませんでしたが、今回、初心者コースながら散策を楽しめたことで、山歩きの醍醐味がちょっと理解できたような気がします。

 その後は往路の逆をたどって帰路に着きます。木曽福島駅まで路線バスを利用し、木曽福島からは名古屋までしなの号に乗車しました。いつもの乗り鉄旅よりもちょっと体力を使うものとなりましたが、心身共にリフレッシュできる快適な旅となりました。

 今回の乗り鉄旅で使用したのは、JR東海ツアーズが発売している旅行商品です。名古屋―木曽福島間のJR線往復(特急しなの号の普通車指定席を利用)と木曽福島駅―赤沢自然休養林間の路線バス往復、さらに赤沢森林鉄道の乗車分などがすべてセットになったもので、ねだんは8,900円でした。

 木曽福島駅は自動改札が導入されておらず、有人改札を利用しますが、往路での下車時に乗車票の持ち帰りをお願いしたところ、無効印の押印のみで穴あけはありませんでした。JR東海の駅では珍しい対応です。不正利用の防止という観点からは、穴あけが必要という事情も分かりますが、きっぷ鉄的には少しでもキレイな形で手元に残すことができる方がありがたいです。

 これで今年の夏旅も終わりです。10月になればさすがに暑さも収まり、秋らしい涼し気な日がやって来ると思います。今年は夏旅で行けなかったところもたくさんありましたので、秋にはちょっと遠出もしてみたいなと思っています。

観光列車「52席の至福」とSL「パレオエクスプレス」に乗車(2)

 前回の記事からの続きです。

 西武秩父駅に到着後、その足で秩父鉄道御花畑駅に向かいます。ちなみに当日は曇り空で、残念ながら晴天とはなりませんでしたが、その分だけ暑さも厳しくなく、日中の徒歩移動もそれほど苦にはなりません。西武秩父駅御花畑駅は目と鼻の先で、5分もあれば十分に移動できます。駅名は“御花畑”ですが、駅周辺を見渡しても特にそれらしい場所や施設は見当たりません。この特徴的な駅名の由来が気になるところです。御花畑駅は僕が想像していたよりもずっとこじんまりした感じで、ホーム有効長も短いため、全4両編成の「パレオエクスプレス」の客車は一部がホームに入り切りません。そのため後ろ2両(2号車・1号車)がドアカットされるということで、「パレオエクスプレス」の入線直前には、乗車を待つ人でホームはごった返していました。しばらく待つと遠くの方からかすかに汽笛が聞こえ、C58形蒸気機関車が姿を現しました。よく見るとガリガリ君ヘッドマークを掲げており、すぐにでも写真撮影したいところですが、御花畑駅での停車時間はわずかで、撮影する余裕はありません。

 言い忘れていましたが、SL「パレオエクスプレス」は週末を中心に熊谷-秩父-三峰口間を1往復していますが、僕が乗車するのは復路(三峰口→熊谷)のうち御花畑→熊谷です。せっかくの機会なので、欲を言えば始発の三峰口にあるSL転車台公園にも行ってみたいところですが、今回は団体旅行のため、そんな勝手な行動はできません。御花畑を出発した「パレオエクスプレス」は、秩父、皆野の順に停車し、その次の長瀞では約8分ほど停車します。続いて寄居、武川に停車し、終点の熊谷到着は16時18分で、御花畑からは約1時間50分のSL旅となります。

パレオエクスプレスを牽引するC58形蒸気機関車長瀞駅 2022/8/21

 上の写真は、長瀞駅停車中の時間を利用して撮影したものです。始発から乗車する方であれば、三峰口でも撮影する機会がある訳ですが、僕のように途中駅から乗車した場合には、この長瀞駅か終着の熊谷駅が撮影チャンスとなります。団体旅行である以上、熊谷駅で時間的余裕があるかどうか分からなかったため、この長瀞駅で時間の許す限り撮影しました。多くの乗客の方が下車して記念撮影を楽しんでいましたが、やはり先頭の蒸気機関車は人気が高く、鉄道ファンだけでなく、こども連れの家族もしきりにシャッターを切っていました。蒸気機関車を撮影するのは初めてではありませんが、電車の場合と比べると、なかなかうまく撮影することができません。被写体の機関車が影のように真っ黒になってしまったり、かといって明るくし過ぎると白飛びしてせっかくの色合いが死んでしまったりで、全体的に中途半端な感じの写真になってしまいがちです。腕もない上にスマホのカメラ機能もほとんど使いこなせていないので、まあこんなもんかと納得するようにしています。

 蒸気機関車は、いつ見てもその存在感に圧倒されます。僕は、蒸気機関車が日本各地で活躍していた全盛期を知りませんが、当時の方も胸を躍らせながらSLを眺めていたのでしょうか?僕はこれまで、大井川鐡道の「SLかわね路」や東武鉄道の「SL大樹」、JR九州の「SL人吉」が牽引する客車に乗車したことがありますが、どれも力強く、勇ましい姿です。煙を噴き上げ、汽笛を鳴らし疾走する蒸気機関車を見ると、自分がタイムスリップしたかのような感じを覚え、時間を超えた乗り鉄旅を楽しんでいるかのようです。

パレオエクスプレス号で使用されている元国鉄12系客車長瀞駅 2022/8/21

 こちらは客車です。「SL大樹」で使用されているのと同じ元国鉄の12系客車ですが、外観の塗色はぶどう色+金帯に変更されており、蒸気機関車の雰囲気にマッチしたレトロ感と上質感が伝わってきます。

 続いて車内の紹介です。車内は通路を挟んで左右に4人掛けのボックス席がずらりと並んでいます。座席のモケットはエンジ色で、これもまた風情を感じさせます。「SLばんえつ物語」や「SLやまぐち」用の客車のように、展望スペースや物販カウンターなどはありません。ちなみに今回の乗車では、あらかじめ添乗員さんから座席番号が書かれた手書きの用紙を渡され、その席に着席することになるのですが、僕は運よく進行方向の窓側座席でした。ボックス席内には他の乗客もいたため、さすがに窓を開けるようなことはしませんでしたが、窓を開ければきっと、蒸気機関車特有の駆動音と煙や煤の匂いが直に伝わってきたと思います。

 熊谷駅に到着後、添乗員さんの案内で早々にホームを後にしました。やはり途中の長瀞駅で写真撮影を済ませておいて正解でした。到着後しばらくすると、三峰口方から昭和テイストの年季の入った電気機関車が入線してきました。おそらく営業運転が終了した「パレオエクスプレス」の客車と蒸気機関車を牽引して、車庫に回送するためだと思います。回送の様子もゆっくり見ていたかったのですが、そうもいかないので、早々に階段を上がって改札を出ました。

たにがわ号で使用されているE7系:東京駅 2022/8/21

 熊谷から上越新幹線「たにがわ」号に乗車して東京に戻ります。車両はE7系でした。そう言えば今年は、JR東日本の5方面の新幹線がそれぞれ周年を迎えるということで、“新幹線YEAR2022”として、様々な企画が実施されています。その中でも特に気になっているのが200系カラーを再現したE2系新幹線で、各種イベントだけでなく、定期運行される列車にも充当されることがあります。1編成しかないため、なかなかお目にかかることのできない新幹線で、今回の旅行中に運よく遭遇しないかなと期待していましたが、そう簡単にはいきませんでした。

 SL「パレオエクスプレス」の乗車時には乗車票類は配布されませんでしたので、今回紹介するのは「たにがわ」号に乗車する際に使用した乗車票のみです。団体旅行では定番ともいえる120mmのマルス券です。ちなみに熊谷―東京間は営業キロが100kmに満たないため、山手線内の駅を発着する場合の特例は適用されず、東京駅までとなっています。

 今回の乗り鉄旅の紹介は以上となります。本格的なレストラン列車やSLが牽引する列車に乗車するのは久しぶりで、新鮮な気持ちで乗り鉄旅を楽しむことができました。ちなみに今回利用したJR東日本びゅうツーリズム&セールスの旅行商品のねだんは23,000円です。個人旅行で手配した場合の金額と比較すると、多少は割高になってしまいますが、1名では手配しにくい「52席の至福」に乗車するという貴重な経験ができたことから、十分満足のいくものでした。
 まだまだ暑い日が続きますが、これからも元気に乗り鉄旅を楽しんでいきたいと思います。