レン鉄★気ままな乗車記

乗り鉄&きっぷ鉄の管理人が、備忘録を兼ねてブログに綴っていきます。

乗り鉄&きっぷ鉄っぽい管理人が、乗り鉄旅行とそこで使用したきっぷを思うがままに記録したブログです。
どうぞ、お付き合いください。
 

「SL冬の湿原号」に乗車する道東乗り鉄旅(3)

 前回の記事からの続きです。

 昨夜はホテルルートイン網走駅前に宿泊しました。その名のとおり、網走駅前の道路を渡ってすぐ目の前にあるホテルです。釧路で利用したコンフォートホテルもそうですが、ルートインでも追加料金なしでバイキング形式の朝食が提供されます。ありがたいことですね。

 今日もパンの朝食です。クロワッサン🥐と少し固めのフランスパン🥖のような生地で作られたパンをチョイスしました。ちょっとお洒落ですよね。自宅での朝食は白飯の方が多いですが、外出先ではよくパンの朝食を選びます。今日もヨーグルトは多めです。

 さて、気になる今日の天候ですが、網走は気持ちのいい快晴です。この先は、石北本線を走る特急「大雪」号で旭川まで行き、旭川からは特急「ライラック」号に乗り換えて札幌に向かいます。そして札幌からは快速「エアポート」号で新千歳空港まで行き、今回の道東乗り鉄旅を終える訳ですが、どうやら旭川周辺では天気が荒れているようなので、今後の行程に影響しないか気になるところです。そんなことを考えながら準備を整え、ホテルをチェックアウトして駅に向かいました。

 

 

網走駅から特急大雪に乗車

 道東乗り鉄旅3日目のスタートは、もちろん網走駅です。朝の網走駅前は雪で真っ白です。網走駅には全国的にも珍しい縦書きの駅名看板があり、これは刑期を終えた網走刑務所の受刑者が「横道にそれずまっすぐに生きていってほしい」という駅長の思いから、縦書きになったという逸話があるそうです。網走と言えば真っ先に刑務所を想像しますが、こうしたところにもその関連が見て取れるんですね。

 2019年6月の北海道乗り鉄旅では、網走駅から旭川駅まで特急「オホーツク」に乗車しましたが、当時の車両はキハ183系気動車でした。僕が北海道でキハ183系に乗車したのは、この時が最初で最後です。キハ183系国鉄からJR初期にかけて製造された北海道を代表する気動車特急で、道内各地で幅広く活躍していましたが、2023年3月のダイヤ改正で定期運用を終了し、同年4月10日のさよなら運転で完全に引退となりました。過去には「定期特急のリゾート列車化」の一環として、2階がグリーン席で1階が普通車個室で構成されるダブルデッカー構造の「キサロハ182」を組み込んだ「スーパーとかち」として運転されていたこともある花形車両です。そんな一時代を築いたキハ183系の引退は実に名残惜しく、ラストランには鉄道ファンが詰めかけたそうです。引退からはすでに約1年が経過しており、現在の特急「オホーツク」「大雪」の運用はキハ283系気動車が担っています。

特急大雪として活躍するキハ283系気動車:網走駅 2024/3/2

 キハ283系には以前、特急「おおぞら」として乗車したことがあります。鮮やかな青色の先頭鋼体が印象的で、北の大地を駆け抜ける勇敢で力強い外観です。1番線に停車中で、ちょうど駅名看板を入れた写真を撮影することができました。ちなみに奥の方には、釧網本線の網走↔知床斜里間で季節限定で運行されている「流氷物語号」が見えます。使用車両は北海道の恵みの車両編成(道東・森の恵み、道北・流氷の恵み)で、「SL冬の湿原号」と並ぶ釧網本線の冬の観光列車として知られています。僕は昨年、「花たびそうや号」として宗谷本線を走る北海道の恵みの車両編成に乗車したことがあります。

 車内はこんな感じです。座席は初日に乗車したキハ261系1000番台のものと変わりありません。朝8時台に網走駅を発車する特急列車が普段、どの程度混み合うのか分かりませんが、少なくともこの日の特急「大雪」号の乗客はまばらでした。

 列車は網走駅を出発し、旭川に向けて石北本線をひた走ります。車窓から見える快晴の雪色は実に気持ちよく、しばし走行中の車内から写真撮影を楽しみました。

 途中の遠軽駅では車両の進行方向が変わります。遠軽駅停車中の車内から反対側のホームを撮影してみました。遠軽も快晴です。大自然を感じられる北海道らしい景色が続きますね。

 とここまではよかったのですが、旭川駅に近づくに連れて徐々に天候が怪しくなってきました。いつの間にか青空はなくなり、雲が広がってきます。車窓から見える外の様子も先程までとは明らかに異なっており、かなりの積雪が見て取れました。

 それでも何とか、定刻よりも若干の遅れで終点の旭川に到着しました。JR北海道では大雪の際、ポイントの不転換による影響をできるだけ回避するため、一部の普通列車を運休させるなどの対策を講じており、長距離移動者が多い特急列車に大幅な遅延や運休が発生しないよう配慮がなされています。そのおかげで、僕も旭川駅で予定どおりに特急「ライラック」号に乗り換えることができました。

 

旭川駅から特急ライラックに乗車

 旭川駅からは、789系の特急「ライラック」号に乗車します。特急「ライラック」は特急「カムイ」と並んで札幌↔旭川間の都市間輸送を担う特急列車で、札幌―旭川間を約1時間30分で結んでいます。特急「カムイ」がグリーン車を連結しない789系 1000番台であるのに対して、特急「ライラック」は半室グリーン室を備えた0番台で、車両外観上も黄緑色の先頭鋼体が大きな特徴となっています。また、都市間輸送という役割を考慮してか、「ライラック」「カムイ」とも自由席が主体の車両編成となっています。

吹雪の中の函館本線を駆け抜けた789系:札幌駅 2024/3/2

 先に紹介したとおり、特急「大雪」の旭川到着が少し遅れたため、旭川駅で「ライラック」号を撮影する時間がありませんでしたので、上の写真は札幌駅到着後に撮影したものです。前面にはびっしりと雪がへばりついており、吹雪の中を力いっぱい駆け抜けてきたことがよく分かります。ちなみに「ライラック」と「カムイ」の停車駅は共通で、旭川を出発すると、深川、滝川、砂川、美唄岩見沢、終点の札幌の順に停車します。運転区間も停車駅も共通しているにも関わらず、わざわざ「ライラック」と「カムイ」の2つの列車に区別して運用する理由はよく分かりませんが、おそらく使用車両や車両設備の違いなどによって愛称を使い分ける方がいいという判断なのだと思います。

 僕は2号車の普通車指定席に乗車しましたが、ほぼ満席状態でした。6両編成のうち、1号車がグリーン席と普通車指定席、2号車が普通車指定席、3号車から6号車までが普通車自由席(一部列車は3号車も普通車指定席)となっているため、どうしても指定席が混み合うのだと思います。乗客の様子を見ていると、僕と同じような旅行客の姿もありますが、少なからず地元の方も利用されているようです。自由席の様子は見ていませんが、どうやらそちらもほぼ満席で、途中駅からでは着席できない程の混雑ぶりだったようです。これを受けてか、3月のダイヤ改正にあわせて3号車と4号車も指定席化されるということで、指定券の確保はしやすくなりますが、減車された自由席が今まで以上に混雑することが心配されます。

 心配された雪の影響ですが、視界不良のため一部区間で速度を落として運転したため、札幌到着も遅れることになりました。僕の場合、新千歳空港発の航空機の出発までにはまだまだ時間に余裕があるので、特に焦ることはなく、今回の乗り鉄旅で最後となる特急列車の乗車を楽しみました。

 

札幌駅から快速エアポートに乗車

 札幌でちょっとしたお楽しみ(⁉)を終え、帰路に着くため新千歳空港に向かいます。乗車するのはもちろん快速エアポートです。

快速エアポートで活躍する733系:札幌駅 2024/3/2

 ちなみに快速エアポートは現在、日中時間帯は1時間当たり5本運転されており、うち2本は小樽まで直通しています。確かに小樽も人気の観光地なので、新千歳空港から(まで)の直通運転には一定の需要があると思います。そんな快速エアポートですが、3月のダイヤ改正で日中時間帯で毎時1本増発され、その種別も特別快速1本・快速3本・区間快速2本の計6本運転となります。やはり、昨今はインバウンドの影響を受けて新千歳空港―札幌間の需要は高まっているんでしょうね。

 往路と同じように、今回も指定席の「uシート」を利用します。今回乗車した列車でも指定席の利用客は少なく、ロングシートの自由席を利用する方が多いようです(実際に、大きなキャリーケースを持った旅行客がロングシートを利用しているのを見かけました)。僕は今回利用する乗車票で指定席の利用が可能なため、躊躇することなく利用していますが、窓口で購入する際の指定席料金は840円とやや高額なため、利用を控える方も少なからずいらっしゃるだろうと思います。JRの指定席券は通常530円で、一部の観光列車などは840円(SL牽引の客車は1,680円)が主流となっていますが、これらと比べると、やはり快速エアポートの指定席券は割高に感じてしまいます。まあ、高いと思えばロングシートの自由席を利用すればいいだけのことですが…

 新千歳空港駅に到着しました。駅には道内での移動距離や移動時間をイメージしてもらうためか、北海道と本州の地図が重ねられたボードが用意されています。本州からの旅行者にとっては、単なる道内での移動という認識しかなくても、実際には想像していた以上の移動距離となることがよく分かります。僕は1日目に新千歳空港から釧路まで移動しましたが、本州で例えると、名古屋から東京までとほぼ同じ移動だったんですね。ちょっと驚きです。

 

新千歳空港から中部国際空港まで航空機に搭乗

 新千歳空港に到着し、色々とお土産を購入しました。白い恋人やロイズのチョコレートは北海道土産の定番で、つい買ってしまいます。最近になって知ったのですが、北海道に生息するシマエナガという小さな鳥が人気らしく、道内では様々なシマエナガグッズが販売されているようです。空港内のクラフトショップを見ると、ぬいぐるみや文房具などが何種類も販売されており、シマエナガをモチーフにしたお菓子類もありました。僕も家族へのお土産として、可愛らしいぬいぐるみを購入しました。

 そんなことをしているうちに、なんだか甘いものが食べたくなりました。新千歳空港内には飲食店も多くありますが、前回の旅行の際に利用したフードコート内に雪印パーラーというお店があることを思い出し、早速行ってみました。

 雪印パーラーは、その名のとおり、あの雪印が運営するスイーツ店です。メニューを見ると、色々なソフトクリームやサンデーがありましたが、今回いただいたのは、スノーロイヤルという特別なソフトクリームに、生チョコと生キャラメルが贅沢にトッピングされた「生チョコ生キャラメルサンデー」です。お店の売り文句としては『北海道のシメはこれ❗』なんだそうです。まさに北海道の最後のデザートに相応しい一品で、期待を裏切らない美味しさでした。

 出発時間が近づきましたので、保安検査を通過し搭乗ゲートに向かいます。前にも何度か紹介していますが、僕は航空機がかなり苦手なので、搭乗前はいつも緊張してしまいます。墜落の危険性はないのか不安で仕方ありません。人間はいつかは死ぬので、それは避けては通れませんが、痛い思いをするのは嫌です。中部国際空港まで無事に航行してくれることを祈って搭乗しました。

 中部国際空港行の便は、予定よりも少し遅れて離陸しました。復路はアップグレードしてクラスJを利用し、さらに隣も空席だったので、ゆったり搭乗できました(でも心は落ち着きません。)離陸直後に窓の外に目をやると、きれいな夜景が見えました。航空機に搭乗しなければこの視点から夜景を見ることはできないため、そういう意味ではいい経験ができたと思っています。機内では、旅行中に撮影した写真の整理やこのブログの記事を準備するなどして過ごしました。

名鉄特急の2000系:中部国際空港駅 2024/3/2

 無事に中部国際空港に降り立ちました。何事もなく着陸できてひと安心です。緊張が一気に解れました。ここからは自宅に戻るのみです。往路と同じく名鉄線を利用します。急げば一本前のミュースカイに乗車できましたが、大きなキャリーケースを持ち歩いているため時間にゆとりを持ち、21時47分発の特急に乗車しました。

 乗継ミューチケットを購入して特別車に乗車しました。2日前にもミュースカイに乗ったばかりですが、北海道から帰って来ると、何故か久しぶりに名鉄線に乗車するような錯覚を覚えます。そう言えば、名鉄ミューチケットも3月のダイヤ改正にあわせて値上げされ、現在の360円が450円(車内精算の場合は500円)となる一方で、インターネット予約サービスで購入する場合に限り、平日昼間帯と土休日は300円(中部国際空港発着の場合を除く。)に引き下げられます。元々の料金が他の鉄道会社の指定席料金や特急料金と比べてかなり安価に設定されていたため、このご時世にあって値上げもやむを得ません。

 以上で今回の2泊3日にわたる道東乗り鉄旅は終了です。僕にとって初めての冬の北海道ということで、出発前には寒さによる体調面の不安もありましたが、結果としてはすべての行程を予定どおりこなし、元気に帰宅することができました。何となく、自分に少し自信がついたような気分です。

 

乗車券類の紹介

それでは最後に、今回の乗り鉄旅で使用した乗車券類を、使用順にまとめて紹介したいと思います。

 一番上の左側は、今回利用したJALパックのオプションとして購入した乗車票です。2019年6月の乗り鉄旅でも同じような乗車票を購入しましたが、その時とは券面の表記が大きく変更されており、一見すると企画乗車券のようです。この乗車票では快速・特急列車の普通車指定席が利用可能ですが、指定券の発券は乗車票の引き換え後となるため、僕は新千歳空港駅で乗車票を引き換えた直後に、3月2日乗車の特急「ライラック」までの指定券をまとめて発券してもらいました。

 「SL冬の湿原号」については例外的で、この乗車票による指定券の発券はできないことから、別に指定席券を用意する必要があります。最初にお話ししたとおり、僕は乗車1か月前に“10時打ち”をお願いして、往復の指定券を確保しました。

 今回の道東乗り鉄旅の紹介は、以上のとおりです。当初の予定が延期となり、さらに天候も心配される乗り鉄旅となりましたが、結果としては充実した乗り鉄旅となりました。これから季節は春になり、外出には絶好の時期を迎えますので、各方面への乗り鉄旅を計画していこうと思っています。