レン鉄★気ままな乗車記

乗り鉄&きっぷ鉄の管理人が、備忘録を兼ねてブログに綴っていきます。

乗り鉄&きっぷ鉄っぽい管理人が、乗り鉄旅行とそこで使用したきっぷを思うがままに記録したブログです。
どうぞ、お付き合いください。
 

東海道新幹線N700SとN700Aを乗り比べ

 東海道新幹線では今年3月、1999年に営業運転を開始した700系新幹線が引退しました。その独特の先頭形状から「カモノハシ」の愛称で親しまれ、また、300系新幹線を置き換えて東海道新幹線の主力車両として活躍した車両ですが、ここ数年、徐々に運行本数が減少していました。定期列車の「のぞみ」としての運用はN700系N700A)に譲り、「こだま」を中心に運用されていましたが、ついに東海道新幹線から完全引退することになってしまいました。最終運転日となる3月8日には、全車指定席の臨時「のぞみ315号」として運転されることが発表され、そのラストランにあわせて引退イベントが予定されていました。この臨時「のぞみ315号」の指定券は、発売から数十秒で売り切れるほどの人気ぶりだったそうです。そんな期待の集まる700系ラストランイベントでしたが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、JR東海は、数日前に急遽、臨時「のぞみ315号」の運転中止を決定しました。当時の社会情勢を踏まえると、多くの人が集まるラストランやイベントの中止はやむを得ないものだと思いますが、ファンに見送られることなく、ひっそりと引退することになってしまった700系新幹線が、なんだか少し不憫な感じがしてしまいました。

 その後も、新型コロナウイルス感染症による外出自粛などの影響を受け、これまでにない苦境を経験した東海道新幹線ですが、700系引退から約4か月が経過した7月1日、新たな車両N700Sがデビューしました。N700系の改良版として登場したN700Aには、「Advance」を意味する「A」が付けられていますが、今回登場するN700Sは、「N700」に、シリーズ中最高の新幹線車両を意味する「Supreme(スプリーム)」の頭文字「S」が付けられています。

 東海道新幹線の車両の色は、初代0系以来、一貫して白地にブルーのラインというデザインが踏襲されており、今回登場したN700Sもその例外ではありません。正直、鉄道ファン以外の人にとってN700系N700AとN700Sの違いを瞬時で見極めることは難しいかも知れません。ちなみにJR東日本の新幹線車両には、それぞれに特徴的なカラーリングが施されており、誰の目にも容易に車両の違いを見極めることができますが、これとは対称的だと言えます。

 ちなみに、車両の外観でN700AとN700Sの違いを判別するには、車体側面のロゴを確認するのが一番分かりやすいですが、先頭車両の形状をよーく見比べてみると、N700Aの「エアロダブルウィング形」とN700Sの「デュアルスプリームウィング形」の違いが分かると思います。加えて、ヘッドライト(テールライト)の形状も若干異なっていますので、これも見分ける際のポイントになると思います。

 7月1日の運用開始にあわせて営業運転を開始したN700Sは4編成ということで、まだまだお目にかかる機会は少ないのですが、JR東海では、N700Sにより運行される列車を前日にtwitterで公開してくれています。新型車両ということで、基本的には「のぞみ」を中心に充当されていますが、twitterをこまめにチェックしていると、わずかに「ひかり」「こだま」で運用されることもあることが分かりました。「こだま」であれば、豊橋-名古屋間という短区間での乗車も可能です。そして待つこと数日、「こだま」で運用される日を見つけ、豊橋から下りの「こだま715号」に名古屋まで乗車することにしました。

◆往路(N700S)

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東海道新幹線に登場したN700S:豊橋駅 2020/8/1

 先にお話ししたとおり、N700Aとの違いは「デュアルスプリームウィング形」の先頭形状です。さらに側面のブルーのラインが運転席の窓の下まで延びており、いままで以上にスピード感が伝わってきます。ちなみに車体側面のロゴは、N700Aがブルー系だったのに対し、N700Sは金色系のものになりました。個人的にはN700Aのダイナミックなロゴが好きだったので、ロゴのデザインが大きく変わってしまったのは、少し残念です。

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 普通車の車内です。座席のモケット色はN700Aと同じく青色系統ですが、N700Sの方が少し明るい感じがします。そして、車内設備としてN700Aから大きく進化したのが、全席モバイルコンセント付きとなったことです。今回は短距離での利用だったため利用していませんが、通路側の人も気兼ねすることなく利用できるモバイルコンセントがあれば、長距離乗車の際にも何かと安心できます。また、車端部の車内案内モニターも大型化され、さらにフルカラーで見やすくなっていました。

 今回は2号車の自由席を利用しましたが、豊橋発車時点での乗客は僕も含めて5人くらいでした。しかも、僕を含めてほとんどの方が名古屋で下車し、名古屋から乗車する方はなかったので、名古屋停車時の2号車の様子はご覧のとおりです。「こだま」とはいえ、東海道新幹線の車内がここまで空席だらけというのは、かなりの驚きです。

◆復路(N700A

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東海道新幹線で活躍中のN700A三河安城駅 2020/8/1

 名古屋から豊橋までの復路では、これまでにも乗車したことのあるN700Aに乗車しました。N700Sとの比較のため、あらためて車体側面のロゴと先頭車両、普通車の車内を撮影しました。なお、先頭車両の写真は、途中の三河安城駅での停車時間を利用して撮影したものです。復路は15号車の自由席に乗車しましたが、名古屋始発の「こだま」ということもあり、名古屋発車時点での15号車の乗客は僕一人でした。

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 昨年11月にも豊橋ー名古屋間を新幹線で往復しており、その際には「新幹線名古屋往復きっぷ」を利用しました。今回利用したのは「名古屋往復きっぷ」という企画乗車券です。これは、豊橋ー名古屋間を在来線で往復するためのものですが、別に「往復・カルテットきっぷ専用新幹線変更券」を購入すれば、新幹線を利用することもできます。この新幹線変更券は、名古屋往復きっぷ専用の特急券のようなもので、片道分だけ購入することもできることから、例えば往路は新幹線で、復路は在来線を利用したい場合などに便利なきっぷです。

 僕のように、往復とも新幹線を利用する場合には、別に新幹線変更券を購入するよりも、はじめから「新幹線名古屋往復きっぷ」を購入しておけばいいのですが、今回は何となく、別々に購入してみました。きっぷのねだんは、「新幹線名古屋往復きっぷ」が2,360円で、「名古屋往復きっぷ」が1,560円です。「往復・カルテットきっぷ専用新幹線変更券」が片道あたり400円なため、どちらのきっぷを利用しても、トータルのねだんは変わりません。

 タイトルで「乗り比べ」と宣言してしまいましたが、乗り心地という点では、それほど大きな違いを感じることはありませんでした。と言っても、今回は片道当たり30分にも満たない乗車時間だったので、長距離で利用してみると、また違った一面が見えてくるかも知れません。新型コロナウイルス感染症が一日でも早く沈静化し、本格的な旅行を楽しめる日が来ることを祈るばかりです。