レン鉄★気ままな乗車記

乗り鉄&きっぷ鉄の管理人が、備忘録を兼ねてブログに綴っていきます。

乗り鉄&きっぷ鉄っぽい管理人が、乗り鉄旅行とそこで使用したきっぷを思うがままに記録したブログです。
どうぞ、お付き合いください。
 

羽越本線「海里」に初乗車

 新潟地区では、さまざまな観光列車が運行されています。世界最速の芸術鑑賞と言われる「GENBI SHINKANSEN(現美新幹線)」、酒をコンセプトにした「越乃Shu*Kura」、蒸気機関車C57-180が牽引する「SLばんえつ物語」など、多くの魅力ある列車が乗り鉄ファンを楽しませてくれています。加えて2019年9月までは、新潟駅酒田駅(時期によっては秋田駅)間を白新線羽越本線経由で結ぶ「きらきらうえつ」という快速列車も運行されていました。国鉄型特急である485系をベースにしたジョイフルトレインで、白地ベースにパッチワーク風のカラフルな配色の外観が特徴的でした。僕も2018年8月の新潟往復乗り鉄旅で「きらきらうえつ」に乗車しましたが、時間の都合で新潟駅から村上駅までの約1時間だけであったため、次回は是非とも新潟駅酒田駅間のフル区間を乗車してみたいと思っていました。しかし、その願いは叶わないまま、残念ながら「きらきらうえつ」は引退してしまいました。

len-railway.hatenablog.jp

  「きらきらうえつ」の運行終了後、白新線羽越本線に新たな観光列車が誕生することになりました。その名は「海里」で、車両は「リゾートビューふるさと」「リゾートしらかみ」などで使用されているJR東日本ジョイフルトレインの定番とも言えるHB-E300系です。新潟から酒田までの運行区間はすべて電化されているため、単純に考えれば交直流タイプの電車でも問題ないはずですが、他の非電化区間への乗り入れも考慮してか、ディーゼルハイブリット車両での運行となっています。

 「海里」は、2019年10月に運行を開始し、ちょうど1周年を迎えます。僕は当初、2020年3月下旬に乗車する予定で、指定席券も購入して乗車を心待ちにしていたのですが、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う外出自粛要請があったため、乗車予定日の直前にキャンセルした経緯があります。その後もなかなか旅行する機会に恵まれませんでしたが、今回「Go To トラベルキャンペーン」を利用して乗車してみようと思い立ち、再度、乗り鉄旅を計画したという訳です。

 しかし、旅行計画の作成が遅くなってしまい、指定席券の手配を開始したのは、発売日を数日経過してからでした。「海里」は人気列車で、満席になることも少なくないと聞いていましたが、1席くらいなら何とか確保できるだろうと思って「えきねっと」で検索するも、まさかの満席でした。それでも、普段なら数日のうちにキャンセルを拾うことができるのですが、今回はなかなかキャンセルを拾うこともできず、やっと確保できたのが20日前で、それも通路側の席でした。その後、乗車直前になって海側A席のキャンセル分を拾うことができましたが、運行開始からすでに1年が経過しており、しかも平日の運行にも関わらず、ここまで指定席券の確保が難しいということに驚きました。

 それから、以前に「海里」への乗車を計画した際には、「ムーンライトながら」での移動を前提に、新潟→酒田の下りで乗車することにしていましたが、「ムーンライトながら」を利用せずに当日の朝に新幹線で新潟まで移動する方法では、時間的に新潟発の「海里」に乗車することができません。そのため、今回の乗り鉄旅では、新幹線で新潟まで出た後に「いなほ」で酒田まで移動し、酒田から上りの「海里」に乗車することにしました。具体的な旅行行程は、次のとおりです。

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 簡単に言えば、豊橋から山形県の酒田までを1日で往復する乗り鉄旅です。「海里」以外の区間は新幹線か在来線特急を利用するため、なんとか日帰りでの日程を組むことができましたが、おそらくこれが僕にとっての日帰り旅行の限界だと思います。ちなみに往路途中の新潟駅では、ちょっと多めに時間を確保しました。普段であれば、乗り換え時間くらいしか考えませんが、今回は、後から紹介する旅行商品で昼食がセットになっていたので、その食事時間を考慮したものです。

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 今回も、「Go To トラベルキャンペーン」をフルに活用します。豊橋ー東京間では「ひさびさ旅割引 日帰り1day 東京」という商品を利用します。先月は横浜までの「ひさびさ旅割引~」を利用しましたが、今回は東京まで利用します。9月までは、この旅行商品に豊橋発着のプランがなかったため、名古屋発着で利用しましたが、10月からは豊橋発着が設定されました。僕にとっては、とてもありがたいことです。ちなみに実支払額は約6,700円で、さらにJR東海ツアーズの1,000円分のクーポンと、2,000円分の地域共通クーポン(電子)が付与されます。正規運賃で乗車することを考えると、驚異的な値段と言えます。

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2編成が並んだN700A:東京駅 2020/10/30

 今回の往路で乗車したのは「ひかり632号」です。ダイヤ改正以前、東海道区間のみを走行する「ひかり」には500号から付番されていましたが、現在は630号から付番されているようです。写真は、久しぶりに東京駅で撮影したN700Aです。ちょうど2つの編成が並んでおり、奥の車両はヘッドライトを、僕が乗車してきた手前の車両はテールライトを点灯させていました。数ヵ月ぶりに豊橋駅から早朝の「ひかり」に乗車しましたが、やはり以前と比べると乗客の数が少ないように感じます。特に、出張などビジネスで利用されている方が減っているという印象です。一利用客として、満席で混雑した列車に乗車するよりも、乗客が少なくゆったりとした車内で過ごすことができるという点ではありがたいのですが、何となく活気がないというような印象もあり、少しばかり寂しい感じもしてしまいました。

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 東京から新潟まで、はじめは「えきねっと」の「お先にトクだ値スペシャル」を利用しようかと思っていました。今なら上越新幹線の東京ー新潟間の運賃・料金が50%割引となる商品が発売されているからです。しかし、僕が乗車したい列車を調べてみると、すでに50%割引の商品は満席となっていました。それならばと、JR東日本国内ツアーの旅行商品を見てみると、「列車で行く日帰り旅行/新潟すし三昧『極み』」というものがありました。東京ー新潟間の上越新幹線の普通車指定席の往復に、現地での食事がセットになったプランです。こちらも「Go To トラベルキャンペーン」が適用され、実支払額は13,800円です。たまには食事付きプランもいいかなということで、こちらを利用しました。当日、指定席券売機で発券したところ、乗車票2枚とバウチャー券1枚の計3枚でした。バウチャー券は現地で利用したため手元に残っていませんが、乗車票はいつものとおり、乗車記念に持ち帰らせてもらいました。ちなみにこの旅行商品にも、2,000円分の地域共通クーポン(電子)が付いていました。

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上越新幹線で活躍するE2系新潟駅 2020/10/30

 上越新幹線では、久しぶりにE2系に乗車しました。これまで上越新幹線では、Maxとき(E4系)に乗車することが多く、東北新幹線での利用も含めてE2系新幹線の利用は数年ぶりです。今更ながら気がついたのですが、往復で利用したE2系新幹線には、その両方とも、窓側席にモバイルコンセントがありました。東海道新幹線N700系にモバイルコンセントがあるのは当然知っていましたが、恥ずかしながら、E2系新幹線にも設置されているとは知りませんでした。最近は、タブレットスマホを利用する機会が多いので、新幹線内でモバイルコンセントが利用できるというのは、大変ありがたいことです。

 新幹線の紹介はこれくらいにして、今回の乗り鉄旅のメインとなる新潟と酒田間では、新潟→酒田の下りを特急「いなほ」に乗車し、酒田→新潟の上りを快速「海里」に乗車しました。ということで、先に乗車したのはE653系「いなほ」です。

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いなほ号で使用されているE653系酒田駅 2020/10/30

 「いなほ」に乗車するのは今回で2回目です。E653系には「いなほ」以外でも、「しらゆき」や臨時快速列車で乗車したことがありますが、5種類あるカラーリング(「いなほオリジナル色(通称フルーツ牛乳)」「瑠璃色」「ハマナス色」「国鉄特急色」「しらゆき色」)のうち、「瑠璃色」にはまだ乗車したことがありません。できれば「瑠璃色」の編成に当たるといいなと思っていましたが、残念ながらそこまでの運はなく、結果としては普通のフルーツ牛乳でした。

 前回乗車した際もそうだったのですが、今回乗車した「いなほ」も車内は空席だらけでした。どう見ても乗車率は5%以下です。酒田まではアテンダントさんが車内販売を行っていましたが、これではどう見ても採算がとれません。

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 JR東日本区間の指定席を利用するということで、いつものように「えきねっと」で予約・購入したきっぷを利用しました。「いなほ」には現在、50%割引となる「お先にトクだ値スペシャル」が期間限定で設定されています。しかし、このきっぷは乗車日の21日前(正確には乗車日20日前の午前1時40分)までに申込みを行う必要があります。今回の乗り鉄旅は「海里」に乗車することを第一の目的としているため、まずは「海里」の指定席券を確保できないことには成立しません。そのため、「海里」の指定席が手配できてから「いなほ」の乗車券・特急券を購入する必要がありました。しかし、「海里」の指定席券の確保が乗車日のちょうど20日前であったため、ぎりぎりで50%割引の「お先にトクだ値スペシャル」を購入することができませんでした。そのため、30%割引のものを予約・購入しました。1日の違いで割引率が20%も違うのは惜しいですが、仕方ありません。

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海里で使用されているHB-E300系:鶴岡駅酒田駅 2020/10/30

 酒田からは、いよいよ「海里」に乗車しました。「いなほ」は新潟ー酒田間を約2時間10分程度で結んでいますが、上りの「海里」は同じ区間を約3時間30分(下りは約3時間10分)かけて走行します。停車駅もほぼ同じであるにも関わらず、所要時間が大きく違う理由は、途中駅での停車時間です。僕が今回乗車した上り「海里」では、途中の鶴岡駅桑川駅でそれぞれ30分程度の停車がありました。乗客は、その時間を利用してちょっとした観光を楽しんだり、お土産などの買い物を楽しむことができるようになっています。また、沿線のビューポイントである笹川流れでは、通常よりも速度を落とした運転が行われ、観光列車らしいサービスがありました。

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 ちなみにこの列車のコンセプトは、新潟・庄内の食と景観を楽しむ列車ということで、4両編成の各号車ごとに異なる車内設備が用意されています。僕が乗車したのは1号車で、回転式リクライニングシートが30席あります。2号車は全席4人掛けのコンパートメントシートとなっており、この1号車と2号車は、乗車券と指定席券で利用することができます。3号車は売店・イベントスペースで、乗客であれば誰でも利用することができます。一方、4号車は“日本海ビューダイニング”で、車窓からの景観を楽しみながら料亭の味を楽しむことがでますが、びゅう旅行商品専用の車両であるため、一般の乗客は利用することができません。

 車両の外観は、1・4号車の赤色から2・3号車の白色に変化するグラデーションで表現されており、また、水引をモチーフとしたヘッドマークも掲げられています。どことなく「和」のテイストが感じられ、「海里」という漢字2文字で表された列車の愛称にうまくマッチしていると思います。

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 「海里」は全車指定席で運転されており、旅行商品で利用する場合を除き、必ず指定席券を購入する必要があります。料金は「SL銀河」や「HIGH RAIL 1375」の指定席券と同様、840円と通常の指定席券より高く設定されています。僕としては、840円の指定席料金を支払う価値は十分にあると思いますが、同じHB-E300系の車両を使用した「リゾートビューふるさと」「リゾートしらかみ」では530円に設定されています。530円と840円の指定席料金は、どういった基準で決められているんでしょうか。

 それと当日に乗車してみて分かったのですが、1号車の30席のうち、1A~5Dまでの20席をどこかの団体と思われる方が利用していました。30席のうち20席を旅行会社に抜かれてしまったら、一般発売分は、車イス対応席を含めてもわずか10席だけです。これでは平日と言えども、指定席券が確保しずらいはずです。ちなみに「えきねっと」では、1号車のリクライニングシート席(シートマップ対応)と2号車のコンパートメントシート席(シートマップ非対応)が分けられており、どちからを選択して席を選ぶことになります。2号車のコンパートメントシートも魅力的でしたが、4人未満の場合は他の乗客と相席にある可能性があります。もし3人連れのグループが利用しているコンパートメントシートの中に、他の方がぽつんと1人でいるのは、双方が気を使うことになります。そのリスクを避けるため、僕は最初から1号車のリクライニングシートを利用しようと決めていましたが、いざ乗車してみると、2号車のコンパートメントシートは半数以上が空席でした。これならば、乗車直前にでもコンパートメント席の空き状況を確認すればよかったなと、思った次第です。