レン鉄★気ままな乗車記

乗り鉄&きっぷ鉄の管理人が、備忘録を兼ねてブログに綴っていきます。

乗り鉄&きっぷ鉄っぽい管理人が、乗り鉄旅行とそこで使用したきっぷを思うがままに記録したブログです。
どうぞ、お付き合いください。
 

新しい「踊り子」に乗車する乗り鉄旅

 2020年3月のダイヤ改正では、東京・新宿-伊豆急下田を結ぶ「踊り子」号に新たな2つの車両が投入されました。1つ目は、251系「スーパービュー踊り子」の引退により新たに登場したE261系「サフィール踊り子」で、2つ目は、185系に代わって「踊り子」の運用に投入されたE257系2000番台です。

 僕としては、当然これらの車両にいち早く乗車したかったのですが、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う外出自粛要請があったことや、さらに以前の記事でも触れたとおり、6月下旬から7月上旬まで入院し、その後の通院治療とあわせて、8月下旬から9月上旬まで再び入院することが予定されていたことから、なかなか乗車する機会に恵まれませんでした。今回、一連の治療を終えることができたことから、自分自身への快気祝いとして、また、せっかくの「Go To トラベルキャンペーン」を利用しようということで、この2つの列車に乗車する乗り鉄旅を計画しました。

 「Go To トラベルキャンペーン」を利用する場合、東京発着の旅行商品は利用できないため、今回は新横浜発着で新幹線を利用することにしました。JR東海ツアーズからは、「ひさびさ旅割引 日帰り1day 横浜」という商品が発売されていますが、この「ひさびさ旅割引~」には、なぜか豊橋発着の設定がありません。利用するには、名古屋発着とするか浜松発着のどちらかにする必要があり、今回は、久しぶりに「のぞみ」に乗車してみようということで、名古屋発着にすることにしました。旅行代金は11,100円と言うことで、通常の商品よりもかなりおトクな設定になっています。さらに「Go To トラベルキャンペーン」の割引が適用されるため、約7,200円で名古屋-新横浜間を往復することができます。名古屋発着となると、多少は時間をロスすることにはなりますが、この実質負担額で旅行できるのであれば、まったく問題ありません。

 そして、肝心の「踊り子」についてですが、横浜から伊豆急下田までの往路ではE257系2000番台の「踊り子」に乗車し、伊豆急下田から横浜までの復路でE261系「サフィール踊り子」に乗車することにしました。今回は久しぶりの乗り鉄旅ということでちょっと課金し、E257系2000番台の「踊り子」はグリーン車を利用し、E261系の「サフィール踊り子」ではプレミアムグリーン車を利用することにしました。

 また、横浜-伊豆急下田間の乗車には、JR東日本の企画乗車券である「南伊豆フリー乗車券」を利用します。これは、発駅ー伊東駅間の往復に加えて伊豆急行線内が2日間乗り降り自由となるきっぷで、価格は5,950円です。僕は日帰り旅行なので1日しか利用しませんが、それでも十分に元が取れる値段です。今回は、横浜ー伊豆急下田間の往復だけでなく、伊豆急行線内が乗り降り自由となるメリットを活用して、別に伊東ー伊豆急下田間も往復乗車することにしました。具体的な旅行行程は、次のとおりです。

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 今回も、観光要素のない完全なる乗り鉄旅プランです。旅の始まりはE257系2000番台で、横浜から伊豆急下田まではグリーン車を利用します。引き返して伊東までは185系の「踊り子」の普通車自由席に乗車し、伊東からは再びE257系2000番台の普通車自由席を利用します。そして最後に、伊豆急下田から横浜まではE261系のプレミアムグリーン車に乗車するというものです。

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 こちらが、名古屋ー新横浜間で利用した「ひさびさ旅割引 日帰り1day 横浜」の乗車票です。その名も“ぷらっと夏季需要喚起関東(日帰り)”となっており、通常の「日帰り1day」商品とは区別されているようです。「のぞみ」に乗車するということで、ひょっとしたら、運よくN700Sに乗車できるかなと勝手に期待していましたが、残念ながらN700Sを引き当てることはできませんでした。

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 続いて、今回の乗り鉄旅で使用した「南伊豆フリー乗車券」です。「ゆき」券は、伊豆急行線内の最初の下車駅まで利用するもので、「かえり」券がフリーエリア内で使用できるきっぷとなっています。今回は全く使用していませんが、伊豆急下田などから乗車する東海バスもフリーエリアに組み込まれていますので、観光地として有名な河津七滝石廊崎などに行く場合にも、このフリー乗車券だけで移動することができます。

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踊り子号で使用されているE257系の非貫通型先頭車:伊豆急下田駅 2020/9/25

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踊り子号で使用されているE257系の貫通型先頭車:伊東駅 2020/9/25

 まずは、E257系2000番台です。もともとは中央本線の「あずさ」「かいじ」で使用されていたE257系0番台を「踊り子」に転用するために改造されたもので、カラーリングも大きく変更されています。0番台の特徴であった武田菱を模した大きな菱形模様は姿を消し、伊豆の空や海の色をイメージしたペニンシュラブルーを基調としたものとなっており、特に先頭車両の側面は、185系の斜めストライプを思わせるデザインとなっています。伊豆半島東海岸に沿って走る「踊り子」にふさわしい爽やかなカラーリングで、0番台時代とは、ずいぶんと印象が変わりました。

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 E257系は、2000番台も0番台と同様に9両編成となっていますが、中間にあるグリーン車は、0番台が半室グリーンであったのに対して、2000番台は全室グリーンに変更されています。1番から7番までの席は、0番台時代からグリーン席であった区画になるため、2000番台になっても窓割に変更はありませんが、10番から14番までの席は、元々普通席であった区画をグリーン席に変更したため、窓割が一致していません。そのため、席によってはほどんど窓に当たらないハズレ席があり、座席を指定する際には注意が必要です。

 実のところ、乗車する前には、2+2の横4列配置だとちょっとグリーン席っぽくないんじゃないかとあまり期待はしていませんでしたが、当日は半数程度の乗車率だったということもあり、想像していた以上に快適でした。シートピッチはグリーン車標準の1,160mmなので足を伸ばすことができ、枕の付いた座席もちょうど座面が体にフィットする感じです。ただ、今回は2人掛座席を1人で利用することができましたが、どうしても隣席がすぐ近くに感じられるので、他の方がいると少し落ち着きにくいかもしれません。

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 次にこちらが、普通車の車内です。自由席は8号車と9号車の2両用意されており、僕は最後尾の9号車に乗車しましたが、平日昼間の下りということもあってか、車内はガラガラでした。ちなみに0番台の普通車と比べると、座席のモケットが変更されているなどの変更はあるものの、基本的な内装は変わっていません。2+2の横4列配置の座席が並んでおり、伊豆の空と海をコンセプトとして、車内も青色基調となっていました。
 そして、ありがたいことに、0番台時代にはなかったモバイル用コンセントが窓下に用意されていました。車内の車端部には大型の荷物台も設置されており、利便性にも配慮されていました。

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 グリーン券は、いつものとおり、えきねっとで予約・購入しました。ちなみに横浜ー伊豆急下田で普通車指定席を利用する場合の特急料金はちょうど2,000円(通常期)です。グリーン車を利用する場合の特急料金とグリーン料金の合計は2,930円なので、違いはわずか930円です。コストパフォーマンスを考えれば、十分に利用する価値があると思います。

 そして、伊東ー伊豆急下田で乗車した普通車自由席ですが、「伊豆急行線自由席特急回数券」を事前に購入しておき、これを使用しました。伊豆急行線内の自由席特急料金は410円均一ですが、この自由席特急券10枚片綴りが回数券として1,000円で販売されています。つまり1枚当たり100円ということになり、格安で「踊り子」の自由席に乗車できる訳です。僕はヤフオク!でバラ売りを購入したため、さすがに100円とはいきませんが、それでも2枚で290円だったため、かなりおトクに利用することができました。

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サフィール踊り子号で使用されているE261系:伊豆急下田駅伊東駅 2020/9/25

 そしてついに、今回のメインであるE261系「サフィール踊り子」です。251系「スーパービュー踊り子」は10両編成で、そのうち1・2号車の2両がグリーン車でしたが、E261系「サフィール踊り子」は8両編成すべてがグリーン車です。と言っても号車ごとに車内設備が異なっており、1号車はJR初となるプレミアムグリーン席、2・3号車は4人または6人用グリーン個室、4号車はカフェテリア(ヌードルバー)、そして5~8号車がグリーン席となっています。1号車は定員がわずか20人で、2・3号車の個室もそれぞれ20人ということで、定員数を絞り込んだ贅沢なものとなっています。

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 車体外観のデザインコンセプトは「伊豆の圧倒的で雄大な自然」だそうで、輝かしい紺碧色が目を引きます。なんとなく、E257系2000番台のペニンシュラブルーと共通色のようにも見えますが、実際には微妙に色合いが違っているようで、E261系の色の方が深みがあるように感じられました。

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 これがプレミアムグリーン車の車内です。“プレミアム”と言えば近鉄80000系「ひのとり」があり、僕も7月に乗車したところですが、E261系のプレミアムグリーン席は、さらに落ち着きのある上質な空間で、鉄道車両とは思えないプライベート感の高い座席となっています。座席はひとつひとつがすべて独立しており、他の乗客の視線はまったく気になりません。もちろん、リクライニングやレッグレストもすべて電動で、体をすべて座席に預けると、優しくそしてしっかりと包み込んでくれるような感じです。鉄道車両の究極の進化系を体験することができたと言っても過言ではないと思います。

 僕は乗り鉄旅において、外の景色が見やすい窓側の座席が好きで、今回も窓側の座席を利用しましたが、プレミアムグリーン席について言えば、通路側の座席も決して悪くありません。プレミアムグリーン車の通路は、車両の片側に寄せられているため、通路側と言えども、他の乗客に邪魔されることなく通路越しに車窓を楽しむことができるようになっています。

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 そして最後に紹介するのが、4号車のカフェテリア(ヌードルバー)でのメニューです。僕は、重慶焼売がセットになったヌードルをオーダーしました。昔は多くの長距離列車や新幹線に食堂車が連結されており、車内で食事を楽しむことができましたが、現在は定期列車として運行されている列車の中に食堂車を備えているものはほとんどなく、寝台特急サンライズ号ですら、車内に食事の設備はありません。そんな貴重なカフェテリアで食べるラーメンは、味だけでなく、車窓から見る伊豆の景色とあいまって、十分に満足できるものでした。プレミアムグリーン席も非常にすばらしい座り心地を提供してくれましたが、カフェテリアも「サフィール踊り子」に乗車する楽しみのひとつだと言えます。

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 グリーン券はみどりの窓口で購入しました。と言うのは、えきねっとではプレミアムグリーン席のグリーン券を購入することができないからです。ちなみに少し前に座席の空き状況を確認したところ、窓側はすでに埋まっていると言われ、一旦は通路側の座席を購入しました。しかし、その後サイバーステーションで確認すると、かなりの空席があるようだったので、もう一度駅の窓口で確認し、窓側の座席に変更してもらいました。ちょうどこのタイミングで団体枠が解放されたんでしょうかね?

 以上、新しい「踊り子」に乗車する乗り鉄旅の模様をお伝えしてきました。特に「サフィール踊り子」での感動は素晴らしく、下車した早々、また乗車してみたいと思ってしまうほどです。次回もう一度乗車する機会があれば、まだ利用していないグリーン席や、さらに欲を言えばグリーン個室も利用してみたいものです。