レン鉄★気ままな乗車記

乗り鉄&きっぷ鉄の管理人が、備忘録を兼ねてブログに綴っていきます。

乗り鉄&きっぷ鉄っぽい管理人が、乗り鉄旅行とそこで使用したきっぷを思うがままに記録したブログです。
どうぞ、お付き合いください。
 

2つの観光列車に乗車する南東北乗り鉄旅(2)

 前回の記事からの続きです。

 「フルーティアふくしま」への乗車を終えて、仙台駅で仙山線に乗り換えます。もし時間に余裕があれば、昼時ということで昼食に牛タン定食でも食べたかったのですが、乗り換え時間が20分しかなかったため、今回は諦めました。もっとも、「フルーティアふくしま」の車内で提供されたスイーツだけで、すでにほぼ満腹状態だったので、結果としては、もし時間に余裕があったとしても、牛タンはパスしていたと思います。

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 今回の乗り鉄旅では、あらかじめ東海道新幹線豊橋⇔東京間の乗車票を用意し、東京⇔郡山間の東北新幹線分は「えきねっと」で購入しています。郡山⇒仙台の「フルーティアふくしま」も、旅行商品の乗車票を利用するため、これら以外の残りの区間についてのみ、別に乗車券を購入する必要があります。

 単純に普通乗車券を購入するという方法もありますが、ちょっと調べてみると、これらの区間を含んだ南東北エリアが乗り降り自由となる「小さな旅ホリデー・パス」という企画乗車券があることが分かりました。この「小さな旅ホリデー・パス」は、利用日当日でも購入することができ、また、別に特急券を購入すれば、山形新幹線に乗車することができます。ということで、今回はこの企画乗車券を利用することにしました。ちなみにこの企画乗車券では、東北新幹線に乗車することはできません。そのため、帰路の福島⇒郡山は新幹線ではなく、在来線を利用することとしたものです。

 なお、仙台ー羽前千歳ー村山ー福島ー郡山は、すべて仙台近郊区間に含まれるため、実際に乗車する経路にかかわらず最も安くなる経路で運賃を計算することができますが、この特例扱いは、特急列車で奥羽本線の福島~新庄間を利用する場合には適用されません。今回は一部区間で「とれいゆつばさ」に乗車するため、この特例扱いは適用されず、実際に乗車する経路で運賃計算することになることから、「小さな旅ホリデー・パス」を利用した方がちょっと安くなります。

 僕は仙山線に乗車するのは初めてです。土曜日の昼間の時間帯で、青春18きっぷシーズンでもないことから、車内はガラガラなんじゃないかと予想していましたが、地元の学生さんの利用が多く、途中までは立ち客がいるほどでした。ちなみに仙山線は、全線が仙台市内と山形市内にあり、県庁所在地間を結ぶ路線ですが、途中には勾配の厳しい山岳区間もあり、山間ののどかな風景を楽しむこともできます。僕は、山形線奥羽本線)に乗り換えるため、途中の羽前千歳駅で下車しました。

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 羽前千歳駅は、一見すると何の変哲もない島式ホームの標準的な駅ですが、実は1番線側が標準軌で、2番線側が狭軌となっている珍しい駅です。しかも、ホームの端から山形方面を眺めると、仙山線系統の狭軌山形線奥羽本線)系統の標準軌とが、平面で交差していることが分かります。つまり、標準軌狭軌の並びが入れ替わり、ここまでとは反対の並びで線路が伸びている訳です。路線の並びを入れ替える場合、一方の路線を高架化して他方の路線を跨ぐ立体交差にするのが一般的だと思うのですが、運転本数などの状況から、こうした平面交差でも対応できると判断されたのでしょうか。

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とれいゆつばさ号で使用されているE3系村山駅 2020/12/5

 村山からは、いよいよ「とれいゆつばさ」に乗車します。E3系新幹線を改造したもので、11号車から16号車までの全6両編成となっています。外観は、白色をベースとしており、側面には色合いの異なる緑色が、車両前面にはメタリック系の青色が配色されています。この緑色は、山形県にある月山を、そして青色は同じ山形県を流れる最上川を、それぞれモチーフとしているということで、ベースの白色も蔵王に由来する色として用いられているそうです。また、車両側面には、「とれいゆつばさ」のロゴも描かれていました。

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11号車の普通指定席

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12号車から14号車までのお座敷指定席

 僕は今回、11号車の普通指定席を利用しましたが、この号車はもともとE3系0番台時代にはグリーン車として使われていた車両で、座席もグリーン車時代のものがそのまま使用されています。普通車指定席の料金で元グリーン車の車両を利用できるというオトク感からか、「とれいゆつばさ」の中でも11号車の指定席は人気が高いようです。これに対し、12号車から14号車まではお座敷タイプの指定席車両となっています。通路を挟んで4人掛けと2人掛けのテーブル付きのボックス席が並んでいます。車内に入ると、赤色のモケット柄が目に飛び込んできますが、これは列車名の語源となった「ソレイユ(フランス語で太陽の意味)」をイメージさせるという意味があるのかもしれません。今回は、相席となることを避けるために、あえてお座敷座席とはしませんでしたが、実際には車内はそこまで混雑しておらず、1人利用であっても、2人掛けのボックス席を気兼ねなく利用できる状態でした。次回乗車する機会があれば、お座敷座席も利用してみたいと思います。

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15号車の湯上がりラウンジ

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15号車のバーカウンター

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16号車の「くつろぎの間」入口

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16号車にある足湯の浴槽

 続く15号車と16号車は、「とれいゆつばさ」の中でも特徴的な号車となっています。16号車の車内には、車窓を眺めながら寛ぐことができる足湯の設備があり、15号車には、湯上がりラウンジとしての休憩スペースと物販カウンターがあります。ちなみに足湯の利用には、別途、足湯利用券が必要で、びゅう旅行商品を購入した場合にはオプションとして事前に購入することもできますが、空き状況によっては、当日であっても足湯利用券を物販カウンターで購入することができます。僕もせっかくの機会なので、話のネタにと考えて利用してみました。お湯につけることで足の疲れが和らぐことはもちろんですが、寒い時期だと体全体が温まるような感じがして、なかなか気持ちがいいものでした。入浴中、車両の揺れの影響で体が思わぬ方向に持っていかれそうになることがあり、やはり列車の中であることが実感できます。その拍子に浴槽の中に転落すると洒落にならないので、気を緩めずに集中しました。現在は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、同時に利用できる人数を通常の8人から4人に制限しているようです。湯守アテンダントと呼ばれるスタッフの方々が、利用客の案内や写真撮影などのサービスはもちろん、浴槽の消毒作業も行っており、非常に忙しそうに対応されていました。当日の足湯利用は450円(とれいゆつばさオリジナルタオル付き)ですが、これでは利益はほとんど見込めないのではと、他人事ながら心配になってしまいました。ちなみに足湯の利用時間は、15分刻みで設定されており、僕は16時30分から45分までの15分間でした。日没時間だったので、残念ながら外の景色を眺めることはできませんでしたが、貴重な経験をすることができました。車窓からの景色を眺めたいという方には、下り新庄行きの「とれいゆつばさ」を利用するか、上り福島行きであれば少しでも早めの時間帯での利用をおススメします。

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 16号車の足湯を利用すると、オリジナルのタオルとともに、乗車証明書がいただけます。一瞬「とれいゆつばさ」が写っていないかと思いましたが、雪の中を走行する様子がきちんと収められていました。東北地方の実に冬らしい風景で、この時期に乗車したという記念になります。ちなみに僕は事前に他の方のブログを拝見し、足湯を利用すれば乗車証明書をいただけるということを初めて知りました。僕が足湯を利用したのは、この乗車証明書が欲しかったというのも理由のひとつです。

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 JR東日本区間の指定席特急券ということで、いつものように「えきねっと」で購入しました。ただ、「えきねっと」では、なぜかシートマップから座席の位置を指定することができません。確かに12号車から14号車までのお座敷指定席は、変則的な座席配置になっているため、シートマップ非対応となるのも理解できますが、11号車の普通指定席であれば、全く問題ないはずです。実際、10月に乗車した「海里」でも、コンパートメント席はシートマップ非対応ながら、普通座席はシートマップに対応していました。「とれいゆつばさ」も、せめて11号車はシートマップに対応させてもらえるとありがたいです。

 ちなみに今回は、「えきねっと」で窓側限定で申し込みましたが、きっぷを受け取って見ると、3D席となっていました。11号車には、1席だけ1人掛けの座席があるため、きっぷ受け取り後に東京駅の窓口で確認したところ、残念ながら1人掛けの6A席は発売済みで、座席の変更はできませんでした。1人掛けであれば、2人掛けのように通路側の方に気を使う必要がないため、今回のように車内散策などで頻繁に席を離れる場合には、とても都合がいいと思ったのですが、こればかりは仕方ありません。しかし、いざ乗車してみると11号車はそれほど混雑しておらず、運のいいことに終点の福島まで相席になることはありませんでした。