レン鉄★気ままな乗車記

乗り鉄&きっぷ鉄の管理人が、備忘録を兼ねてブログに綴っていきます。

乗り鉄&きっぷ鉄っぽい管理人が、乗り鉄旅行とそこで使用したきっぷを思うがままに記録したブログです。
どうぞ、お付き合いください。
 

3つの「ものがたり列車」に乗車する四国乗り鉄旅(1)

 JR四国には、様々なタイプの観光列車があります。そのカテゴリーは大きく3つに分けられます。一つ目はトロッコ列車で、予土線の「しまんトロッコ」、徳島線の「藍よしのがわトロッコ」、そして瀬戸大橋線の「アンパンマンロッコ」です。二つ目のカテゴリーはアンパンマン列車で、徳島線の特急剣山に連結された「ゆうゆうアンパンマンカー」のほか、予讃線土讃線を走る特急型車両の一部にアンパンマンの装飾が施されています。そして三つ目が「ものがたり列車」と呼ばれる観光列車になります。

 「ものがたり列車」の始まりは、松山ー伊予大洲八幡浜間を結ぶ「伊予灘ものがたり」で、2014年7月に登場しました。日経新聞社による「おすすめ観光列車ベスト10」で1位となるなど、全国的に見て最も人気の高い観光列車のひとつです。その人気を背景として、2017年4月に新たに登場した2番目の「ものがたり列車」が「四国まんなか千年ものがたり」です。「伊予灘ものがたり」は快速列車であったのに対し、「四国まんなか千年ものがたり」は特急列車となりました。その列車名は、四国の中央部である土讃線多度津大歩危間を走行することから命名されたそうです。そして2020年7月、ついに3番目の「ものがたり列車」となる「志国土佐時代(とき)の夜明けのものがたり」が運行を開始しました。「四国まんなか千年ものがたり」と同じ特急列車扱いで、土讃線の高知ー窪川間を走行します。なお、この区間には以前、トロッコ列車「志国高知幕末維新号」が運行されていましたが、このコンセプトを引き継ぐ形で登場した列車になります。これらの「ものがたり列車」は2両または3両1編成の全車グリーン車で運行されており、旅行商品だけでなく、通常の快速・特急列車と同様に、駅の窓口で購入可能な乗車券類でも乗車することができます。

 今回は、今年最大の乗り鉄旅として、1泊2日で3つの「ものがたり列車」すべてに乗車することにしました。また、メインは「ものがたり列車」になりますが、定期運行されているJR四国の特急列車の中には、まだ僕が乗車したことがないものも数多くあり、これらの列車に乗車することも目的のひとつです。さらに先にお話ししたとおり、四国にはいくつかのアンパンマン列車が運行されていますので、こうした列車にも乗車することになります。僕としては、特にアンパンマンに興味・関心があるわけではありませんが、旅の思い出にはなるんじゃないかと思います。

 1泊2日で3つの「ものがたり列車」に乗車するためには、どちらかの日に少なくとも複数の列車に乗車しなければなりません。時刻表を眺めたりネットで検索してみたりしたところ、どうやら「四国まんなか千年ものがたり」の下り列車(多度津大歩危)に乗車した後、そのまま特急列車で窪川まで移動すれば、「志国土佐時代の夜明けのものがたり」の上り列車(窪川→高知)に乗車できることが分かりました。こうして1日目に2本の「ものがたり列車」に乗車し、翌2日目に松山→伊予大洲間で「伊予灘ものがたり」に乗車することにしました。「伊予灘ものがたり」は2往復運転されており、松山発には午前便の大洲編、午後便の八幡浜編がありますが、今回は午後の八幡浜編としました。この八幡浜編の終着は八幡浜なので、そこまで乗車してみたかったのですが、帰路の時間の都合上、伊予大洲までの乗車とします。具体的な旅行行程は、次のとおりです。

11月6日の旅行日程

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11月7日の旅行日程

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 実は、以前の記事でも少し触れたのですが、当初は今年7月上旬に2泊3日の予定で四国乗り鉄旅を計画していました。しかし、6月下旬から7月初旬まで入院し、その後も通院を続ける必要があり、体力的にも気分的にも2泊3日の旅行に行けるような状態ではなかったため、泣く泣くキャンセルしたという経緯があります。今回の旅行日程の作成にあたり、7月上旬に予定していた乗り鉄旅の日程をそのまま引き継いでもよかったのですが、休暇の都合もあり、また1泊2日であっても3つの「ものがたり列車」に乗車することができるため、自分なりに日程を工夫して再調整したものです。

 いつものとおり、観光要素がない行程となっていますが、これまで行ったことがない高知県愛媛県を訪れるということで、僕としては、とても新鮮な感じがする旅行行程となります。

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 今回の乗り鉄旅の乗車券類をどのように手配するのか、いろいろと迷いました。初めは、JR東海ツアーズの旅行商品「シングルルームプラン」を利用し、四国内での移動用には、JR四国が発売している「四国満喫きっぷスペシャルプラス」を購入するという組み合わせを検討していました。もちろん「シングルルームプラン」にも「Go To トラベルキャンペーン」が適用されることになりますが、適用前の金額を見ると、それほどオトク感がある価格ではありません。しかも、「四国満喫きっぷスペシャルプラス」は3日間分で10,500円となっており、僕の旅行行程からすると、少しもったいない使い方になってしまいます。そこで、他にいい旅行商品がないか色々と探してみたところ、JR四国の旅行商品(ワープ商品)の中に「おでかけ。四国家 まるごと鉄道たび」というものを見つけました。特急列車普通車自由席に乗車できるJR四国全線・土佐くろしお鉄道全線フリーきっぷ(2日間用)と宿泊がセットとなっており、今回の乗り鉄旅にはピッタリです。ということで、Webからこの旅行商品を申し込み、さらに、岡山までの往復は新幹線回数券を、岡山から児島(JR四国との境界駅)までの往復は往復乗車券・自由席特急券を別に用意することにしました。「Go To トラベルキャンペーン」による割引額や他の費用も考えると、結果的には当初案と比べてほとんど金額の差はありませんが、損をしている訳ではないので、これはこれでよしとします。

 ということで、今回使用した名古屋⇔岡山の新幹線回数券と、岡山⇔児島の乗車券・特急券です。僕としては、指定席用の新幹線回数券を使用するのは久しぶりです。座席を指定する際、現券に「指定席発券済」と赤字で印刷されて、別に指ノミ券が発券されるのかと思っていましたが、発行替えでの対応でした。また、岡山駅での乗り換え時間に余裕がなかったので、岡山⇔児島間の乗車券類もあらかじめ購入しておいたものです。

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 そして、こちらが旅行商品として購入した乗車票です。別の旅行商品の中には、特急列車普通車指定席が利用可能なプランも一部にあったのですが、Web予約に対応しておらず電話予約のみだったため、今回は手軽に購入できる自由席タイプとしました。券面を見ると、"乗車票"の文字はなく、何となく企画乗車券っぽい感じがします。なお、自由席タイプの乗車票であるにもかかわらず、右下に「指定券発行」のゴム印が押印されています(非常に薄いですが…)。自由席特急券の乗車票に「指定券発行」というのはちょっとおかしいと思われるかもしれませんが、その理由は、また後ほどお話しします。

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南風号で使用されている2700系アンパンマン列車:岡山駅高知駅 2020/11/6

 新幹線の乗車記は割愛して、最初に紹介するのは2700系気動車の特急「南風」で、JR四国の中では最新型の特急型気動車です。今回の乗り鉄旅では、岡山→多度津大歩危→高知、高知→丸亀の計3回、南風に乗車するのですが、偶然にもそのすべてが2700系のアンパンマン列車となりました。「僕、アンパンマン。」という車内の自動放送を何度聞いたことでしょう。このアンパンマン列車ですが、どうやら「あかいアンパンマン列車」と「きいろいアンパンマン列車」の2種類があるようです。図らずも今回はその両方に乗車することになり、もし僕が今よりも40歳くらい若かったら、大喜びだったかもしれません。

 車両前面には、デカデカとアンパンマンが描かれており、その横にばいきんまんの姿もあります。車両全体がラッピングされているため、まるでテーマパークの中を走るアトラクションの列車のような外観です。僕は自由席を利用したため、座席自体は通常編成と同じものでしたが、指定席の一部には、アンパンマンシリーズのキャラクターが描かれたアンパンマンシートというものが設定されているそうです。アンパンマン好きの子にはたまらない設備でしょう。

 さて、僕は2700系に乗車するのは初めてですが、車内も明るく、最新型の特急列車らしい車両設備となっていました。全席にモバイルコンセントが設置され、無料Wi-Fiも完備されています。普通車の座席は、窓側と通路側とでモケット柄が微妙に異なったものが交互に配置され、車内の色合いが単調にならないような工夫も施されていました。ちなみにこの2700系には制御付自然振子方式が採用されており、従来車よりも高速度で曲線区間を走行することができます。最高速度は130kmでスピードアップ化にも大きく貢献しており、今後は、JR四国気動車特急の中心的な役割を担う列車になりそうです。

 >>(2)に続く