レン鉄★気ままな乗車記

乗り鉄&きっぷ鉄の管理人が、備忘録を兼ねてブログに綴っていきます。

乗り鉄&きっぷ鉄っぽい管理人が、乗り鉄旅行とそこで使用したきっぷを思うがままに記録したブログです。
どうぞ、お付き合いください。
 

SL「D51復活35周年水上」に乗車する水上往復乗り鉄旅

 国内には、動態保存されている蒸気機関車(SL)がいくつかあります。日本の最初期のSLは、今から約150年前の1872年に新橋―横浜間の開業に使用されたもので、これはイギリスから輸入されたんだそうです。その後、国内において次々と鉄道網が整備されていき、各地で旅客用や貨物用としてSLが運用されるようになった訳ですが、時代は動力近代化へと進み、電気機関車ディーゼル機関車に置き換えられる形で、次第に淘汰されることとなり、現在では復活を成し遂げた一部のSLがその姿を残すのみとなりました。

 全国的に有名なSLとしては、山口線新山口-津和野間)を走る「SLやまぐち号」や磐越西線(新津-会津若松間)を走る「SLばんえつ物語号」などがあり、JR北海道が冬季に釧網本線(釧路-標茶間)で運行する「SL冬の湿原号」や、JR九州肥薩線(熊本-人吉間。ただし、肥薩線の一部区間不通の影響により現在は鹿児島本線鳥栖-熊本間)で運行する「SL人吉」なども人気を集めています。

 僕が住んでいる愛知県内には、残念ながらSLが運行されている路線はありませんが、お隣の静岡県にある大井川鐡道は40年以上も昔からSLの動態保存に取り組んでおり、週末を中心に多くの列車を運行しています。特に2014年7月から運行を開始した「きかんしゃトーマス号」は爆発的なヒットとなり、一時期は指定席券を確保するのが困難となるほどの人気列車となりました。僕も一度は乗ってみようと思い、2018年に初めて「きかんしゃトーマス号」に乗車しています。

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 大井川鐡道では、「きかんしゃトーマス号」のC11形の他に、貴重なC10形やC56形も活躍しており、全国各地から多くの鉄道ファンを集めています。SL人気で不動の地位を確立したと思われた大井川鐡道ですが、2020年春には新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴いSL急行の運休を余儀なくされ、さらに2022年9月には台風15号による土砂災害の影響で大井川本線は大きなダメージを受けて、現在でも川根温泉笹間渡-千頭間では運休(SLは新金谷-家山または川根温泉笹間渡間でのみ運行)が続いている状況です。

 また、関西方面に目を向けると、北陸本線米原木ノ本間)では以前から「SL北びわこ号」が運行されてきましたが、こちらも新型コロナウイルス感染拡大の影響により2020年春季から運転を休止し、客車の老朽化などの事情もあって、2021年5月に運行終了が発表されています。

 さらに今年度になってからは、釜石線で活躍していた「SL銀河」が6月に定期運行を終了しており、また、先に紹介した「SL人吉」も2024年3月に引退することが発表されています。僕は「SL銀河」「SL人吉」のどちらにも乗車したことがありますが、どちらもSLの醍醐味が感じられる素晴らしい列車で、大人も子供もすべての年代が楽しめる魅力的なものでした。もし時間を戻すことができるのであれば、もう一度と言わず何度でも乗車してみたいと思うほどです。

len-railway.hatenablog.jp

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 そんな感じで、観光資源としてのポテンシャルは高いものの、新型コロナウイルス感染拡大の影響や車両(客車)の老朽化、また、鉄道会社によっては自然災害の影響などもあり、SLを取り巻く環境は、今まで以上に厳しさを増しているような気がします。また、SLを維持・管理するためには、通常の電車や気動車よりも多くの人手と費用が必要になるでしょうから、動態保存されているSLがこの先どこまで維持されるものか、その動向を不安視する声が聞こえてくるのも無理のないことです。

 しかしその一方で、ちょっと明るい話題があるのも事実です。一つ目は東武鉄道が2017年に約50年ぶりにSLの運行を復活させたことです。大手私鉄としてはおそらく初の試みで、この取り組みが他の大手私鉄にも波及するとは思いませんが、「SL大樹」は人気を博しており、鬼怒川線下今市鬼怒川温泉間)の利用促進や鬼怒川地区への集客に大きく貢献しているようです。そして二つ目はJR東日本保有するD51形498号機が、今年で復活から35周年を迎えるということです。もともとD51形498号機は戦前の1940年に落成された機関車で、その後は一度引退したものの、1988年に復籍しています。D51形は「デゴイチ」の愛称で親しまれており、SLの代名詞的存在でもあります。JR東日本では、これまでも復活からの節目の年に記念列車を運行してきましたが、今年も「D51復活35周年水上号」が運転されることとなりました。

 そして今回は、この「D51復活35周年水上号」に乗車する乗り鉄旅に行ってみることにしました。この列車の運転日は11月3・5・18・19日の計4日間で、運転区間はいずれも上越線(高崎―水上間)です。また、客車は高崎車両センター所属の旧型客車6両編成となります。本来であれば、乗車日の1つ月前の指定券発売日までに旅行行程などを準備しておけばよかったのですが、あいにく手配が遅れてしまったため、出発日は最後の運転日である11月19日としました。ちなみに「D51復活35周年水上号」には往復とも乗車するつもりです。そうと決めたら早速、指定券を確保しなければなりません。できれば往復とも進行方向の窓側座席を確保したいと思い、空席状況を確認しましたが、やはり窓側座席はほぼ埋まっていました😰 こまめに「えきねっと」で探っていると、たまに空席が見つかり、何とか往復とも希望の窓側座席を確保することができました。これで一安心です😊

 

今回の旅行概要

 では早速、今回の旅行行程を紹介したいと思います。

 「D51復活35周年水上号」は高崎9時56分発なので、これに間に合うよう、豊橋を朝一番に発車する「ひかり」に乗車して東京に向かいます。東京からは8時44分発の「はくたか」に乗車して高崎に行き、高崎から終点の水上まで「D51復活35周年水上号」に乗車します。水上では昼食や入浴を楽しんだ後、再び水上15時15分発の「D51復活35周年水上号」に乗車して高崎に戻り、さらに高崎からは「とき」に乗車して東京に向かい、東京から「こだま」に乗車するものです。メインはもちろん「D51復活35周年水上号」ですが、「ひかり」「はくたか」「とき」「こだま」と4つの新幹線にも乗車することになります。

 「D51復活35周年水上号」の乗車区間は上記のとおりですが、詳細なダイヤは次のとおりです。

 高崎―水上間は約2時間ですが、途中の渋川や沼田で8分から20分から停車するため、この時間を利用して写真撮影などを楽しむことができそうです。乗車日に向けて、日に日に期待が高まっていたのですが、前日の18日、たまたま鉄道関係のニュースを見ていると、次のような記事が目に飛び込んできました。

不具合で快速「D51復活35周年水上」の上下2本が運休 JR東日本高崎支社によると、18日午前8時半ごろ、上越線高崎駅構内でSL「D51復活35周年水上」の入れ替え作業中にD51蒸気機関車の保安装置に不具合が確認され、高崎発水上行き下り快速「D51復活35周年水上」と水上発高崎行き上り快速「D51復活35周年水上」が運休した。

 えー😭、まさかという感じです。こんなことがあるんですね。どうやら発車直前に不具合が判明したようで代替の機関車が手配できず、やむを得ず運休になってしまったようです。「D51復活35周年水上号」に乗車するため、すでに高崎で待ち構えていた方もいらっしゃると思いますので、実にお気の毒なことです。しかし、保安装置に不具合が発生したとのことですので、残念ですが仕方ありません。僕が乗車する19日の運行は大丈夫なのかと気になり、JR東日本のWebサイトを見てみましたが、これに関して特にお知らせはありません。果たしてどうなるのか、やや不安な思いを抱いたまま出発の日を迎えました。

 

豊橋駅から東海道新幹線に乗車

 予定どおり、豊橋から東海道新幹線に乗車します。朝一番の上り「ひかり630号」に乗車するのは久しぶりです。名鉄線から一旦、改札を出て新幹線改札口に向かうと、何やら人だかりがあります。どうやらこれから新幹線に乗車する団体旅行の方のようです。秋の行楽シーズン真っ只中ということで、ツアー客も多いのでしょうか? 記念に改札口付近をパシャリ📸

 豊橋駅では車両を撮影する時間がありませんので、終点の東京駅で撮影しました。この場所から新幹線を撮影するのは、最近の定番になりつつあります。手前が今回乗車したN700系のG編成で、隣にはN700SのJ編成が停車していました。

東海道新幹線の主役であるN700系とN700S:東京駅 2023/11/19

 そう言えば、東海道新幹線では10月末をもってワゴンによる車内販売が終了しました。これまで「のぞみ」や「ひかり」に長時間乗車した際には、何度かワゴンサービスを利用してアイスクリームを購入したことがありますが、もう利用できないと思うとちょっと残念な気持ちになります。グリーン車の乗客向けには、新たなモバイルオーダーサービスが開始され、今後も引き続き、食事や飲み物を注文することができるようですので、また機会があれば利用してみたいと思います。ちなみに今回は、いつも以上に早起きしたため、乗車早々に寝落ちしてしまい、モバイルオーダーサービスは利用しませんでした。

 

東京駅から北陸新幹線に乗車

 東京駅からは「はくたか555号」で高崎に向かいます。見出しを上越新幹線とすべきか北陸新幹線とすべきか迷いましたが、乗車したのが「はくたか」だったので、北陸新幹線としました。

 東京駅23番線の発車標です。折り返し運転のため車内清掃が行われているのですが、なかなか乗車開始の案内がなく、やっと乗車できたのは発車直前です。ホームで乗車開始を待つ間の時間を利用して、発車前の車両を撮影しました。

上越新幹線北陸新幹線の主役であるE7/W7系:東京駅 2023/11/19

 車両はもちろんE7/W7系です。営業運転されているJR東日本の新幹線車両の系列としては、最も新しいのがこのE7系です。東海道新幹線N700系は、白地に青いラインという伝統を継承したカラーリングで、安定感とスピード感に溢れるデザインとなっていますが、E7系の鮮やかで大胆な青色の配色と、これを縁取るかのような銅色のラインが引かれた先頭車両もまた、どことなく“和”の雰囲気が漂うカッコいいデザインです。

 ちなみに北陸新幹線は、皆様もご存知のとおり、来年3月16日に金沢―敦賀間が開業し、小松駅加賀温泉駅芦原温泉駅福井駅、越前たけふ駅、そして終点の敦賀駅が新たに新幹線停車駅となります。福井県にとっては待望の新幹線延伸開業であり、東京から福井県内まで乗り換えなしでアクセスできるようになるということで、大きな期待が寄せられているようです。僕も敦賀まで延伸した際には、一度はこの区間を乗車してみたいと思っています。

 今回は、高崎まで約45分の短い乗車でした。車内放送によると、指定席はすべて発売済とのことでした。僕は普通車指定席に乗車しましたが、おそらく自由席も相当混雑していたと思います。やはりこうした時期に旅行する際には、指定席を確保しておいた方が安心ですね。

 

高崎駅からD51復活35周年水上号(下り)に乗車

 高崎駅には予定どおりに到着しました。早速「D51復活35周年水上号」が発車する2番線に向かいます。発車標には乗車番線の案内が表示されているため、とりあえず運休はなさそうでホッとしました🤗

 ホームには、ちゃんと旧型客車が停車しています。今日は天候も良く、「D51復活35周年水上号」の最終日ということもあってか非常に賑わっています。

 そして気になるSLですが、やはりD51の不具合は解消されていないようで、C61形20号蒸気機関車がピンチヒッターとして牽引機を務めることになりました。C61形がD51形498号蒸気機関車の復活を記念する列車を牽引するというのは、確かに本来の姿ではありませんが、困ったときはお互い様ということで、こうしたイレギュラーな運用もありだと思います。

 早速、ホーム上を進んで先頭のSL付近に行ってみると、写真撮影する方でごった返していました。皆様が順序よく撮影できるよう、撮影を終えた方から場所を空けていただけるといいのですが、長時間に渡って場所を陣取っている方も多く、後から来た方はなかなか撮影できません。SLを撮影されたい思いはみんな一緒のはずですので、もう少しお互いを思いやる気持ちが欲しいですね。

D51復活35周年水上号を牽引するC61形蒸気機関車高崎駅 2023/11/19

 僕も、隙を狙って何とか撮影しましたが、ひどい逆光のため、先頭部は思うような写真とはなりませんでした😭 SLの撮影は他の車両よりも特に難しい感じがします。そしてヘッドマークには「D51復活35周年水上号」専用のものが掲げられています。C61形もまさか自分がこのヘッドマークを掲げることになるとは、思ってもいなかったでしょうね。

 客車は6両編成となっており、うち4号車にはフリースペースとして乗客が利用できるラウンジカーが組み込まれています。僕が往路で乗車するのは1号車で、進行方向最後尾の号車となります。ちなみに高崎車両センターの旧型客車は、昭和27年から29年頃に製造された客車ということで、70年近く昔の昭和レトロ感が漂う車両となっています。外観は茶色(ぶどう色2号)となっていますが、6号車のみ青色となっていました。上の写真は1号車ですが、半分が客室、もう半分が荷物室という変わった構造の車両です。

 続いて1号車の車内の紹介です。ご覧のとおり、座席はすべてボックスシートとなっており、ニス塗りされた木目が艶々しく輝いています。当然、冷房装置などなく天井に扇風機が設置されており、ひとたび車内に入って座席に座ると、昭和時代にタイムスリップしたかのような感じが味わえます。ちなみに僕は、ボックス内の進行方向の窓側座席でしたが、運よく同じボックス内に他の乗客はおらず、広々とボックス座席を利用することができました。

 高崎駅発車後は、新前橋、渋川、沼田と停車していきますが、停車時間に余裕があったので、各駅でC61形を撮影してみました。どの駅でも写真撮影する方が多くいらっしゃいました。

新前橋駅

渋川駅


沼田駅

 そして終点の水上駅には、若干の遅れで到着しました。途中には紅葉の美しい山々が見られる区間もあり、秋らしい風景を楽しむことができました。また、旧型客車は自分で窓を開けることができるため、トンネル以外の区間では、心地よい風を感じつつノスタルジックな乗り鉄旅を満喫できました。水上駅到着後、編成全体をカメラに収めたいと思い、向かい側のホームから撮影してみましたが、う〜ん、今ひとつの写真ですね😰

 ちなみにSLは復路での運行に備えるため、水上駅の先にある転車台で方向転換します。駅から3分くらい歩いたところにSL転車台広場があり、間近で転車風景を見ることができるため、下車後、僕も転車の様子を見学することにしました。

 

SL転車台広場で転車風景を見学

 SL転車台広場に着きました。さすがに水上はちょっと寒いですね。そんな中でも、転車台周りには転車風景を見ようという方が多くいらっしゃいました。また、人工芝が敷かれた空間には、D51形745号蒸気機関車が静態保存されていますが、このSLにも「D51復活35周年水上号」のヘッドマークが取り付けられていました。

 そしていよいよ転車風景を観察することにします。転車台付近に移動してちょっと待っていると、C61形がゆっくりと転車台に向かって後退してきました。転車台上で停車したSLは時計回りで回転し、進行方向を変えます。

 巨大なSLが転車台の上でグルグルと回転する様子は、なかなか面白いものです。車両の方向転換には欠かせない装置ですが、実際に使用されているところを見られる場所は限られています。日本国内の例を見ると、やはりSL用として使用されている例が多いようですね。

 

手打ちそば処「やぶそば」で山菜天せいろ

 ここでそろそろ昼食をいただくことにしました。今回は事前に水上駅周辺の飲食店の情報を調べておき、手打ちそば処「やぶそば」さんを訪れようと決めていました。駅から少し離れた路地裏のような場所にあるお店ですが、美空ひばりさんをはじめ、多くの芸能人が足を運んだそば処だそうで、服部料理専門学校の校長で料理研究家である服部幸應氏からも「日本でも三本の指に入る」と評価された知る人ぞ知る名店なんだそうです。

 僕は、うどんもパスタもラーメンも、麺類はどれも好きですが、その中でも一番好きなのがお蕎麦です。お店に入ると店員さんから、山菜天せいろをオススメしてもらいましたので、これをいただくことにしました。

 実際にいただいた天せいろです。食レポは苦手なので丁寧な感想は省略させてもらいますが、麺は細目で歯ごたえがあり、風味豊かな香り高いお蕎麦です。さらに山菜の天ぷらは揚げたてで、最高に美味しいです。この天ぷらであれば、いくらでも食べられそうなくらいです。素朴ながら味わい深くまた、食べごたえもあり、大満足の昼食になりました。

 

水上館 坐山みなかみで日帰り入浴

 水上と言えば、やはり温泉♨です。利根川を見下ろし、谷川岳を見上げることができる温泉地で、水上駅周辺に位置しています。確かに利根川沿いを中心にいくつか温泉旅館が軒を連ねていますが、東京近郊から日帰り圏内に位置しているにも関わらず、何だか寂しく感じるところもあります。どこの温泉街もそうですが、団体旅行客の減少や旅行客のニーズの変化に伴い、やはり活気が失われつつあるのでしょうか。

 そんな中でも、いくつかの温泉旅館では日帰り入浴のサービスを行っており、気軽に水上温泉を楽しむことができるのはありがたいことです。僕は今回、復路での「D51復活35周年水上号」の発車時刻までの時間を利用して、水上館 坐山みなかみで日帰り入浴を楽しむことにしました。

 フロントで手続きを済ませて、浴場に向かいます。男湯は「水晶風呂」という施設で、奥利根ひばの風呂や樽型露天風呂もあるとのことでした。大浴場好きの僕にとっては期待が高まります。

 脱衣場から先はさすがに写真撮影できませんが、結構多くの方が利用しており、なかなかの人気ぶりが伺えます。僕は身体を洗ってまずは内湯である水晶風呂に入りましたが、思ったよりも熱かったです🥵 せっかくなので、ひばの風呂と露天風呂も利用しました。今日はここまで歩き疲れた感もあったのですが、お湯に浸かって身体も温まり、気分的にもサッパリしました。やはり温泉はいいですね。

 

水上駅からD51復活35周年水上号(上り)に乗車

 さて、水上駅に戻ってきました。ちなみに水上駅の外観はこんな感じです。駅前には飲食店やお土産物屋さんが数軒あります。僕もここで、家族へのお土産としてかりんとう饅頭を購入しました。

 改札を通ってホームに向かう跨線橋を渡っていると、ちょうどSLの付け替え作業を行っていました。湯檜曽方から来たC61形が1番線を通過して一旦、上牧方に移動し、転線してバックしながら2番線に入線してきます。ここで客車と連結し、出発準備が完了します。ホーム上には、SLと客車との連結作業を一目見ようという方が大勢いらっしゃいました(僕もその一人です)。ここでも記念にパシャリ📸

D51復活35周年水上号を牽引するC61形蒸気機関車水上駅 2023/11/19

 そして乗車開始時間になると、ホーム上の方が次々と乗車していきます。上り列車は、1号車を先頭にして高崎を目指します。ちなみに僕は3号車に乗車しました。

 もちろん3号車も旧型客車で、すべての座席がボックスシートですが、車内の様子を見ると、往路で利用した1号車とは若干、内装が異なっています。1号車は座席が青色でしたが、3号車の車両は緑色です。そして、窓側には小さなテーブルもあります。荷棚や窓枠も1号車とは微妙に違っており、復路はまた違った気分で乗り鉄旅を楽しむことができそうです。そして15時15分、定刻どおりに水上駅を発車しました。

 僕の隣の通路側は空席でしたが、向かい側には小学校低学年のお兄ちゃんとその妹さん、それにおふたりのお母さんが3人で乗車されていました。聞こえてくる話し声から、どうやら往路は親戚の方と一緒に高速道路で水上まで来て、その親戚の方を水上に残して3人で「D51復活35周年水上号」に乗車したようです。お兄ちゃんはSLに乗車したことが相当嬉しかったようで、終始はしゃいでいました。お兄ちゃん、きっと将来は乗り鉄ですね。

 上り列車も往路の下り列車と同様、後閑、沼田、渋川、新前橋に途中停車しますが、このうち沼田と渋川では数分の停車時間があります。往路でも撮影したところですが、復路でもC61形を撮影してみました。

沼田駅

渋川駅

 そう言えば、まだ4号車にあるラウンジカーを紹介していませんでしたので、ここで車内の様子をお伝えしたいと思います。ラウンジカーは主に物販用スペースとフリースペースに分かれており、物販カウンターではお菓子やドリンク、SLグッズが販売されています。フリースペースにはカウンター席と広めのボックス席があり、どちらもテーブルが設置されているため、お弁当を食べたりする際には利用したいですね。

 復路の車内では、ちょうどアイスクリームの車内販売があったので購入しました。スジャータ製のバニラアイス、つまりはあの“シンカンセンスゴイカタイアイス”です。フタを開けて食べようとすると、予想を裏切らず、非常に固いです。スプーンを折らないよう気をつけながらチビチビ食べました。向かいの席のお兄ちゃんの視線がやや気になりました。

 高崎駅に到着しました。もう辺りは真っ暗です。D51形に代わり急遽、ピンチヒッターとして記念列車を牽引したC61形には大感謝です。最後の最後にもう一度、C61形を撮影しました。前照灯を点灯させた姿もカッコイイですね。

 

高崎駅から上越新幹線に乗車

 高崎からは、上越新幹線「とき334号」に乗車して東京に行きます。

 上越新幹線には現在「とき」「たにがわ」の2種類の列車があり、このうち「たにがわ」は主に東京−越後湯沢間の各駅停車としての役割を担っており、「とき」は東京−新潟間を中心に運用されています。上越新幹線が開通した頃、「とき」は速達タイプで、「あさひ」が各駅停車タイプとして運行されていましたが、いつしか「あさひ」はなくなり、上越新幹線区間を通して運転されるのは「とき」のみとなりました。ややこしいのは「とき」であってもすべての駅に停車する列車から大宮以外は無停車の列車まであることです。あまり列車名ばかり増やしてもかえって混乱するということも考えられますが、愛称に区別があってもいいのかなと個人的には思っています。ちなみに今回乗車した「とき334号」は各駅停車タイプでした。

上越新幹線の主役であるE7系:東京駅 2023/11/19

 高崎駅での停車時間はわずかで写真撮影できませんでしたので、東京駅到着後に撮影しました。ちなみに僕は、まだE7/W7系グランクラスに乗車したことがありませんので、いつかは乗車してみたいと思っています。

 

東京駅から東海道新幹線に乗車

 東京駅からは「こだま751号」に乗車しました。ちなみに東京駅18時33分発の「ひかり」は豊橋に停車するため、この「ひかり」号に乗車できると都合がいいのですが、時間的に無理でした。

 乗車する車両は久しぶりのN700Sです。最近は車両全体に占めるN700Sの割合も増えていると思うのですが、僕はめぐり合わせが良くないのか、あまり乗車する機会がありません。

こだま号としての運用に就くN700S:東京駅 2023/11/19

 車内に入ると、早速お弁当タイムです。東京駅での乗り換え時間が17分しかない行程としたため、お弁当は高崎駅で購入しておきました。高崎駅ではSLをイメージした駅弁(SLロクイチ物語・上州D51弁当)が販売されており、僕がお弁当を買いに立ち寄った時点でもまだ在庫がありましたが、今回は普通に「しらす弁当」にしました。“何も高崎で湘南鎌倉を代表するような駅弁を買わなくても…”と後から思いましたが、まあ気にしません。

 今回の乗り鉄旅では、豊橋―東京間の東海道新幹線区間グリーン車を利用しました。「こだま」号のグリーン車は比較的空いているイメージがありますが、今回乗車した「こだま」号もそのとおりで余裕がありました。ということで、車内の座席をパシャリ📸 やはりグリーン車の座席は重厚感がありますね。

 快適なグリーン車での乗り鉄旅を楽しむこと約2時間、豊橋に到着です。振り返ると「D51復活35周年水上号」の牽引機が急遽変更されるという想定外の事態はあったものの、計画した旅行行程どおりに今回の旅を終えることができ、ホッと一安心といった感じです。

 

乗車券類の紹介

 いつものとおり、今回の乗り鉄旅で使用した乗車券類をまとめて紹介します。

 豊橋↔東京間はJR東海ツアーズの乗車票です。片道あたり900円を追加すればグリーン車を利用できるため、ついつい贅沢をしてグリーン車に乗車してしまいます。東京→高崎と高崎→東京は、新幹線eチケットを利用し、高崎↔水上間は往復乗車券を購入しました。どちらでもいいようなことですが、東京―水上間の場合、高崎など途中駅で分割した方が運賃が安くなるようです。

 SL車内では、車掌さんが検札を実施されており、券面に専用のチケッターを押印してくださいました。今回はC61形が牽引機を務めたため、チケッターもC61用のものになっています。「D51復活35周年水上号」にC61専用のチケッターの押印は、貴重な組み合わせになったと思います。

 今回も長々と乗り鉄旅を紹介しました。季節はいよいよ冬になります。気温も下がって風も冷たい時期となりますが、寒さに負けず、仕事も乗り鉄旅も頑張っていこうと思っています。