レン鉄★気ままな乗車記

乗り鉄&きっぷ鉄の管理人が、備忘録を兼ねてブログに綴っていきます。

乗り鉄&きっぷ鉄っぽい管理人が、乗り鉄旅行とそこで使用したきっぷを思うがままに記録したブログです。
どうぞ、お付き合いください。
 

「SL銀河」に乗車する岩手乗り鉄旅(2)

 前回の記事からの続きです。

 昨日は、豊橋から盛岡まで新幹線に乗車し、バスに乗り換えて浄土ヶ浜宮古市田老地区を訪れたところまでを紹介しました。1日でおおよそ1,000km近く移動したので、そこそこ疲れました。ちなみに今回宿泊したのはホテルルートイン宮古です。夕朝食はともに和洋食バイキングとなっており、最近のビジネスホテルらしい一般的なものでしたが、ホテル内に大浴場があったのはうれしかったですね。僕は大浴場が好きなので、もちろん利用することにしました。この日は訪日観光客と思われる団体も同じホテルに宿泊しており、夕食時間帯には飲食スペースも混雑していたため、大浴場も人が多いかなと思って行ってみると、まさかの僕一人で貸切でした。客室内にも浴室はありましたが、やはり旅行に来たからには大きな湯舟に身体を浮かべたいものです。しかも思いがけない独占状態とあって、気分上々で入浴を済ませました。入浴後は、明日に備えて早めに就寝しました。

 そして2日目の朝を迎えました。昨日は朝方に雨が降っていたものの、現地到着後は傘の出番はありませんでした。できれば2日目も何とか雨に降られずに過ごしたいところです。少し早めに起床して朝食や準備を済ませ、昨日と同じバスに乗車して、三陸鉄道陸中山田駅を目指しました。

 

 

三陸鉄道リアス線に初乗車

 ここからはいよいよ本格的な乗り鉄旅の始まりです。まずは三陸鉄道リアス線に乗車します。三陸鉄道は、大船渡市にある盛駅から久慈市にある久慈駅 までを結ぶ全長163kmの鉄道路線を有しており、その総延長は第三セクター鉄道として日本最長となっています(厳密には北リアス線南リアス線、リアス線の3路線となっているようですが、支線のように枝分かれする路線はないため、全体としてリアス線と呼ばれているようです)。少し前までは、宮古駅久慈駅間の北リアス線盛駅-釜石駅間の南リアス線に分断されていましたが、JR山田線の一部区間(釜石駅-宮古駅間)の移管を受けたことで、現在の路線に至っています。また、第三セクター鉄道としての歴史は古く、1984年4月に北リアス線南リアス線が開業しており、国鉄のローカル線を転換して開業した初めての第三セクター鉄道でもあります。

 そんな三陸鉄道ですが、おそらく一般の方々にもその名が知れ渡ったのは、NHK朝の連続テレビ小説あまちゃん」の舞台として取り上げられたことではないでしょうか。また、三陸海岸に沿って走る三陸鉄道リアス線の車内からは、太平洋を見晴らす絶景を楽しむことができるとあって、地元の方々だけでなく多くの観光客にも愛されている路線でもあります。

 今回は、そんな三陸鉄道リアス線の陸中山田駅-釜石駅間を乗車します。ところで宿泊したホテルルートイン宮古からは、陸中山田駅よりも宮古駅の方が近いのですが、なぜ陸中山田から乗車するんでしょうかね。

 陸中山田駅です。風車を模したオブジェがあるなかなかおしゃれな洋風デザインの駅舎です。添乗員さんの話によると、今回はこの駅から、僕が参加しているツアーの参加者20名の他に、他のツアーの参加者20名が加わって、計40名が乗車するのだそうです。ツアー専用の貸切列車ではなく定期運行の列車に乗車する上、車両は1両編成ということで、全員が着席できるかどうか添乗員さんも心配していましたが、地元利用客の少ない時間帯ということもあってか、ほぼ全員が着席できました(写真撮影のため、着席せずに立っている方も見えました)。それほど長い乗車時間ではなく、旅行費用も考慮すれば、簡単に貸切列車とすることは難しいでしょうが、せっかくの旅行で着席できるかどうか乗車するまで分からないというのは、ちょっと不安でした。

三陸鉄道リアス線で使用されている36-200形式:鵜住居駅 2023/5/14

 今回乗車した車両は36-200形式で、三陸鉄道開業時から使用されている車両です。ということで、ほぼ40年にわたって活躍しているということになります。外観には、三陸鉄道のシンボルカラーである、青(三陸の海)、赤(情熱)、白(誠実)の3色が用いられています。上の写真は途中の停車時間を利用して鵜住居駅で撮影しました。三陸鉄道の一般車両には、36-100(200)形式以外にも鮮やかなラッピングが施された36-700形式があり、さらにイベント車両として36-Z形式(通称さんりくはまかぜ)のお座敷車両、レトロ調の外観が特徴的な36-R形式があります。今回は最古参となる36-200形式に乗車しましたので、また機会があれば、他の形式の車両にも乗車し、北リアス線からの車窓も楽しんでみたいところです。

 

釜石駅から「SL銀河」に乗車

 三陸鉄道線を途中の釜石駅で下車すると、すでにJR線側のホームにC58形蒸気機関車を先頭にして編成された「SL銀河」が入線していました。少しでも早く近くで車両を見たり写真撮影したいところですが、団体旅行のため勝手に行動するわけにはいかないため、添乗員さんの先導で三陸鉄道の改札を出て、あらためてJR線側の改札口から入場します。JR線側の改札前に目をやると、あちこちに「SL銀河」に関連した掲示物や展示物があり、まさに「SL銀河」一色といった感じです。

 上を見上げると、「SL銀河」の大きなタペストリーのようなものが装飾されており、これから「SL銀河」に乗車する僕としては、自然とテンションも高まってきます。また、駅にあるNewDaysでは、多数の「SL銀河」グッズを販売していました。僕も以前は観光列車に乗車するたびに、ピンバッチやポストカードなどを購入していましたが、家に持ち帰っても結局保管するだけになってしまうことが多いので、最近は購入しないようにしています。ちなみに、改札口のところで駅員さんが「SL銀河」に乗車する方に本物の石炭が入った小袋を配布しており、こちらは記念にいただきました。

 ではここで、「SL銀河」の停車駅と発車時刻を紹介します。ちなみに「SL銀河」は土曜日に花巻→釜石の下り列車が運転され、日曜日に釜石→花巻の上り列車が運転されています。今回、僕が乗車するのは釜石発花巻行の上り列車になります。

 始発の釜石から終着の花巻まで、約5時間20分かけて釜石線全線を走破します。途中にはいくつかの停車駅がありますが、遠野駅では約2時間の停車時間が設けられています。なんでも蒸気機関車のメンテナンスや給水などが必要となるためで、乗客はこの間を利用して昼食や観光したりと、思い思いの時間を過ごすことでがきるようになっています。僕も今回、遠野駅で途中下車して昼食の時間とする予定です。

 ホームに上がると、「SL銀河」発車直前ということで、多くの人でにぎわっています。「SL銀河」の乗客だけでなく、法被姿の方や手旗を持った地元の方など「SL銀河」をホームから見送られる方も大勢いらっしゃいました。僕も機関車の写真を撮影しようとホームを移動していると、たまたま駅長さんが「SL銀河」が描かれた大漁旗を掲げておられたため、撮影させてもらいました。そうこうしているうちに発車時刻が近付いてきましたので、指定された2号車に移動し、着席して発車を待つこと数分、蒸気機関車特有の汽笛とともに、列車は花巻に向けて出発しました。

 今回は、これでもかというほど写真をいっぱい撮影しました。まずは何と言っても蒸気機関車です。「SL銀河」を牽引するのはC58形蒸気機関車です。間近で見ると、やっぱりカッコいいです。真っ黒で重厚なボディは圧倒的な存在感で、最近の電車や気動車とは比べものにならない力強さを感じます。また、石炭の焦げる独特の匂いは蒸気機関車ならではで、この匂いが鼻に入ってくると、自分がSLに乗車していることが五感を通じて感じられるような気がしてきます。ちなみにこのC58形蒸気機関車、239号機が「SL銀河」をけん引しているほか、363号機も現役で、秩父鉄道の「SLパレオエクスプレス」として活躍しているのだそうです。今回はこの239号機をいくつかの停車駅で撮影しました。被写体は同じでも撮影する場所が変わると、また違った雰囲気になりますよね。

SL銀河を牽引するC58形蒸気機関車:釜石駅他 2023/5/14

 続いて客車です。「SL銀河」の客車は全4両編成で、形式はキハ141系700番台です。僕はこの車両を“客車”と紹介しましたが、実はこの車両、「SL銀河」として使用されるまでの間、ちょっと変わった変遷を経て現在に至っています。この列車は元々、正真正銘の客車である50系客車として誕生したものです。しかし時代の経過とともに50系客車が余剰気味となっていたところ、沿線の都市化などによって需要が急激に増加した札沼線学園都市線)の輸送力増強を目的として、この車両に駆動用エンジンなどを取り付けて気動車化する改造が施されて、本形式が登場することになりました。そのキハ141系はJR北海道にて活躍していましたが、JR東日本札沼線電化によってこれまた余剰となったキハ141系4両をJR北海道から購入し、動力装置を残したまま専用客車に再改造したのが、今回乗車する「SL銀河」専用客車であるキハ141系700番台という訳です。

 4両の客車に描かれている模様は、宮沢賢治の小説「銀河鉄道の夜」に登場する星座や動物たちがモチーフとなっているようです。はくちょう座、わし座、さそり座、ふくろう、ラッコ、鷺などが、物語の世界に誘うかように美しく輝いていました。

SL銀河の客車であるキハ141系700番台:遠野駅他 2023/5/14

 こうして見ると、しっかりと運転台も残されており、以前は気動車であったことがはっきりと分かりますね。しかし、さらにそれ以前は50系客車であったことから、車内には客車としての雰囲気のようなものが色濃く残っています。

 では続いて、車内の様子も紹介したいと思います。運行終了が近づいている「SL銀河」は発売開始直後にすべての指定席券が完売してしまうほどの人気ということで、当然、車内は多くの乗客でいっぱいです(しかし僅かながら空席がありました。直前にキャンセルが発生したのか、それともきっぷ鉄の方が乗車目的ではなく、きっぷ収集目的で購入されたのか、その真相は不明ですが、いずれにしてももったいないことです)。ということで、なかなか車内を思うように撮影することができませんが、停車時間など車内の乗客が少なくなるタイミングを捉えて撮影しました。

 座席はご覧のとおり4人掛けのボックスシートです。赤い座面が鮮やかで磨りガラスの装飾も施され、大正から昭和にかけての世界観が表現されており、時代をタイムスリップしたかのような客室となっています。

 通路から側窓方向にカメラを向けてボックスシート部分を撮影したものです。ご覧のとおり、座席間隔はあまり広くないため、大人同士が向かい合わせに着席するとやや窮屈な感は否めません。また、荷物棚の部分にはステンドグラスがはめ込まれており、大正ロマン(昭和ロマン)に溢れています。

 ちなみに1号車には、プラネタリウムを鑑賞できるスペースがあり、「SL銀河」オリジナルプログラムの作品が上映されています。プラネタリウムを鑑賞するには、事前に受付を済ませておき、指定された時間に集合すれば鑑賞スペースに案内してもらえます。僕も遠野駅到着直前にこのプラネタリウムを鑑賞しました。ちなみにプラネタリウムの上映中は撮影禁止となっているため、その様子をお見せすることはできませんが、なかなか楽しいものでした。上の写真は、同じ1号車の「月と星のミュージアム」にあったオブジェです。

 車端部には様々なフリースペースがあり、ギャラリーには宮沢賢治の作品に関連する展示がありました。乗客が自由に利用できる座席も用意されていますので、長時間の乗車でちょっと気分を変えたい時などに利用するといいかなと思いました。

 そして4号車には物販スペースがあります。「SL銀河」グッズの他、ドリンク類やお弁当、アイスクリームなども販売されています。先にお話ししたとおり、僕は最近ほとんどグッズ類は購入しないため、今回はアイスクリームを購入し、車内でいただきました。スジャータシンカンセンスゴクカタイアイス🍦でした。

 

遠野駅での停車時間を利用して遠野の街へ

 釜石駅から「SL銀河」での旅を楽しむこと約1時間50分で、予定どおり遠野駅に到着しました。車内で時間が経つのを忘れていたため、もう遠野駅かという感じです。

 遠野といえば「カッパ」が有名ですが、駅前に造られた池にもちゃんとカッパの像がありました。どうやら駅から4kmほど離れた場所に、カッパが生息しているといわれるカッパ淵があるそうです。実際に目撃するのは怖いので、僕は行っていません。

 さて、遠野では当初の予定どおり昼食時間とします。駅付近にはいくつかの飲食店がありますが、僕は蕎麦が食べたかったので、駅から徒歩7分ほどの場所にある「ばんがり伊藤家店」で昼食をいただくことにしました。

 古民家風の外観で、なかなか風情があるお店です。僕が入店した際にちょうど1階席が満席になったようで、2階席に案内されました。メニューを見ると、丼物とざるそばのセットが充実しており、その中に“ミニ生ウニ丼とざるそばセット”があったため、迷わずこれを注文しました。せっかく岩手まで来たにもかかわらず、まだウニをいただいていませんでしたからね。

 メニューにはミニ丼と書かれていましたが、しっかりとした量の生ウニが盛り付けられています。ワサビを醤油で溶いて、ウニ丼の上にかけていただきましたが、これが本当に美味しかったです。もちろんざるそばもよかったです。なお今回は、釜石駅でいただいた500円引きのクーポンを利用することができたため、このセットは実質1,350円です。この内容でこの値段、大満足の昼食となりました。

 食後は、行きと違った道を歩きながら遠野駅に戻りました。あらためて遠野は風情のある街だなと思いました。

 あっ、紹介する順序が前後してしまいますが、今回の「SL銀河」の停車駅では、機関車や客車だけでなく、駅名標も撮影してみました。

 本来であれば、乗車した釜石駅と下車した新花巻駅でも撮影しておくべきでしたが、撮影するのを忘れていました😓。釜石駅の駅名標にはエスペラント語の愛称名が記されており、なかなか面白い趣向だなと思いました。

 遠野から再び「SL銀河」に乗車して約1時間20分で、新幹線との乗り換え駅となる新花巻駅に到着しました。観光列車としてかなりの長時間乗車となりましたが、振り返るとあっという間でした。こんな魅力的なSL旅ができるのであれば、また次の機会にもう一度乗車したいところですが、これが最初で最後の乗車となってしまいます。本当に残念でなりません。時間を作ってもっと早くに乗車しておけばよかったです😢。

 それからもう一つ、車内で記念乗車証をいただきました。JR東日本の観光列車に乗車するとよくいただけるポストカードタイプのものです。裏面に記念スタンプを押印することができるようになっていたので、車内で押印してみました。

 

新花巻駅から東北新幹線に乗車

 新花巻駅では新幹線への乗り換えのため、約1時間の待ち時間がありました。売店でお土産物を購入した後、待合室で「はやぶさ」号の出発時間を待ちます。乗車する車両は往路と同じでE5系です。新花巻駅で撮影したいところですが、団体旅行で停車時間も僅かなため撮影できず、東京駅下車後に撮影しました。

東北新幹線を疾走するE5系:東京駅 2023/5/14

 往路の新幹線は3人掛け座席の真ん中であるB席でしたが、復路の新幹線は2人掛け座席の窓側であるE席でした。やっぱりこちらの座席の方が安心して乗車できますね😊。

 

東京駅から東海道新幹線に乗車

 東京駅では「はやぶさ」号を下車して東海道新幹線の「こだま」号に乗り換えます。この日はまだ夕食をとっていなかったので、乗り換え時間を利用してお弁当を購入しました。これは車内でいただくことにします。

 そう言えば昨日、往路の東海道新幹線に乗車する際、豊橋駅の乗換改札の自動改札機に嫌われて⛔ピンポーンってなっちゃいましたが、今回はクラブツーリズムの添乗員さんから配布された都区内用の乗車票を持っているので安心です。自信を持って東京駅の東海道新幹線乗換改札の自動改札機に2枚重ねて投入すると、またまた⛔ピンポーンで「ここまでの乗車券を入れてください。」と案内されました。「いやいや、ちゃんと入れてるじゃん!!」とツッコミながら仕方なく有人改札に移動し、事情を説明して入場しました。うーん、往路といい復路といい、何がマズかったんでしょう。よく分かりません。

東海道新幹線を疾走するN700:東京駅 2023/5/14

 何はともあれ、無事に予定していた「こだま」号に乗車できました。往路と同じで復路も新幹線回数券を利用するため、乗車するのは普通車自由席です。乗車早々、お腹が空いてきたので、早速、先ほど購入したお弁当をいただくことにしました。

 今日の夕食は牛たん弁当です。東北新幹線に乗車している際に途中で仙台駅に停車したのですが、仙台と言えばやはり牛たんだよなと思い出し、そうしたら急に牛たんが食べたくなったので、たまたま東京駅で見つけたこの弁当に決めました。しおとタレの2種類の牛たんが乗ったシンプルなものですが、僕好みの味付けで美味しかったです。やはり、食べたいと思ったときに食べられると、美味しく感じられますよね😋。

 日曜日の夜ということもあってか、「こだま」号も結構な乗車率で、特に品川と新横浜から多くの乗車がありました。僕と同じで旅行帰りと思われる方も多いのですが、スーツを着たビジネスマンの姿もあり、さすがは東海道新幹線だと思いました。コクりコクりと途中で若干居眠りしつつ、無事に豊橋に到着し、今回の乗り鉄旅のすべての行程を終えることができました。

 久しぶりに1泊2日での乗り鉄旅を楽しみましたが、遠征はやはり楽しいですね🙂。特に憧れ続けていた「SL銀河」に乗車できたことで、大満足の乗り鉄旅です。そして次の乗り鉄旅ですが、これも着実に準備を進めています。もちろん、このブログでも紹介させてもらいますので、今後ともよろしくお願いします。