レン鉄★気ままな乗車記

乗り鉄&きっぷ鉄の管理人が、備忘録を兼ねてブログに綴っていきます。

乗り鉄&きっぷ鉄っぽい管理人が、乗り鉄旅行とそこで使用したきっぷを思うがままに記録したブログです。
どうぞ、お付き合いください。
 

観光列車「52席の至福」とSL「パレオエクスプレス」に乗車(2)

 前回の記事からの続きです。

 西武秩父駅に到着後、その足で秩父鉄道御花畑駅に向かいます。ちなみに当日は曇り空で、残念ながら晴天とはなりませんでしたが、その分だけ暑さも厳しくなく、日中の徒歩移動もそれほど苦にはなりません。西武秩父駅御花畑駅は目と鼻の先で、5分もあれば十分に移動できます。駅名は“御花畑”ですが、駅周辺を見渡しても特にそれらしい場所や施設は見当たりません。この特徴的な駅名の由来が気になるところです。御花畑駅は僕が想像していたよりもずっとこじんまりした感じで、ホーム有効長も短いため、全4両編成の「パレオエクスプレス」の客車は一部がホームに入り切りません。そのため後ろ2両(2号車・1号車)がドアカットされるということで、「パレオエクスプレス」の入線直前には、乗車を待つ人でホームはごった返していました。しばらく待つと遠くの方からかすかに汽笛が聞こえ、C58形蒸気機関車が姿を現しました。よく見るとガリガリ君ヘッドマークを掲げており、すぐにでも写真撮影したいところですが、御花畑駅での停車時間はわずかで、撮影する余裕はありません。

 言い忘れていましたが、SL「パレオエクスプレス」は週末を中心に熊谷-秩父-三峰口間を1往復していますが、僕が乗車するのは復路(三峰口→熊谷)のうち御花畑→熊谷です。せっかくの機会なので、欲を言えば始発の三峰口にあるSL転車台公園にも行ってみたいところですが、今回は団体旅行のため、そんな勝手な行動はできません。御花畑を出発した「パレオエクスプレス」は、秩父、皆野の順に停車し、その次の長瀞では約8分ほど停車します。続いて寄居、武川に停車し、終点の熊谷到着は16時18分で、御花畑からは約1時間50分のSL旅となります。

パレオエクスプレスを牽引するC58形蒸気機関車長瀞駅 2022/8/21

 上の写真は、長瀞駅停車中の時間を利用して撮影したものです。始発から乗車する方であれば、三峰口でも撮影する機会がある訳ですが、僕のように途中駅から乗車した場合には、この長瀞駅か終着の熊谷駅が撮影チャンスとなります。団体旅行である以上、熊谷駅で時間的余裕があるかどうか分からなかったため、この長瀞駅で時間の許す限り撮影しました。多くの乗客の方が下車して記念撮影を楽しんでいましたが、やはり先頭の蒸気機関車は人気が高く、鉄道ファンだけでなく、こども連れの家族もしきりにシャッターを切っていました。蒸気機関車を撮影するのは初めてではありませんが、電車の場合と比べると、なかなかうまく撮影することができません。被写体の機関車が影のように真っ黒になってしまったり、かといって明るくし過ぎると白飛びしてせっかくの色合いが死んでしまったりで、全体的に中途半端な感じの写真になってしまいがちです。腕もない上にスマホのカメラ機能もほとんど使いこなせていないので、まあこんなもんかと納得するようにしています。

 蒸気機関車は、いつ見てもその存在感に圧倒されます。僕は、蒸気機関車が日本各地で活躍していた全盛期を知りませんが、当時の方も胸を躍らせながらSLを眺めていたのでしょうか?僕はこれまで、大井川鐡道の「SLかわね路」や東武鉄道の「SL大樹」、JR九州の「SL人吉」が牽引する客車に乗車したことがありますが、どれも力強く、勇ましい姿です。煙を噴き上げ、汽笛を鳴らし疾走する蒸気機関車を見ると、自分がタイムスリップしたかのような感じを覚え、時間を超えた乗り鉄旅を楽しんでいるかのようです。

パレオエクスプレス号で使用されている元国鉄12系客車長瀞駅 2022/8/21

 こちらは客車です。「SL大樹」で使用されているのと同じ元国鉄の12系客車ですが、外観の塗色はぶどう色+金帯に変更されており、蒸気機関車の雰囲気にマッチしたレトロ感と上質感が伝わってきます。

 続いて車内の紹介です。車内は通路を挟んで左右に4人掛けのボックス席がずらりと並んでいます。座席のモケットはエンジ色で、これもまた風情を感じさせます。「SLばんえつ物語」や「SLやまぐち」用の客車のように、展望スペースや物販カウンターなどはありません。ちなみに今回の乗車では、あらかじめ添乗員さんから座席番号が書かれた手書きの用紙を渡され、その席に着席することになるのですが、僕は運よく進行方向の窓側座席でした。ボックス席内には他の乗客もいたため、さすがに窓を開けるようなことはしませんでしたが、窓を開ければきっと、蒸気機関車特有の駆動音と煙や煤の匂いが直に伝わってきたと思います。

 熊谷駅に到着後、添乗員さんの案内で早々にホームを後にしました。やはり途中の長瀞駅で写真撮影を済ませておいて正解でした。到着後しばらくすると、三峰口方から昭和テイストの年季の入った電気機関車が入線してきました。おそらく営業運転が終了した「パレオエクスプレス」の客車と蒸気機関車を牽引して、車庫に回送するためだと思います。回送の様子もゆっくり見ていたかったのですが、そうもいかないので、早々に階段を上がって改札を出ました。

たにがわ号で使用されているE7系:東京駅 2022/8/21

 熊谷から上越新幹線「たにがわ」号に乗車して東京に戻ります。車両はE7系でした。そう言えば今年は、JR東日本の5方面の新幹線がそれぞれ周年を迎えるということで、“新幹線YEAR2022”として、様々な企画が実施されています。その中でも特に気になっているのが200系カラーを再現したE2系新幹線で、各種イベントだけでなく、定期運行される列車にも充当されることがあります。1編成しかないため、なかなかお目にかかることのできない新幹線で、今回の旅行中に運よく遭遇しないかなと期待していましたが、そう簡単にはいきませんでした。

 SL「パレオエクスプレス」の乗車時には乗車票類は配布されませんでしたので、今回紹介するのは「たにがわ」号に乗車する際に使用した乗車票のみです。団体旅行では定番ともいえる120mmのマルス券です。ちなみに熊谷―東京間は営業キロが100kmに満たないため、山手線内の駅を発着する場合の特例は適用されず、東京駅までとなっています。

 今回の乗り鉄旅の紹介は以上となります。本格的なレストラン列車やSLが牽引する列車に乗車するのは久しぶりで、新鮮な気持ちで乗り鉄旅を楽しむことができました。ちなみに今回利用したJR東日本びゅうツーリズム&セールスの旅行商品のねだんは23,000円です。個人旅行で手配した場合の金額と比較すると、多少は割高になってしまいますが、1名では手配しにくい「52席の至福」に乗車するという貴重な経験ができたことから、十分満足のいくものでした。
 まだまだ暑い日が続きますが、これからも元気に乗り鉄旅を楽しんでいきたいと思います。