レン鉄★気ままな乗車記

乗り鉄&きっぷ鉄の管理人が、備忘録を兼ねてブログに綴っていきます。

乗り鉄&きっぷ鉄っぽい管理人が、乗り鉄旅行とそこで使用したきっぷを思うがままに記録したブログです。
どうぞ、お付き合いください。
 

「SL銀河」に乗車する岩手乗り鉄旅(1)

 ゴールデンウイークも終わり、5月も半ばに差し掛かる時期となりました。前回記事の最後に「ゴールデンウイークに向けて、乗り鉄旅の準備を進めていきたい。」と高らかに宣言してしまいましたが、結果としては4月29日から5月7日までの9日間、全く乗り鉄旅に出かけることはありませんでした。その理由としては、4月上旬に引き続き、再び体調を崩してしまったからです😢。前回は主に微熱と身体のだるさといった症状に悩まされ、仕事を休まざるを得ない状態でした。今回はそこまでキツいものではないものの、鈍い頭痛が時折発生してなかなか治まらず、また、何となく身体に力が入らないような感じが続いたので、連休期間中は大事をとって休養に努めました。しかし、わずか1か月という短期間のうちに2回も体調を崩すのは何か大きな病気の前兆ではないという不安もあり、5月6日に前回の時と同じクリニックを受診して、医師による問診と頭部のCT検査を受けましたが、特に異常は見つからず原因も分からずじまいです。つい最近になって、症状は少しばかり回復したのですが、寒暖差が大きい気候も影響してか、完治したなという実感もなく、頭痛の“予兆”がある場合には早めに処方された薬を服用するなどして、日々の生活を送っているという状況です。

 そんなこともあって、今年のゴールデンウイーク期間中は乗り鉄旅に全く縁がありませんでしたが、体調に問題がなかった4月下旬には、こんなことになるとは想像だにせず、5月13日に出発する団体旅行商品の申込みを済ませていました。今から思えば、ゴールデンウイーク期間を含む旅行商品を避けておいて、本当によかったと思っています。もし出発日が1週間前であれば、おそらくキャンセルせざるを得なかったでしょう。体調的には、まだまだ完治が実感できない状況ではありましたが、かと言って仕事や外出に支障が生じるようなことはなく、さらに悪化するような様子もなかったので、予定どおり参加することにしました。

 

 

今回の旅行概要

 さて、今回、僕が参加する団体旅行ですが、もちろん乗り鉄的な要素を含むもので、行き先は岩手県です。そしてその最大の目的は、釜石線を走る「SL銀河」に乗車することです。「SL銀河」は2014年に運行を開始した観光列車で、僕も以前から乗車したいと思っていたのですが、タイミングを逃してしまい、まだ一度も乗車していません。そんな「SL銀河」は今年6月、客車の老朽化などもあってついに運行が終了することになりました。ならば最後の機会ということで乗車してみようと決意し、駅の窓口やえきねっとで指定席券を確保して乗車しようと思っていました。しかし、指定席券の争奪戦は凄まじく、「10時打ち」ですら確保できない状況だと聞き、それならばということでツアーに「SL銀河」への乗車が組み込まれた団体旅行商品を購入することにしたものです。

 旅行は1泊2日で、「SL銀河」に乗車するのは2日目になります。1日目は盛岡駅まで「はやぶさ」号で移動した後、バスに乗り換えて宮古の代表的な景勝地である浄土ヶ浜に行き、遊覧船に乗船します。その後、東日本大震災によって大きな津波の影響を受けた田老地区を案内人同行で見学します。浄土ヶ浜や田老、宮古を訪れるのは今回が初めてということになります。そして2日目は乗り鉄旅の本番で、まずは陸中山田駅から釜石駅まで三陸鉄道に乗車します。釜石駅から新花巻駅まで「SL銀河」に乗車し、新花巻駅からは「はやぶさ」号で帰路に着くという行程です。これらをまとめると、今回の乗り鉄旅での鉄道乗車区間は下図の赤線部分となります。僕にとっては三陸鉄道釜石線に乗車するのも初めてとなります。贅沢を言えば、せっかく盛岡まで行くからには、宮古まで山田線にも乗車してみたかったのですが、団体旅行のため仕方ありません。

  

 そんな感じでいろいろと初めてづくしの今回の団体旅行ですが、まずは無事に1日目の行程を終えましたので、その様子を紹介したいと思います。

 

豊橋駅から東海道新幹線に乗車

 数日前から天気予報をこまめにチェックしていましたが、雨予報☔は変わることなく当日を迎えました。本当は晴れてほしかったのですが、こればかりはどうしようもありません。久しぶりに雨の中での乗り鉄旅のスタートです。ちなみに豊橋駅発車時には写真を撮影する余裕がありませんでしたので、下の写真は東京駅到着後に撮影しました。

N700Aの先頭車両と最後尾車両:東京駅 2023/5/13

 いつものとおり、最寄り駅から豊橋駅まで名鉄線で移動し、豊橋駅から東海道新幹線に乗車しました。名鉄線から新幹線に乗り換える際、僕はいつも乗換改札を利用し、名鉄線のきっぷと新幹線のきっぷを2枚重ねて自動改札機に投入するのですが、何故か「ここまでの乗車券を入れてください。」と案内され、名鉄線のきっぷが回収されて新幹線のきっぷだけが吐き出されてきました。「何でだ❓」と思いながらも、事情を説明して有人改札から入場しましたが、こんな経験は初めてです。

 今回は新幹線回数券を使用するため、普通車自由席に乗車しました。豊橋駅を発車する始発の上り「ひかり」号となりますが、土曜日にはこれよりも早い時間に東京駅に到着する名古屋駅始発の「のぞみ」号が運転されているため、こちらの「ひかり」号はそれほど混雑しません。と思っていたのですが、途中の浜松と静岡から多くの乗車があったようで、自由席は通路側も含めてすべての座席が埋まるような状況でした。「乗車があったようで〜」と表現したのは、浜松駅発車後に爆睡😪してしまい、小田原駅を通過するまでの記憶がないため、詳しいことは分かりません。まあ、終点の東京駅まで乗車するとなると、乗り過ごしの危険がないので、どうしても気が緩んでしまいます。

 

 ご存知の方も多いと思いますが、東京駅の18・19番線ホームの南端(品川寄り)には、東海道新幹線の建設に尽力し、「新幹線の父」とも称される元国鉄総裁の十河信二氏のレリーフを埋め込んだ記念碑があります。現代の日本にとって新幹線はなくてはならない交通手段であり、その礎を築いた同氏の偉大な功績を讃えるものだと思います。僕も今回の乗り鉄旅で2つの新幹線にお世話になりますので、十河氏への感謝と畏敬の念を込めて撮影しました。

 

東京駅から東北新幹線に乗車

 東京駅から団体旅行がスタートします。集合時間は8時35分で、ちょうどいい時間に東京駅に着くことができました。言い忘れていましたが、今回利用するのはクラブツーリズムで、2021年12月に「TOHOKU EMOTION」に乗車する乗り鉄旅で利用して以来です。

緑色と白色のツートンカラーにピンク色ラインが映えるE5系:東京駅 2023/5/13

 東京駅から乗車するのは「はやぶさ」号の新青森行です。旅行商品を購入する際には「やまびこ」号と案内されていましたが、変更になったようです。車両はもちろんE5系で、乗車するのは久しぶりです。僕個人による新幹線車両ランキングでは、最もカッコいいのが500系で、最もカラーリングが魅力的なのはE5系です。メタリック調のエメラルドグリーンってほんと素敵ですよね。

 乗車した「はやぶさ」号は東京駅発車時点ですでにほとんどの座席が埋まっており、上野駅と大宮駅からの乗車で満席になった感じです。車内放送でも指定券はほぼ発売済であるとアナウンスされていました。ゴールデンウイークを終えたばかりの週末ということで、どちらかといえば人出は少ないのかなと予想していましたが、新型コロナが季節性インフルエンザと同じ5類に移行された影響もあってか、こちらもなかなかの賑わいでした。

 今回は団体旅行なので、車内での座席位置を選ぶことはできません。できれば窓側がいいなと期待していましたが、残念ながら3人掛け座席の真ん中B席でした😓。まあ、こんな機会ぐらいでしかB席を利用することはありませんので、これはこれでよしとします。盛岡までの約2時間10分の間、両側を知らない人に挟まれて大人しくいました。

 

浄土ヶ浜を見学

 盛岡駅からは観光バスに乗り換えて、まずは浄土ヶ浜に向かいます。現地に到着すると、思ったよりも風が冷たく、東北に来たことを実感しました。浄土ヶ浜は白肌の岩や松の緑、そして海の群青が相まった風光明媚な風景が有名で、この浄土ヶ浜という名前も、今から約350年前にとある僧侶がこの景色を見て「さながら極楽浄土のごとし」と感嘆したことから名付けられたのだそうです。僕が今まで訪れたことのある場所で例えると、東尋坊に近い感じがします。こうした景色を実際に自分の目で見ると、自然というものの神秘性と計り知れない力のようなものを感じます。ちなみに現地の天候は薄曇り⛅で、雨に降られずにすみました。気の向くままにあちこちで写真を撮影しましたので、ここで少し紹介します。(いつものように下手っぴです。)

 

レストハウスで「瓶ドン」の昼食

 浄土ヶ浜の一帯には展望台やレストハウスがあり、今回の団体旅行でもこのレストハウスで昼食をいただきました。

 宮古の名物と言われても、僕はウニやアワビといった食材しか思い浮かばなかったのですが、どうやら「瓶ドン」というものが有名なようで、今回の昼食も「瓶ドン」でした。「瓶ドン」とは、小さな牛乳瓶のようなガラス容器にメカブイクラ、サーモンなどの食材が詰め込まれたもので、これをご飯の上にのせて丼物にしていただくというものです。それならば、最初から丼ぶりに食材を盛り付けておけばすぐに食べられるじゃないか?というツッコミが入りそうですが、自分で乗っけるところが面白いのだと思います。

 写真左の白飯にガラス容器の中にある食材を盛り付けるとこうなります。

 ちなみに瓶の中の食材はお店によって違いがあるようで、マグロやタラなどが入っているものもあるそうです。お腹に自信がある方は、色々なお店で食べ比べるのも面白いかもしれません。

 

遊覧船「宮古うみねこ丸」に乗船

 昼食後はレストハウスから10分くらい離れた浄土ヶ浜桟橋まで移動し、ここから出崎ふ頭まで遊覧船「宮古うみねこ丸」に乗船しました。約30分の船旅です。何でもこの遊覧船、利用客の減少や現存船の老朽化により、2021年1月には運航を終了したんだそうです。しかしその後、運航再開を望む多くの声が寄せられ、クラウドファンディングにより募った資金を使って遊覧船を新造することになり、そして昨年7月に営業を再開したという、“奇跡の復活”を成し遂げた遊覧船です。

 新造されたばかりの船ということで船内設備も使いやすく整備されており、浄土ヶ浜をイメージしたエメラルドグリーンが配色された外観も美しさを保っています。船内での案内放送によると、この船は双胴船という船体形状で、2つの船を横に並べたような形をしており、横波に強いという特徴があるとのことです。そして下の写真は1階と2階の客室です。

 船内からは、陸上から眺めるのとはひと味違う浄土ヶ浜の景色を楽しむことができます。また、付近にはカモメやウミネコが飛来し、乗船客が購入したエサ目当てに多くのカモメたちが遊覧船に近寄ってきます。2月の沼津旅行で遊覧船に乗船した際には僕も餌やりを楽しみましたが、今回は遠慮しました。子どもがパンをちぎって船外に差し出すと、要領のいいカモメたちはうまい具合にキャッチしていきますが、モタモタしてなかなかパンにありつけないカモメもいます。まるで鈍臭い自分を見ているようで、「頑張れ!カモメさん!」と心の底から応援したくなりました🙂。

 

 

田老地区を訪問

 出崎ふ頭で遊覧船を下車した後は再びバスに乗車し、今度は宮古市田老地区に向かいました。誰しもが知る、東日本大震災津波による甚大な被害を受けた街です。今回は実際に津波の現場に居合わせた案内人さんの解説を聞きながら、現在の現地の姿を見学します。

 僕自身はこれまで、幸いにして大きな地震や火災、事故などに巻き込まれた経験はありません。東日本大震災の発生直後も、大津波が防潮堤を乗り越えて街中に海水が押し寄せる映像や福島第一原子力発電所の事故の様子などをテレビ画面越しに見て、とんでもないないことになったとただただ驚くばかりでした。しかし今回、団体旅行の一環とはいうものの、実際にその場所に足を運び、案内人さんの話を聞いていると、当時の壮絶な田老地区の様子が目に浮かび、住民の方々の気持ちを思うと、胸を締め付けられるような思いがしました。今回のツアーでは、主に田老地区の防潮堤と、津波被害を受けた当時の姿をそのまま残すたろう観光ホテルを見学することができましたので、その一部を紹介します。

 上の写真は、東日本大震災の発生前からあった防潮堤に登って撮影したものです。平屋の建物の奥に新しいコンクリート造の構造物が見えますが、これが震災後に新たに造られた防潮堤で、従来のものより5mくらい高いそうです。また、道路との交差部にある開口部分は、津波注意報や警報が発令された際に自動で閉門するよう設計されており、機能性や安全性も大きく向上しているとのことでした。ちなみに震災前からあった防潮堤は、一部は現存するものの、ほとんど壊されてしまった箇所もあるそうで、津波の威力が桁外れであることを実感できました。

 こちらの写真は、震災遺構として有名なたろう観光ホテルです。その特徴的な姿は報道番組で取り上げられることもあるようで、僕もニュース映像などで見た覚えがあります。地震そのものの影響はなかったものの、津波によって6階建ての建物の4階までが浸水し、1階と2階は内装や外壁が完全に破壊されて鉄骨が剥き出しとなっており、こちらも大津波の恐ろしいほどの破壊力を感じることができます。今回は、この建物の6階にあるホテル時代の客室にも入ることができました。建物全体が2011年3月11日で時が止まっているかのような不思議な感覚です。こうした貴重な震災遺構や震災の教訓は、次の世代にも確実に引き続いでいかなければならないですね。

 そんな感じで岩手乗り鉄旅の1日目を終了し、その後は宿泊施設に向かいました。明日はいよいよ待望の「SL銀河」に乗車します。大きなお風呂に入ってしっかり身体を休め、明日の乗り鉄旅も楽しんでいきたいと思います。それでは次回に続きます。

>>(2)に続く