レン鉄★気ままな乗車記

乗り鉄&きっぷ鉄の管理人が、備忘録を兼ねてブログに綴っていきます。

乗り鉄&きっぷ鉄っぽい管理人が、乗り鉄旅行とそこで使用したきっぷを思うがままに記録したブログです。
どうぞ、お付き合いください。
 

681系「しらさぎ」に乗車して芦原温泉へ

 僕はいわゆる“乗り鉄”であり“きっぷ鉄”でもあるため、旅行行程を組み立てて、それに沿って乗車券や指定席券などのきっぷ類を手配することも楽しみのひとつにしています。旅行行程については、比較のためや予備分を含めて数パターン作成しておくこともありますし、きっぷ類についても、利用可能な企画乗車券やおトクな旅行商品がないかなど複数のWebサイトで探すようにしています。そして僕の場合、旅行行程を作成するタイミングときっぷ類を手配するタイミングについては、主に2つのパターンがあります。

 一つ目は指定席券の発売開始日(JR券で言えば乗車日の1か月前)までにすべての旅行行程を組み立てておき、発売と同時に指定席券を確保するパターン(いわゆる10時打ち)です。人気の高い観光列車や臨時運行されるイベント列車などは、人気が集中して発売開始直後に満席となることも少なくなく、さらに特定の座席位置を希望する場合(眺望のいい窓側座席を確保したい場合や1人掛けのカウンター席を利用したい場合など)には座席数も限定されることから、とにかく早い者勝ちということで、指定席券の確保を最優先としています。そして運悪く目的の列車の指定席券が入手できなかったときには、上り列車での乗車を諦めて下り列車したり、乗車区間を見直すなどの旅行行程の変更を行います。

 そして2つ目の方法は、旅行行程を大まかに想定した上で、出発日の直前になってから指定席券を確保するパターンです。出発日直前になると、列車によってはすでに満席となってしまっている可能性もありますが、当日の天気を見極めてから旅行日を決めることができる上、急な予定変更にも対応できるというメリットがあります。新幹線や定期運行されている特急列車であれば、指定の座席数も多く、直前であっても満席になることはあまりないため、基本的にはこちらの方法でも十分に対応可能です。

 基本的には、利用する列車の種類によってこの2パターンを使い分けていますが、最近でいえば、8月の「52席の至福」とSL「パレオエクスプレス」に乗車する乗り鉄旅は、人気列車ということで早めに旅行商品を申し込み、9月の赤沢森林鉄道に乗車する木曽福島までの往復旅は、平日の「しなの」号の利用ということもあり、出発日の直前に手配しています。

 そして今回、事前に予定はなかったものの、直前になってどこか乗り鉄旅に出かけたいと思い立ち、久しぶりに「しらさぎ」号に乗車して北陸に行ってみることにしました。直近で「しらさぎ」号に乗車したのは約1年前で、北陸を最終目的地とした乗り鉄旅も、2021年4月の北陸本線高山本線を利用した富山までの乗り鉄旅以来となります。ちなみに旅の最終目的地は芦原温泉にしました。「しらさぎ」号のダイヤを眺めていると、名古屋発着だと程よい時間で往復することができるからです。さらに調べて見ると、JR芦原温泉駅からは少し離れているものの、バスでの移動圏内に観光名所である東尋坊があり、また、えちぜん鉄道あわら湯のまち駅付近には日帰り入浴可能な温泉施設もあります。そこで今回は、東尋坊の観光とあわら温泉への入浴を楽しむ乗り鉄旅にすることにしました。

しらさぎ号で使用されている681系:名古屋駅 2022/10/1

 名古屋-芦原温泉間は、乗り換えなしで直通する名古屋発着の「しらさぎ」号を利用する方法と、名古屋-米原間は東海道新幹線に乗車して米原芦原温泉間のみ「しらさぎ」号を利用する方法とがありますが、今回の乗り鉄旅では、往路はすべて「しらさぎ」号に、そして復路は芦原温泉米原間でのみ「しらさぎ」号に乗車することにしました。上の写真は、名古屋駅発車前の681系を撮影したものです。

しらさぎ号で使用されている681系:芦原温泉駅 2022/10/1

 またこちらの写真は、僕が名古屋から乗車した「しらさぎ」号の芦原温泉駅到着後と、芦原温泉駅で帰りの「しらさぎ」号の到着を待っている間にちょうど反対側のホームに停車した「しらさぎ」号を撮影したものです。

 681系、683系それに289系は近畿圏を中心に活躍するJR西日本の特急形車両で、非貫通型先頭車・貫通型先頭車とも馴染みのある姿です。写真では分かりにくいですが、「しらさぎ」用車両の側面には青色とオレンジ色の帯が引かれており、JR西日本JR東海それぞれのコーポレートカラーを用いることで、両社間を行き来する列車らしいデザインとなっています。

 以前、「しらさぎ」号は国鉄を代表する特急型車両である485系で運用されていました。それも国鉄色だけでなく、しらさぎ色という専用塗装された編成もあったそうですが、僕は残念ながら、そのどちらにも乗車した経験がありません。長年、愛知に住んでいながら、家族での旅行先は専ら東京・横浜・京都だったため、「しらさぎ」号を利用して北陸方面に行く機会がなかったためです。当時は名古屋から485系に乗車することができたにも関わらず、その機会を逃してしまったことは、今から思えば本当に残念でなりません。

東尋坊

 芦原温泉駅到着後、路線バスに乗り換えて東尋坊を目指します。ちなみに芦原温泉駅は、敦賀延伸に向けて建設中の北陸新幹線の停車予定駅であり、現在は着々と準備が進められていました。駅前から路線バスに乗車して約45分程で東尋坊に到着します。この路線バスの運転本数は土休日の日中で1時間当たり2本でしたが、かなりの乗車率で驚きました。特に大阪方面からの「サンダーバード」号から乗り換える方が多かったように思います。

 この日は気温も穏やかな快晴で、まさに旅行日和でした。暑くもなく寒くもなく、屋外にいるだけでも気持ちがいいです。バスを下車し、バス停から海岸線を目指して土産物屋や飲食店が立ち並ぶ道をしばらく歩くと、青く澄んだ日本海雄大な景色が目に飛び込んできます。日本海というと、大きな波が次々と打ち寄せて岩場にぶつかり波しぶきをあげるような荒々しい光景を想像してしまいがちですが、実際には非常に穏やかで波の音も聞こえません。美しい空と海に囲まれて、久しぶりに青色の中に身を置いた気がします。

 東尋坊と言えば、やはり不思議な形をした数々の岩壁が有名です。地学を全く理解していない僕には、こうした奇岩が誕生した経緯はよく理解できていませんが、簡単に言えば火山活動と荒波の浸食によって形成されたもののようです。自然の力というものには本当に驚かされるばかりです。

 そして東尋坊には遊覧船があり、地上からでは見ることのできない風景を海上から楽しむことができます。船内から見上げるように眺める岩壁や奇岩は見ごたえ抜群で迫力もあり、また、程よい海風も心地いいものでした。

◆やまに水産

 今回の乗り鉄旅では、「しらさぎ」号に乗車することや遊覧船で東尋坊を見学すること以外に、もう一つ楽しみにしていたことがあります。それは上の写真のとおり、日本海の海の幸を味わうことのできる昼食をいただくことです。出発前にWebサイトで調べた際、沿道にあるやまに水産という越前ガニの専門店が気になっていたため、今回はここを利用することにしました。店内に入ってメニューを見てみると、定食類だけでなく海鮮丼や甘エビ丼など丼物も充実しており、どれにしようか少し迷いましたが、席に案内してくれた店員さんオススメの『セイコ丼』に決めました。福井では、オスよりも一回り小さいメスの越前ガニを「セイコガニ」と呼ぶそうです。この丼ぶりにはセイコガニの内子、外子、足肉がたっぷり入っていて、まさにカニづくしの逸品です。下のご飯が見えないほど多くの具材で彩られた丼は、思わず顔がニヤけてしまう程の美味しさで、普段はどちらかといえば少食の僕ですが、この『セイコ丼』であれば1.5倍の量であったとしても、ペロリと平らげてしまう自信があります。この丼ぶりを食べることができただけでも、東尋坊を訪れる価値は十分にあると思います。

◆IWABA CAFE

 東尋坊の岩場を俯瞰できる場所に、お洒落でスタイリッシュなカフェがありました。こうした旅行先でちょっと気になるカフェを見つけると、つい利用してみたくなります。店先から店内を見ると、それほど混雑している様子はなく、帰りのバスまでの時間にも余裕があったため、このIWABA CAFEでひと休みすることにしました。何かスイーツが食べたいなと思ってメニューを見てみると、もこもこソフトクリームのパイナップルというものがあり、珍しそうだったのでこれをいただくことにしました。カエル(?)をモチーフにした台に差し込まれた容器には、パイナップル味のゼリーの上にソフトクリームが盛り付けられ、さらにパイナップルソースとカットされたパイナップルが添えられています。見た目のインパクトでこの商品を選んでしまいましたが、ソフトクリームとパイナップルの相性もよく、最後まで美味しくいただくことができました。値段は800円でちょっとお高めですが、東尋坊の景色を見ながらゆっくりとスイーツを楽しむことができたのでよしとします。

あわら温泉
 東尋坊からは再び路線バスに乗り、今度はあわら温泉に行くことにしました。あわら温泉の近くには、えちぜん鉄道あわら湯のまち駅があり、鉄道でのアクセスも可能ですが、今回は東尋坊から直接向うことにしたため、路線バスを利用したものです。

 あわら湯のまち駅の駅舎には、おもてなしキャラクターが描かれた丸太風の飾り付けがありました。また、あわら湯のまち駅の近くにある広場には、上の写真にあるような無料で利用できる足湯設備もありました。

 僕は今回、足湯は利用せず、駅から徒歩5分ほどの距離にある旅館「清風荘」の日帰り入浴を利用することにしました。ここには北陸最大級と言われる庭園露天風呂と内湯があり、露天風呂には陶器風呂や八角腰掛風呂といった珍しい浴槽も用意されています。なかなか風情ある露天風呂で、記念に写真でも撮影したいところですが、そうもいかないため実際の雰囲気をお伝えできないのが残念です。本来は午後3時から利用可能となりますが、僕はちょっと早めの午後2時40分頃に伺ったところ、すでに入浴可能ということで、誰もいない一番風呂に入ることができました。大きな庭園風呂を独り占めしながら、気分よく温泉に浸ることができました。

 「清風荘」からは徒歩であわら湯のまち駅に戻り、路線バスで芦原温泉駅に戻り、米原まで「しらさぎ」号に乗車しました。帰りの時間帯には、名古屋まで直接するちょうどいい列車がなかったため、米原から東海道新幹線を利用することにしたものです。乗車するN700Aを撮影すればよかったのですが、結果的には撮影していませんので写真はありません。

 何はともあれ、今日は東尋坊のきれいな景色を眺め、美味しいセイコガニの丼ぶりをいただき、さらには露天風呂にも入浴して、大満足の乗り鉄旅となりました。

 今回の乗り鉄旅では「北陸往復割引きっぷ」を利用しました。名古屋市内↔芦原温泉間で「しらさぎ」号の普通車指定席を利用できますが、名古屋―米原間については在来線特急列車の指定席券の交付を受けていない場合に限り、同区間東海道新幹線の「ひかり」号・「こだま」号の普通車自由席を利用することができます。復路はこの利用方法にしたがって、芦原温泉米原間のみ指定席券の交付を受けています。

 最後に話題は変わりますが、いよいよ10月11日から「全国旅行支援」が開始されます。2020年12月下旬に全国で一時停止したままの「Go To トラベル」に代わる新たな全国規模での観光支援事業で、12月下旬までの期間で旅行代金の40%(交通付旅行商品を購入した場合の上限額は1泊8,000円)が割り引かれるとともに、平日3,000円、休日1,000円の地域クーポンが利用可能となります。昨今の物価高や円安・ドル高などによって商品や各種サービスの値上げが続く中、旅行支援が必要と言えるかといった観点から賛否両論あるようですが、僕としてはこの機会を利用して、ちょっと遠出できればと思い、次回の乗り鉄旅を予定しています。これについては、また次回以降の記事で紹介したいと思います。