レン鉄★気ままな乗車記

乗り鉄&きっぷ鉄の管理人が、備忘録を兼ねてブログに綴っていきます。

乗り鉄&きっぷ鉄っぽい管理人が、乗り鉄旅行とそこで使用したきっぷを思うがままに記録したブログです。
どうぞ、お付き合いください。
 

伊豆急行「アロハ電車」と「キンメ電車」に乗る伊東往復乗り鉄旅

 僕は夏になると、なぜか普通列車で長距離の乗り鉄旅がしたくなります。ムーンライトながら号が現役だった頃、青春18きっぷを利用して東京まで行き、早朝から首都圏近郊での乗り鉄旅を楽しんだことは、今でもいい思い出の一つになっています。また、学生時代には訪れる機会がほとんどなかった山陰や四国などの西日本各地にも、青春18きっぷを利用して遠征したりしました。僕が初めて四国を訪れたのも青春18きっぷを利用した乗り鉄旅でしたし、また4年前には、名古屋から出雲市まで在来線で移動し、その足でサンライズ出雲号の個室寝台に乗車して東京まで行った後、再び青春18きっぷを利用して豊橋まで戻るという乗り鉄旅も経験することができました。さらに昨年は、あめつち号に乗車するため前日に鳥取入りすべく、東海道本線山陰本線普通列車を乗り継いで移動したこともあります。

 青春18きっぷという強い味方もあって、この時期になると、自然と普通列車での長距離旅を思い浮かべるのですが、今季は今のところ青春18きっぷを購入しておらず、少なくともJRの窓口で5回券を購入する予定もありません(もしかしたら金券ショップで残り2回程度のバラ券を入手するかもしれません)。かといって、わざわざ目的地までの普通乗車券を購入してまで、青春18きっぱーのような長距離の乗り鉄旅をしようという気持ちもなかったため、豊橋発着としては使い勝手がよく、値段もちょうどいい休日乗り放題きっぷを利用した乗り鉄旅を計画することにしました。
 休日乗り放題きっぷはこれまでにも何度か利用していますが、あらためてこのきっぷの特徴を確認しておきたいと思います。

休日乗り放題きっぷとは?

  1. JR東海が発売しているトクトクきっぷ(企画乗車券)の一つで、東海道本線豊橋―熱海間及び身延線御殿場線の全線が1日乗り放題
     JR東海管内のうち静岡地区をすべてカバーしており、フリー区間には愛知、山梨、神奈川の一部を含んでいます。また、別に特急券を購入すれば特急列車(ふじかわ号の全区間、ふじさん号の御殿場―松田間、踊り子号の三島―熱海間)にも乗車することができますが、東海道新幹線には乗車できません。
  2. 土休日と年末年始に利用可能(多客期でも土休日であれば利用可能)
     つまり平日には利用できません。夏休みなど、旅行での利用が多く見込まれる期間に限って、平日にも利用できるようになるとさらに利用価値が高まると思うのですが、現状では例外なく土休日限定となっています。
  3. ねだんは2,720円フリー区間内の各駅(甲府駅国府津駅を除く。)で乗車当日まで購入可能
     青春18きっぷの1回分当たりの金額よりも高額になっていますが、豊橋甲府豊橋―熱海を単純に片道で利用するよりも安価な価格設定となっており、また、同じくJR東海が発売している青空フリーパス(2,620円)やJR東日本の休日おでかけパス(2,720円)ともほぼ同じ価格設定です。甲府駅国府津駅にはJR東海のきっぷうりばがないため発売されておらず、熱海駅では新幹線改札側にあるJR東海のきっぷうりばでのみ発売されています。

 そして今回の乗り鉄旅では、このきっぷを豊橋↔熱海間で利用し、さらに別途、普通乗車券を購入して伊東線に乗車して伊東を目指すことにしました。これまでの乗り鉄旅でも、スーパービュー踊り子号やサフィール踊り子号、伊豆クレイル号に乗車するなどして何度か伊東線伊豆急行線を利用しており、伊東で乗下車したこともありますが、駅周辺を観光したことはありません。さらに今年4月、伊豆急行JR東日本から譲渡された209系電車を改装し、新たに3000系「アロハ電車」なるものを誕生させました。また、伊豆急行普通列車であるリゾート21(2100系)には、第3次車による「キンメ電車」と第4次車による「黒船電車」がありますが、僕はまだ「キンメ電車」には乗車したことがありません。そこで今回は、伊東までの乗り鉄旅で「アロハ電車」と「キンメ電車」に乗車することとし、あわせて伊東駅近くにある道の駅伊東マリンタウンに行ってみることにしました。調べて見ると、伊東マリンタウンでは食事やお土産物の購入はもちろんのこと、遊覧船にも乗船することができ、温泉施設も併設されているとのことで、日帰りで楽しむにはちょうどぴったりです。
 そこで早速、伊豆急行のWebページで「アロハ電車」と「キンメ電車」の運転時刻を調べ、次のような行程を作成しました。

 熱海発の「アロハ電車」に乗車するため、発車時刻である10時10分までに熱海に到着する必要があることから、少し時間的に余裕を持って、熱海に9時51分に到着できる列車に乗車することにしました。そこから逆算していくと最寄り駅を始発列車に乗車することになります。伊東到着後は徒歩かバスでマリンタウンに移動し、食事や温泉、それに遊覧船にも乗船します。その後は再び伊東に戻り、復路では伊東を14時55分に発車する「キンメ電車」に熱海まで乗車し、帰路に着くというものです。せっかく「アロハ電車」と「キンメ電車」に乗車するのに、それぞれの乗車時間がかなり短くなってしまいますが、マリンタウンでの時間をある程度確保したかったので、今回はこの行程で乗り鉄旅を楽しむことにしました。

アロハ電車として運用されている3000系:熱海駅網代駅 2022/8/14

 豊橋から熱海までの東海道本線区間は省略して、早速、熱海から乗車した「アロハ電車」を紹介します。上の写真は熱海発車前と途中の網代停車中に撮影したものです。外観はJR時代からほとんど変わっていませんが、帯とスカート色は変更されていることが分かります。また、車両側面にも白地に細かな絵柄が描かれたラッピングが全面に施されており、JR時代とは異なる印象の列車になりました。
 伊豆急下田寄りの先頭車は白地に赤を基調とし、熱海側の先頭車は白地に青を基調としており、リニューアル前のリゾート21にデザインされたトリコロールカラーが復活したようなカラーリングです。

 お盆休み期間中ということもあってか、4両1編成の2編成が連結された全8両での運転ながら車内はまあまあ混雑しており、熱海発車時点ではボックス席にはほとんど空きがなく、立ち客はいないもののロングシート席も半分以上が埋まっている状態でした。という訳で車内の座席は撮影できませんでしたが、客用扉の内側に伊豆の風景写真がラッピングされていることなどを除くと、座席や車内案内装置などはJR時代のままといった感じでした。
 ここからは、伊東で訪れたマリンタウンを少しだけ紹介したいと思います。

 伊東マリンタウンはちょうど海岸線沿いにある道の駅で、カラフルな建物がいくつか並んでおり、ちょっとお洒落な外国のリゾート地のようです。伊東駅から直通のバスも運行されていますが、運転本数はそれほど多くないため、時間によっては歩いた方が早く着くことができます。暑い中でしたが、僕も駅から歩いて行きました(帰りはちょうどバスの発車時間に間に合ったためバスを利用しました。歩きで約15分、バスで約5分くらいです。)

 マリンタウン到着早々、ちょうど遊覧船の運航開始時間に間に合いそうだったため、急いで遊覧船のチケットを購入して乗船しました。神戸で乗船した船よりも小型のものでしたが、この船は半潜水式水中展望船というもので海中の様子を船内から観察できるようになっており、乗船後に階段を下って船底部分のスペースに移動すると、そこには両側に海中展望用の窓が並んでおり、その前に並べられた長椅子に座りながら海中を泳ぐ魚たちを間近に観ることができるようになっています。僕もこの窓から海中を眺めていると、確かに出港前には多くの魚が群がって泳ぐ姿が観られましたが、いざ出港してしまうと見えるのは海底ばかりで、ちょっと期待外れでした。

 また、海中展望用の半地下スペースからデッキ部分に上がってくると、カモメやトンビが餌を求めて遊覧船の周りを飛び交う姿を見ることができました。実は以前、友人Dと2人で熱海旅行に行った際、熱海の海岸を発着する遊覧船に乗船したことがあり、その時は何十羽という多くのカモメが飛来してきて、僕も思わずテンションが上がり、船内でカモメ用のエサ(かっぱえびせん)を買って餌やりをしたことがあります。しかし今回は残念ながら、それほど多くの飛来はなく、どこかの子どもがカモメ用のエサを買ってもらって餌やりをしていましたが、思うようにカモメが集まって来ず、ちょっとガッカリしている様子でした。海中遊覧で見た魚もそうですが、自然が相手のことなので、期待どおりに見ることができるかどうかは運次第としか言いようがありません。

 伊東マリンタウンにはいつくかのレストランがあり、麺類、海鮮、ピザ類など様々なメニューが用意されていますが、僕としてはやはり海鮮だろうということで、今回は海の前のカフェレストランでサーモンといくらの親子丼をいただきました。ちょうど12時になってから入店したため、多少の待ち時間があるかと覚悟していましたが、すぐに座席に案内されました。屋内で食事をすることもできますが、屋外にテラス席があるとのことだったので、こちらを利用することにしました(陽射しの強い日であれば間違いなく冷房が効いた屋内の席を選びますが、この時間は薄曇り気味だったため、屋外でもいいかなと思って選びました)。

 注文後、すぐに運ばれてきた親子丼は見た目にもきれいで、なぜか屋外で食事をするといつも以上に美味しく感じます。写真にも写っていますが、ワサビが多めに添えられていて、思わず全部を醤油で溶いて全体にかけてしまいましたが、思った以上に辛さが効いていて、久しぶりに鼻にツーンときました。

 食事のあとは、同じマリンタウン内にある温泉施設で入浴し、体中の汗をきれいに流したところでデザートタイムです。無性にアイスクリームが食べたくなったところにちょうどよくアイスクリームの店がありました。その店には「海を見ながら食べると幸せになるアイスクリーム」とのキャッチフレーズがありましたが、海を見ながらアイスクリームを食べるだけで幸せになれるなら、それほど簡単なことはないよと心の中でツッコミを入れつつ、一番人気というヨーグルト風味のアイスをいただきました。入浴直後ということもあって、身体の芯まで冷やされていくような気分です。ちょっと酸味が効いたアイスの中にりんごやラ・フランスなどのフルーツが入っており、食感も抜群です。

黒船電車として運用されているリゾート21伊東駅熱海駅 2022/8/14

 伊東に戻り、ここから熱海まで「キンメ電車」に乗車します。先にお話ししたとおり、僕は以前の乗り鉄旅で「黒船電車」に乗車したことはありますが、「キンメ電車」は今回が初めてなので、どんな車両かワクワクしながら伊東駅で到着を待ちました。3番線で待つことしばし、予定どおりの時間に列車が入線してきましたが、あれれ?なぜか「キンメ電車」ではなく「黒船電車」です。

 旅行計画の段階でWebページで調べた際には、確かに「キンメ電車」が充当されることになっていたのですが、おそらく前日の台風8号の影響により列車の運休や行き先変更が生じたため、直前に「キンメ電車」から「黒船電車」に変更されたものと思われます。鮮やかな赤い車体のリゾート21に乗車することを楽しみにしていたので、まさかの運用変更にちょっと残念な気持ちになりましたが、まあ「黒船電車」もリゾート21に変わりはないため、気持ちを切り替えて熱海までの乗車を楽しむことにしました。

2号車の車内(山側)

3号車の車内(山側)

 「黒船電車」の車内です。僕が乗車したのは2号車で、車内は通路をはさんで両側に座席が配置されており、山側は2人掛け向かい合わせのボックス席、海側は側窓に向いた3人掛けベンチシートと4人掛けのボックス席になっています。車両自体は昭和の雰囲気が感じられる内装ですが、しっかりと手入れが行き届いているようで、汚れや傷みが気になることは全くありません。それどころか特急車両並みの設備を持つリゾート21が、乗車券のみで利用可能な普通列車として運行されていることには、いつも驚かされます。今回は3人掛けベンチシートに空きがあったため、こちらの座席を利用しましたが、窓も非常に大きくて景色が見やすく、足元にも余裕があるので、非常に快適です。ちなみに隣の3号車を覗いて見ると、2号車とは座席の種類が一部異なっており、3人掛けベンチシートの代わりにサロン席のように配置された座席が並んでいました。現在は新型コロナウイルス感染症の感染予防対策として、展望席の一部が利用不可となっていましたが、色々な座席の種類を備えたリゾート列車の名に相応しい列車となっています。今回は運悪く「キンメ電車」に乗車することや写真撮影することはできませんでしたが、それはまたのお楽しみということにしたいと思います。

 今回の乗り鉄旅で使用した乗車券は上の3枚です。休日乗り放題きっぷは原則としてフリー区間内の各駅で発売されるものですが、フリー区間の入口駅(例:豊橋駅など)までの乗車券を同時に購入する場合には、青空フリーパスの発売駅でも購入することができます。今回はこの取扱いを利用し、事前に金山駅で購入しておきました。乗車券の無効印は、熱海と伊東で押印されたものですが、両駅とも絵柄入りです。特に熱海駅のものはなかなかユニークで、いかにも熱海らしいデザインです。

 今回の伊東往復乗り鉄旅の紹介は以上のとおりです。東海道本線区間の紹介はしていませんが、往路では373系313系8000番台にも乗車することができました。やはり僕には、普通列車での長距離乗り鉄旅を欲する血が流れていることを、あらためて感じたところです。

 愛知に住んでいる僕にとって静岡はお隣ということになりますが、静岡は東西に長く、特に東部にはまだ訪れたことのないところがたくさんあります。三島や沼津といった駅には馴染みがありますが、実は通過したり乗り換えたりするだけで、下車観光したことがありません。青春18きっぷと異なり、休日乗り放題きっぷは土休日であれば時期に関係なく利用が可能です。乗り降り自由という企画乗車券の強みを活かし、このきっぷを利用する新たな乗り鉄旅を考えて、どこかのタイミングで実際に乗車してみたいなと思ったりしています。