レン鉄★気ままな乗車記

乗り鉄&きっぷ鉄の管理人が、備忘録を兼ねてブログに綴っていきます。

乗り鉄&きっぷ鉄っぽい管理人が、乗り鉄旅行とそこで使用したきっぷを思うがままに記録したブログです。
どうぞ、お付き合いください。
 

北陸本線と高山本線を利用した富山往復乗り鉄旅

 今季はすでに4回、青春18きっぷを利用した乗り鉄旅に出かけました。その内容を振り返ると、姫路・岡山方面(新快速Aシートに乗車)、軽井沢・長野方面(しなの鉄道「軽井沢リゾート列車」に乗車)、首都圏方面(横須賀線E235系1000番台グリーン車に乗車)、関西方面(271系「はるか」に乗車)となっており、日帰り可能な範囲で様々な地域に足を延ばすことができたと思います。今季の乗り鉄旅で初めて利用した路線や初めて乗車した車両もあり、一つ一つの旅が思い出に残っています。

 そして、今季の青春18きっぷを利用した乗り鉄旅も、ついに最後の1回となったわけですが、その行き先は北陸にしました。特にお目当ての列車があるわけではありませんが、日帰りの乗り鉄旅にはちょうどいい距離感であることと、まだ乗車したことがない高山本線の一部区間(富山-飛騨古川間)にも乗車してみたいと思い、久しぶりに富山を目指すことにしました。名古屋方面から富山に行く経路としては、米原経由で北陸本線(+北陸新幹線)を利用するルートと、岐阜から下呂・高山を経由する高山本線を利用するルートがあるため、どの経路でも乗車可能な青春18きっぷの強みを活かし、往路は北陸本線を利用し、復路は高山本線を利用することにしました。これらの区間には、特急「しらさぎ」や特急「ひだ」が運行されていますが、今回はどちらにも乗車しません。青春18きっぷを利用する乗り鉄旅ということで、青春18きっぷが利用できない金沢-富山間のみ新幹線に乗車して、その他の区間はすべて、普通(快速)列車を利用することにしました。具体的な旅行行程は、次のとおりです。

f:id:Len_Railway:20210408201711p:plain

 行程としては、往路で高山本線を利用して富山まで行き、北陸新幹線で金沢まで移動して、金沢から北陸本線を利用して米原を目指す「反時計周り」のルートも考えられます。しかし、事前に時刻表で調べたところ、「反時計周り」のルートではうまく乗り継ぎができないことが分かり、今回は「時計回り」ルートを選択しました。なお、金沢-富山間では、IRいしかわ鉄道・あいの風とやま鉄道を利用する方法もありますが、まだ乗車したことがない「つるぎ」号に乗車してみようと思い、北陸新幹線を利用することにしました。いつもに比べてちょっと地味な乗り鉄旅ですが、たまにはそんな旅もいいかなと思い、思いつくままに車両を撮影してみました。

f:id:Len_Railway:20210408202059p:plain

 まずは、金山から米原まで東海道本線に乗車します。これまで何度も乗車したことのある区間ですが、この区間はあまり運転本数が多くないのがネックです。また、名古屋方面から米原に向かう場合、土・休日ダイヤでは米原まで直通する列車が比較的多いのですが、平日ダイヤでは大垣で乗り換えが必要となることも多く、意外と時間もかかってしまいます。過去には、その後の乗車行程を考えて、新幹線でワープすることもありましたが、今回は、在来線でも十分に乗り換え時間が確保でき、また、平日の朝には数少ない米原まで直通する列車に乗車できる行程だったため、在来線を利用しました。

f:id:Len_Railway:20210408202327j:plain

 車両は安定のJR東海313系です。JR東海を代表する一般形の主力車両であり、ほぼすべての電化区間で活躍しています。線区によって使用される車両の番台に違いがあり、車内設備も異なっていますが、豊橋米原間では、転換クロスシート車となっているため、とても快適に移動できます。今回乗車した列車は、金山から大垣までは4両で運転されており、通勤時間帯ということもあってそれなりに混雑しましたが、大垣で前に2両連結し、終点の米原までは6両での運転でした。

f:id:Len_Railway:20210408202513p:plain

 米原から先は北陸本線に乗車します。北陸本線では、おおむね敦賀と福井で運転区間が分けられており、特急「しらさぎ」を除いて全区間を直通する列車は設定されていません。僕も今回、近江塩津敦賀、福井で乗り換えながら金沢を目指すことになります。

 米原から乗車した近江塩津行きの列車は、琵琶湖線から直通する新快速で、米原まで12両で運転されていたものが、米原で後ろの8両を切り離し、その先終点までは4両となるため、米原発車時点では予想以上に混雑しました。終点の近江塩津まで行く人が多いのかと思って様子を見ていると、途中の田村で学生らしき人が多く下車し、さらに高月で高齢者の旅行グループ(?)が下車すると、閑散とした状態になりました。ちなみに車両はJR西日本225系です。近江塩津から乗車した敦賀行きも同じ225系でした。僕は、初めて225系のフロントフェイスを見た時、角ばった厳つい印象を受けましたが、大阪環状線323系や広島地区のレッドウイングこと227系にも受け継がれるなどして、現在ではすっかり定着した感じがします。今回は、乗り換え時間の都合上、残念ながら近江塩津敦賀での写真撮影はできませんでした。

f:id:Len_Railway:20210408203033j:plain

 敦賀から金沢までは、途中の福井で乗り換えることになります。乗車する車両はどちらもJR西日本521系でした。通勤時間帯のピークは過ぎていましたが、車内はそれなりに混雑していました。地元の学生も多少はいましたが、高齢者のグループ利用が目立ちます。僕の前後の座席もこうした高齢者でしたが、楽しい旅行に話が弾むようで、車内の一部は団体旅行のバスのような賑わいでした。旅先では、ついつい開放的な気分になるのは理解できますが、他の乗客がいるということを忘れずに、周囲に不快な思いをさせることがないよう、僕自身も気をつけなければならないと、あらためて感じた次第です。

 話が逸れてしまいましたが、上の写真は福井で撮影した521系です。片側3扉の転換クロスシート車で、車内は東海道線の新快速などで活躍している223系とそっくりです。北陸本線と言えば、ひと昔前には、"食パン電車"こと419系が走っていましたが、この521系によって置き換えられ、車両性能や快適性は格段に向上しています。数年後には、北陸新幹線の延伸に伴って、敦賀-金沢間も第三セクター化されることになり、今回のように青春18きっぷを利用して乗り鉄旅を楽しむこともできなくなってしまいます。今後、三セク化による運賃改定やダイヤの変更がどのような影響をもたらすことになるのか、気になるところです。

f:id:Len_Railway:20210408203723p:plain

 北陸新幹線の金沢-富山間には、両駅間を結ぶシャトルタイプの「つるぎ」という種別があります。途中の停車駅は新高岡のみで、新幹線としては珍しい短区間での運用となっています。なぜこのような短区間での運用が設定されているのか、詳しい理由は分かりませんが、北陸本線時代に「しらさぎ」や「雷鳥」が富山発着で運転されていたため、この代替措置として設定されているのではないかと思います。使用されている車両は、「かがやき」「はくたか」と同じE7/W7系新幹線ですが、グランクラスなどの一部の車両は締め切り扱いとなっています。

f:id:Len_Railway:20210408203648j:plain

f:id:Len_Railway:20210408204111j:plain

f:id:Len_Railway:20210408204055j:plain

 北陸新幹線では、JR東日本E7系JR西日本W7系が共通運用されているため、JR西日本区間で完結する「つるぎ」にE7系が充当されることもあり、今回僕が乗車した「つるぎ」もE7系のほうでした。今回の乗り鉄旅では、在来線(特に北陸本線区間では乗客が意外と多かったのですが、北陸新幹線「つるぎ」はガラガラで、僕が乗車した1号車は最後まで他の乗客はいませんでした。

f:id:Len_Railway:20210408210831j:plain

 「つるぎ」は自由席で十分だろうと考えて、乗車直前に金沢駅みどりの券売機で購入しました。往復利用であれば、「金沢/富山自由席往復きっぷ」という企画乗車券があるのですが、今回は片道利用なので、おトクなきっぷの設定もなく、普通乗車券と自由席特急券の組み合わせとなりました。特急料金は1,870円で、乗車距離を考えるとちょっと高いかなと感じました。

f:id:Len_Railway:20210408204305p:plain

 富山からは、高山本線で岐阜に向かいます。富山から途中の猪谷まではJR西日本の管轄で、猪谷から先の岐阜まではJR東海の管轄となります。「ワイドビューひだ」では、1日当たり4本が名古屋-富山間を直通しますが、普通列車で猪谷をまたぐ運用はなく、必ず猪谷での乗り換えが必要となります。

f:id:Len_Railway:20210408204425j:plain

 富山-猪谷間では、JR西日本のキハ120形に乗車します。富山発車時点では、2両のワンマン列車に立ち客がいるほどの混雑状況でした。中には僕と同じ青春18きっぱーと思われる方もいましたが、多くは地元の高校生のようで、速星や越中八尾で下車していき、終点の猪谷まで乗客したのは10人もいないくらいでした。キハ120形の車内は、車端部にロングシート、中央部にボックスシートが配置されています。僕は最初、ボックス席に空きがなかったためロングシートを利用していましたが、越中八尾からはボックス席に空きができたので、ボックス席を利用することができました。ローカル線の醍醐味といえば、のどかな風景をのんびりと眺めることにありますが、やはりボックス席に座って車窓を楽しむのは気持ちがいいものです。

f:id:Len_Railway:20210408204759p:plain

 反対列車の遅れの影響で、猪谷到着が3分程遅れてしまったため、乗り換えはギリギリでしたが、島式ホームでの対面乗り換えのため、焦ることなく無事に美濃太田行きの列車に乗車することができました。ここから先は、再びJR東海管内となり、車両もJR東海キハ25形になります。この列車で一気に美濃太田まで行くことになりますが、乗車時間は4時間超えで、今回の乗り鉄旅で乗車する列車のうち、最長の乗車時間になります。そういう意味でも、できれば転換クロスシート車がよかったのですが、残念ながらロングシート車でした。

f:id:Len_Railway:20210408205205j:plain

 写真は、途中の高山での停車時間を利用して撮影したものです。フロントフェイスはまさしく"JR東海顔"で、313系とほとんど同じように見えますが、細かな部分は異なっており、特に、おでこの部分にヘッドライトがあるかどうかが区別しやすいポイントです。さすがに猪谷-美濃太田間を乗り通すのは僕一人くらいだろうと思いましたが、僕以外にも乗り通す乗客(青春18きっぱー)が数人いました。ひとり車内で「JR時刻表」をペラペラめくっている人、ほぼ100%鉄ヲタで間違いありません。

f:id:Len_Railway:20210408205837p:plain

 美濃太田に到着後、乗り換えて高山本線の終着となる岐阜に向かいます。車両はJR東海キハ75形でした。過去には、関西本線経由で名古屋-奈良間を結ぶ急行「かすが」で使用され、現在でも、一部に指定席を設定する快速「みえ」で使用されている車両だけあって、普通列車としては申し分のない車両です。車内は転換クロスシートで、窓には特急形車両のような横引きカーテンも備えられています。今回の乗車は、美濃太田-岐阜間のわずか約30分だけでしたが、もし猪谷-美濃太田区間もこの車両に乗車できたら、最高に素晴らしい乗り鉄旅になったと思います(現実的にはあり得ませんが…)。

f:id:Len_Railway:20210408210102j:plain

 岐阜では、東海道本線への乗り換え時間に余裕がなかったため、急いで撮影したのが上の写真です。岐阜到着後に再び美濃太田に引き返す運用のため、方向幕はすでに美濃太田になっています。なお、岐阜から金山までは、往路と同じく東海道本線に乗車しましたが、乗車した車両は往路と同じ313系だったため、特に写真撮影はしていません。

f:id:Len_Railway:20210408210713j:plain

 何はともあれ、当初の予定どおり、無事に北陸本線高山本線をすべて完乗することができました。これで今季の青春18きっぷを使用した乗り鉄旅も終了です。今季は、青春18きっぷ5回分の中で、一度も「ムーンライトながら」を利用しない初めての機会となりましたが、何だかちょっと寂しい感じが残る今日この頃です。