レン鉄★気ままな乗車記

乗り鉄&きっぷ鉄の管理人が、備忘録を兼ねてブログに綴っていきます。

乗り鉄&きっぷ鉄っぽい管理人が、乗り鉄旅行とそこで使用したきっぷを思うがままに記録したブログです。
どうぞ、お付き合いください。
 

1年ぶりに運用復帰した271系「はるか」に乗車

 僕はこれまでの乗り鉄旅で、何度か“空港連絡特急”に乗車しています。国内の主要空港とその近隣都市とを結ぶJR及び私鉄の特急としては、次のようなものがあります。

◼️成田空港

 f:id:Len_Railway:20210326201018p:plain成田エクスプレスJR東日本E259系首都圏各地と成田空港を結ぶ日本を代表する空港特急。なぜかA特急料金が適用されるため、やや割高感あり

f:id:Len_Railway:20210326201043p:plain スカイライナー(京成:AE形)上野ー日暮里ー成田空港を成田スカイアクセス線経由で結び、所要時間は最短で36分(日暮里ー空港第2ビル間)

◼️関西国際空港

f:id:Len_Railway:20210326201114p:plain はるか(JR西日本281系日本が世界に誇る観光地・京都(一部は野洲)を発着。空港特急としては珍しい和風な愛称

f:id:Len_Railway:20210326201133p:plain ラピート(南海:50000系)「はるか」が新大阪を経由するのに対して、「ラピート」は難波を発着。ガンダムモビルスーツを連想させる面構えが特徴

◼️中部国際空港

f:id:Len_Railway:20210326201200p:plain ミュースカイ名鉄:2000系)中部国際空港にアクセスする唯一の空港特急。ミューチケットは距離にかかわらず一乗車につき360円と格安

 これらの5つの車両には、いずれも乗車したことがあります。どの列車も“空港連絡特急”ということで、車内に大型荷物用のスペースが設置されたり、外国語による案内表示が行われるなど、いつくかの共通点がありますが、個々の車両や運用状況を詳しく見ていくと、それぞれに違いがあります。例えば、同じJRの空港連絡特急でも「はるか」には自由席の設定がありますが、「成田エクスプレス」は全車指定席です。また、「成田エクスプレス」・「はるか」のグリーン車や「ラピート」のスーパーシートのように、他の座席よりも上位に位置する特別車両が組み込まれた車両もあれば、「スカイライナー」や「ミュースカイ」のように、座席区分のないモノクラス仕様の車両もあります。両数についても、「ミュースカイ」は最短で4両編成で運転されることがあるのに対し、「成田エクスプレス」は最長12両編成(6両+6両)で運転されることがあります。

 こうした様々な特色を持つ“空港連絡特急”ですが、ここ1年は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による国際線の大幅減便の影響を受けて、どの特急も一部運休などの対応を余儀なくされました。今年3月(JR線についてはダイヤ改正前)の状況を簡単に調べてみると、

成田エクスプレス】全54本中、36本が全区間運休、5本が区間運休
【京成スカイライナー】全82本中36本が運休
【はるか】全60本中42本が運休
【ラピート】全66本中、平日ダイヤでは34本が運休、土・休日ダイヤでは48本が運休
ミュースカイ】全63本中、平日ダイヤでは22本が運休、土・休日ダイヤでは35本が運休

となっており、相当数の特急が運休に追い込まれているのがよく分かります。JRが発表した2020年から2021年にかけての年末年始の列車利用率をみても、「はるか」は対前年比2%、「成田エクスプレス」は同3%となっており、まさに危機的な状態と言えます。新型コロナウイルス感染症の収束が見込まれない中、“空港連絡特急”はしばらくの間、こうした厳しい状況が続くものと思われます。

 そんな中にあって、僕が昨年3月から注目していたのが「はるか」です。「はるか」は、その登場時からJR西日本281系が運行を担ってきましたが、2020年3月のダイヤ改正を機に、新型車両となる271系の運用が開始されました。コロナ禍以前、「はるか」は、インバウンド需要による利用客の増や、大阪・関西万博などによる利用拡大を想定して、全ての列車を9両編成で運転することとされ、そのための新たな増備用の編成として、271系が新造されたものです。

 運用開始当初は、想定どおりに281系6両+271系3両による9両編成での運行が行われましたが、上記のとおり、新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって利用客が急激に落ち込む中、「はるか」は、9両編成での運用が見直され、4月以降は6両編成(281系のみ)で運行されることとなってしまいました。これにより、271系は営業運転開始から1か月も経たないうちに、早くも運用から離脱することになってしまったわけです。誰しも想定しえなかった社会情勢の変化によるものとは言え、運用開始直後に活躍の場を奪われるという、何とも悲運な車両となってしました。

 そして時間は瞬く間に過ぎ、2021年3月のダイヤ改正を迎えました。271系はまだまだ休車状態が続くのではないかと心配されましたが、今回のダイヤ改正を機に、「はるか」の上下それぞれ2本が再度、9両編成で運転されることになり、271系もめでたく営業運転に復帰することになりました。僕はまだ271系を見たことがなく、この機会に是非乗車してみようと思い、関西空港まで271系に乗車することにしました。

 関西空港への乗り鉄旅と言えば、4年以上前の記事で、281系「はるか」と南海50000系「ラピート」による往復乗り鉄旅を紹介しました。

len-railway.hatenablog.jp

  この時には、新大阪から関西空港まで「はるか」に乗車しましたが、僕がこれまでに「はるか」に乗車したのは、この時の1度限りです。今回は、もう少し長く乗車してみたいと思い、始発の京都から乗車することにしました。

f:id:Len_Railway:20210328110112j:plain

f:id:Len_Railway:20210328110129j:plain

はるか号として運用に復帰した271系:京都駅 2021/3/27

 京都駅30番線ホームに停車中の「はるか」です。281系(1号車から6号車まで)+271系(7号車から9号車まで)となっており、グリーン車は1号車、普通車の2号車から9号車のうち自由席は5・6号車で、3・4号車と7~9号車は指定席です。271系の先頭車両前面だけでなく、比較の意味も込めて281系との連結部も撮影してみました。

 新たに製造された271系ですが、基本的なカラーリングは281系を踏襲しています。白色を基調として屋根部が濃いグレー、裾部分がブルーというデザインで、スクエアドットと呼ばれる青色の模様なども281系と共通となっています。一方、先頭車両の形状をよく見ると、「くろしお」や「きのさき」などの一部で使用されている287系にそっくりで、よく言えばJR西日本らしさが現れています。

f:id:Len_Railway:20210328110609j:plain

f:id:Len_Railway:20210328110630j:plain

f:id:Len_Railway:20210328110836j:plain
 ちなみに281系も271系もそうですが、現在、ハローキティのラッピングが施されています。コラボ企画などにより、一部の編成にラッピングが施されることはよくあることですが、どうやら271系は現時点で全車両ともハローキティ編成となっているようです。JR西日本では、同じハローキティをあしらった500系新幹線を運行しており、「はるか」についても、ハローキティとコラボする所以があるのかもしれません。上の写真は、281系と271系のラッピング箇所を撮影したものです。

f:id:Len_Railway:20210328110919j:plain

281系普通車の車内

f:id:Len_Railway:20210328111007j:plain

f:id:Len_Railway:20210328111025j:plain

271系普通車の車内

 車内も281系と271系をそれぞれ撮影してみました。4年以上前に281系に乗車した時には、ところどころに車内設備の劣化が目についたことを覚えています。今回あらためて車内を比べると、やはり271系の進化ぶりがよく分かります。座席のモケット柄が、何となく東海道新幹線N700系グリーン車を連想させるため、見た目にも上質な印象でした。車端部にある液晶の案内表示も大きくて見やすく、Free-Wifiや各座席へのモバイルコンセントの設置によって、利便性も大きく向上しており、僕としては断然、271系の方が快適で心地いい車内だと思います。どちらの車両も同じ特急料金で利用できるため、選択可能であれば271系の方に乗車することをオススメします。また、ハローキティとのコラボは車内装飾にも施されており、ヘッドカバーにはハローキティが描かれていました。

f:id:Len_Railway:20210328102648j:plain
f:id:Len_Railway:20210328102659j:plain

 「はるか」の7号車から9号車までは普通車指定席となっているため、271系に乗車するには普通車指定席を利用することになります。JR西日本区間であるため、いつものように「e5489」で特急券を購入することにしました。現在、京都ー関西空港間で「はるか」に乗車するためのきっぷには、次のようなものがあり、条件さえあえば、かなりおトクに利用することができます。

きっぷの名称 総額 運賃 特急料金 備考
通常のきっぷ 3,430円 1,910円 1,520円  
J-WESTチケットレス 2,640円

1,910円

730円 前日・当日限定
チケットレス特急券 3,230円 1,910円 1,320円  
はるか指定席きっぷ 2,700円  ー  ー  

 「はるか指定席きっぷ」は特急料金込みで2,700円で、通常のきっぷの場合と比べて2割以上安くなっていますが、現在は、これよりもさらにおトクな「J-WESTチケットレス」が設定されています。「J-WESTチケットレス」は「e5489」会員限定のきっぷですが、J-WESTカードである必要はないため、僕は今回、これを利用することにしました。乗車券は通常の1,910円ですが、特急料金はわずか730円です。新快速のAシートの指定席料金(840円)よりも安く特急の指定席が利用できるということで、この価格は破格と言っていいのではないのでしょうか。 こうしたおトクなきっぷがあるにもかかわらず、「はるか15号」の8号車に京都から乗車したのは僕1人だけでした。途中の新大阪から1人が乗車しましたが、他の号車もガラガラで、とても9両編成で運転するに相応しい乗車率ではありません。このような状況が続けば、また近いうちに、増結なしの基本編成6両だけの運用に戻ってしまうのではないかと心配でなりません。