レン鉄★気ままな乗車記

乗り鉄&きっぷ鉄の管理人が、備忘録を兼ねてブログに綴っていきます。

乗り鉄&きっぷ鉄っぽい管理人が、乗り鉄旅行とそこで使用したきっぷを思うがままに記録したブログです。
どうぞ、お付き合いください。
 

E235系1000番台の普通列車グリーン車に乗車

  E235系は、E233系に続く次の世代を担う一般形車両(JR東日本では「通勤形」と「近郊形」を区分しない「一般形」という名称が用いられるようです。)として、JR東日本が開発・製造した車両です。E235系初となる0番台については、すでに山手線に導入済みで、それまでのE231系500番台をすべて置き換えて、現在では山手線を走行するすべての車両がE235系0番台に統一されています。車両の外観としては、無塗装のステンレス地の一部にウグイス色が配色され、これまでどおり、山手線のラインカラーを継承していますが、その中でもドット柄のグラデーション塗装された先頭車両前面のデザインが実に印象的で、見た目のインパクトから「電子レンジ」と呼ばれることもあるようです。

 そんなE235系ですが、山手線に続いて横須賀・総武快速線にも導入されることになりました。横須賀・総武快速線は、これまで、E217系で運用されてきましたが、新たにE235系1000番台を導入し、E217系をすべて置き換えるというものです。新造されるE235系1000番台は、合計で745両(基本編成が51本、付属編成が46本)にも及び、数年間かけて置き換えが進められるようですが、2020年6月には、基本編成の1本目となるF01編成が鎌倉車両センターに配置されました。その後、JR東日本管内で試運転を行うなどして、2020年12月、ついに営業運転を開始する運びとなりました。E235系1000番台の最大の特徴としては、やはり0番台にはなかったダブルデッカーグリーン車2両が組み込まれている点だと思います。事前に公表されたプレスリリースによると、シート色や車内の色合いが従来のグリーン車から変更され、また、床がカーペット敷きとなるなど、これまで以上にグリーン車らしい高級感のある内装となっているそうです。さらに、これまで首都圏の普通列車グリーン車にはなかったFREE Wi-Fiのサービスが提供され、各座席にモバイルコンセントも設置されるとのことです。

 首都圏の普通列車グリーン車が大好きな僕としては、一日でも早くE235系1000番台のグリーン車に乗車してみたいと思っていたのですが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大や、11都府県を対象とした緊急事態宣言の再度の発令などの状況を踏まえると、首都圏を目的地とする乗り鉄旅は控えるべきと考え、少なくとも緊急事態宣言が解除されるまでは延期することにしていました。こうした中、いろいろと議論はあったものの、21日に宣言が解除されたことから、青春18きっぷを利用して首都圏への乗り鉄旅に出かけることにしたものです。

 ここまではよかったのですが、いざ行程を組む段階になって考えてみると、横須賀・総武快速線の運用は、まだまだE217系の方が多く、どの列車がE235系1000番台により運用されているのか、いまひとつはっきりしません。せっかくE235系1000番台に乗車する目的で首都圏に足を運ぶ以上、確実に乗車したいと思い、事前にいろいろとインターネット上を検索してみたところ、首都圏の主要路線を走る列車の運用情報をリアルタイムで発信しているWebサイトを発見しました。これによれば、E235系1000番台の運用はある程度、固定化されているようなのですが、確実とまでは言えないようです。そこで今回は、E235系1000番台が充当される可能性が高い運用のうち、乗車可能な時間帯の2本の運用(案1:久里浜13:44発成田空港行きのうち久里浜-東京間、案2:逗子13:22発千葉行きのうち逗子-津田沼間)に目を付けておき、このどちらかに乗車することにしました。案1を優先することにしますが、案1でも案2でも乗車時間は約1時間30分で、大きな違いはありません。この2本の運用は、3月13日のダイヤ改正以降、E235系1000番台による運用が続いているため、よほどのことがない限り、変更はないと思いますが、念のため、当日の朝にもう一度、その日の運用をWebサイトで確認した後に、実際にどちらの列車に乗車するのかを決めることにしました。万が一、2本ともE217系になってしまえば、それは相当に運が悪かったと思って諦めるしかありません。ちょっとしたガチャになりますが、その結果は次のとおりです。

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横須賀・総武快速線に投入されたE235系大船駅久里浜駅 2021/3/24

 当日の朝にWebページで運用を確認し、最終的には予定どおり案1の運用でE235系1000番台に乗車することができました。大船駅逗子駅では途中の停車時間を利用して、そして久里浜駅では折り返して発車する直前の列車を撮影することができました。山手線の0番台と同様にドット柄のグラデーション塗装が施されていますが、カラーリングは従来からの「スカ色」を踏襲しているため、ひと目で横須賀・総武快速線の車両であると識別できます。E233系までの多くの一般形車両で施されていた車両側面窓下部のラインカラーの横帯について、0番台では姿を消し、ドア箇所にのみ縦方向に塗装されていましたが、1000番台では従来どおり、窓下部にクリームとブライトブルーのツートンカラーの帯が引かれており、逆にドア部分には帯が引かれていません。

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 また、ダブルデッカー構造のグリーン車は、これまでどおり、4号車と5号車に組み込まれており、編成の中でも目を引く存在となっています。グリーン車の構造自体は、先輩のE217系や、東海道線E231系E233系常磐線E531系などから大きな変更はないようで、特に外観上の目新しさはありません。新造されて間もない車両ということで、まだまだ新車の輝きが見て取れます。

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 車内ですが、今回はグリーン車に乗車する前に普通車にも乗車しました。車内を撮影する時は、他の乗客の方の迷惑にならないよう、注意しなければいけませんが、今回は途中の区間で僕1人だけになったため、気兼ねすることなく撮影できました。日中の横須賀線の車内で乗客がいない車内を撮影できる機会は、そうそうないのではないかを思います。

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階下席の車内

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階上席の車内

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 続いてグリーン車の車内です。今回は始発駅から乗車するため、平屋席、階下席、階上席のどの座席でも自由に選択することができますが、やはり景色を眺めるのに適した階上席にしました。E217系E231系E233系などでは、階上席と階下席・平屋席とで、シートのモケット色が異なっていましたが、E235系1000番台ではグレイと赤紫系のツートンカラーで統一されています。実際に乗車してみると、やはりこれまでの普通列車グリーン車との共通点が多いことが分かります。一方で、これまでの普通列車グリーン車よりもさらに上質な雰囲気が感じられました。デッキとの境に黒基調の化粧板が使われていることや、通路部分がカーペット敷きとなっていることなどが、高級感アップに一役買っているのだと思います。

 ちなみに今回乗車したグリーン車の乗車率は写真のとおりです。久里浜発車時点で4号車に乗車していたのは僕一人で、おそらく5号車には乗客が1人もいなかったと思います。おかげでグリーン車の車内もゆっくりと撮影することができました。4号車には、途中の横須賀や逗子でも乗車がなく、鎌倉でやっと数人が乗車してきた程度です。平日の日中ということで、それほど混雑する時間帯ではありませんが、青春18きっぷ利用可能期間であるにもかかわらず、これほど利用客が少ないのは意外でした。

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 グリーン券は、先にお話しした案1の列車に乗車することを想定して、あらかじめ久里浜→東京のものを購入しておきました。乗車直前に駅の券売機で購入する方法もありますが、状況によっては乗車前に時間的な余裕がないかもしれないと考えて、前日に準備しておいたものです。平日の51km以上の区間ということで、ちょうど1,000円です。今回乗車した列車は成田空港行きで、どうせ同じグリーン料金ならば、久しぶりに終点の成田空港まで行きたいところですが、帰路の時間を考えると、今回は諦めざるを得ません。成田エクスプレスの大幅運休が解消した際には、E235系1000番台のグリーン車E259系成田エクスプレスを利用した、成田空港往復乗り鉄旅をしてみたいものです。