レン鉄★気ままな乗車記

乗り鉄&きっぷ鉄の管理人が、備忘録を兼ねてブログに綴っていきます。

乗り鉄&きっぷ鉄っぽい管理人が、乗り鉄旅行とそこで使用したきっぷを思うがままに記録したブログです。
どうぞ、お付き合いください。
 

しなの鉄道SR1系「軽井沢リゾート号」に初乗車

 先週は、今季の青春18きっぷを利用した乗り鉄旅の第1弾として、山陽方面(姫路・岡山)に行ってきましたが、今回は第2弾として、軽井沢・長野を目指すことにしました。長野県は県域がとても広く、JR線の在来線だけを見ても、中央本線信濃境~田立間)、小海線(野辺山~小諸間)、篠ノ井線全線、大糸線(松本~北小谷間)、信越本線篠ノ井~長野間)、飯山線(豊野~森宮野原間)、飯田線中井侍~辰野間)があり、その他の私鉄・第三セクターでも、しなの鉄道長野電鉄アルピコ交通松本電鉄上高地線)、上田電鉄があります。僕はこれまでの乗り鉄旅で、これらの中のいくつかの路線に乗車していますが、まだ乗車していない区間もあり、JR線では小海線佐久平~小諸間と大糸線の白馬~北小谷間には乗車したことがありません。また、私鉄線・第三セクター線では、しなの鉄道のうち北しなの線(長野~妙高高原間)と、長野電鉄アルピコ交通には乗車したことがありますが、しなの鉄道のうちしなの鉄道線(軽井沢~篠ノ井間)と上田電鉄には全く乗車したことがありません。

 これらのうち、しなの鉄道は、昨年夏、新型車両であるSR1系を導入しました。そしてこのSR1系を使用し、平日には通勤用の『しなのサンライズ号』『しなのサンセット号』を、そして土休日には観光での利用にも適した『軽井沢リゾート号』を、それぞれ有料のライナー列車として運行しています。そこで今回の乗り鉄旅では、まだ乗車したことのないしなの鉄道線区間で、SR1系による『軽井沢リゾート号』に乗車する乗り鉄旅に出かけることにしました。

 『軽井沢リゾート号』には、しなの鉄道線(JR信越本線区間を含む。)と北しなの線を直通する1号及び4号と、しなの鉄道線の軽井沢とJR信越本線の長野間を結ぶ2号及び3号とがあり、今回は旅行行程の都合上、軽井沢発長野行きの「軽井沢リゾート3号」に全区間で乗車することにしました。その旅行行程は、次のとおりです。

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 全体をとおして、重複する区間がほどんどない一筆書きルートです。豊橋から東海道本線で東に向かい、熱海での乗り換えを経て、小田原で湘南新宿ラインの高崎行きに乗車します。高崎からは信越本線で横川まで行き、ここからはバスに乗り換えて軽井沢駅を目指します。軽井沢からは、しなの鉄道の乗車券を購入して「軽井沢リゾート3号」に乗車し、終点の長野からは中央西線で金山を目指すというものです。途中で路線バスを利用する行程となっていますが、横川-軽井沢間は、長野新幹線の開業に伴い鉄道路線が廃止されてしまったため、その代替となる路線バスに乗車するものです。また、帰路の長野-上松間では、時間や運転本数の都合上、特急「しなの」を使ってワープすることにしました。なお、今回乗車するJR線+しなの鉄道線の総路線距離は751.1kmで、1日の移動距離としては、なかなか乗りごたえのある乗り鉄旅になっています。

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軽井沢リゾート号で使用されているSR1系:長野駅軽井沢駅 2021/3/14

 東海道本線高崎線、横川までの信越本線区間は割愛して、軽井沢から乗車したしなの鉄道SR1系による「軽井沢リゾート3号」を紹介します。上の写真は、下車後の長野駅と乗車前の軽井沢駅で撮影したものです。軽井沢駅は、JR東日本北陸新幹線の途中駅のひとつですが、在来線(しなの鉄道線)では、始発(終着)駅となっています。在来線ホームは1面2線となっており、ホーム上からは、一見すると、さらに東へ線路つながっているような錯覚を覚えてしまいますが、さきほどお話ししたとおり、実際には横川-軽井沢間の鉄道路線は廃止されているため、現在では、在来線を利用して東に向かうことはできません。

 車体の外観を見ると、濃い鮮やかな青色に、緑と水色のラインが引かれた爽やかで清々しいイメージで、高原や清流を連想させるデザインとなっています。また、有料のライナー運用を念頭に製造された車両ということもあり、車両前面や側窓中央部に引かれた細いゴールドのラインが、さりげなく気品を感じさせます。

 しかしこの車両、実は、しなの鉄道のオリジナルではなく、JR東日本E129系をベースに製造されたものであり、その車体形状は、新潟地区でよく見かけるE129系そのものです。先頭車両前面の行先表示器や前照灯、運転台周りの黒枠塗装部分などを見比べてみると、確かにE129系との共通点が見つかります。外観色もJR車両のままだとインパクトに欠けてしまいますが、部品の共通化などによってコストの削減を図りながらも、しなの鉄道独自のカラーリングにすることで、JR車両との差別化を図っているようです。

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2号車のテーブル付き座席

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2号車の普通座席

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1号車の車内

 SR1系2両編成のうち、軽井沢方の1号車は通常の座席車で、長野方の2号車には一部に固定テーブルが備え付けられた座席が用意されています。「軽井沢リゾート号」に乗車するには、乗車券の他に列車指定券(500円)が別に必要となりますが、さらに“軽食付プラン”(軽食セット1,500円+列車指定券500円の計2,000円)というものも設定されており、このプランを予約した場合には、テーブル付の座席が割り当てられるという仕組みになっています。僕は今回、乗車のみのプランで利用するため、テーブル付きではない通常の座席を利用することになります。

 車内設備ですが、まずは座席が特徴的で、ロングシートにも転換可能なデュアルシート構造となっています。おそらく間合い時に通常の普通運用に入ることを想定し、その際には通勤通学のラッシュにも対応できるよう、ロングシートに転換させるものと思います。今回は有料ライナーとしての運用のため、列車の進行方向に向けた座席配置となっていました。(ちなみに2号車にあるテーブル付座席は、軽井沢方向に固定されているようで、長野方面に向かう列車では、進行方向と反対向きになってしまうようです。)

 近年、こうしたデュアルシート構造を持った車両による有料着席サービスは、首都圏の大手私鉄を中心に一般的になりつつあります。西武のS-TRAIN(40000系)、東武TJライナー(50090系)、東急のQシート(6020系)などが有名ですね。一つの編成で二役こなすことが可能なこうしたタイプの車両は、場面にあわせて効率的に使い分けることが可能となり、有料ライナー運用の拡大にあわせ、今後も各地で導入されていくものと思われます。

 少し話がそれてしまいましたが、このSR1系は車内設備として、モバイルコンセントを装備しており、無料Wi-fiも利用することができます。このあたりの車内設備は、最近の有料ライナーとしては、もはや定番になりつつあります。

 車内にはトイレも設けられており、今回のような1時間程度の乗車には、十分な車内設備だと思います。ただ、列車指定券500円という金額は、ちょうど先週乗車した223系「Aシート」の乗車整理券と同額なため、どうしても両者を比較してしまいますが、SR1系の座席にはリクライニング機能がない点が少し残念でした。デュアルシート構造である以上、やむを得ないのかもしれませんが、“リゾート列車”の名に相応しい更なる快適性が感じられると、より魅力が高まるのではないかと思いました。

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 列車指定券の購入方法は2つあり、一つはしなの鉄道の主な駅の窓口で購入する方法で、もう一つはしなの鉄道のWebページにある専用の申し込みサイトから購入する方法です。少し調べてみると、乗車当日でも十分に座席は確保できるような状況だったため、今回は当日の乗車直前に軽井沢駅で購入しました。マルス券のような様式ではなく、レシートタイプの用紙に指定された座席位置が印字されています。ちなみにWebサイトから購入した場合、チケットレスとなるようで、紙の指定券に換券することはできないようです。

 座席位置は、できるだけ車窓を楽しむことができそうな席を事前に調べておいて、その中から1号車7Aを選びました。実際に乗車してみると、全体的に窓枠と座席位置が一致していない座席が多く、ハズレ席だと真横が窓枠になってしまいます。車窓を楽しみたいのであれば、1号車の2A、4D、7Aか、2号車の8A、10Dをおススメします。ちなみに今回乗車した「軽井沢リゾート3号」の乗車率ですが、途中駅から乗車した方を含めても10人程度で、ガラガラでした。1都3県を対象とした緊急事態宣言が再延長され、まだまだ首都圏からの旅行客が少ないことが影響しているのだと思います。

 長野で「軽井沢リゾート列車」を下車した後、特急「しなの」で帰路につきます。終点の名古屋まで「しなの」に乗車する方法もありますが、今回は青春18きっぷをメインとする乗り鉄旅ということで、「しなの」への乗車は必要最小区間とし、長野から上松までとします。今回の旅の行程上、上松まではどうしても「しなの」を利用せざるを得ず、上松からは再び普通列車に乗車して金山を目指しました。

 こうして、今季の青春18きっぷを利用した乗り鉄旅も、2回目を終えました。今回の旅では、湘南新宿ラインに乗車して首都圏を通過利用しましたが、まだ首都圏を目的地とした乗り鉄旅に出かけていません。1都3県を対象とした緊急事態宣言が一日でも早く解除され、首都圏での乗り鉄旅を楽しむことができる日が来ることを、楽しみにしている今日この頃です。