レン鉄★気ままな乗車記

乗り鉄&きっぷ鉄の管理人が、備忘録を兼ねてブログに綴っていきます。

乗り鉄&きっぷ鉄っぽい管理人が、乗り鉄旅行とそこで使用したきっぷを思うがままに記録したブログです。
どうぞ、お付き合いください。
 

みんな大好き!「普通列車グリーン車」

 僕は、首都圏各地の普通列車に連結されているグリーン車に乗車するのが大好きです。青春18きっぷで東京方面に旅行する際は、よほど移動距離が短い場合を除いて、ほぼ毎回利用していると言っても過言ではありません。僕の場合、乗車すること自体を旅の目的とする乗り鉄旅が中心なため、多少は課金してでも快適に移動したいという思いがあるのも事実ですが、どちらかと言えば、首都圏の普通列車グリーン車ならではのダブルデッカー車(2階建て車両)を楽しみたいというのが大きな理由です。

 思い起こせば、首都圏を走る211系電車に連結された2階建て車両を初めて知ったとき、どうしてもこれに乗車してみたくなり、父親と鎌倉に旅行に行った際、大船から品川まで2階席を利用したのが初めてでした。これが僕の人生で初めて利用したグリーン車ということもあり、すでに30年くらい昔の出来事となってしまいましたが、今でも当時の感激を覚えています。しかしそれ以降、僕自身が乗り鉄旅から離れていたこともあり、長い間、普通列車グリーン車には乗車していませんでした。

 その間、ダブルデッカー普通列車グリーン車を組み込む車両は大幅に増加し、現在では、首都圏の近郊型車両であるE217系(横須賀・総武快速線)、E231系E233系東海道・宇都宮・高崎線)、E531系(常磐線)にダブルデッカーグリーン車が組み込まれています。

 今回は、そんな首都圏各地の普通列車グリーン車について、紹介したいと思います。

◆路線

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 首都圏の普通列車グリーン車が運用されているエリアの路線図です。首都圏における“主要5方面”と言えば、東海道、中央、東北、常磐、総武の各方面で、これを具体的な路線名に当てはめると、東海道本線横須賀線中央本線宇都宮線高崎線常磐線総武本線になりますが、このうち中央本線以外の全路線(湘南新宿ライン上野東京ラインを含む。)で普通列車グリーン車のサービスが提供されています。中央本線については当初、2020年度のサービス開始を目指してグリーン車が導入される予定でしたが、工事の遅れなどにより、2023年度に運用が開始されるそうです。これにより、主要5方面のすべてにグリーン車が導入されることになります。
 また、首都圏ということで、基本的にはJR東日本管内ということになりますが、例外的に東海道線の熱海-沼津間はJR東海管内になっています。

◆料金
 次に、グリーン料金の特徴を見ていきたいと思います。複数の区分により、適用される料金が異なる仕組みとなっており、一見すると少し複雑な感じもしますが、僕としては、合理的な料金体系になっているのではないかと思います。

種類 平日料金 ホリデー料金
50kmまで 51km以上 50kmまで 51km以上
事前料金 780円 1,000円 580円 800円
車内料金 1,040円 1,260円 840円 1,060円

 (1) 営業キロによる区分
 首都圏以外の普通列車のグリーン料金では、「50kmまで」「100kmまで」 「150kmまで」「151km以上」の4区分となっていますが、首都圏の場合には「50kmまで」と「51km以上」の2区分のみです。上野東京ラインでは、熱海-黒磯間などで250kmを超える超ロングランの直通運転が行われていますが、こうした長距離利用の場合であっても「51km以上」の区分が適用されるため、短距離利用の場合よりも長距離の方がおトクに利用できる料金体系と言えます。首都圏での距離区分が2区分となっている理由はよく分かりませんが、同じ区間を走行する特急列車や新幹線の特急料金、競合する私鉄他社の特急料金なども意識しているのかもしれません。

 (2) 事前料金と車内料金
 特急列車やグリーン車に乗車する場合、乗車前に特急券やグリーン券を購入することになりますが、状況によっては、事前に購入せずに乗車してから車内で精算するということもあると思います。首都圏の普通列車グリーン車に限らず、昔は、車内で精算する場合であっても、事前に駅で購入する場合の料金と同額というのが一般的でしたが、最近は「事前料金」よりも割高な「車内料金」を適用するケースが見受けられます。特にJR東日本では、首都圏の普通列車グリーン車だけでなく、全車指定席の「ひたち」「あずさ」などの特急料金にも、「事前料金」と「車内料金」を設定しています。JR東日本側としては、事前購入を原則とすることで乗務員やアテンダントによる現金授受の負担軽減を図り、その分だけ特急料金やグリーン料金を安く設定しているということでしょうか。

 (3) 平日料金とホリデー料金
 この料金区分は、JRの中では首都圏の普通列車グリーン料金固有のものだと思います。「ホリデー料金」は「平日料金」よりも200円安く設定されており、土休日は平日よりもおトクに利用することができます。通勤事情が厳しい首都圏では、激しい混雑を避けるため、普通列車グリーン車をライナー列車代わりに利用する定期券利用客も多く、特に朝夕時間帯には相当の利用が見込まれるものと思います。一方、定期券利用客が比較的少ない土休日には、観光やレジャーでの利用客にも気軽にグリーン車を利用してもらえるよう、オトクな料金設定をしているのだと思います。

 (4) 乗り継ぎ利用時の特例
 通常、グリーン券は1つの列車に対して1枚必要となり、2つ以上の列車に乗車する場合には、それぞれの列車ごとの乗車区間に対してグリーン券が必要となりますが、首都圏の普通列車グリーン車では、途中駅で同一方向の列車に乗り継ぐ場合、改札口を出ない限り1枚のグリーン券で乗車することができます。具体的には、例えば上野東京ラインの熱海-黒磯間でグリーン車を利用する場合、直通する列車に乗車するときにはグリーン券1枚で利用可能なのはもちろんですが、仮に途中の東京駅や小金井駅で別の列車に乗り換えるときであっても、通しのグリーン券(つまり1枚のグリーン券)で利用することができるという特例があります。列車の行き先が多く、また、湘南新宿ライン上野東京ラインなどで他路線への直通運転を行う列車も多いため、乗り換えなしに目的地まで行くことができる場合とそうでない場合とで、グリーン料金に差を生じさせないようにとの配慮があるものと思います。

 以上が首都圏の普通列車グリーン車の料金体系の説明です。ここで気を付けなければいけないのが、上記のようなグリーン料金が適用されるのは、あくまで自由席グリーン料金に限られるということです。普通・快速列車であっても指定席グリーン車の場合には、通常のグリーン料金が適用されますので、注意が必要です。 

◆車両

E217系

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横須賀線総武快速線E217系:品川駅 2020/9/21

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横須賀線総武快速線E217系グリーン車横浜駅 2020/9/25

 横須賀線総武快速線で使用されている車両です。基本編成が11両、付属編成が4両で、最長15両編成で運転されています。登場は1994年ということで、すでに約25年経過していますが、そこまで古さを感じさせないデザインです。車体の帯色は、113系時代のスカ色を引き継いでおり、クリーム色と青色の組み合わせになっています。なお、横須賀線総武快速線では、品川-錦糸町間で地下区間を走行することから、かつては前面に貫通扉が設けられていましたが、後期型ではデザインに変更はないものの、貫通扉自体は廃止されています。

 以前は、快速「エアポート成田」や、内房線から総武快速線に直通する特別快速としても運用されていましたが、「エアポート成田」の列車名は廃止され、特別快速としての運用も終了しています。ちなみに僕もこれまでに数回、E217系グリーン車を利用したことがありますが、友人Dと2人で横須賀に遊びに行く際に、武蔵小杉からガラガラの2階席を利用したことが一番の思い出ですね。

E231系

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東海道本線などで活躍するE231系:品川駅 2020/9/21

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東海道本線などで活躍するE231系グリーン車横浜駅 2020/9/25

 今回紹介する4つの列車の中で最も利用頻度が高いと思われるのがE231系です。それだけに思い出も色々あり、平屋席、2階席、1階席とも利用したことがあります。平日午前9時過ぎに池袋から南行湘南新宿ラインに乗車したところ、ほぼ満席でしばらく着席できなかったこともあれば、逆に熱海からの上り列車に乗車した際には、発車時点で2階席をほぼ独占してしまうようなこともありました。ちなみに僕は、圧倒的に2階席派ですが、中には天井が低く荷棚のない階上席と階下席(2階席と1階席)を避けて、平屋席を好んで利用する方もいるようです。利用する方の好みによるところでしょうが、僕としては、せっかくダブルデッカー車両に乗車したからには、階上席か階下席を利用したいという思いがあり、長らく平屋席を利用したことがなかったのですが、友人Dと2人で熱海旅行に行った際、帰路の熱海-東京間で初めて平屋席を利用しました。なぜ平屋席を選んだかと言えば、平屋席の区画に他の乗客が誰もおらず、貸し切り状態で利用することができたためです。他の乗客がいない場合には、ちょっとした個室気分で利用できるのが平屋席のメリットですね。(時間も遅かったため、途中から平屋席を利用する他の乗客はなく、下車するまで本当に友人Dと2人で貸し切ってしまいました。)

E233系

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JR東日本の主力車両であるE233系:品川駅 2020/9/21

 E233系3000番台は、東海道・宇都宮・高崎線湘南新宿ライン上野東京ラインで幅広く活躍しており、首都圏での乗り鉄旅では必ずと言っていいほど目にする車両なのですが、僕はなぜか巡り合わせが悪く、あまり乗車したことがありません。ホームで電車の入線を待っているとき、「今日こそはE233系3000番台かな?」と思っていると、かなりの確率でE231系がやってきます。とは言っても、実際に乗車してしまえば、E231系でもE233系3000番台でもグリーン車の車内設備ほとんど同じで、例えば平屋席と1階席のシートは赤系のモケットが、2階席のシートは青系のモケットが使用されている点も、E231系と変わりありません。ちなみにE231系E233系3000番台を先頭車両の形状以外で見分ける方法として、ドア部分に帯が引かれているかどうかの違いがあります。帯が引かれているのがE233系3000番台で、帯が引かれていないのがE231系です。

 話は少し逸れますが、数あるE233系のうち、現時点でグリーン車を組み込んでいるのは3000番台のみですが、中央本線における普通列車グリーン車のサービス開始に向け、今後、0番台にもグリーン車2両が組み込まれることになっています。そう遠くないうちに、オレンジ色の帯を巻いたダブルデッカー普通列車グリーン車が姿を現すことになりますね。

E531

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常磐線E531系:品川駅 2020/9/21

 今回紹介する4つの列車の中で唯一の交直流電車で、常磐線に初めて普通列車グリーン車のサービスをもたらした車両です。上野東京ライン経由で東海道線に顔を出すこともありますが、品川以西の神奈川県内には入線しないため、僕にとってはあまり馴染みがなく、これまで2~3回しか乗車したことがありません。

 グリーン車の車内設備については、やはりE231系などとほぼ同じで、モケットの色も含めて共通化されており、一見しただけでは区別がつきません。外観上は、ステンレス製で無塗装の車体にひかれた常磐線のラインカラーである青色の帯が特徴的です。E217系のスカ色やE231系E233系湘南色を見慣れていると、かえって単色の帯が新鮮な印象です。

 以上、首都圏の普通列車グリーン車についていろいろと紹介させてもらいましたが、今後は、横須賀線総武快速線に投入されるE235系1000番台にもダブルデッカー普通列車グリーン車が連結されることになります。モバイルコンセントの設置やFree-Wifiのサービスも提供されるということで、ますます便利で快適な普通列車グリーン車へと進化を遂げようとしており、今から乗車が楽しみになってきます。