レン鉄★気ままな乗車記

乗り鉄&きっぷ鉄の管理人が、備忘録を兼ねてブログに綴っていきます。

乗り鉄&きっぷ鉄っぽい管理人が、乗り鉄旅行とそこで使用したきっぷを思うがままに記録したブログです。
どうぞ、お付き合いください。
 

「青春18きっぷ」で江の島へ

 JRグループでは3月12日に恒例のダイヤ改正が実施され、すでに約1か月が経過しました。前年の2021年3月のダイヤ改正では、首都圏を中心に終電の繰り上げなどが行われ話題となりましたが、コロナ禍で迎える2回目のダイヤ改正ではどのような変化が見られるのか、改正後の運用に注目していました。僕にとって最も利用機会が多いJR東海の在来線の状況を見ると、いくつかの動きがありました。

 一つ目は何と言っても新形式となる315系車両のデビューです。正確にはダイヤ改正前の3月5日にすでに営業運転を開始していますが、今回のダイヤ改正にあわせた導入と言ってもいいと思います。僕はまだ315系に乗車したことがありませんが、今後は車両の新造にあわせて順次投入され、2023年度中には中央西線の名古屋-中津川間の普通・快速運用の全列車が315系に統一されるそうです。さらに東海道本線の名古屋地区や静岡地区にも活躍の幅を広げるようで、211系や311系を置き換え、313系と並んでJR東海を代表する通勤形車両となるようです。

 二つ目は以前の記事でも少し触れたとおり、静岡地区での土休日ダイヤにおけるホームライナーの運転が取りやめとなってしまったことです。これまで「休日乗り放題きっぷ」や「青春18きっぷ」を利用して東海道本線の静岡地区に乗車する際には、何度となくお世話になった列車です。全国の青春18きっぱーの中にも、よく利用したという方も多いのではないかと思います。330円の乗車整理券を購入するだけで、特急形車両である373系に乗車して快適に静岡区間を移動できるというホームライナーの利便性は、鉄道系youtuberなどによる紹介動画の影響もあって非常に有名になり、コロナ禍以前の青春18きっぷ利用可能シーズンには、特に人気の高い列車を中心に、早々と乗車整理券の発売が終了してしまう場面を何度も見かけたものです。今回のダイヤ改正によって、すでに土休日ダイヤでの運行は終了しており、僕としては残念な気持ちでいっぱいですが、昨今の利用状況を踏まえた措置ということですので仕方ありません。

 そんなちょっぴり寂しい出来事もあった静岡地区ですが、青春18きっぱーにとって明るいニュースもありました。それは、一つ目として紹介した中央西線への315系の投入で余剰となった元セントラルライナー用の313系8000番台が、なんと神領車両区から静岡車両区に転属することになったことです。東海道本線の静岡地区と言えば、“ロングシート地獄”と呼ばれることも多く、かなりの長距離運行となる列車であっても、ごく一部を除いてオールロングシートが当たり前となっていました。しかし、ここに来てまさかの転換クロスシート車が導入されることになったわけです。しかも元セントラルライナー313系8000番台ということで、これまでと比べて快適な移動が保障されることは間違いありません。そうとなれば、早速乗車してみようと思いたち、今回、静岡地区を横断する乗り鉄旅を計画しました。

 ちなみに前回の記事の中で、今季も青春18きっぷの利用予定はないとしていましたが、今回の乗り鉄旅のために金券ショップをいくつか巡り、1回分の青春18きっぷを確保しました(余談ですが、コロナ禍以前と比べると、金券ショップでの青春18きっぷの取扱いが減少しているように感じます。今回は数日間かけていろいろと探しましたが、なかなか在庫がなく、出発直前にやっと手に入れることができました)。さらに青春18きっぷを利用するのであれば、静岡地区に限らずもう少し先まで乗り鉄旅を楽しみたいと考え、利用区間豊橋-藤沢とし、藤沢から小田急線に乗車して片瀬江ノ島まで往復する行程を、次のとおり組んでみました。

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 今回の旅の目的は静岡地区で運用されている313系8000番台に乗車することですが、残念ながらその運用は正式には公表されていません。インターネットを利用していろいろと検索してみると、静岡地区での在来線運用をまとめて紹介しているWebページを見つけました。その情報によると、ある程度は運用を予想できるものの、何らかの差し替えが発生することもあるようなので、念のため、往路と復路でそれぞれ1本ずつ313系8000番台での運用が見込まれる列車を選んで行程を作成しました。このうち往路は豊橋→熱海間を直通する数少ない列車で、実際に313系8000番台に乗車することができれば、東海道本線における静岡区間を完乗できることになります。

 そして旅の目的地は湘南・江の島ですが、僕は小学生の頃に家族旅行で湘南モノレールに乗ったり、江の島水族館に連れて行ってもらった記憶があり、また、友人Dとの日帰り旅行の際に、鎌倉からの帰りに片瀬江ノ島付近で一緒に食事をした思い出がありますが、江の島に渡ったことはありません。そこで今回は、江の島を訪れてしらす丼やスイーツを楽しみたいと考え、そのための時間を確保した行程としました。

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東海道本線の静岡地区に転属した313系8000番台:熱海駅 2022/4/9

 熱海行の電車が発車する豊橋駅の7番線に到着すると、事前に調べた情報のとおり、313系8000番台が停車していました。元セントラルライナー用の車両ということで、僕の中ではまだ中央西線のイメージが抜けきれておらず、313系8000番台が豊橋に停車している姿には、どことなく違和感があります。

 車両の外観はご覧のとおりで、他の313系車両と異なったカラーリングになっており、先頭部は銀色(他番台は白色)塗装され、さらに側面の窓回りにもオレンジ色が配されています。元々、有料快速用に製造された車両ということで、他の通勤形・近郊形車両とは見た目も区別されています。また、車内は他番台でも見られる転換クロスシートですが、モケット柄は赤紫となっており、他番台よりも落ち着きのある車内となっています。また、車端部には、大型のテーブルが設置されたボックス席があり、373系のコンパートメント席のように利用することができます。

 今回、せっかくなので車内も色々と撮影しておきたかったのですが、予想以上に混雑しており、豊橋発車直前には通路側を含めてほぼすべての座席が埋まる程でした。そうした事情もあり、車内では写真を撮影していません。ちなみに周囲の乗客に目をやると、僕と同じように豊橋から熱海まで通しで乗車している人も相当おり、青春18きっぷが利用可能な今シーズン最終の週末ということもあってか、313系8000番台を目当てに乗車する人も少なくなかったように感じました。豊橋-熱海間は3時間以上の道のりですが、座り心地はロングシートの場合とは比べものにならない快適さで、長時間の乗車も全く気になりませんでした。

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ダブルデッカーグリーン車を組み込んだE233系根府川駅 2022/4/9

 熱海から先のJR東日本区間では、おなじみのE231系E233系に乗車します。往路では、後続の特別快速の方が藤沢に早く到着できるため、途中の小田原で乗り換えました。当初は往路のこの区間でもグリーン車を利用しようかと思いましたが、途中乗り換えとなる上に乗車時間も1時間に満たないため、結局、往路ではグリーン車を利用せず、復路でのみグリーン車を利用しました。

 上の写真は、復路で利用した列車が根府川で停車中に撮影したものです。首都圏の普通列車グリーン車は、ホリデー料金が適用される週末であっても、ほぼ満席となることもあり、今回も途中駅からの乗車で着席できるかどうか不安でしたが、こちらは予想に反してガラ空き状態で、僕の好きな階上席にもずいぶんと余裕がありました。

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 短い区間でしたが、藤沢-片瀬江ノ島間では小田急線に乗車しました。わずか6分ほどの乗車時間です。片瀬江ノ島駅はユニークな駅舎で、まるで浦島太郎の昔話にある竜宮城のような外観でした。
 さて、ここからは、島内で立ち寄った飲食店や施設について、少し紹介したいと思います。

◆魚見亭

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 江の島内には多くの飲食店があり、至る所に海鮮料理を提供する店があります。対岸から延びる弁天橋を渡ってすぐの通り沿いにも、お土産物屋さんや飲食店が多くありますが、僕は今回、稚児ヶ淵近くにある魚見亭というお店で昼食をいただくことにしました。事前に調べたところによると、お店のテラス席からは相模湾を見渡すことができるということで、暖かい春の陽射しの中で潮風に当たりながら食事を楽しみたいと思ったからです。アップダウンの多い島内を歩いてやっとお店にたどり着きましたが、当日はなんと強風のため、テラス席が利用不可となっていました(涙)。それでも海の見える窓際の座席に案内していただけたので、青い海と空を眺めながら、しらす丼をいただくことができました。

◆カフェ・マディ(Cafe Madu)

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 最近は、2月の京都旅行や3月の横浜旅行でもそうですが、旅先でスイーツをいただくのが楽しみのひとつになっています。江の島の島内にもいくつかのカフェがあり、パフェやケーキなど、どれも魅力的なスイーツばかりですが、今回はカフェ・マディというお店でクレープをいただくことにしました。このお店は、客席の一部に海を見下すことができるテラス席があり、屋外で食事やデザートを楽しむことができるようになっています。このお店は、空いた席の中から自分で好きな座席を確保し、それから券売機でチケットを購入するという方法となっており、テラス席を利用できるかどうかは、その時の運次第となりますが、今回は運よく2人掛けのテーブル席に空きがあったため、テラス席を利用することができました。

 注文したのは、アップルシナモンナッツのクレープです。料理やデザート類の提供までに時間がかかるという店舗入り口にあった案内を見落としていた僕が悪かったのですが、テラス席で海を眺めながら待つこと約30分、結果的にはちょうど小腹が空いてきたタイミングでクレープをいただくことができました。江の島にあるカフェのテラス席でクレープを食べるなんて、今まで生きてきた人生の中で1、2を争う洒落乙でした。

◆江の島シーキャンドル

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 江の島のシンボル的な存在とも言えるのが、この江の島シーキャンドルです。サムエル・コッキング苑という植物庭園の中にある展望灯台で、エレベーターを上がった先にガラス張りの展望フロアがあり、さらにその上には屋外展望台があります。江の島に来たからには外すことができない定番スポットということで、僕も展望台に行ってみることにしました。展望フロアは約42m(海抜だと約100m)に位置しているということで、周囲には視界を遮るような構造物がなく、天気にも恵まれたことから、江の島全体や相模湾の風景を見渡すことができました。ちなみに屋外展望台にも出てみましたが、こちらはすごい強風で写真を撮影するどころではありませんでした。

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 今回は先に紹介したとおり、青春18きっぷを利用した乗り鉄旅のため、紹介できるきっぷ類は多くありませんが、せっかくなので使用した青春18きっぷを載せておきます。金券ショップで残り1回券を購入したため、1回目から4回目までの欄にある押印分は、僕とは全く関係ありません。そして復路では、JR東日本区間普通列車グリーン車を利用しましたので、そのきっぷも載せておきます。復路での乗車区間は藤沢→熱海でしたが、グリーン車を利用したのはこのうち辻堂→熱海間です。藤沢→熱海だと営業キロが50kmを少し超えてしまうため、1区間だけケチって辻堂からにしました。いつもであれば発車後しばらくして、グリーンアテンダントさんが検札にくるのですが、今回は辻堂から終点の熱海までの間で一度も車内検札がありませんでした。新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、検札を省略しているのでしょうか?

 今回は期せずして青春18きっぷを利用した乗り鉄旅ができました。青春18きっぷを利用した乗り鉄旅は昨年8月の山陰乗り鉄旅以来で、約8か月ぶりです。最近は、特急列車や新幹線を利用した乗り鉄旅が続きましたが、やはり青春18きっぷなどを利用した気軽な普通列車の旅にも一味違った楽しみがあります。この先のゴールデンウイークや初夏に向けて、また新たな鉄道旅を企画していきたいと思う今日この頃です。