レン鉄★気ままな乗車記

乗り鉄&きっぷ鉄の管理人が、備忘録を兼ねてブログに綴っていきます。

乗り鉄&きっぷ鉄っぽい管理人が、乗り鉄旅行とそこで使用したきっぷを思うがままに記録したブログです。
どうぞ、お付き合いください。
 

京都丹後鉄道で乗り鉄旅(1)

 京都府北部の丹後地方(一部は兵庫県)を走る第三セクター鉄道路線として「京都丹後鉄道(丹鉄)」があります。少し前までは「北近畿タンゴ鉄道」と呼ばれていましたが、いわゆる上下分離方式を採用し、「北近畿タンゴ鉄道」は第三種鉄道事業者になり、WILLERグループの子会社であるWILLER TRAINS第二種鉄道事業者として「京都丹後鉄道」の名称で鉄道運行事業を行うこととなりました。もともとこの路線は、国鉄JR西日本宮津線を引き継いだものですが、乗客数は伸び悩んでいるのが実情のようです。

 こうした第三セクターの鉄道会社の多くは非常に厳しい経営環境にあり、イベント列車の運行やグッズ販売など、あの手この手で増収を狙う一方で、列車本数の削減や人員削減などによる合理化を進めて、ギリギリまでコストを圧縮する努力を行っていると聞きます。そのため、車両の更新も遅れがちで、新たな車両の新造にいたっては、JR線と直通する列車の収益で比較的安定した経営実績をあげている一部の三セク会社に限られるといった状況です。

 こうした中、丹鉄はと言うと、北近畿タンゴ鉄道が運行を行っていた時代から、JR線との直通運転を行っており、KTR001形気動車の「タンゴエクスプローラー」や、KTR8000気動車の「タンゴディスカバリー」といった特急形車両を有しています。なお、「タンゴディスカバリー」の車両は大幅なリニューアル工事を施され、2015年12月からは「丹後の海」として活躍しており、この車両には以前の乗り鉄旅で乗車しました。

len-railway.hatenablog.jp

  KTR8000気動車に乗車したのは、実は京都ー福知山間でしたので、丹鉄線内では乗車していません。そうしたこともあり、今回はまだ乗車していない「タンゴエクスプローラー」や、丹鉄が誇る観光列車「丹後あおまつ号」「丹後あかまつ号」にも乗車すべく、丹鉄での乗り鉄旅を計画してみました。

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 名古屋-京都間は、JR東海ツアーズの旅行商品「日帰り1day 京都」を利用します。この旅行商品は名古屋と京都間の往復に、すべての「こだま号」の普通車指定席又は自由席が利用できるというものです。指定席でも自由席でも同額のため、普通に考えると指定席の方が利用価値が高いと思いますが、指定席が満席の場合やあらかじめ乗車時間を決めていないときなどは、自由席の設定があると便利なのも事実です。

 僕は乗車する列車を決めていたので、もちろん指定席で申し込みをしましたが、あいにく満席ということで往復とも自由席になりました。申込みが旅行日の3日前だったので仕方ありません。丹鉄線内では、2018年10月に枚数限定で発売開始された「海の京都ふっこう周遊パス」を使用します。

 次に旅行行程についてです。天橋立駅に3回も立ち寄る奇妙(?)な工程ですが、お目当ての列車に乗車し、かつ、少しでも多く列車に乗車しようと考え抜いたルートです。まあ、天橋立公園にも一切寄らずにひたすら列車に乗車するマニアックなものですので、乗り鉄以外の方の理解は得られないでしょうね…。それは百も承知です。

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 旅行商品の乗車票です。僕は「日帰り1day 東京」で普通車指定席やグリーン席を利用したことがありますが、その際に発券されるのはいつも一葉券でした。しかし、今回の乗車票は、乗車船用と新幹線自由席用とに分かれています。一葉券でもいいような気がしますが、自由席の場合は別々になるものでしょうか?

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きのさき号で使用されている287系:京都駅 2018/11/10

 京都から福知山までの山陰本線区間では、287系の特急「きのさき3号」「まいづる1号」に乗車します。「きのさき」は京都-福知山・城崎温泉間を、「まいづる」は京都-東舞鶴間を走る特急で、途中の綾部までは併結運転されます。僕は福知山までの乗車なので、今回利用するのは「きのさき3号」の方です。

 JR西日本で貫通扉を持つ特急形車両の先頭形状は類似しており、289系、681系、683系はもちろんのこと、カラーリングの違いを除けば285系サンライズエクスプレスとも兄弟っぽく見えてきます。車内設備もほとんど共通化されているようで、安心して利用できるというメリットはありますが、個人的には、もう少しそれぞれの車両ごとに特徴があっても面白いんじゃないかと思いました。

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 乗車券、特急券とも「e5489」を利用して購入し、京都駅のみどりの券売機で受け取りました。車内検札の際にチケッターで押印されましたが、乗車券にはなぜか2箇所も押されています。また、福知山の乗車記念使用済の印は、珍しいオレンジ色です。ゴム印が上下逆になってますね…。

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 福知山で下車し、丹鉄の改札窓口で「海の京都ふっこう周遊パス」という企画乗車券を購入しました。これは、平成30年7月豪雨で被災した京都府北部の復興と観光誘客を図るため、京都府の支援により発売されたものです。1日券と2日券があり、どちらも丹鉄全線が乗り放題のほか、丹後海陸交通京都交通バスも利用可能となっています。このフリーパスは、丹鉄内の特急列車の自由席も乗り放題で、1日券の価格は2,200円でした。

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丹後あおまつ号で使用されているKTR700形:天橋立駅 2018/11/10

 福知山から天橋立までは、丹鉄乗り鉄旅の第1弾として、「丹後あおまつ号」に乗車しました。この列車は丹鉄KTR700形気動車を改装したもので、水戸岡鋭治氏がリニューアルを担当しています。天橋立に代表される日本海の白砂青松をイメージしているようで、外観は一面青色となっています。観光列車には珍しく、指定席のない全車自由席です。

 車内は、4人掛けボックス席やカウンター席、ソファ席など様々な座席が用意されており、乗車券だけで利用できる列車とは思えない充実した設備となっています。ただし、乗り得感があり過ぎると、乗客が特定の列車に集中してしまうことがあり、僕が今回乗車した列車がまさにその状態でした。地元利用客と思われる方もいましたが、大半は観光客です。それも中国からと思われる数名の団体も乗車してきたため、始発の福知山を出発する時点でも、すでに立ち客がいるほどでした。僕も4人掛けボックス席の通路側にギリギリのタイミングで着席できましたが、もう少し乗車時間が遅かったら、おそらく着席できなかったと思います。

 サービスカウンターにアテンダントさんがお見えになりましたが、車内がこんな状態なので、車内販売を利用できない人も多かったと思います。自由席ということで手軽に利用できるというメリットはありますが、一方で、安心して快適に利用したという観光客も少なからずいると思いますので、こうした乗客の要望にも配慮していただけるといいなと感じました。

 >>(2)に続く