レン鉄★気ままな乗車記

乗り鉄&きっぷ鉄の管理人が、備忘録を兼ねてブログに綴っていきます。

乗り鉄&きっぷ鉄っぽい管理人が、乗り鉄旅行とそこで使用したきっぷを思うがままに記録したブログです。
どうぞ、お付き合いください。
 

223系と225系の「 A シート」に乗車して姫路へ

 3月3日の記事で紹介したとおり、今季は久しぶりに「青春18きっぷ」(5回分)を購入しました。「青春18きっぷ」のねだんは12,050円なので、単純計算すれば1回あたり2,410円となり、片道運賃が1,205円よりも高い区間を往復で利用すれば元が取れることになります。そのため、豊橋発であれば菊川以遠までの区間を、そして金山発であれば近江長岡以遠までの区間を、それぞれ往復すれば普通運賃よりもおトクに乗車できるわけですが、僕は貧乏性のため、せっかくJR全線の普通列車に乗車できるきっぷを購入したからには、少しでも長距離の乗り鉄旅で使用しようと考えがちで、「ムーンライトながら」が運行されていた時代には、「青春18きっぷ」1回分を使用して20時間近い乗り鉄旅を強行したこともあります。僕を含めた「青春18きっぷ」愛好者は俗に「18きっぱー」と呼ばれ、時刻表を片手にJR線の普通列車での列車旅を楽しんでいるわけですが、一方で「青春18きっぷ」には新幹線や特急列車に乗車することができないという制約があることから、時として過酷な乗り鉄旅になることもあります。“ロングシート地獄”や“トイレ設備のない長距離列車”など、「青春18きっぷ」を利用した乗り鉄旅には様々なエピソードが付きものですが、数あるJR線の普通・快速列車の中には、18きっぱーにとって“救世主”とも言うべき列車が存在するのも事実です。

神列車1 特急型車両で運行されるホームライナー
 ホームライナーとは、座席指定制又は定員制で運転される快速列車のことで、あくまで快速列車のひとつであるため、「青春18きっぷ」でも乗車することができます。以前はJR東日本JR西日本JR九州でも都市部を中心に数多くのライナー列車が運行されていましたが、近年は運転本数が大幅に減少してしまい、現在ではJR東海が静岡地区(沼津-浜松間)と名古屋地区(名古屋-瑞浪間と名古屋-大垣間)で運用している程度です。さらにJR東海でも、数年前までは一部の列車が土休日にも運転されていましたが、現在は平日のみの運転となっています。運行本数の減少に伴い、利用できる機会はかなり限られてしまいますが、ライナー券乗車整理券)を購入すれば18きっぱーでも特急型車両に乗車できる貴重な機会であり、18きっぱーにとっては“神”ともいうべき列車です。

神列車2 琵琶湖線JR京都線JR神戸線における新快速
 新快速はJR西日本アーバンネットワーク京阪神エリア)を中心に運転されており、京都-大阪-神戸間の都市間輸送を担う快速列車です。その最高速度は時速130kmで、特急列車に匹敵する速達性を誇りながら、乗車券のみで利用することができることから、18きっぱーだけでなく広く一般の利用者からの支持も得ています。また、使用車両は223系又は225系で、車内は転換クロスシートとなっており、長距離区間でも快適に移動することができます。首都圏や名古屋地区から関西・山陽方面に向かう18きっぱーの方であれば、ほとんどの方が利用しているのではないかと思います。なお、新快速の一部の列車では、有料座席サービス「 A シート」が運用されており、別に指定席券を購入すれば18きっぱーでもこのシートを利用することが可能です。

 そして皆さんもご存じのとおり、3月18日のダイヤ改正から「 A シート」を連結した新快速が増発されることになりました。これについては、前回の記事でも触れたとおりですが、1日あたりの運行本数が6往復に拡大されます。運転時刻を調べてみると、平日ダイヤと土休日ダイヤでは異なっており、具体的には次のとおりとなっています。

◆平日

◆土休日

 平日は、大阪への通勤需要を意識したダイヤとなっているようで、朝の時間帯と夕方から夜にかけての時間帯を中心に運行されています。特に上りの2号、4号及び6号は大阪駅に7時台又は8時台に到着するようになっており、兵庫県内からの通勤客の利用を見込んで設定されたものと思われます。また、下りの7号、9号及び11号は帰宅時間帯に設定されており、混み合う時間帯に確実に着席することができるサービスを展開することで、利用客を獲得しようという狙いが見えてきます。一方、土休日ダイヤは、昼間から夕方までの時間帯を中心に設定されており、買い物客や旅行客などの利用を見込んでいるものと思われます。

 運転区間については変更がなく、野洲草津―姫路・網干となっています。僕としては、米原発着で設定して欲しかったのですが、残念ながら今回の改正でも米原発着はありません。

 そんな「Aシート」ですが、僕はこれまでの乗り鉄旅で1度だけ利用したことがあります。

len-railway.hatenablog.jp

 あれからすでに約2年が経過しており、久しぶりに「Aシート」に乗車してみたくなったため、「青春18きっぷ」を利用して新快速に乗車し、姫路に行ってみることにしました。姫路駅は、これまでの乗り鉄旅で何度か訪れたことはありますが、姫路を最終目的地とする乗り鉄旅はまだありません。姫路と言えばやはり姫路城で、一度は間近で見てみたいと思っていたため、今回は姫路城も見学することにしました。往復とも新快速を利用しますが、どちらも「Aシート」に乗車することにし、これを考慮して次のような旅行行程を作成しました。

 見てのとおり、単純に姫路を往復するものですが、往路の「新快速21号」は野洲ではなく草津始発のため、草津乗り換えとなっています。一方の復路で乗車する「新快速28号」は野洲行きのため、終点の野洲まで通しで乗車します。往復とも始発から終点までの全区間で「Aシート」に乗車するものです。帰路の時間をもう一時間くらい後倒して、現地での滞在時間を増やそうかとも思いましたが、翌日は仕事のため帰宅時間を考慮し、この行程にある時間のとおりとしました。

第2世代の「Aシート」を組み込んだ225系:草津駅・姫路駅 2023/3/19

 「Aシート」はその登場以来、223系改造車で運用されてきましたが、今回の増発に合わせて225系の新造車両が登場しました。せっかくなので、往復のうち少なくともどちらかは225系の「Aシート」に乗車してみたいところですが、どうやら共通運用となっているようで、どちらの車両なのか分かりませんでした。こうなったら運しかないということで、期待に胸をふくらませながら草津駅で乗車ホームに向かうと、「Aシート」を組み込んだ225系が入線してきました。

 車両側面には223系と同じ「Aシート」のロゴがあります。続いては車内の様子です。

 「Aシート」は2扉で客室との間に間仕切りがあり、2人掛けのリクライニングシートが通路の両側に並んでいるため、ほぼ特急型車両に乗車している感じです。座席自体も683系など最近のJR西日本の特急型車両と同等で、大型の背面テーブルやモバイルコンセントも装備されています。ちなみに新造された225系の「Aシート」の車内設備は、223系改造車と大きな違いはないようですが、通路天井には案内用の液晶ディスプレイがありました。ちょっとE259系成田エクスプレスの客室内に似ている感じがしました。

 久しぶりに「Aシート」に乗車しましたが、やはり転換クロスシートの自由席と比べると快適です。223系の場合、改造車ということで座席位置と窓枠が一致しておらず、車窓を眺めるには不向きな座席がありましたが、225系は新造車ということで、こうした点も改善されており、基本的にハズレ席はありません。

 参考までに乗車状況ですが、草津発車時点ではまばらで、京都から多くの乗車があり、新大阪、大阪で多くの乗降がありました。

 それから実際に乗車してみて分かったことは、指定席券を所持せず「Aシート」車両に乗車し、乗降ドア付近のデッキを利用する方が相当数いることです。「Aシート」の座席に着席しないのであれば他の号車を利用すればいいと思うのですが、何故、わざわざ「Aシート」に乗車して車両のデッキ付近に立つのでしょうか?乗降する人の妨げにもなっていますし、特に通勤時間帯のことを考えると、何らかの対応策が必要ではないかと感じました。

 姫路到着後、駅前から城周辺観光ループバスに乗車して姫路城に向かいました。一般的な路線バスの車両と比べて一回り小さなレトロ調のバスで、1乗車100円です。調べてみると、姫路駅から姫路城までは直線で1.4km程で、徒歩でも約20分くらいなのでどうしてもバスに乗車する必要はなかったのですが、ちょうど駅前のバス停に停車していたため、利用することにしました。

 バス停から少し歩きて橋を渡ると、「白鷺城」とも称される世界遺産の姫路城が見えてきました。城としての堂々たる風格もさることながら白漆喰の壁がとても美しく、眩しい程です。僕は特に城好きというわけではなく、それほど城を訪れる機会はないのですが、そんな僕にも姫路城の素晴らしさは伝わってきます。ちなみに今年12月には、姫路城が世界遺産に登録されて30年となる節目を迎えるのだそうです。

 せっかくの機会なので、天守閣にも上がってみました。当然ですが内部にエレベーターなどはなく、きつく険しい階段が続きます。薄暗いところや天井が低いところもあり、また、階段の踏面も狭いため、ひっくり返らないよう注意しながら何とか天守閣までたどり着きました。ただし2回ほど頭を軽く打ちました😅

 最上階の天守閣から見た風景です。今日は天気もよかったので、姫路の街を一望することができ、ちょっとした殿様気分を味わうことができました。

第1世代の「Aシート」を組み込んだ223系:姫路駅 2023/3/19

 行きはバスを利用しましたが、姫路城から姫路駅までの帰りは徒歩で移動しました。昼間に外を歩くにはちょうどいい気候で、気持ちよかったです。

 そして姫路から乗車したのは223系の「Aシート」です。往路が225系だったので、乗り比べという意味ではちょうどよかったのかもしれません。225系の「Aシート」の車内と比べてそれほど大きな違いはないのですが、客室からは間仕切り越しに出入り口扉が見通せるため、225系よりも開放的な感じがします。先ほど触れたとおり、223系の「Aシート」は座席位置と窓枠が一致せず、全くの“壁横”となる座席もありますので、それを避けたい方は、車両中央の座席を避けてなるべく車端部にある座席を指定するといいと思います。

 車内はこんな感じですが、座席だけ見ても225系の「Aシート」との違いは分かりにくいですね😅

 そしてこちらの乗車状況ですが、姫路発車時点では5、6人程度で、三ノ宮や神戸での乗降もそれほど多くはありませんでした。大阪、新大阪で一気に乗車が増えて満席状態となりましたが、京都で降車した人も多かったです。

 最後に今回の乗り鉄旅で使用した指定席券を載せておきます。今回は「青春18きっぷ」を使用しているため、「Aシート」の利用には通常の指定席券を購入しています。JR西日本のインターネット予約サービスである「e5489」を利用すると、新快速【Aシート】チケットレス指定席券が600円で購入でき、さらに現在は「すわっていこかキャンペーン」が開催中で、4月28日までの期間限定で指定席券が390円となっています。僕も最初はこれを利用するつもりでしたが、このチケットレス指定席券は普通乗車券、定期券、ICカード乗車などとは併用できるものの、青春18きっぷ」や「関西1デイパス」などといった企画乗車券とは併用することができません。僕はこれまで様々な乗車券類を利用してきましたが、こうした制約のある指定席券があることを知ったのは初めてで、なかなか珍しい例だと思います。僕は事前にこのことに気付いたため、通常の指定席券を購入することができましたが、中には気付かずに「青春18きっぷ」などと併用してしまうケースもあるのではないかと思います。ちなみに車内できっぷの検札はなく、車掌さんは端末で座席の発売状況を見ながら着席状況を確認しているのみです。乗車券と指定席券が正しく併用されているか(青春18きっぷチケットレス指定席券を併用していないか)のチェックは省略してもいいのでしょうかね?

 そんな感じで姫路までの乗り鉄旅を無事に終えることができました。すでに3月も中旬を過ぎましたが、今回の乗り鉄旅が「青春18きっぷ」の2回目となります。4月10日の利用期間までに5回分を使い切れるかちょっと心配になってきましたが、せっかくの機会なので、引き続き春の乗り鉄旅を楽しんでいきたいと思っています。