レン鉄★気ままな乗車記

乗り鉄&きっぷ鉄の管理人が、備忘録を兼ねてブログに綴っていきます。

乗り鉄&きっぷ鉄っぽい管理人が、乗り鉄旅行とそこで使用したきっぷを思うがままに記録したブログです。
どうぞ、お付き合いください。
 

京都丹後鉄道で乗り鉄旅(2)

 前回の記事からの続きです。

 「丹後あおまつ号」で予定どおりに天橋立駅に到着しました。次は、KTR001形気動車タンゴエクスプローラー」車両による特急「たんごリレー」号に乗車します。

 現在、特急「たんごリレー」号には、基本的にKTR8000形車両が充当されており、KTR001形車両が定期運用で使用されることはありません。しかし、KTR8000形が定期検査などの何らかの理由で一時的に運用を離脱した場合、その代走としてKTR001形が「たんごリレー」号に充当されることがあります。KTR8000形の場合は、2両編成又は2+2の4両編成で運転されるのに対し、KTR001形の場合は、3両編成での運転になります。そのため、指定席利用者の混乱を招くことがないようにとの配慮によるものかどうかは分かりませんが、当該車両の変更については事前に周知され、Webページでも告知されます。事前告知をせずに車両を変更した場合、人気の「丹後の海」の車両を期待していたら「タンゴエクスプローラー」だったと、乗客から苦情が出かねないことへの警戒かも知れません。

 Webページをこまめにチェックしていたところ、11月10日を含めた数日間について、特急「たんごリレー」や一部の列車でKTR001形による代走が行われるという情報を入手しました。僕はこれまでに、「タンゴエクスプローラー」には乗車したことがなかったため、今回の機会に乗車すべく、代走期間中を狙って乗り鉄旅を計画したものです。

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KTR001形のタンゴエクスプローラー号:宮津駅福知山駅 2018/11/10

 これがKTR001形気動車タンゴエクスプローラー」車両です。今回は乗り放題の乗車券を使用しているため、少しでも長い時間乗車できるよう、天橋立-福知山間を往復で利用することにしました。僕の写真撮影の腕前による影響もあるとは思いますが、実際に車両を肉眼で見た第一印象は「とってもボロボロ」といったものです。インターネットを使って事前に調べた情報で、この車両のボロさは承知していましたが、色褪せや塗装のひび割れ、そこから見える車体の錆、汚れが付着し曇った窓、どこを見てもボロボロです。正直、これが現役車両として一般客を乗車させて営業運転していいものかと疑いたくなる程です。経年劣化の問題なのか、それとも車両整備やメンテナンスの問題なのか、その両方に問題があるのか分かりませんが、いろいろな意味で衝撃を受けました。

 しかし、なぜ僕がわざわざこの車両が代走することを知って乗車しようと思ったかと言えば、この列車は北近畿タンゴ鉄道時代からの看板列車だったからです。今の現状しか知らない人には信じられないかもしれませんが、最盛期には、3両+3両の6両編成がJR線に乗り入れており、新大阪-豊岡間などを東海道本線福知山線経由で運行していたのです。その名も特急「タンゴエクスプローラー」で、車両の愛称がそのまま列車名となっており、実に華々しい印象でした。1990年4月に特急の運用を開始し、探検家を意味する英語 (explorer) を用いた列車名は、当時としてはとても先鋭的で、僕の中では憧れの列車の一つとなっていた訳です。

 車体色はゴールド(又はシャンパンゴールド)に赤と緑の帯が引かれたデザインで、観光列車ではない定期列車として使用される特急形車両としては、あまり例のないものです。先頭部は、大きな曲面ガラスを用いた流線型で、中間車を含めた全車がハイデッカー構造となっており、側面窓は屋根肩部分にまでかかる大型の曲面窓で、さらに天窓が設けられています。

 車齢はすでに30年近く、見た目のボロボロ感は何とも残念ですが、そのポテンシャルというか、この車両そのもののデザインは陳腐化していないと思います。それだけに、もう少し見た目が衰える前に乗車しておけばよかったと思いましたが、後悔先に立たずです。

 この車両がこの先、どのような運命をたどるのかは分かりませんが、この姿のまま最後を迎えさせるのは、正直、心が痛むものがあります。2編成のうち現在稼働中の1編成について、非常に難しいことだとは分かりますが、外装だけでもリニューアルして、デビュー当時の煌びやかさが復活できるチャンスがあるといいなと感じてしまいました。

 「タンゴエクスプローラー」の次に乗車を狙うのは「丹後あかまつ号」ですが、天橋立15:31発の丹後あかまつ4号までは、まだ時間に余裕があるので、天橋立から287系「はしだて4号」で大江まで行き、駅前を適当に散策するなどした後、今度は普通列車に乗車して天橋立に戻ってきました。丹鉄の企画乗車券たけで、追加料金なしにJRの特急形車両に乗車できるというのは、何だかおトクな感じがします。

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丹後あかまつ号で使用されているKTR700形:天橋立駅 2018/11/10

 「丹後あかまつ号」も「丹後あおまつ号」と同様にKTR700形気動車を改装したもので、水戸岡鋭治氏がリニューアルを担当しています。こちらも「松」がテーマの観光列車です。「あおまつ号」は全車自由席ですが、「あかまつ号」は乗車定員制となっており、乗車には540円の乗車整理券が必要です。インターネットから事前に予約することもできるようですが、僕は当日、福知山の改札窓口で「海の京都ふっこう周遊パス」を購入する際に、あわせて購入しておきました。

 肝心の車内ですが、同じ水戸岡氏が手掛けたとあって、「あおまつ号」と同じようにベンチシートや4人掛けボックス席、ソファ席などが配置されています。僕が乗車した「あかまつ4号」の乗客は少なく、座席も指定されていないため、その時々の景色や気分にあわせて色々な座席を利用することができました。沿線での一番の見どころはやはり由良川橋梁だと思います。丹鉄を代表するビュースポットで、水面すれすれの鉄橋を列車が走っており、空と川が一体となった青の世界が一面に広がっていました。

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 乗車整理券と車内でいただいた記念乗車証です。乗車整理券は常備券で、利用日や発行駅名がゴム印で押印されています。また、記念乗車証の方は二ツ折になっており、内側に乗車記念スタンプを押す欄と乗車整理券を挟み込むスペースがありました。僕がこれまでいただいた記念乗車証の中でも、紙が上質で立派なものでした。丹鉄の「あかまつ号」にかける思いが伝わってきます。

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 「丹後あかまつ号」を西舞鶴で下車し、京都までは特急「まいづる12号」に乗車しました。使用車両は朝に乗車した「きのさき」と同じ287系です。往路と同じく、「e5489」で購入しておきました。西舞鶴から舞鶴線で綾部に向かい、綾部で「きのさき18号」と連結して山陰本線で京都を目指します。京都まで約1時間30分の乗車を楽しみました。

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 京都から名古屋までは、往路と同じく東海道新幹線の「こだま号」を利用します。名古屋ー新大阪間には「こだま号」が1時間当たり1本しかなく、今回のように最大1時間の待ち時間が必要となることがあります。「のぞみ号」に乗車すれば名古屋ー京都間は約35分ですので、1時間もあれば名古屋に到着してしまいます。こうした事情から「こだま号」の利用を敬遠される方もおられると思いますが、僕は特に帰宅を急ぐ訳ではないですし、待ち時間も気になりません。青春18きっぷで在来線を利用することを思えば、新幹線に乗車できるだけで十分ですからね。