レン鉄★気ままな乗車記

乗り鉄&きっぷ鉄の管理人が、備忘録を兼ねてブログに綴っていきます。

乗り鉄&きっぷ鉄っぽい管理人が、乗り鉄旅行とそこで使用したきっぷを思うがままに記録したブログです。
どうぞ、お付き合いください。
 

寝台特急サンライズ出雲に初乗車(1)

 多くの鉄道ファン(特に乗り鉄)にとって“寝台特急”というのは、特別な意味を持つ存在であると言っていいと思います。もちろん、夜間に長距離を移動するための手段の一つという役割には変わりありませんが、新幹線や昼間の在来線特急にはない独特の魅力というか風情のようなものがあり、鉄道ファンならずとも、その非日常性に憧れる方は少なくないと思います。

 日本における代表的な寝台特急は、やはりブルートレインです。パッと思いつくだけでも、東京と九州を結ぶ「富士」「はやぶさ」「あさかぜ」「さくら」「みずほ」、東京と東北を結ぶ「あけぼの」「はくつる」「ゆうづる」、そして本州と北海道を結ぶ「北斗星」「トワイライトエクスプレス」などのほか、東京-出雲市間には「出雲」、東京-高松間には「瀬戸」、上野-金沢間には「北陸」など、主に首都圏(東京・上野)や近畿圏(大阪・京都)と全国の地方都市とを結ぶ寝台特急が数多く運行されていました。しかし、僕はこれらのブルートレインには一度も乗車したことがありません。これまでに乗車したことがある唯一の寝台列車は「はくつる」で、高校生の頃に家族で父親の実家に帰省する際に、上野から乗車しました。当時の「はくつる」はブルートレインではなく583系電車で運行されており、僕は初めて乗車した電車3段式の寝台の狭さに驚愕したことを今でもはっきりと覚えています。

 そんなブルートレインですが、日本ではすでに全廃されてしまいました。新幹線網が整備されて日中の遠距離移動が可能となり、また、各種割引サービスの充実によって以前よりも気軽に飛行機を利用することが可能となりました。これらは、電気機関車ディーゼル機関車が客車を牽引するブルートレインでは、到底追いつくことができない速さです。また、価格という面でも、JR線の運賃以下の料金で利用できる格安の夜行バスが登場するなど、ブルートレインよりも早く、また、時間を気にしない人にとってはより安価に移動する手段が台頭したことで、ブルートレインを利用する乗客は徐々に減少してしまいました。

 また、利用者側の問題だけでなく、運行するJR側としても、夜間に乗務員や駅員を確保することによる人件費等の抑制や、複数の会社間(例:JR東日本JR東海JR西日本JR九州)をまたがって運行することによる調整コストの削減、自社の車両ではない機関車を運転することとなる乗務員訓練に係る経費の負担などの問題もあり、車両の老朽化の問題と合わせて、徐々に廃止されてしまったという事情もあるようです。

 それでも20年くらい前であれば、まだいくつかのブルートレインが運行されていたにも関わらず、僕が乗り鉄から離れていたため、もう二度と乗車することができなくなる日が来るという感覚を持つことなく、次々に廃止される列車を見過ごしてしまいました。そして再び乗り鉄として復活した頃には、すでにブルートレインに乗車するという夢は叶わないものとなっていました。後悔先に立たずです。

 しかし、ブルートレインでなくても寝台特急ということであれば、現在でも「サンライズ出雲」「サンライズ瀬戸」が定期運行されています。現存する唯一の寝台特急で、使用される車両は285系です。電車型の寝台列車は、客車に比べて床下のモーター音や振動などが大きいといったデメリットがあるものの、運転性能面では客車に勝ります。285系では、プライベート感を重視する現代のニーズに合ったサービスを提供するというコンセプトのもと、開放式寝台から個室寝台主体の客室構造にシフトし、ノビノビ座席を除いてA寝台・B寝台ともすべて個室化されました。一方、乗車時間帯から見て一定の利用が見込まれない食堂車は連結されず、車内販売も行われません。新幹線でもそうですが、今では、事前に駅でお弁当や飲み物を購入して乗車することが当たり前になっています。鉄道ファンとしては、寝台列車に食堂車があると、列車に乗車する楽しみがまた一つ増えるという思いもあるのですが、こうした時代背景を踏まえれば、採算性が見込まれない食堂車を組み込まないという判断も当然のことと思います。むしろ、現代においても寝台特急という移動手段が残されているということに感謝しなければなりません。

 前置きがかなり長くなってしまいましたが、今回はそんな寝台特急に乗車するため、青春18きっぷを利用して出雲市まで移動し、出雲市から東京まで「サンライズ出雲」号に乗車する旅行を計画しました。その行程は次のとおりです。

f:id:Len_Railway:20200219191315p:plain

 基本的には「サンライズ出雲」の始発駅である出雲市まで青春18きっぷで移動しますが、一部区間で特急を利用しないと「サンライズ出雲」の出発時刻に間に合いません。経路としては、山陽本線から伯備線を経由して出雲市に向かうため、備中高梁-米子間で特急「やくも」を利用することにしました。「サンライズ出雲」には、終点の東京までの全区間を乗車することにしました。

 というのが事前に組んだ予定でしたが、出発日の前日に台風20号が接近し、当日もその影響で在来線に遅延や運休が発生していました。僕はまず、金山から東海道本線に乗車して西に向かっていたのですが、米原にたどり着けずに途中の関ケ原で足止めをくらってしまいました。関ケ原で運転再開を待っていましたが、米原方面の運転再開は相当時分かかるということで、いつまで待てばよいのか分からない状態です。このままでは最悪、出雲市駅までたどり着けなくなってしまうことから、行程を大幅に修正し、関ケ原からいったん名古屋まで戻り、名古屋から岡山まで新幹線でワープするというルートで旅行を続けることにしました。幸いにして東海道・山陽新幹線は、ほぼ平常ダイヤで運行しています。名古屋-岡山間の新幹線乗車分の課金は少々痛手ですが、自然災害によるものなので仕方ありません。

 しかし、ただ単に新幹線に乗車するだけでは面白みがありません。通常、名古屋-岡山間であれば、「のぞみ号」で乗り換えなしに移動することができますが、今回はあえて新大阪で分割し、名古屋-新大阪は「のぞみ号」、新大阪-岡山は「こだま号」を利用することとしました。関ケ原から名古屋に戻る列車の中で時刻表と格闘し、名古屋駅で次のような乗車券と新幹線指定席特急券を購入しました。

f:id:Len_Railway:20200219194007j:plain

 いわゆるラッチ内乗り継ぎということで、2列車分を1枚のマルス券の中に入れてもらいました。これまで途中駅で新幹線を乗り換えたことは何回かありますが、一葉券で発券してもらったのは初めてです。

 ところで、なぜわざわざ新大阪で乗り換えるのかと言うと、せっかく山陽新幹線に乗車するのであれば話題の車両に乗ってやろうと思い、500系ハローキティ新幹線」に乗車することにしたためです。以前、山陽新幹線には「500 TYPE EVA」というものがありました。EVA初号機をモチーフにした外装で、1号車には展示コーナーや体験コーナーが設けられ、2号車にはEVAデザインの特別内装が施されてました。僕も以前に乗車しましたが、EVAファンの期待に応えるクオリティの高いものでした。しかし、すでに「500 TYPE EVA」は終了しています。

len-railway.hatenablog.jp

f:id:Len_Railway:20200219192302j:plain

f:id:Len_Railway:20200219191943j:plain

ハローキティ新幹線の500系新大阪駅相生駅 2018/8/24

 現在はその第2弾として、サンリオのハローキティをイメージした500系新幹線が運行されています。TYPE EVAの「メカニカルなカッコよさ」から一変し、ピンクのリボンをモチーフにデザインされた、何とも可愛らしい感じの500系になりました。車内にはハローキティの世界観が広がっており、TYPE EVAと同様に1号車には展示スペースが設置されています。物販カウンターもあり、色々なハローキティ新幹線グッズが販売されており、僕も思わず、乗車記念にキーホルダーを買ってしまいました。2号車は普通車自由席ですが、ハローキティ仕様の内装で、フォトスポットも用意されています。車内には、デッキなどにも随所にハローキティが描かれており、久しぶりに「メルヘン」という言葉を思い出しました。「ひょっとして男一人で乗車するのは場違いだったか?」とも思いましたが、この列車は通常の「こだま号」として運行されており、また、3号車から8号車まではほぼ通常の内装となっているため、普通に利用していると思われるような男性客も多くいました。自分が浮いていないことが分かり、今更ながら安心しました。

f:id:Len_Railway:20200219192750j:plain
f:id:Len_Railway:20200219192806j:plain
f:id:Len_Railway:20200219192831j:plain
f:id:Len_Railway:20200219192848j:plain

 ちなみに500系の指定席に乗車するのであれば、6号車がおススメです。現在の500系は全車普通車ですが、この6号車はもともとグリーン車として使用されていた車両を普通車化したもので、座席はグリーン車時代のものがそのまま再利用されています。シートピッチもグリーン車時代から変わらず1,160mmのままで、座った感覚はグリーン席そのものです。そのため、6号車は人気が高いようで、僕が今回利用した「こだま号」でも、6号車はかなりの乗車率でした。僕としては、できれば窓側がよかったのですが、すでに満席だったため、かろうじて残っていた通路側のB席となりました。座席位置の好みは別として、普通車指定席の料金で元グリーン車の車内設備を利用できるのは、かなりおトクと言えると思います。

 >>(2)に続く