レン鉄★気ままな乗車記

乗り鉄&きっぷ鉄の管理人が、備忘録を兼ねてブログに綴っていきます。

乗り鉄&きっぷ鉄っぽい管理人が、乗り鉄旅行とそこで使用したきっぷを思うがままに記録したブログです。
どうぞ、お付き合いください。
 

アラウンド九州乗り鉄旅(1)

  僕はこれまで、出張で福岡に行ったことがありますが、その他の九州各県には行ったことがありません。福岡まで行った際も、名古屋から博多まで新幹線を利用し、そのまま出張先に向かったため、JR九州の在来線には全く乗車したことがありません。JR九州は、鉄道ファンの中では「特急大国」と言われており、新幹線の開通や延伸によって全国各地の在来線特急が次々と廃止・縮小していく中、九州では数多くの特急が活躍しています。

 また、JR九州は、水戸岡鋭治氏のデザインによる観光列車を多数運行しており、D&S(デザイン&ストーリー)列車と呼ばれる個性溢れる列車たちが、九州各地を駆け巡っています。

 2017年度は4月から仕事が忙しく、なかなか心休まる暇がありませんでした。年度末に向けてさらに業務が本格化する前に、気分転換を兼ねてどこか1泊2日で乗り鉄旅行にでも行きたいなと考え始めた頃、平成29年7月九州北部豪雨により久大本線の一部区間が不通となってしまった影響で、特急「ゆふいんの森」が小倉駅日豊本線経由の迂回運転を行っており、通常ダイヤでは実現できないような旅行行程が組めることに気付いたことから、チャンスとばかりに、11月の3連休に1泊2日で九州乗り鉄旅を決行することにしました。乗ってみたい列車は色々あり、せっかく九州まで行くのであれば乗れるだけ乗ってみようということで、詰め込めるものはすべて行程の中に詰め込みました。旅行日は11月3日と4日とし、次のとおり旅行行程を作成しました。

 

11月3日の旅行行程

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11月4日の旅行行程

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 実際に旅行行程を作成するに当たっては、旅行商品や企画乗車券の利用を含めて検討しました。往復に利用するのは「シングルルームプラン熊本」という旅行商品です。この旅行商品は、一人旅や出張での利用を想定したもので、九州各地のホテルから宿泊地を選択できる上、単純な往復だけでなく、往路の到着駅と復路の出発駅を異なる駅とすることもできます。例えば、往路は名古屋を出発して小倉までとし、復路は熊本発で名古屋に戻るといった行程も可能となります。この例は、今回の旅行で僕が実際に利用したプランで、宿泊地は熊本にしました。九州内はすべてフリープランとなっているため、僕のように他の企画乗車券などで九州内を旅行するには、もってこいの旅行商品です。 

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 名古屋から「のぞみ97号」で小倉に向かいます。ちなみに旅行商品購入の際、利用する新幹線を「座席数限定新幹線」か「選べる新幹線」のどちらかにする必要があります。どちらも利用できる列車自体に制限がある訳ではなく、「座席数限定~」の方は1列車当たりの発売数に上限が設定されているそうです。同じ列車でも「座席数限定~」と「選べる~」では代金が異なり、「座席数限定~」であれば基本料金に対して追加料金が不要です。ということで、もちろん代金が安い「座席数限定~」で申し込みましたが、発売直後に予定数に達したとのことで、結局、追加料金を払って「選べる~」に変更し、無事、希望の列車の座席を確保することができました。出発日が11月の3連休の初日であったため、仕方がないことです。

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ゆふいんの森Ⅰ世のキハ71系大分駅 2017/11/3

 今回のD&S列車乗り継ぎ旅の第1弾は、特急「ゆふいんの森」です。「ゆふいんの森」号は、博多-湯布院(一部は別府)間を鹿児島本線久大本線経由で運転する列車ですが、先に紹介したとおり、九州北部豪雨の影響で久大本線の一部区間が不通となってしまったため、現在は、小倉駅日豊本線経由で運転されています。今回乗車する「ゆふいんの森91号」は、小倉駅を10時30分に発車するため、「のぞみ97号」からタイミングよく乗り継ぐことができます。

 「ゆふいんの森」号に使用される車両には、キハ71系気動車(通称「ゆふいんの森Ⅰ世」)とキハ72系気動車(通称「ゆふいんの森Ⅲ世」)とがあり、今回はゆふいんの森Ⅰ世」に乗車しました。この車両が登場したのは平成元年で、九州における観光列車の先駆者ともいえる車両です。オリーブグリーン色のメタリックカラーのボディにゴールドのラインと装飾が施されており、オールハイデッカー構造の曲線的な外観は、戦前のヨーロッパで使われていた列車のようなデザインです。車内も全体的にレトロ調で統一されており、サロンスペースやビュッフェがあるなど、乗って楽しめる観光列車となっています。

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 JR九州にも、「えきねっと」や「e5489」と同じようなインターネットによる指定席予約サービスがあります。これを利用すると「九州ネット早特」という企画乗車券を購入することができ、九州内の主要駅間をお得に乗車できます。今回は小倉-大分間の利用ですが、実際に発券してみると乗車券(A券)と特急券(B券)とが別々になっていました。一葉券でもいいと思うのですが、何か理由があるのでしょうか?

 なお、指定席については、最前列を確保しようと乗車日の1ヶ月の午前10時にネットから申し込みを行いましたが、タッチの差で確保できず、前から2列目となりました。

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 記念乗車証です。九州のD&S列車には、それぞれの列車ごとに記念乗車証が用意されているようです。表側に描かれている車両は「ゆふいんの森Ⅲ世」でした。裏側にスタンプを押印することができるため、旅のいい記念になります。

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あそぼーい!で使用されているキハ183系大分駅 2017/11/3

 D&S列車乗り継ぎ旅の第2弾は、キハ183系1000番台気動車による特急「あそぼーい!」です。先頭車両は、旧パノラマエクスプレスアルプス(後のフジサン特急)やNO.DO.KA似の外観ですが、気動車でのパノラマ仕様はとても珍しいと思います。

 ちなみにこの車両は、「オランダ村特急」→「ゆふいんの森Ⅱ世」→「シーボルト」→「ゆふDX」という変遷を経て「あそぼーい!」になっており、なかなか波乱万丈な運命をたどってきた列車でもあります。車内には、親子用の「白いくろちゃんシート」や子ども向けのボールプール、カフェスペースなどがありました。車内外ともキャラクター犬の「くろちゃん」が随所に描かれており、まるで絵本の世界に飛び込んだかのような列車です。

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 「あそぼーい!」には、大分から終点の阿蘇まで乗車しました。この区間は、普通乗車券と特急券で乗車します。今回は、事前に先頭パノラマ席の最前列を確保することができましたが、パノラマ席と白いくろちゃんシートは、特急料金が210円増しとなります。実際にパノラマ席に乗車してみると、進行方向前面の大きな窓から阿蘇雄大な景色が存分に楽しむことができ、追加料金以上の価値があると感じました。景色も素晴らしいものでしたが、車内で購入したプリンも美味しかったです。列車に揺られながら食べる食事やデザートは、何故だか一段と美味しく感じられます。

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 「あそぼーい!」の記念乗車証です。ちょっとスタンプが斜めってしまいました。揺れる車内でスタンプをうまく押すのは、結構、難しいですね。後から気がついたのですが、スタンプ欄の下にあるメッセージに、今回乗車した「あそぼーい!」が期間限定の運用であることが書かれています。ということは、この記念乗車証も配付期間が限られているのでしょうか?

 終点の阿蘇で「あそぼーい!」を下車した後、宿泊先である熊本市内に向かいます。本来であれば、引き続き豊肥本線に乗車して熊本を目指すことになりますが、豊肥本線は現在、平成28年4月に発生した熊本地震の影響で一部区間が不通となっており、阿蘇から熊本まで鉄道で移動することができません。今回は事前に予約したバスを利用し、熊本まで移動しました。

 >>(2)に続く