レン鉄★気ままな乗車記

乗り鉄&きっぷ鉄の管理人が、備忘録を兼ねてブログに綴っていきます。

乗り鉄&きっぷ鉄っぽい管理人が、乗り鉄旅行とそこで使用したきっぷを思うがままに記録したブログです。
どうぞ、お付き合いください。
 

日本一有名なホームライナー!?

 JR旅客各社のうち、JR北海道JR東日本JR東海の主な地区には、朝夕の通勤・退勤時間帯を中心に「ホームライナー」が運行されています。そもそも「ホームライナー」とは、乗車券のほかに乗車整理券又はライナー券を購入することで乗車できる快速列車で、多くは特急形車両が使用されています。その名称や料金も様々で、JR3社では、次のような運用が行われています。

会社 運行地区 主な名称 料金
JR北海道 札幌地区 ホームライナー 100円
JR東日本 首都圏

おはようライナー

湘南ライナー

中央ライナー

510円
長野地区 おはようライナー 310円
新潟地区 らくらくトレイン 310円
JR東海

静岡地区

名古屋地区

ホームライナー 320円

 基本的には座席指定制(定員制)となっており、着席保障に対する対価として料金を支払っているものですが、JR北海道では乗車整理券の発売枚数に制限はなく、必ずしも着席が保証されている訳ではないそうです。また、JR東海ホームライナーは、市販の時刻表などでは「座席定員制」とされていますが、実際に乗車整理券を購入すると、号車だけでなく座席まで指定されているなど、各社各地区の実情にあわせた方法で運用されています。

 ちなみに関西圏以西の西日本のJR各社(JR西日本JR四国JR九州)においては、現時点においてホームライナーの運行はありません。京都、大阪、神戸などの大都市圏を有する地区では、ホームライナーの運行があってもよさそうなものです。その代わりに、一部の特急列車が実質的なホームライナーの役割を果たしており、JR西日本では琵琶湖線JR京都線の「びわこエクスプレス」や北陸地区の「おはようエクスプレス」、JR四国では「ミッドナイトエクスプレス」や「ホームエクスプレス」、JR九州では「かいおう」などがこれに該当します。

 東日本地区と西日本地区とで、大きく運用形態が異なっていますが、僕のように青春18きっぷを利用する乗り鉄ファンには、断然に前者の運用が支持されています。運行される列車が特急形車両であっても、有料快速列車扱いとなる前者であれば、青春18きっぷでも乗車整理券又はライナー券を追加購入することで利用できますが、後者の場合、青春18きっぷで利用することができないため、別に乗車券も購入しなければなりません。おトクに乗車できるのはもちろん前者で、乗り鉄ファンからは「乗り得列車」と言われたりしています。

 僕もこれまで、青春18きっぷを利用して、豊橋ー東京間を普通・快速列車を乗り継いて往復したことがありますが、その間でも静岡エリア(豊橋-熱海間)には基本的に快速運用がなく、しかも211系や313系のオールロングシート車で運行されていることから、青春18きっぱーからは“魔の静岡区間”と呼ばれています。豊橋-岐阜間など名古屋エリアには、名鉄という競合路線がありますが、静岡エリアは事実上、JR東海が独占状態です。JR東海としては、「豊橋-熱海間を早く快適に移動したい方は、どうぞ便利な東海道新幹線をご利用ください。」といった思惑があるのでしょうか。

 しかし、青春18きっぱーが静岡エリアをより早く、より快適に移動する手段が全くない訳ではありません。ここで登場するのが「ホームライナー」です。静岡エリアでは、朝夕ともに浜松-静岡-沼津間で「ホームライナー」が運行されています。一般的にホームライナーは、平日ダイヤのみの運行で、土休日ダイヤでは運行されないことが多いのですが、静岡エリアでは、土休日も一部のホームライナーが運行されています。運行車両はすべて373系の特急形車両で、もちろん乗車整理券を別に購入すれば、青春18きっぷでも乗車することができます。

 僕も静岡エリアのホームライナーをよく利用しており、特に東京から豊橋までの帰路では、必ずと言っていいほど沼津発浜松行の「ホームライナー浜松3号」を利用しています。なお、「ホームライナー浜松3号」は、土休日にも運転され、沼津を18時31分に発車するという利用しやすい時間帯ということもあり、東京-大阪間を移動する青春18きっぱーの中で、知らない者はいないといっていいほど有名な列車となっています。

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ホームライナー浜松号で使用されている373系沼津駅 2017/5/5

 「ホームライナー浜松3号」は、沼津始発で発車直前に入線してきます。これまで僕は、青春18きっぷ利用期間と、それ以外の期間のどちらにも利用したことがありますが、青春18きっぷ利用期間の方が圧倒的に混み合います。夕方~夜に運行するホームライナー乗車整理券については前売りがなく、確か当日の午後4時から駅(改札前及びホーム上)の券売機で発売されますが、駅ごとの発売枚数が限定されています。したがって、例えば始発の沼津から乗車する場合、沼津駅乗車整理券を購入する訳ですが、たとえ座席が満席になっていなくても、沼津駅に割り当てらえた発売枚数に達してしまえば、その列車の乗車整理券を購入することはできません。青春18きっぷ利用期間以外であれば、発車直前でも乗車整理券を購入することができますが、お盆や年末年始など特に人出が多い時期はもちろん、東京ビッグサイトコミケが開催される時などは、早い時間に完売してしまうこともあります。

 それでも以前は、午後6時10分に沼津に着く列車に乗車していれば、ほぼ乗車整理券を購入できたのですが、「ホームライナー浜松3号」の知名度が上がるにつれて完売する時間が早まり、最近は午後5時45分に沼津に着く列車で来た方が下車後すぐに乗車整理券を購入するため、午後6時前に完売してしまうこともあります。なお、沼津に午後5時45分に到着する列車は、JR東日本区間から直通する列車でグリーン車を連結しており、長距離移動する多くの青春18きっぱーが利用する列車となっています。

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 僕もこれまで、何度も「ホームライナー浜松3号」を利用しましたが、乗車整理券を購入できなかった時もありました。その場合には、車内で精算することも可能です。JR東日本の場合、普通列車グリーン車利用時に車内精算すると、割増料金となってしまいますが、少なくともJR東海の「ホームライナー」には、そうした割増料金がありませんで、駅での発売額と同じ320円となります。しかし、車内で精算した場合、駅で乗車整理券を購入した場合と異なり、座席が指定されません。座席に空きがない場合には、最悪、デッキで立つことになりますが、コンパートメント席など、駅の券売機では発売されない席もあることから、そうした席を確保することができれば、車内精算であっても着席は可能です(もちろん、着席が保証されるものではありませんが、僕がいままで利用した中で、座席が完全に満席という状態になったことはありません)。上の写真は、左が駅で購入する乗車整理券エドモンソン券)で、右が別の機会に車内精算した際の整理券です。

 この「ホームライナー浜松3号」の人気の背景には、320円の追加料金で特急形車両に乗車できることや、土休日ダイヤでも運行していることがありますが、それとは別に、もう一つ大きな理由があります。それは、終点の浜松到着後、この列車はそのまま普通列車豊橋行になるということです。つまり、ホームライナーとしての運用は浜松までなのですが、そこから普通列車として豊橋まで行くことができるわけです。ホームライナーの乗客は、わざわざ浜松駅で下車する必要もなく、そのまま乗車していれば、豊橋まで行けるということで、静岡エリアの大部分を占める沼津-豊橋間の167.4kmを、373系で快適に移動することができるということです。

 近年は、こうした運用がyoutubeなどを通じて一般の方にも広く知られるようになり、「ホームライナー浜松3号」の乗客が、そのまま豊橋まで乗車する例が非常に多く見られます。豊橋で下車した後、僕は最寄り駅まで帰るために別の路線の列車に乗り換えますが、引き続き東海道本線で名古屋・大垣方面を目指す方も少なくなく、乗り換え時間も限られることから、ちょっとした「豊橋ダッシュ」が見られます。

 僕としては、東京からの帰路で最も利用しやすい列車だけに、今後も引き続き利用したいと思っていますが、いままで以上に有名になって利用者がさらに増加すると、沼津駅での乗車整理券の確保が、さらに早まるのではないかと心配する次第です。