レン鉄★気ままな乗車記

乗り鉄&きっぷ鉄の管理人が、備忘録を兼ねてブログに綴っていきます。

乗り鉄&きっぷ鉄っぽい管理人が、乗り鉄旅行とそこで使用したきっぷを思うがままに記録したブログです。
どうぞ、お付き合いください。
 

伊豆急行線で“踊り子シリーズ”を乗り尽くす

 特急「踊り子」と言えば、伊豆急下田修善寺に向かう列車で、伊豆への旅行の代名詞とも言える存在です。首都圏の方であれば、誰でも一度はその名前を耳にしたことがあるのではないかと思います。1981年10月のデビュー以来、現在に至るまで185系が使用されており、185系と言えば「踊り子」で、「踊り子」と言えば185系を連想される方も多いと思います。

 そんな「踊り子」号ですが、185系の「踊り子」だけでなく、251系の「スーパービュー踊り子」やE259系の「マリンエクスプレス踊り子」もあり、過去には伊豆急行リゾート21車両を使用した「リゾート踊り子」という列車もありました。僕は、これまでに新宿-熱海間でスーパービュー踊り子の普通席を利用したことがあり、また、E259系には成田エクスプレスとして乗車したことがありますが、あらためて“踊り子シリーズ”に乗車するため、今回は伊豆急行線での乗り鉄旅に出かけることにしました。

 伊豆急行線には、伊東-伊豆急下田間が1日乗り放題となる「伊豆満喫フリーきっぷ」という企画乗車券があります。これを最大限に活用し、伊東⇔伊豆急下田区間を2往復して、バラエティに富んだ3つの踊り子号に乗車していきます。

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 伊東駅みどりの窓口で購入した「伊豆満喫フリーきっぷ」です。常備券に発行日のゴム印を押印したタイプのものです。以前、伊豆クレイルと黒船電車に乗車するため、伊東線伊豆急行線を往復した時にも利用しました。発売期間限定とされていますが、今回のようなゴールデンウィーク期間中でも利用可能でした。

 なお、窓口では、あわせて指定席特急券も購入しました。1日の間で伊東ー伊豆急下田間を1.5往復するための特急券で、しかも伊豆急下田での滞在時間もわずかです。こうした特急券を購入する客は、ほとんどいないでしょう。みどりの窓口の駅員さんもちょっと驚いた表情でした。

 

スーパービュー踊り子(251系)

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スーパービュー踊り子号で使用されている251系:伊豆急下田駅 2017/5/5

 まず、伊東から伊豆急下田行の「スーパービュー踊り子」に乗車します。上部のホワイトと下部のエメラルドグリーン、その間にライトグリーンの帯が引かれたリゾート感溢れるデザインです。ちなみに登場時の塗装色は、アジュールブルーとフューチュアグレーでしたが、内装とともにリニューアル工事が施され、現在のカラーリングになりました。僕は、リニューアル前よりも現在の塗装色の方が好きです。251系のような観光での利用客が多い列車には、やっぱり明るい鮮やかな外観がふさわしいと思います。

 なお、今回は、まだ利用したことがないグリーン席にしました。JR線の区間を含まない伊豆急行線内のみの利用であれば、特急料金込みで1,180円です。首都圏の普通列車グリーン車の料金にちょっとプラスするくらいの価格で特急形車両のグリーン車を利用できることから、おトク感があります。

 車両は、見てのとおり大型の窓とハイデッカー構造となっており、今回利用したグリーン車2階海側席からの眺望は最高です。さらにスーパービュー踊り子グリーン車にはドリンクサービスがあり、伊豆の海岸線を眺めながら、ゆったりとした座席でオレンジジュースをいただきました。

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 伊豆急行線内のみを利用する場合、常備券の特急券(グリーン券)とともに、座席指定の指ノミ券が発券されます。利用時には、この2枚がホチキス留めされていました。私鉄区間完結ということで、マルス券は120mmとなっています。ダメもとで聞いてみましたが、やはり1号車の最前列はすでに埋まっていました。

 

踊り子(185系

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踊り子号で使用されている185系伊東駅 2017/5/5

 “踊り子シリーズ”の中で最も運転本数が多いのが、185系による「踊り子」です。東京発着が基本ですが、上野東京ラインの開業により常磐線我孫子発着も誕生しました。思い返すと、僕がはじめて185系に乗車したのは1987年8月でした。当時、両親に初めて伊豆旅行に連れて行ってもらったときに、「踊り子」号に乗車したのを今でも覚えています。当時は、現在のような回転リグライニングシートではなく、転換式クロスシートでした。現在では、特急形車両であれば回転リクライニングシートが当たり前となっていますが、当時は0系新幹線の普通席でさえ転換式クロスシートだった訳ですから、大差はないと言えます。

 首都圏の方だと、185系は「湘南ライナー」として馴染みがあるという人も多いと思います。「ムーンライトながら」やJR東日本管内の臨時快速などにも使用されており、また、2013年3月のダイヤ改正以前には東京発伊東行きの普通列車にも充当されていて、まさに“特急にも普通にも使える電車”として幅広く活躍しています。

 しかし、登場後すでに35年以上が経過しており、今後いつまで運用されるのかは分かりませんが、すでに編成単位での廃車も発生しているようです。JR各社の特急形車両を見ても、現役の国鉄形特急は「踊り子」と「やくも」くらいで、そう遠くないうちに車両の置き換えが始まるでしょう。今回、リバイバルストライプ塗装の「踊り子」号に乗車できたことは、いい記念になりそうです。

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 常備券の紋地色がグリーン券のものとは異なっています。この常備券は、伊東発の下り列車でも伊豆急下田発の上り列車でも使われるようです。座席位置にこだわりはなかったので、適当に窓側を発券してもらいました。

 

マリンエクスプレス踊り子(E259系

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マリンエクスプレス踊り子号で使用されているE259系伊豆急下田駅 2017/5/5

 先に紹介した185系伊豆急下田から伊東に戻った僕は、再び伊東からE259系の特急「マリンエクスプレス踊り子」に乗車して伊豆急下田を目指します。車両の見た目は成田エクスプレスそのものですが、貫通扉部分や座席のヘッドレスト部分などに、専用の錨マークが付けられています。

 E259系に乗車する直前に185系に乗車していたため、何だか特急形車両の進化を肌で感じたような気がします。E259系は普通席でもシートピッチが1,020mmとかなり広く、各座席にコンセントもあり、機能的で明るく快適な空間です。しかし、ゴールデンウィーク期間中だというのに、車内はガラガラです。中途半端な時間帯ではありますが、乗車率は10%といったところでしょうか。

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マリンエクスプレス踊り子号の車内

 そもそも、何ゆえに成田エクスプレス用に製造されたE259系を踊り子として運行しているのかということですが、2012年のダイヤ改正成田エクスプレスが減便となったことから、余剰となったE259系を有効活用するために不定期列車として運行を開始したというのが、きっかけのようです。マリンエクスプレス専用の編成で運行されているとはいえ、車両に大幅な改装や塗装変更などが行われていないのは、将来的に成田エクスプレスの増便が必要となった場合に、再び空港特急としての本業に戻ることを想定しているためと思います。「マリンエクスプレス踊り子」としてのいわば“派遣”の仕事を終える日は、いつか来るのでしょうか?

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 JR線の場合、「スーパービュー踊り子」 「マリンエクスプレス踊り子」はA特急料金で、「踊り子」はB特急料金が適用されるため、同じ区間でも「踊り子」の方が特急料金が安くなります。しかし、伊豆急行線内の場合は同じ特急料金が適用されるようで、「踊り子」も「マリンエクスプレス踊り子」も特急料金は510円でした。そうであれば、絶対にE259系に乗車した方がおトクですよね。
 


[おまけ]

 記事の中で紹介した、1987年8月に「踊り子18号」に乗車した際の指定席特急券も紹介します。当時のものなのでこども料金です。父親が平塚で購入したものですが、なぜか料金補充券です。きっぷの左下が少し破れていますが、元々破れていたのか、僕が破ってしまったのかは、さすがに覚えていません。熱海から豊橋まで東海道新幹線を利用するため、特急料金に乗継割引が適用されています。

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