レン鉄★気ままな乗車記

乗り鉄&きっぷ鉄の管理人が、備忘録を兼ねてブログに綴っていきます。

乗り鉄&きっぷ鉄っぽい管理人が、乗り鉄旅行とそこで使用したきっぷを思うがままに記録したブログです。
どうぞ、お付き合いください。
 

飯田線・中央西線を完乗する乗り鉄旅

 JR東海管内を走るローカル線に飯田線があります。愛知県の豊橋駅と長野県の辰野駅を結ぶ地方交通線で、その全長は約200kmです。かなりの路線距離となりますが、現在でも約6~7時間かけて飯田線全線を走り抜く直通列車が1日に数本運転されています。青春18きっぷを利用して飯田線を制覇する際に、こうした直通列車を始発から終点まで乗り通す乗り鉄の方もいるようですが、多くの普通列車の運行区間は、豊橋近郊の東三河地区(豊橋駅本長篠駅間)、宇連川天竜川沿いの小規模な集落を縫って走る三遠南信地区(本長篠駅天竜峡駅間)、そして飯田市駒ヶ根市伊那市などの南信地方の主要都市からなる伊那地区(天竜峡駅辰野駅間)に分かれています。

 ちなみに僕は、「飯田線ロッコファミリー号」に乗車した際や、佐久間レールパークを訪れた際に、豊橋方から中部天竜まで乗車したことがありますが、それ以北は乗車したことがありません。

 話しは少し変わりますが、近年、周囲に民家がないなど利用者が極めて少ない駅や、鉄道を利用する以外に到達する手段がほとんどない駅を“秘境駅”と呼んでおり、こうした“秘境駅”を訪れることがちょっとしたブームになっています。飯田線は、こうした“秘境駅”を数多く有する路線として有名になりました。ついには、季節運転される臨時列車として「飯田線秘境駅号」なるものまで登場しています。春と秋の土休日を中心に運転されており、この列車に乗車するためのツアーまで設定されています。他のJR会社と異なり、観光列車にあまり力を入れていないJR東海が、毎年のように臨時列車を運行しているということは、かなりの人気列車のようで、実際、個人では指定席券の確保が難しいという声を聞きます。

 今回、青春18きっぷ利用期間ということもあり、まだ乗車していない中部天竜以北を含め、飯田線全線を完乗してみることにしました。往路は飯田線を利用しますが、途中の天竜峡と飯田での乗り換え時間を含め、中央本線の岡谷までおおよそ6時間の乗り鉄旅となります。さすがに復路も飯田線を利用するのは少しキツい感じがしたため、岡谷からは塩尻に移動し、塩尻から中央西線を走る特急「しなの」に乗車することにしました。特急「しなの」には中津川まで乗車し、中津川からは快速で名古屋まで移動します。

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飯田線で使用されている213系:豊橋駅 2020/8/1

 飯田線区間で乗車した列車は、普段見慣れた213系や313系です。今回乗車するのは平日ということもあり、途中の新城くらいまでは、学生を中心にそれなりに利用客がいましたが、新城を過ぎると1両に数人程度になってしまいました。飯田線を完乗した方からは「お尻がヤバい」「修行だった」という過酷さを伝える意見もあり、果たしてどうなるかと少し心配していましたが、実際に乗車してみると、僕は全く気になりませんでした。小春日和の心地よい日に、乗客の少ない電車のボックスシートの中で誰にも邪魔されずに本を読むのは、なかなか味わうことができない贅沢なものだと思います。

 ただ、意外だったのは、飯田駅から先の区間では、思っていた以上に乗客の数が多かったことです。旅行者というよりも地元の方のようで、飯田線が生活の足として利用されていることが実感できました。

 飯田線の終点は辰野ですが、僕が飯田から乗車した列車は中央本線の岡谷行です。辰野駅中央本線に属する駅ですが、いわゆる辰野支線にある駅であるため、ここから塩尻に行く列車の本数は非常に少ないです。中央本線への乗り換えには岡谷の方が便利なため、終点の岡谷で松本行の普通列車に乗車して塩尻に移動することにしました。

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しなの号で使用されている383系塩尻駅 2017/3/22

 塩尻駅からは特急「しなの12号」に乗車します。塩尻駅での待ち時間を利用して、長野行の「しなの号」も撮影したりしました。383系の先頭車には2タイプあり、長野方は非貫通型で名古屋方は貫通型となっています。制御付自然振子方式が採用されており、カーブの多い中央西線を高速で走行しています。思っていたよりも車体が傾きましたが、振り遅れや振り戻しはなく、人によって評価は分かれると思いますが、僕にとっては、ちょっとしたアトラクションのようで楽しかったです。また、ワイドビュー車両ということで、木曽川沿いの綺麗な車窓も楽しめました。

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 乗車するのはすべてJR東海区間ですが、直前に「えきねっと」で予約し、岡谷駅で受け取りました。塩尻までは、すべて青春18きっぷで乗車してきましたが、塩尻から中津川までは特急に乗車するため、乗車券も購入しています。中央西線塩尻-中津川間は快速列車の運転がなく、普通列車も運転本数が少ないため、特急を利用することにしましたが、中津川-名古屋間は運転本数も多く快速列車も運転されているため、中津川から先は快速列車を利用します。中央西線を走る列車にはオールロングシートの車両と転換クロスシートを備えた車両とがあり、もちろん転換クロスシート車の方がいいのですが、今回は残念ながらオールロングシート車でした。