レン鉄★気ままな乗車記

乗り鉄&きっぷ鉄の管理人が、備忘録を兼ねてブログに綴っていきます。

乗り鉄&きっぷ鉄っぽい管理人が、乗り鉄旅行とそこで使用したきっぷを思うがままに記録したブログです。
どうぞ、お付き合いください。
 

373系「伊那路」に乗車

 飯田線は、僕が幼少期から慣れ親しんでいる路線のひとつです。幼い頃から鉄道好きだった僕は、まだ保育園に入る前の頃、母親にねだってほぼ毎日、当時住んでいた家の近くにあった飯田線の駅に連れて行ってもらい、行き交う電車を眺めていたそうです。どんな車両だったのかは覚えていませんが、当時の飯田線は、いわゆる旧形国電が走っていた時代です。今では博物館でしか見ることができないような貴重な車両だったのかも知れませんが、幼い頃の僕にとっての憧れの鉄道車両は0系新幹線で、それに比べると、飯田線は古くてボロい電車というちょっと残念な印象しかありませんでした。そういったこともあり、飯田線で初めてスカイブルーの119系電車を見たときには、飯田線がちょっと都会の路線になったような気がして、何だか誇らしげに感じたような記憶があります。

 こうした車両の更新などによって利便性やサービスの向上が図られてきた飯田線ですが、JR民営化後しばらくは優等列車が設定されていませんでした。どう見ても旅客数は少なく、線形が悪いということもあって、優等列車を走らせるのに適した路線でないことは、素人目にも明らかでしたが、そんな飯田線に大きな転機が訪れました。1992年に臨時列車ではあるものの、豊橋ー飯田間に急行「伊那路」が設定されたのです。使用車両は、急行形電車の代名詞とも言うべき165系電車で、それなりに利用者があったのかどうかは定かではありませんが、373系特急形車両の投入をきっかけに、1996年のダイヤ改正により定期特急列車化されることになりました。

 「伊那路」号は、特急化されてすでに20年以上が経過しています。僕はこれまで、373系普通列車ホームライナーとして運用される列車に乗車したことはありますが、特急「伊那路」には乗車したことがありません。今回、「青空フリーパス」を利用して東海道本線美濃赤坂支線と高山本線に乗車する乗り鉄旅を計画しましたが、せっかくならばフリーパスで乗車可能な飯田線にも乗車しようと思い、豊橋から新城まで普通列車に乗車してみました。新城ー豊橋間はわずか21.6kmであり、普通列車でも十分ですが、「青空フリーパス」は別途、特急券を購入することで特急列車も利用可能なため、帰路では特急「伊那路」に乗車することにしました。

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伊那路号で使用されている373系豊橋駅 2020/5/23

 さきほどもお話したとおり、僕はこれまで373系には何度も乗車しています。最も利用しているのは「ホームライナー浜松3号」で、青春18きっぷシーズンには、320円の乗車整理券で乗車できる乗り得列車として、特にお世話になっている車両です。

len-railway.hatenablog.jp

  373系は、特急形車両でありながら、普通列車やライナー列車としての運用も念頭に製造された列車です。そのため、客用扉が車両端部の片側2か所に設置され、さらに広幅の両開き式となっており、また、車内においても出入台と客室を仕切るデッキ扉が省略されるなど、JRの他の特急形車両では見られない構造を採用しています。全車普通車で、車内は2+2配置の回転式リクライニングシートが970mmピッチで並んでいますが、一部号車の連結部寄りには、4人掛け・固定テーブル付のセミコンパートメントと呼ばれる座席もあります。セミコンパートメントというと、いわゆる個室的なものを想像してしまいますが、実態はボックス席に近いものとなっています。

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 今回は、新城ー豊橋間という短距離区間での乗車ですが、おトクな特急料金が設定されているため、自由席特急料金はわずか320円です。つまりは、JR東海ホームライナーに乗車する際の乗車整理券と同額ということになります。ちなみにJR東海管内には、30kmまでと50kmまでの自由席特急料金におトクな特急料金が設定されており、飯田線以外にも、身延線全線、中央本線(多治見ー塩尻間)、関西本線紀勢本線(名古屋ー新宮)、高山本線(岐阜ー猪谷)でも、同様の特急料金が適用されます。

 短距離での特急利用を促すという狙いもあると思いますが、僕が今回乗車した「伊那路4号」は、ほぼ空気輸送状態でした。いくら特急料金がおトクに設定されていても、そもそも乗客がいないことには、乗車率の向上は望めません。僕はJRグループダイヤ改正がある都度、「伊那路」が臨時列車化されたり廃止されるのではないかと心配していますが、今後も抜本的な利用率の向上が見込まれない中、将来的にはどうなるのでしょうか?

 


[おまけ]

 1996年3月16日に特急「伊那路」が誕生した際には、記念特急券が発売されました。台紙の中には、豊川→湯谷温泉の特定特急券硬券)が差し込まれています。この記念特急券ですが、実は購入した経緯を全く覚えておらず、最近になって過去の記念きっぷ類を整理していたら見つかったという次第です。ちなみに台紙の裏面に停車駅とその近辺にある観光施設が掲載されていますが、中部天竜にあった「佐久間レールパーク」がとても懐かしいです。

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