レン鉄★気ままな乗車記

乗り鉄&きっぷ鉄の管理人が、備忘録を兼ねてブログに綴っていきます。

乗り鉄&きっぷ鉄っぽい管理人が、乗り鉄旅行とそこで使用したきっぷを思うがままに記録したブログです。
どうぞ、お付き合いください。
 

小田急50000形VSEに初乗車

 小田急と言えば、新宿ー小田原間の小田原線のほか、相模大野ー片瀬江ノ島間の江ノ島線新百合ヶ丘唐木田間の多摩線で構成される首都圏を代表する大手私鉄です。神奈川県内の主要都市から新宿副都心までの通勤路線として役割を果たすとともに、江ノ島や箱根方面への観光輸送という役割も担っています。これに合わせるように、様々な特急が設定されており、JRのホームライナーに相当するような「ホームウェイ」のほか、観光輸送ということでは、江ノ島線系統の特急「えのしま」や、小田原から箱根登山鉄道の箱根湯本に乗り入れる特急「はこね」などがあります。さらに、主に小田原発着の特急「さがみ」や、JR御殿場線に乗り入れる特急「あさぎり」もあり、これらの列車に充当される特急形車両は「ロマンスカー」と呼ばれています。

 「ロマンスカー」には、様々なタイプがありますが、どれも小田急の看板列車と言われるような列車ばかりです。すでに引退した列車も含めると、7000形LSE車、10000形HiSE車、20000形RSE車、30000形EXE車、50000形VSE車そして60000形MSE車などがあり、統一的なコンセプトというよりも、それぞれ車両ごとに異なる特徴を有しています。

 この中でも、僕が特に気になっているのが、50000形VSEです。10000形HiSEと同様、運転室を2階に上げて最前部まで客室とした前面展望構造で、いわゆる展望席が設けられています。箱根などの観光輸送を担う特急として、伝統を引き継ぎながらも、これからの次世代を担う新たな「ロマンスカー」として、活躍している車両です。50000形VSEは2編成しかありませんが、小田急では、それぞれの特急に充当される列車の種類をあらかじめ公表しています。そこで今回、新宿ー小田原間で50000形VSEに乗車してみることにしました。

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はこね号で使用されている小田急50000形VSE新宿駅 2016/9/9

 新宿から「はこね43号」箱根湯本行に乗車します。本当は、最前列の展望席を利用したいのですが、ロマンスカーの前方展望席は非常に人気があり、1か月前の発売直後に完売してしまうこともあるようです。中には、当日になって最前列をキャンセル拾いで入手できたという運のいい方もいるようですが、僕にはそんな運はなかったようで、一般席を利用します。それでも窓側の席を確保できたので、ロマンスカーの車内から沿線の風景を楽しむことができそうです。

 待つことしばし、ホームに50000形VSEが入線してきました。折り返しでの運用となるため、しばらく車内清掃が行われることになります。今回、初めて50000形VSEを見ましたが、実にカッコいい車両です。シルキーホワイト色のボディとバーミリオンオレンジのラインは、シンプルながら洗練された都会的な印象を与えてくれます。

 車内に入ると、座席のシートカバーもオレンジ調で、車内全体も木目調の温かみのある落ち着いた空間でした。また、この車両は、展望席以外の座席については、通路側の座席に座った場合でも、窓からの景色が楽しめるようにとの配慮から、窓側に5度の角度をつけて配置されています。僕は乗車する前、たかが5度でそれほど違いはあるものかと思っていましたが、実際に着席してみると、5度の角度をつけた効果は結構大きいと感じました。角度がつけられていない通常の車両の場合、通路側の人が外の景色を見ようとすると、どうしても窓側の人が視界に入ってしまいますが、こうした角度がつけられていると、そうした気まずさが軽減されると思います。

 また、車内は広々とした印象で、高い天井が解放的です。ちなみにVSEとは "Vault Super Express" の略称であり、その名のとおり、大きな円弧を描くボールト天井の影響が大きいと思います。さらに今回の乗車で気づいたのですが、走行中のミュージックホーンがなんとも心地よい音色を奏でています。

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 特急券は、当日に新宿駅で購入しました。券面のちょうど中央に、小さな文字で(VSE)と表記されています。これならば、僕のようなきっぷ鉄にとっても、VSEに乗車したことが分かる記念になります。今回乗車した列車は、新宿をほぼ満席の状態で発車しましたが、途中駅で下車される方が多く、僕が乗車した1号車では、小田原やその先の箱根湯本まで行く方は、ごく少数でした。夕方の下りということで、観光利用の方が少ないのは当然ですが、ロマンスカーで比較的短距離の利用客が多かったのは、結構意外でした。