レン鉄★気ままな乗車記

乗り鉄&きっぷ鉄の管理人が、備忘録を兼ねてブログに綴っていきます。

乗り鉄&きっぷ鉄っぽい管理人が、乗り鉄旅行とそこで使用したきっぷを思うがままに記録したブログです。
どうぞ、お付き合いください。
 

グリーン車で瀬戸大橋を渡って初四国

 僕はこれまで四国に行ったことがありません。ちなみに、北海道(函館)には高校生の時に一度だけ行き、そして九州(福岡)にも出張で一度だけ行ったことがありますが、どちらも乗り鉄旅をしたことはありません。乗車したことがない列車が本州内にも多数あり、それらに乗車する旅をしている中で、あえて北海道や四国、九州まで足を伸ばそうという強い思いに至らなかったというのが正直なところです。しかし、青春18きっぷを利用した乗り鉄旅を計画する中で、本州以外にも行ってみようと思い、日帰りで四国(高松)まで行ってみようと思い付きました。多少は新幹線を利用しますが、主に青春18きっぷを利用して東海道本線山陽本線を利用して岡山まで行けば、高松までそれほど遠い訳ではありません。そこで、次のような旅行行程を作成しました。

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 僕の乗り鉄旅では、観光地や行楽地に立ち寄ることよりも、少しでも多くの列車に乗車することを旅の目的にしているため、高松での滞在時間は非常に限られるものの、日帰りでの往復が可能です。四国に行ったことがない僕は、瀬戸大橋を渡ったことがなく、また快速「マリンライナー」にも乗車したことがありません。さらに、今年の「晴れの国おかやまデスティネーションキャンペーン」や「瀬戸内国際芸術祭2016」に合わせて導入された観光列車「La Malle de Bois(ラ・マル・ド・ボァ)」にも乗車してみたいと思い、往路の岡山から高松までは快速「マリンライナー」に、復路の高松から岡山までは「La Malle de Bois」に乗車する乗り鉄旅に出かけることにしました。

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 青春18きっぷで関西方面に行く場合、まずは米原を目指すことになりますが、平日と土休日では、岐阜・大垣-米原間の朝の時間帯のダイヤが大きく異なります。僕の場合、最寄り駅から最速で米原に到着できる時間は、土休日であれば8時9分ですが、平日であれば8時47分です。今回は平日の休暇を利用して旅行するため、米原まで直通する列車が少なく、在来線では時間的なロスが大きいため、名古屋-米原間は東海道新幹線を使ってワープすることにしました。名古屋始発の「ひかり495号」を利用しますが、区間が短く始発駅から乗車するため、自由席で行くことにしました。金券ショップで回数券のバラ売りを購入しましたが、実際に乗車して見ると自由席はガラガラで、2人掛け座席の窓側に座ることができました。

 米原で新幹線を下車し、いよいよ青春18きっぷを本格的に利用していきます。米原から岡山まで直通する在来線の普通・快速列車はないため、まずは姫路行に乗車しました。終点の姫路からは播州赤穂行に乗車して途中の相生で下車し、相生から岡山行に乗車します。米原もそうですが、相生も青春18きっぱーが山陽本線を利用する際の乗り換え駅となっています。同一ホームでの対面乗り換えですが、乗り換え時間が短い上、岡山行の列車は両数が短いため、熾烈な座席争奪戦が繰り広げられることで有名です。正直、決してマナーのいいものではありませんが、岡山までの区間の座席を確保すべく、我れ先にとホームをダッシュで走る姿は「相生ダッシュ」と言われています。一部にマナーの悪い鉄道ファンがいると、鉄道ファン全体のイメージダウンに繋がりかねません。大人として、良識ある行動が求められるところです。

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マリンライナー号で使用されている5000系:岡山駅 2016/9/2他

 岡山からは、快速「マリンライナー33号」高松行に乗車します。快速「マリンライナー」の多くは、JR西日本の223系(2両)とJR四国5000系(3両)による5両編成で運行されており、高松方の先頭車は、グリーン車指定席(2階席)と普通車指定席(1階席)からなるダブルデッカー構造となっています。したがって、編成中にグリーン車指定席、普通車指定席、普通車自由席の3種類があることになります。青春18きっぷの場合、グリーン車指定席は利用できないため、普通車指定席又は自由席ということになりますが、今回は先頭のパノラマ席に乗車したかったため、別に乗車券も購入して、グリーン車指定席を利用することにました。

 写真は岡山駅で撮影したものですが、先頭部に運転室があることと側帯のカラーリングの違いを除けば、構造自体は首都圏で運行されている普通列車グリーン車とほぼ同じです。JR会社間の垣根を超えた不思議な車両です。

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 今回は、パノラマ席と言われる運転室直後の1号車1番の座席を確保すべく、事前にグリーン券を購入しておきました。しかし、いざ乗車してみると全部で4席あるパノラマ席の乗客は僕1人だけで、2階席もほとんど空席でした。新学期が始まったばかりの平日の昼間でしたので、このくらいの乗車率が普通なのかもしれません。

 パノラマ席全体を独占できるという、予想外の贅沢ぶりで、初めて渡る瀬戸大橋からの眺めを堪能することができました。なぜか海を見ていると、嫌なことも忘れて穏やかな気分になることができます。このダブルデッカー車両の1階席と2階席では、普通車とグリーン車という差がありますが、これは車内設備の差というよりも、車窓から眺める景観の差ではないかと感じました(1階席でも、2階席とは違った景色を楽しめるかも知れませんが…)

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ラ・マルせとうち号で使用されている213系7000番台:高松駅 2016/9/2

 高松滞在はわずか20分で、すぐに岡山まで折り返します。せっかくの四国初上陸なので、お土産の一つでも購入しようかと思いましたが、トイレ休憩を済ませると、すでに岡山行の「ラ・マルせとうち」が入線していたため、ホームで写真撮影などをしていると間もなく発車時間となりました。

 車両は「La Malle de Bois」というちょっとお洒落な名前ですが、これはフランス語で「旅行かばん」を意味するそうです。種車は213系で改造後もその面影を残していますが、車窓をかばんのように見立て、旅にまつわる旅情を誘う絵柄や単語を白い車両に大胆にデザインしています。

 車内は大幅に改装されており、全車グリーン車指定席となっています。座席には2種類あり、一つは一般的な回転式リクライニングシート、もう一つはカウンター席です。リクライニングシートは普通列車グリーン車として一般的なタイプのもので、カウンター席は窓側向きに設置されたカウンターテーブル付きの1人掛け席です。座り心地から言ったら前者の方がいいですし、ひとりで景色を眺めるというのであれば後者の方が適しています。僕は、座り心地を優先させたかったので、車両最後尾の2人掛けリクライニングシートの窓側席のグリーン券を購入しておきました。

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 しかし、いざ乗車してみると、僕が指定した席周辺には、リクルートスーツ姿の若い女性らが10人ほどのグループで乗車していました。多くの方は仲間同士で2人掛けの座席を利用していますが、僕が窓側の席を確保した座席だけは、女性グループの中の一人がポツンと座っています。「これはちょっと気マズイな」と思いましたが、指定席であるため、僕の判断で他の座席に移ることもできずにいると、アテンダントの方が、カウンター席の空席に案内してくれました。青春18きっぷでの旅は、それなりに体力を消耗することがあり、できればリクライニングシートで快適に移動したかったのですが、アテンダントさんからの申し出を断るのもどうかと思い、結局、カウンター席を利用することにしました。確かにシートの座り心地という面ではリクライニングシートよりも劣りますが、左右の席が空席であるため、自分の空間を広く確保できます。おかげで瀬戸内海の風景も存分に堪能することができましたので、これはこれでよかったのかもしれません。

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 車内でいただいた記念乗車証です。裏面には、列車の紹介とスタンプを押印するためのスペースがありました。運行開始からまだ日が経っていないということもあり、スタンプの状態も良好です。岡山ー高松間の往復で、往路の「マリンライナー」は50分くらいの乗車でしたが、復路の「ラ・マルせとうち」は1時間30分くらいの時間をかけて移動します。のんびりした旅を楽しむというのも、この観光列車のコンセプトとなっているようです。