レン鉄★気ままな乗車記

乗り鉄&きっぷ鉄の管理人が、備忘録を兼ねてブログに綴っていきます。

乗り鉄&きっぷ鉄っぽい管理人が、乗り鉄旅行とそこで使用したきっぷを思うがままに記録したブログです。
どうぞ、お付き合いください。
 

「ふじかわ」「あずさ」「はこね」に乗車する乗り鉄旅

 2022年もすでに2月となり、1年の中で最も寒い時期を迎えました。最近は、ちょっとした外出の際にも手袋と厚手のコートが欠かせません。特に今シーズンは、例年以上に寒さが厳しいように感じます。全国的に見ても積雪が多いようで、たびたび各地の鉄道路線で列車の遅延や運休が発生するなど、地域の日常生活に大きな影響を及ぼしています。特に日本の大動脈である東海道新幹線は雪の影響を受けやすく、年に数回、関ケ原付近での降雪や積雪により数時間単位での遅延が発生することがありますが、今年はその頻度が多いような気がします。また、数日前には、札幌市付近を中心とした記録的な大雪によって線路の除雪作業が追いつかず、札幌駅を発着する列車が数日間にわたって終日運休になったことなどが報道されました。JR北海道には除雪作業のノウハウもあり、それ相応の機器や設備も整っていると思うのですが、それを以ってしても対応しきれないような、凄まじい大雪だったのだろうと想像します。

 幸いなことに、僕が住んでいる愛知県の平野部では、真冬であっても雪が降ることはほとんどなく、さらにその雪が地面に積もることはめったにないため、降雪や積雪による大きな混乱はありませんでしたが、気温の落ち込みはとても厳しく、毎日の通勤で自宅と最寄り駅との間を自転車で数分間行き来するだけでも、身体が芯まで冷えるような凍てつく寒さを感じるときがあります。(北海道や東北地方に住む方から見れば大したことはないと言われてしまいそうですが…)

 話しは変わって今年になってからの乗り鉄事情ですが、今季は「青春18きっぷ」を購入していません。もし昨年の12月時点で「青春18きっぷ」を購入していれば、残り回数分を年始の乗り鉄旅として利用していたでしょうが、心が弱い僕は今季の冬の寒さに完全に敗北し、年が明けてからあまり積極的に外出することもなく過ごしてきました。

 しかし、1か月以上も乗り鉄旅をしていないと、だんだんと身体から“鉄分”が失われていくようで、そろそろ“鉄分”を補給したいなと思うようになってきました。ちょうど2月には、建国記念の日を含めた11日(金)から13日(日)までの3連休があります。そこでこの機会を利用することとし、事前の天気予報なども参考にして、比較的天気が良さそうな12日に乗り鉄旅に出かけることにしました。

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 今回の乗り鉄旅の行程です。今回は、小田急の「白いロマンスカー」こと50000形VSEに乗車することをメインに組み立てました。50000形VSEには以前に乗車したことがあり、特に目新しい車両という訳ではありませんが、昨年12月、2022年3月に定期列車としての運行が終了して2023年秋には引退予定であることが発表されたことから、定期運行終了までにもう一度、乗車してみることにしました。小田急のWebページでVSEの運用を事前に確認し、あわせて現地までの往復に要する時間を考慮した結果、新宿14:20発の「はこね25号」に乗車することにしました。

 ロマンスカーの始発駅である新宿までは、豊橋から東海道新幹線を利用するのが一般的で、JRの在来線だけで移動する場合でも、東海道本線湘南新宿ラインを利用する方法が最短の経路になりますが、今回は乗り鉄旅を楽しむため、あえて別のルートを選択しました。豊橋から富士までは東海道本線を利用し、富士から甲府までは身延線の特急「ふじかわ」に、そして甲府から新宿までは中央東線を走る特急「あずさ」に乗車するもので、VSEによる「はこね」とあわせて計3つの特急列車に乗車するものです。なお、小田原で「はこね」を下車した後は、再び東海道本線を利用して帰路につくことになります。

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静岡県内のホームライナーやふじかわ号で使用されている373系豊橋駅・浜松駅・甲府駅 2022/2/12

 まずは、豊橋から浜松行の普通列車に乗車しますが、これには373系が充当されていました。特急形車両が普通列車として使用されており、いわゆる乗り得列車です。豊橋-浜松間の乗車時間は40分弱で、ロングシートでもさほど気にならない距離ではありますが、短い区間であっても特急形車両で快適に移動できることはとてもありがたいことです。ちなみに今回は、車端部のコンパートメント席を利用しました。

 次の区間である浜松から静岡までは、「ホームライナー静岡36号」に乗車します。この列車も先ほどと同じ373系で運行されています。そういえば、今年3月のダイヤ改正により、静岡地区における土休日のホームライナーの運転が取りやめられることになりました。したがって、今回乗車する「ホームライナー静岡36号」もなくなり、また、これまで何度も利用した沼津発の「ホームライナー浜松3号」も平日しか乗車する機会がなくなります。静岡地区のホームライナーには、青春18きっぷ利用可能シーズンの土休日を中心に何度もお世話になっただけに、残念でなりません。昨今の利用状況を踏まえた判断だと思いますので、仕方のないことではありますが、これまで頻繁に利用していた列車がなくなってしまうことには、やはり寂しさがあります。

 そして静岡から富士までは普通列車を利用し、富士からは「ふじかわ」に乗車します。「ふじかわ」は静岡始発なので、静岡から乗車してもよかったのですが、特急料金をケチって富士から乗車することにしました。乗車する車両は再び373系です。今日だけで種別が異なる373系に計3回も乗車してしまいました。特急として運用される373系に乗車するのは、昨年4月に「伊那路」に乗車して以来で、「ふじかわ」に乗車するのは初めてです。

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 「ふじかわ」は全3両編成で、うち1号車が指定席、2・3号車(コンパートメントを除く。)が自由席となっています。始発駅からの乗車ではありませんが、途中駅の富士からでも座席に余裕はあるだろうと考え、指定席ではなく自由席を利用することにしました。もしかしたら車内はガラ空きで貸切状態かもしれないと勝手に想像していましたが、思っていた以上に利用客が多いことに少し驚きました。

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あずさ号で使用されているE353系新宿駅 2022/2/12

 甲府に到着後、「えきねっと」で予約したきっぷを券売機で受け取り、車内で食べるお弁当を購入してすぐに上りの「あずさ」に乗車しました。いつもの乗り鉄旅と同様、今回も現地で観光する時間は設けていません。「あずさ」に使用されている車両はJR東日本E353系です。僕がE353系に乗車するのは今回が2回目で、初めて乗車したのは、E353系が営業運転を開始して間もない頃(約4年前)の「スーパーあずさ」でした。

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 以前の記事でもE353系を紹介しましたが、洗練されたデザインとカラーリングが美しく、次世代を担うにふさわしい特急形車両だと思います。さきほどまで乗車していたJR東海373系ワイドビュー仕様で汎用性もあり、また性能面でも他の車両に劣るものではありませんが、僕としては、オレンジ帯のみ引かれたステンレス無塗装の外観がどうしても気になります。通勤形車両や近郊形車両ならまだしも、特急形車両には、単なる実用性だけでなく、それなりの風格というか、特急形車両らしいデザイン性にもこだわったカラーリングが欲しいところです。JR東日本の特急形車両には各車両ごとにオリジナル性が与えられており、人によって好みは分かれるかも知れませんが、乗客の印象に残るような特急形車両が多いと感じます。

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 続いて車内です。普通車の車内は、特急形車両として一般的な2+2列配置の回転式リクライニングシートが並んでおり、シートピッチは960mmだそうです。座席の背もたれ部分には落ち着きのあるブルー系のモケットが使用されており、車内全体からはどことなく清らかさが伝わってきます。設備面では、回転式リクライニングシートでは定番の背面テーブルが利用可能で、モバイルコンセントも完備おり、不自由を感じることはありません。

 現在、「あずさ」は「かいじ」「富士回遊」とともに全車指定席化されているため、必然的に指定席を利用することになりますが、今回僕が乗車した号車の乗客はまばらで、乗車密度で言えば「ふじかわ」よりも空席が目立つような状況でした。3連休の中日とは言え、ここまで乗客が少ないのを目の当たりにすると、「あずさ」の定期運用も減便されてしまうのではないかと心配になってしまいます。

 終点の新宿で「あずさ」を下車し、ここからは小田急線を利用します。新宿-小田原間は、JRの湘南新宿ラインを利用しても乗り換えなしに移動することができますが、運賃に大きな差があり、小田急線の運賃が900円であるのに対し、JR線の運賃は1,520円です。さらに同区間小田急線のロマンスカーに乗車する場合の特急料金は910円ですが、JR線で普通列車グリーン車を利用する場合のグリーン料金は平日1,000円/ホリデー800円とほぼ互角で、これらを比較すれば圧倒的に小田急線が有利な状況にあります。そんな訳で、僕もこれまで何度も利用したことのある小田急ロマンスカーですが、先に紹介したとおり、この3月のダイヤ改正にあわせ、50000形VSEが登場からわずか17年で定期運行から離脱することになってしまいました。まだまだ引退するような車齢ではなく、80000形GSEの「赤いロマンスカー」と並んで小田急を代表する特急形車両として引き続き活躍してくれると思っていただけに、正直言って、未だに信じられない気持ちでいっぱいです。VSEは連接台車という日本の鉄道車両ではあまり例のない構造を採用しており、今後のメンテナンス費用や交換用部品の調達などの面において、現役続行は困難と判断されたようです。VSEならではの“個性”がかえって仇となり、引退を早めてしまったとは、何とも皮肉な話です。

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はこね号で使用されている50000形VSE新宿駅 2022/2/12

 上の写真は、VSEの入線から発車までの間に撮影したものです。僕と同じようにVSEを撮影しようと待ち構えている撮り鉄の方も多い中、何とか1号車(小田原方)と10号車(新宿方)それぞれの先頭車両を撮影することができました。VSEを間近で見たのは久しぶりですが、あと1か月で定期運用を離脱する車両とは思えないほど美しさを保っています。流線形のシャープなデザインは実にスマートで、シルキーホワイトのボディに引かれたバーミリオン・オレンジのラインが、車両全体を引き締めるアクセントになっています。

 VSEが独特のミュージックホーンを吹鳴させて入線する姿を見ていると、引退を宣言されたVSEの今後の行方が気にかかり、何だか感傷的な気持ちになってしまいました。

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 VSEといえば、何と言っても先頭車両の展望席に注目が集まりますが、VSE(Vault Super Express)という名のとおり、車内に開放感をもたらすドーム型の天井も大きな特徴となっています。VSEは10両1編成となっていますが、先頭車の全長は約18m、中間車では約14mと一般的な鉄道車両よりもひと回り小さいため、どうしても車内空間が狭くなってしまいます。しかし、ドーム型天井のおかげで圧迫感を感じることはありません。そして、車内の座席の表地はロマンスカーを象徴するかのようなオレンジ色で明るく、一方で背面はブルーグレーの落ち着きのある配色となっています。また、テーブルなどの内装類にはメイプル材が使用されており、全体として温かみが感じられる空間となっています。繰り返しになりますが、最新のGSEと比べても全く見劣りしないVSEが引退してしまうのは、やはり惜しい感じがしてなりません。

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 今回の乗り鉄旅で使用したきっぷをまとめて紹介します。今回乗車した区間のうちJR東海管内については「休日乗り放題きっぷ」を利用しました。以前にこのきっぷを利用した時には、同じマルス券でも、自動改札機に対応していない120mm券でしたが、いつの間にか85mm券になっており、自動改札機を利用できるようになっていました。ちなみに豊橋甲府間の普通運賃は片道4,510円で、熱海-豊橋間は3,410円なので、「休日乗り放題きっぷ」を利用することで、これらの区間をかなりおトクに乗車することができます。(オススメですよ😃)

 特急「あずさ」は、いつものようにJR東日本の「えきねっと」で購入しました。「あずさ」「かいじ」については、乗車日の13日前までであれば30%割引となる「お先にトクだ値」を購入することができますが、今回はきっぷの手配が直前だったため、10%割引となる「えきねっとトクだ値」を前日に購入しました。

 ロマンスカー特急券は、「e-Romancecar」を利用して予約しておきました。前日の予約だったため、その時点ではすでに展望席は満席で、あわよくば直前に展望席のキャンセルが発生しないかと空席状況をこまめに確認してみましたが、やはり展望席を確保することはできず、一般席に乗車しました。これまでの僕の経験からすると、新宿発のロマンスカーは、発車数分前に満席となることが多いと思うのですが、今回は満席になることなく、僕の隣の通路側の座席も小田原まで空席のままでした。

 最後に載せた乗車券は、復路で利用するJR区間のうち、「休日乗り放題きっぷ」の範囲外になる小田原→熱海間を別に購入したものです。熱海で乗車券の持ち帰りをお願いしたところ、珍しい乗車記念印を押印してくれました。(マルス券には収まりますが、エドモンソン券にはとても収まらない大きさですね…)

 こんな感じで、2022年最初の乗り鉄旅を終えました。新型コロナウイルス感染症の関係もあり、今年がどんな1年になるのか全く予想できませんが、世間が落ち着きを取り戻して、「Go To トラベル」が一日でも早く再開されることを願うばかりです。