レン鉄★気ままな乗車記

乗り鉄&きっぷ鉄の管理人が、備忘録を兼ねてブログに綴っていきます。

乗り鉄&きっぷ鉄っぽい管理人が、乗り鉄旅行とそこで使用したきっぷを思うがままに記録したブログです。
どうぞ、お付き合いください。
 

3つの「ものがたり列車」に乗車する四国乗り鉄旅(4)

 前回の記事からの続きです。

 昨日は、高知駅で「志国土佐時代の夜明けのものがたり」を下車した後、特急南風に乗り換えて本日の宿泊先である丸亀まで移動しました。乗車した特急南風は再びアンパンマン列車で、3両編成での運行でしたが、自由席は想像以上に混雑していました。僕の場合、乗り換え時間が十分にあったため、乗車した際には、まだまだ空席の方が多いくらいでしたが、発車時間が近づくにつれて徐々に乗客が増えて、発車直前には立ち客も発生しました。

 しかし、ちょっとイラっとするのは、車掌が座席に荷物を置かないように呼び掛けているにも関わらず、平然と通路側の座席の上に荷物を置いている人がいることです。自由席なら何でも自由という訳ではありません。お互いに譲り合って少しでも多くの方が着席できるようにという配慮のできない人が一定数いるということには、本当に残念でなりません。

 ちなみに今回の旅行で宿泊するのは、丸亀プラザホテルです。JR四国の旅行商品では、四国各地のホテル・旅館が用意されており、どこに宿泊するのかちょっと迷いましたが、2日目の移動に都合がよさそうな丸亀を選びました。その中でも駅から徒歩圏内にあったのが丸亀プラザホテルです。部屋自体は標準的なビジネスホテルといった感じで、朝食付でした。宿泊施設にこだわりのある方もいると思いますが、僕からみれば普段使いには十分です。

 2日目は、9時20分に丸亀駅を発車する列車に乗車するところから始まります。計画段階では、もっと早い時間から動き出すことを考えたこともありましたが、結果的にはこれくらいの時間でちょうどよかったです。というか、これから向かうのは松山駅なため、本来であればもっと遅い時間に丸亀駅を発車する時間でも、十分に間に合います。しかし、松山までは相当長時間の乗車となるため、万一、自由席が確保できなかったとなると、かなりつらいものがあります。そのため、あえて丸亀から児島まで移動し、児島から松山まで特急列車に乗車することにしました。乗車する特急列車は岡山始発のため、より岡山に近い児島であれば、自由席を確保しやすいだろうと考えたためです。そして、児島からは特急「しおかぜ」に乗車しました。

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しおかぜ号で使用されている8600系:松山駅 2020/11/7

 これが特急「しおかぜ」号です。「しおかぜ」は電車タイプの特急で、JR四国の8000系又は8600系のいずれかで運用されています。今回乗車する8600系は2014年に営業運転を開始した比較的新しい電車で、“SETOUCHI STREAM EXPRESS”というキャッチコピーが付けられているそうです。外観は無地のステンレス製で、車体下半分はグレーで塗装されており、さらに車体側面の上部にはオレンジ、中央部にはグリーンのラインが引かれています。オレンジ色と緑色の組み合わせというと、真っ先に湘南カラーを思い浮かべますが、8600系に使われている色は、湘南カラーよりも少し淡い色合いのものです。

 普通車の車内には、2+2配置の回転式リクライニングシートがずらりと並んでいますが、座席色は車両単位でグリーンとオレンジの2種類があります。また、足元にはフットレストが装備され、肘掛にはモバイルコンセントも備えられていました。前座席に付けられた背面テーブルは、比較的大きなもので、ノートパソコンを使用する場合には重宝しそうです。

 心配していた自由席の混雑状況ですが、思っていた以上の乗車率でした。児島から乗車した時点では、すべての窓側席が埋まっており、なんとか通路側席が数席だけ空いている状況です。その後、宇多津、丸亀、多度津で数名の乗降があり、僕はたまたま空いた窓側席に移ることができましたが、松山まで乗車する方が圧倒的に多いようで、終点までほぼ満席といった状態でした。今回は丸亀から児島まで移動して乗車しましたが、この状況であれば、児島から乗車して正解だったと思います。JR四国では、土・日・祝日を含む連続3日間、特急列車及び普通列車の普通車自由席が乗り降り自由となる「四国満喫きっぷスペシャルプラス」という企画乗車券を発売しており、「Go To トラベルキャンペーン」とも相まって、特急列車の自由席利用が増加しているのかもしれません。

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1号車の「茜の章」:下灘駅 2020/11/7

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2号車の「黄金の章」:松山駅 2020/11/7

 松山駅からは、今回の乗り鉄旅で最後となる「ものがたり列車」に乗車します。その列車名は「伊予灘ものがたり」で、JR四国の「ものがたり列車」の原点となった列車でもあります。「伊予灘ものがたり」は、週末を中心に松山-伊予大洲八幡浜間を1日2往復しており、それぞれに「大洲編」「双海編」「八幡浜編」「道後編」という名前が付けられています。運行時間の違いによって違った表情の車窓を楽しむことができ、また、事前予約できる食事の内容も異なっています。

 僕は当初、伊予大洲から松山までの「双海編」に乗車しようと考えていましたが、乗車日1か月前の発売直後に購入しようとしたところ、窓口の方が端末の操作にあまり慣れていなかったのか、なかなかうまく発券できず試行錯誤しているうちに満席となってしまったようで、結局のところ、希望どおりに指定席を確保することができませんでした。どうしたものかと少し考え直し、代替案として松山を午後に出発する「八幡浜編」に乗車することにしたものです。「八幡浜編」の終点は、その名のとおり八幡浜駅ですが、帰路の都合上、今回は途中の伊予大洲まで乗車します。

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 「伊予灘ものがたり」は、「四国まんなか千年ものがたり」「志国土佐時代の夜明けのものがたり」とは異なり、特急列車ではなく、快速列車として運行されています。車両はキハ47形を改造した2両編成で、うち1号車の「茜の章」は夕焼けをイメージした茜色となっており、2号車の「黄金の章」は柑橘類と太陽をイメージした黄金色に塗装されています。両車ともグリーン車で、全車指定席となります。なお、「伊予灘ものがたり」は、一部の鉄道ファンの中で有名となった下灘駅に停車します。古びた小さな無人駅ですが、かつては日本の駅の中で最も海に近い駅と言われ、ホームから美しい伊予灘が一望できることから、青春18きっぷのポスターとして使用されたり、ドラマのロケ地にもなったことがあるそうです。ということで、今回は下灘駅でも車両を撮影することにしました。

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 あいにく小雨がぱらつく天候だったため、青い海や空が一面に広がる風景の中で撮影することはできませんでした。もし天候に恵まれていたら、(僕の腕前の範囲内で)さぞ見栄えのいい写真が撮影できたと思いますが、天候ばかりは何とも変えようがないため、仕方ありません。2号車「黄金の章」も下灘駅で撮影したかったのですが、列車の停止位置がホームぎりぎりだったため、残念ながら撮影できませんでした。そのため、あらかじめ松山駅で撮影しておいたものを紹介させてもらいます。

 そして、本当であれば車内もいろいろと写真撮影したかったのですが、やはり今回も満席でしたので、他の乗客の方の迷惑になってはいけないと思い、撮影しませんでした。

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 先ほど少し触れましたが、「伊予灘ものがたり」でも、事前予約することで食事を楽しむことができます。今回乗車する「八幡浜編」は、午後に松山を出発する便ということで、昼食後に乗車することにしたため、食事の予約していません。予約していない場合でも、おつまみ類やデザート類は車内で購入することができるため、僕はデザートとアイスティーのセットを注文してみました。写真の左側に竹輪が写りこんでいますが、これは乗車中にすべての乗客に配られたものです。竹輪以外にも、地元産のお米やみかんのプレゼントもありました。他の「ものがたり列車」にはないサービスで、「伊予灘ものがたり」とそれを支える地元沿線の方々の強い絆のようなものが感じされました。

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 「伊予灘ものかたり」は特急列車ではないため、普通列車用グリーン券を購入することで乗車できます。僕が選んだのは、1人掛けの席が並ぶカウンター席の一番端にあたる席です。車内は大きく海側席と山側席に分かれており、1人掛けカウンター席や4人用のボックス席は海側に、2人掛けのテーブル席は山側に配置されています。外の景色を眺めるには、圧倒的に海側席の方が有利です。僕の席は、座席の位置と窓の配置がピッタリと一致する当たり席でした。観光列車には種車となる車両を改造して製作されたものも多く、座席位置と窓割が一致しないハズレ席も少なからず存在しますので、乗車前にWebページなどで確認しておくことをおススメします。

 それから、今回乗車した八幡浜編ですが、ほとんどの方が終点の八幡浜まで行かれるようで、僕のように途中の伊予大洲で下車する人はいませんでした。

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 「伊予灘ものがたり」にも、2号車の販売カウンターの前に乗車記念証と、スタンプが用意されています。できるだけきれいに押したかったのですが、周囲の部分が欠けてしまいました。どうやらスタンプ自体が摩耗しているようです。もしこのスタンプが、「伊予灘ものがたり」の誕生当時から利用されているものだとすれば、すでに何万回と使われているでしょうから、経年劣化によるものかもしれません。ふと見ると、「伊予灘ものがたり」のスタンプとは別に、日付印も用意されていました。乗車記念証の空いたスペースに適当に押印しましたが、今日の日付が入ることで、より思い出深いものとなりそうです。

 >>(5)に続く