レン鉄★気ままな乗車記

乗り鉄&きっぷ鉄の管理人が、備忘録を兼ねてブログに綴っていきます。

乗り鉄&きっぷ鉄っぽい管理人が、乗り鉄旅行とそこで使用したきっぷを思うがままに記録したブログです。
どうぞ、お付き合いください。
 

「ウエストエクスプレス銀河」に乗車する出雲乗り鉄旅(1)

 思い返せば1か月前の6月21日午前9時30分頃、僕はJR線のとある駅にいました。乗ヲタが朝10時前に駅に出向く理由と言えば、やはり“10時打ち”でしょう。僕も“10時打ち”をお願いすべく、JR全線きっぷうりば(みどりの窓口)に向かいました。狙うのは、7月21日の京都発出雲市行き「ウエストエクスプレス銀河」の指定券です。それも1編成に8区間分しかないファーストシートです。2020年9月の運行開始当初から、「ウエストエクスプレス銀河」に乗車してみたいと思っていましたが、新型コロナウイルス感染症の影響や家庭の事情もあり、なかなか思うように計画を進めることができませんでした。タイミングを見ながら日本旅行の旅行商品を購入しようと抽選申し込みに何度か参加しましたが、残念ながら当選することはありませんでした。さらに今年3月には、一部の出発日に限って窓口で指定券が発売されることになったため、この機会に乗車しようと発売開始日である1か月前から準備を整え、「e5489」や駅の窓口でも購入を試みましたが、いずれも『失敗』に終わっています😰。

 そうした中、JR西日本は5月24日、山陰コースの7・8月出発分について、指定券を再び窓口発売することを発表しました。前回の窓口発売は限られた日数分であった上、「ウエストエクスプレス銀河」にとって初めての窓口発売となったことから激戦となりましたが、今回は前回よりも多くの日数分が設定されており、指定券を購入できるチャンスが拡大されます。しかし、新型コロナウイルス感染症の5類移行後初の夏休み期間ということもあり、今回も簡単に指定券を購入することはできそうにありません。そこで、これまでの反省点を踏まえて次の作戦で挑むことにしました。

【その1】プレミアルームは諦めてファーストシートに絞る。
 前回の窓口発売時には、「プレミアルーム」を第一希望とし、「ファーストシート」を第二希望として“10時打ち”をお願いしていましたが、そもそも1人用個室であるプレミアルームは1室しかないため、宝くじで当選するような相当の強運がなければ指定券を確保することができません。また、ファーストシートも人気が高く発売直後に完売してしまうため、確保するためにはやはり10時ちょうどに端末を操作してもらう必要があります。プレミアルームを第一希望としたままではファーストシートの“10時打ち”が遅れてしまい、結局は両方とも失敗に終わってしまう可能性が高いことから、今回はこのリスクを回避するよう「ファーストシート」に絞って“10時打ち”をお願いすることにしました。

【その2】なるべく早めに窓口に出向く。
 前回の窓口発売時には、仕事の合間に出向いたため、きっぷうりばへの到着が9時45分くらいになってしまいました。その際、すでに別の“10時打ち”を待つ先客がおり、結局は1番目に端末を操作してもらうことができませんでした。これについては運もあるかと思いますが、他の“10時打ち”の方に先を越されないよう、少なくとも30分前には窓口に出向くことにしました。

 予定どおり早めに窓口に到着し、申込書を窓口の駅員さんに渡しました。9時55分くらいにもう一度窓口に来るようにとのことだったので、ちょっと時間をあけて再び窓口に出向きました。この日の窓口は閑散としており、窓口の方は早々とマルス端末への入力を終え、あとは発券ボタンを押すのみとなりました。そしてきっぷうりばでは時報の放送が流れ始めました。僕も緊張していましたが、窓口の方も緊張した面持ちでした。そして10時ちょうどにボタン操作を行っていただくと……
 見事に希望のファーストシートの指定券を確保することができました。僕が嬉しかったのは当然ですが、マルス端末を操作されていた窓口の方もホッとしているようでした。やはり駅員さんとしても、“10時打ち”の成績は気にされるのでしょうかね? 

 何はともあれ、これでやっと念願だった「ウエストエクスプレス銀河」に乗車することができることになったというわけです。今回お世話になった駅員さんには感謝しかありません。ありがとうございました🙇。

 指定券を確保してからの1か月間、待ち遠しくて長かったような気もしますし、ウキウキしながらあっという間だったような気もしますが、いよいよ出発日当日となりました。まずは無事に当日を迎えることができたことに一安心です。最近は北陸や秋田など、各地で大雨が相次ぎ、列車が大幅に遅延したり運休となることもあり、数週間前には「ウエストエクスプレス銀河」も米子-出雲市間で区間運休になったことがあったため、当日の天候がどうなるか気になっていましたが、なんとか晴天の中で当日を迎えることができました。今回もいい旅になりそうな予感がします。

 それでは早速、今回の「ウエストエクスプレス銀河」の乗り鉄旅を紹介していきたいと思います。

 

 

名古屋駅から新幹線に乗車

 「ウエストエクスプレス銀河」の始発は京都です。大阪など途中駅から乗車することも可能ですが、今回は少しでも長く「ウエストエクスプレス銀河」に乗車できるよう、始発の京都から終点の出雲市までを通して乗車することにしました。ということで、まずは京都駅に向かいます。名古屋から京都までであれば、在来線でも十分に移動可能ですし、この時期には「青春18きっぷ」を利用することも可能ですが、初めて「ウエストエクスプレス銀河」に乗車する旅ということで、ケチることなく新幹線を利用することにしました。

 旅のスタートの記録として、桜通口側のセントラルタワーズをパシャリ📸

 「ウエストエクスプレス銀河」の京都駅発車時刻は21時15分で、時間には余裕があるため、名古屋からは「こだま」号で京都に向かいます。ちなみに名古屋から新大阪に向かう「こだま」号は、基本的に1時間当たり1本ですが、夕方から夜にかけては運行されていない時間帯があるんですね。今回初めて気付きました。

東海道新幹線で活躍しているN700:名古屋駅 2023/7/21

 そして東海道新幹線では、約20年にわたって親しまれてきたJR東海所有車両の車内チャイムが「AMBITIOUS JAPAN!」から「会いにいこう」に変更されることになり、7月21日がその初日となります。JR西日本が所有する車両では引き続き「いい日旅立ち・西へ」が使用されるため、新しい車内チャイムを体験するにはJR東海の車両に乗車する必要があります。しかし、充当される車両がJR東海車かJR西日本車であるかは乗車してみるまで分かりません。JR東海車に乗車できるといいなと思いながらホームで入線を待っていると、期待どおりJR東海車がやってきました😊。

 これまで「AMBITIOUS JAPAN!」の車内チャイムをずっと聴いてきたので、新しい車内チャイムを初めて聴いた瞬間は「?」って感じでした。確かに「会いにいこう」だと感じられるのですが、どの部分のメロディーをアレンジしたものなのか、数回聴いただけではよく分かりませんでした。まあ、これから何度も聴く機会があると思いますので、いずれは分かるんじゃないかと思います。

 

京都駅に到着

 京都駅に到着しました。これまでの乗り鉄旅でも何度か京都を訪れていますが、東海道新幹線を利用して京都駅で下車したのは久しぶりです。この時間帯の京都駅を眺めるのも数年ぶりです。

 京都駅では、ちょっと早めの夕食タイムです。京都駅の南北自由通路にある階段下(新幹線中央乗換口横)にスパイシーマサラというカレー専門店があります。このお店には、新幹線の食堂車で提供されていたカレーを復刻した、その名も「新幹線懐かしの食堂車プレミアムビーフカレー」というメニューがあるとのことです。鉄道ファンとして一度は味わってみたいと思い、今回はここで夕食をいただくことにしました。

 ですが、すでに売り切れとなっていました😓。残念です。仕方ないので今回はごろごろ野菜カレーをいただきました。パプリカ、ピクルス、ヤングコーンなどの夏野菜だけでなくレンコンやサツマイモも添えられており、見た目にもきれいなカレーです。僕にとってはちょっと辛め🌶でした。

 お腹がいっぱいになったところで、今度は入浴です。サンライズエクスプレスと異なり、「ウエストエクスプレス銀河」の車内にはシャワー設備がありません。以前は、京都タワーに入浴施設があったのですが、数年前に営業を終了してしまいました。京都タワーは駅から至近距離なので、ここに入浴施設があると便利なんですけどね。これまた残念です。やはり新型コロナによる利用客減少の影響なんでしょうか? 今回は駅から少し歩いて、東本願寺付近にあるホテルの日帰り入浴を利用しました。

 今日一日の汗をしっかり洗い流し、さっぱりして京都駅に戻って来ました。まだ発車時刻までには余裕がありましたが、待ちきれない気持ちになり早めに改札を入りました。そして「ウエストエクスプレス銀河」が発車する31番線ホームに向かいます。

 

京都駅から「ウエストエクスプレス銀河」に乗車

 すべての準備を整えて、ついに待望の「ウエストエクスプレス銀河」に乗車するわけですが、ここで「ウエストエクスプレス銀河」の基本情報をおさらいしておきたいと思います。

 まず「ウエストエクスプレス銀河」に使用される車両ですが、かつて名古屋地区や京阪神地区の新快速などで使用されていた117系6両編成を種車として改造された列車が使用されています。「銀河」という愛称からは、かつて東京ー大阪間で運行されていた寝台急行「銀河」を連想する人も多いと思いますが、寝台急行「銀河」で使用されていた24系25型の客車(いわゆるブルートレイン)を彷彿とさせる瑠璃紺色で塗装された外観が印象的な車両です。改造に際しては、一部の乗降扉や側窓が塞がれるなどしていますが、先頭車両の運転席周りは種車の姿のままで、通勤型(近郊型)車両として活躍していた当時の117系の面影が残されています。

 117系と言えば、少し前までは草津線などでも運行されていましたが、京都地区からはすでに引退しており、岡山地区でも新型車両の導入によって7月21日に運行を終えてしまったため、今後117系に乗車する機会は「ウエストエクスプレス銀河」のみとなってしまいました。

 次に「ウエストエクスプレス銀河」の運行ですが、主に次の3つのルートがあります。

  1. 山陰ルート まず1つ目は、今回僕が乗車する山陰ルートで、運転区間は京都―出雲市間です。往復とも夜行特急列車として運行されます。本年は4月3日から8月10日までの期間で運転日が設定されています。
  2. 山陽ルート 2つ目は山陽ルートで、大阪ー下関間を結びます。3つのルートのうち最も長距離となるルートでもあり、過去には冬季期間に運転日が設定されましたが、今年は8月下旬に限り団体専用列車として運転されるようです。過去の運行ダイヤを見ると、往復とも昼行特急列車として運行されました。
  3. 紀南ルート そして3つ目は紀南ルートで、京都-新宮間を走ります。2021年5月に追加されたルートで、京都発は夜行特急列車として、新宮発は昼行特急列車として運行されます。今年も9月以降にこのルートでの運転が行われることが発表されています。

 そして運転日についてですが、「ウエストエクスプレス銀河」の専用車両は1編成しかないため、期間中に週2往復程度が設定されています。今期の山陰ルートについては、毎週水曜日と土曜日に上り(出雲市→京都)、金曜日と月曜日に下り(京都→出雲市)が運転されます(ゴールデンウイーク等の一部期間を除く)。山陰ルートでは、上り下りとも夜行特急列車として運転されるため、週末(土日)にまたがって乗車できる金曜日の京都発と、土曜日の出雲市発が特に人気のようです。

 そして今回僕が乗車するのは金曜日の京都発で、出雲市までの運行ダイヤは次のとおりです。なお、同じ下り列車でも金曜日発と月曜日発とでは、一部の途中停車駅での発着時間が異なっているようです。

 「ウエストエクスプレス銀河」の概要はこのくらいにして、話を今回の乗り鉄旅に戻します。

京都駅

 京都駅の31番線付近には、僕と同じように「ウエストエクスプレス銀河」に乗車するであろう方々が次々と集まってきます。と言っても、全車指定席で座席数も限られているため、大混雑といった感じではありません。30番線と31番線の発車標に列車名が表示されると、「ウエストエクスプレス銀河」の映像がモニター部にも映し出され、否が応でも乗車気分が高まってきます。

 しばらくすると入線を知らせる案内放送が流れ、ついに117系7000番台「ウエストエクスプレス銀河」が姿を見せました。早速、ホームから「ウエストエクスプレス銀河」を撮影します。

発車を待つ117系7000番台「ウエストエクスプレス銀河」:京都駅 2023/7/21

 発車前の時間を利用して先頭車両を撮影してみましたが、照明の関係からか、瑠璃紺色の車体がうまく撮影できませんでした。暗すぎます😰。そうこうしているうちに「ウエストエクスプレス銀河」は出発時刻を迎えてました。ここから終点の出雲市駅まで約12時間の旅が始まります。

 京都駅を出発すると、列車は次の停車駅である新大阪駅に向かって東海道本線を西に進みます。途中駅では運転停車があり、後続の「サンダーバード」号に追い越されますが、面白いことに、新快速にも追い越されました。「ウエストエクスプレス銀河」は『特に急がない特急』なのです。

新大阪駅

 新大阪駅では、約10分停車します。京都駅の発車前には、上手く撮影できませんでしたが、新大阪駅のホームは全体的に明るく、この停車時間を利用して先頭車両を撮影することができました。

 新大阪を出発すると、大阪、三ノ宮、神戸、西明石と主要駅に次々に停車していきます。次の姫路駅に到着するには23時48分で、約1時間停車します。姫路駅では、6番線ホームにあるそば屋さんが「ウエストエクスプレス銀河」の乗客のために特別に営業しており、停車時間を利用して名物のえきそばをいただくことができます。僕はと言えば、あまりこの時間に食事をする気分にはなれませんでしたので、今回は遠慮しました。今さら気がついたのですが、姫路駅では写真を撮影するのを忘れていました😓。

 姫路駅を発車すると、次の停車駅は伯備線生山駅で、翌朝6時2分の到着まで扉扱いはありません。ここからは深夜帯になるため、車内は減灯され、車掌さんによる案内放送も翌朝までお休みとなります。僕もベッドの準備をしてゴロンと横になりました。

 実は乗車前、「ウエストエクスプレス銀河」の車内でもしっかりと寝ることを楽しみにしていたのですが、実際に乗車してみると、なぜだかあまり寝付けません。サンライズエクスプレスなどと比べると走行音や振動音が気になるというのもありますが、僕は周囲が真っ暗でないと寝付けないタイプなので、通路の照明が気になって仕方ありません。ベッドの上でゴロゴロしており、寝たか寝ていないか自分でもどっちなのか分からないまま結局、朝を迎えてしまい、時計を見ると5時30分くらいだったため、少し早いですが、顔を洗ったり着替えを済ませて身支度を整えました。

生山駅

 上の写真は生山駅で撮影したものです。似たような写真を撮影し過ぎですね😅。分かってはいるんですが、旅の記念にとついつい停車駅ごとに撮影してしまいます。やはり夜間よりも日中の方がキレイに撮影できます。

 生山駅鳥取県日南町にある駅で、特急「やくも」の約半数が停車します。ホーム上では、地元産のトマトを使用したトマトジュースなどが販売されていました。僕は特にトマトが苦手ではありませんが、なぜか昔からトマトジュースが大の苦手です。約6時間ぶりの停車駅ということで、列車から多くの乗客が下車していました。また、記念品として「生山駅上石見駅100周年記念ポストカード」や「ウエストエクスプレス銀河」とヒメボタルが描かれた缶バッチなどをいただきました。記念ポストカードには、生山駅とその隣の上石見駅の新旧駅舎が描かれていました。

米子駅

 次の写真は米子駅です。米子駅は、鳥取県鳥取市に次ぐ2番目の都市である米子市の中心駅で、特急列車を含むすべての列車が停車します。米子駅でも地元産の特産品の販売が行われており、米子武者隊のお出迎えや「ウエストエクスプレス銀河」の大きな横断幕での歓迎もあり、ホーム上では多くの方が記念写真を撮影していました。

松江駅

 列車はいよいよ島根県に入り、安来駅に停車した後、松江駅に停車します。松江駅では約12分停車しますが、生山駅米子駅のような特産品の販売は行われていないようです。まつえ若武者隊のメンバーの方によるお出迎えがありました。

 

 各駅での趣向を凝らしたお出迎えも貴重な経験といえますが、山陰本線沿線の朝の車窓を何も考えずにぼーっと眺めるのも、実に心地よいものです。人間は意図的に何か活動している時よりも、何もせずに心穏やかに過ごしている時の方が、実は高い満足感が得られるのかもしれません。何にも拘らず、何にも縛られずにこんな時間がずーっと続けばいいのですが、現実はなかなか希望どおりには進まないものです。

 

記念乗車証の紹介

 さて、乗車中には、大阪車掌区さんと米子車掌区さんが作成した記念乗車証をいただきましたので、ここで紹介します。


 続いて車内の様子もお伝えさせていただきますが、ちょっと記事が長くなってきましたので、次の記事で紹介しますね。

>>(2)に続く