レン鉄★気ままな乗車記

乗り鉄&きっぷ鉄の管理人が、備忘録を兼ねてブログに綴っていきます。

乗り鉄&きっぷ鉄っぽい管理人が、乗り鉄旅行とそこで使用したきっぷを思うがままに記録したブログです。
どうぞ、お付き合いください。
 

観光列車「52席の至福」とSL「パレオエクスプレス」に乗車(1)

 僕は、乗り鉄旅の際に旅行商品を利用することがあります。特に東海道・山陽新幹線を利用する場合には、JR東海ツアーズや日本旅行などから色々な旅行商品が発売されており、しかも正規運賃・料金に比べてオトクに購入できることから、旅行行程に適した商品が見つかれば、積極的に利用するようにしています。こうした商品は、いわゆる個人旅行向けの旅行商品と言われるもので、主に往復の交通費と宿泊代金がセットになって発売されてます(もちろん日帰り商品もあります)。現地での食事や施設への入場料などが含まれていないことから、フリープランとも呼ばれ、通常の乗車券類をきっぷうりばで購入した場合とほぼ同じ感覚で利用することができます。一方で、旅行会社が発売している商品の中には、添乗員付きのパッケージツアー(団体旅行)というものもあります。団体旅行と言うと、真っ先にバスツアーを思い起こしますが、バス利用に限らず、最近は観光列車やレストラン列車への乗車を組み込んだツアーが設定されることもあり、乗り鉄的にはこちらも見逃せません。両者にはそれぞれ特徴があり、内容や価格も様々ですが、乗り鉄的な観点から個人旅行と団体旅行のメリットを比較すると、次のようになります。

🔵個人旅行商品(日帰り1dayやバリ得こだまなど)
 自分の都合にあわせて出発日や出発時間、乗車する列車やその設備(自由席か指定席か、普通車かグリーン車か)を希望にあわせて選ぶことができる。
 満席になることはほとんどなく、出発日直前でも購入することができる商品も多い。

🔴団体旅行商品
 きっぷ類を個別に手配する必要がないため、個人では予約が取りづらい人気列車(観光列車やレストラン列車)にも乗車しやすい。
 決められた行程にしたがって行動するため、自身で旅行行程を作成する必要がない。

 僕の場合、事前に旅行行程を作成したり、きっぷ類を手配することは全く気にならず、むしろ旅行出発前の準備の一環として楽しみのひとつになっています。また、決められた行程を添乗員さんの引率によって旅行するよりも、自分で計画したルートを自分の好きなタイミングで移動する方が好きなので、団体旅行よりも個人旅行の方が向いています。しかし、団体旅行には、個人では予約が取りづらい観光列車や、窓口で購入するきっぷ類では乗車できない団体列車に乗車できるという大きなメリットがあります。これまでの乗り鉄旅においても、ハイグレード車両E655系「和 なごみ」に乗車したり、定期運行を終えたE26系客車を使用した「カシオペア紀行」に参加したりしましたが、これらはともに団体旅行商品を利用したものです。

len-railway.hatenablog.jp

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 また、観光列車のうちレストラン列車と呼ばれるものに乗車する際にも、団体旅行商品を利用したことがあります。例えば昨年12月に乗車した「TOHOKU EMOTION(東北エモーション)」には、個人で手配する方法と団体旅行商品を購入する方法とがありましたが、個人で手配しようとする場合、2名以上でないと申し込むことができません。一方、大手旅行会社が発売する団体旅行商品の中には、1名でも申し込むことができるものがあり、1名で利用したい時には、そうした団体旅行商品を購入する方法しかありません。レストラン列車の中には、昨年10月に乗車した「雪月花」のように、個人手配でも1名から申し込むことができるものもありますが、僕の感覚としては、個人手配では2名以上からの申込みとなっている列車も少なくないと思っています。

 「TOHOKU EMOTION」と同様、個人では2名以上の申込みでないと手配できないレストラン列車として、西武鉄道が運行している「52席の至福」があります。23区内を発着する数少ない本格的なレストラン列車で、日帰り旅としても利用できることから、いつか乗車してみたいと思っていました。調べてみると、クラブツーリズムが「52席の至福」への乗車と現地での観光をセットした団体旅行商品を発売していましたが、思った以上に高額で、正直ちょっと躊躇していました。そんな中、他の旅行会社に「52席の至福」に乗車できる手頃な旅行商品を発売しているところはないかと検索していたところ、JR東日本グループの旅行会社であるJR東日本びゅうツーリズム&セールスが発売している旅行商品に目が留まりました。それは“西武 旅するレストラン「52席の至福」と秩父鉄道「SLパレオエクスプレス」日帰りの旅”というもので、僕のような乗り鉄好きにはピッタリな旅行商品です。ねだんもクラブツーリズムの商品よりも安価で、しかも「52席の至福」だけでなく「SLパレオエクスプレス」にも乗車できるというものでした。

 思い起こせば以前、友人Dと2人で「SLパレオエクスプレス」に乗車しようと計画したことがありました。当時はWebページから指定席券を予約できるシステムがなく、JR東日本みどりの窓口などで購入する方法が一般的でしたが、友人Dに頼んで窓口で購入してもらおうとしたところ、希望する日の指定席にほとんど空席がなく、そうかと言って、自由席(当時は指定席車が3両、自由席車が1両となっていました。)では心許ないことから、結局、乗車を諦めてしまったことがあります。また、「52席の至福」は、2016年4月の運行開始以来、その存在はもちろん把握していましたが、先にお話しししたとおり、西武鉄道主催の旅行商品の場合、個人で申し込む際には2名以上でなければならず、一人旅中心の僕には、なかなか乗車する機会に恵まれませんでした。

 ちなみに「SLパレオエクスプレス」は現在、秩父鉄道のWebページから指定席券を予約できるようになっており、こちらは何とか個人でも手配できそうですが、「52席の至福」に乗車できる機会は限られることから、今回はこの団体旅行商品を購入し、久々にパッケージツアーを利用した乗り鉄旅を楽しむことにしました。(かなり人気があるようで、申込時点ではキャンセル待ちとなりましたが、期限ギリギリになって連絡があり、運よく参加することができた次第です。)

 まずは今回乗車する「52席の至福」のダイヤについて紹介します。西武新宿を10時40分に出発し、終点の西武秩父に13時57分に到着する約3時間の乗り鉄旅です。ランチコースを楽しむにはちょうどいい時間設定で、レストラン列車らしいゆったりした旅が楽しめそうなダイヤとなっています。過去に乗車したことのある方の情報によると、途中駅に30分ほど停車して扉扱いがあるとのことでしたが、公式Webページに記載があるのは、上記の出発・到着時間のみです。

 旅の始まりは西武新宿駅です。西武線は以前、「レッドアロー」や「ラビュー」に乗車する乗り鉄で利用したことがありますが、その際はいつも池袋発着でしたので、西武新宿駅から乗車するのは初めてです。新宿駅と言えば、JR線や地下鉄各線の他に、小田急線や京王線も乗り入れる日本有数のターミナル駅ですが、西武線新宿駅はJRの駅からやや離れた北側にあります。2面3線の頭端式ホームで、日曜日の午前10時台でも多くの列車がひっきりなしに発着していました。10時30分発の特急「小江戸」号が発車すると、ほどなくして2番線に「52席の至福」が入線してきました。待ちに待った列車とのご対面で、早速、写真撮影したいところですが、西武新宿駅にはホームドアが設置されており、うまく撮影できそうになかったため断念しました。

52席の至福として運行している4000系:西武秩父駅芦ヶ久保駅 2022/8/21

 上の写真は、芦ヶ久保駅と終着の西武秩父駅で撮影したものです。先にお話ししたとおり、「52席の至福」の途中停車駅は公表されていませんが、芦ヶ久保駅では30分程の停車時間が設けられており、ホームで記念撮影をしたり、近くにある道の駅に立ち寄ったりすることができます。

 あらためて車両の外観を見ると、種車の4000系の特徴を残していますが、カラーリングは大きく変更されており、空色をベースにして四季の移ろいや豊かな自然をイメージした絵柄が大胆に描かれています。どことなく絵画などの芸術作品に通じるような、印象的かつ独創的なデザインです。それぞれの車両ごとに四季のイメージが割り当てられており、1号車は「春」、2号車は「夏」、3号車は「秋」、そして4号車は「冬」がモチーフとなっています。
 なお、車両は4両1編成となっており、西武新宿発車時点での先頭車は4号車で、最後尾が1号車です(途中の所沢と飯能で進行方向が変わるため、所沢―飯能間では1号車が先頭車両となります)。

 続いて車内です。今回は、芦ヶ久保駅停車中に多くの乗客が一時下車している間の時間を利用して、各号車の車内の様子を撮影することができました。

■1号車

 1号車は見事なまでに“空っぽ”です。デッキ部には車いす対応の大型トイレが設置されていますが、客室部分は何もない多目的スペースとなっています。ここまで車内に何もないとかなり殺風景に思えてしまい、もったいない感じです。特にイベントや催しなどで利用しないときは、例えば秩父の観光案内のパネルを展示するとか、「52席の至福」誕生までのあゆみを紹介するコーナーを設けるなど、何か観光列車らしいものがあると、より魅力が高まるのでないかと感じました。

■2号車

 2号車は客席スペースで、4人向け座席が4区画、2人向け座席が5区画あり、あわせて26の座席が並んでいます。1席当たりの座席幅も広く、前後の間隔も非常にゆったりしているため、窮屈さを感じることはありません。ただし、テーブル上には新型コロナウイルス感染症対策のためのパーテーションが設置されており、また、4人向け座席の通路側には、移動式の大きなパーテーションが据え付けられるため、実際に着席していると、何となく取り囲まれているような感じがします。基本的には4号車と同じレイアウトになっていますが、一部の内装素材に違いがありました。

■3号車

 3号車は1両まるごとキッチンスペースで、オープンキッチンとクローズドキッチンに分かれています。車内の雰囲気は「TOHOKU EMOTION」の2号車に似ており、本格的なキッチンスペースになっています。上の写真を撮影した時には、すでに料理の提供が終了していたため、オープンキッチンスペースには特に何も準備されていませんが、ここで52名分の料理が調理される様子も見てみたいものです。

■4号車

 4号車も2号車と同様、すべて客席スペースとなっており、2号車の26席と4号車の26席をあわせて編成全体で52席が用意されているということになります。僕が今回乗車したのもこの4号車です。今回乗車した便では、JR東日本びゅうツーリズム&セールスが4号車をすべて貸し切っているとのことで、空席はなかったようです。僕としてはできれば2人向け座席がよかったのですが、座席位置を希望することはできないことから、結果として4人向け座席に相席となりました。

 そして最後に、提供された料理も写真に収めましたので、ここで紹介したいと思います。

 感想としては、料理のクオリティが非常に高く、本格的なものだと感じました。メニューは3か月ごとに変更されるとのことで、現在は夏のメニューで提供されています。特に2品目はスイカガスパチョで、初めはどんな味だろうと半信半疑でしたが、実に夏らしいさっぱりとしたスープでした。食レポは大の苦手なので感想はこの程度にしておきますが、機会があれば是非、秋メニューや冬メニューも食べてみたいと思えるような料理の数々でした。

 今回の乗車に使用した乗車票(きっぷ)です。西武新宿駅に集合した際に添乗員さんから参加者に配布されたもので、西武線が1日乗り放題となるものです。単に西武新宿→西武秩父の乗車票でも良さそうなものですが、「52席の至福」への乗車特典という意味合いがあるのでしょうか。ちなみに座席番号は、別に手書きの用紙が配られ、決められた座席に着席するようになっています。乗車後に周囲の様子を見ていると、どうやら2名参加の組に優先的に2人向け座席が割り当てられ、その他の組や1人利用の場合には4人向け座席が相席で割り当てられていたようです。

 西武秩父到着後は、「SLパレオエクスプレス」に乗車するため、添乗員さんの引率のもと、秩父鉄道御花畑駅に移動します。少し長くなってきましたので、「SLパレオエクスプレス」の乗り鉄旅は次回、紹介していきます。

 >>(2)に続く