レン鉄★気ままな乗車記

乗り鉄&きっぷ鉄の管理人が、備忘録を兼ねてブログに綴っていきます。

乗り鉄&きっぷ鉄っぽい管理人が、乗り鉄旅行とそこで使用したきっぷを思うがままに記録したブログです。
どうぞ、お付き合いください。
 

3つの「ものがたり列車」に乗車する四国乗り鉄旅(2)

 前回の記事からの続きです。

 前置きが長くなってしまいましたが、次はいよいよ「ものがたり列車」に乗車します。アンパンマン列車に揺られながら多度津まで移動すると、すでにホーム横の留置線にお目当ての列車が停車していました。それがこの列車です。

f:id:Len_Railway:20201108160255j:plain

1号車の「春萌(はるあかり)の章」:多度津駅 2020/11/6

f:id:Len_Railway:20201108160401j:plain

2号車の「夏清(なつすがし)の章」:多度津駅 2020/11/6

f:id:Len_Railway:20201108160619j:plain

3号車の「秋彩(あきみのり)の章」:多度津駅 2020/11/6

 多度津からは、一つ目の「ものがたり列車」であるキハ185気動車の「四国まんなか千年ものがたり」に乗車します。この列車には、上りと下りでそれぞれ列車名が付けられており、僕が乗車する多度津大歩危は「そらの郷紀行」、大歩危多度津は「しあわせの郷紀行」と呼ばれています。列車は3両編成で、それぞれの号車ごとに外観と内装のデザインが異なっています。外観のデザインは四季の移ろいを表現しており、1号車の「春萌(はるあかり)の章」は緑色、2号車の「夏清(なつすがし)の章」は青色で反対側の「冬清(ふゆすがし)の章」は白色、3号車の「秋彩(あきみのり)の章」は赤色を基調としており、カラフルな外観が目に飛び込んできます。

f:id:Len_Railway:20201108160931j:plain

「春萌の章」の4人掛けテーブル席

f:id:Len_Railway:20201108161051j:plain

「夏清の章」と「冬清の章」のグループ席

f:id:Len_Railway:20201108161159j:plain

「秋彩の章」の1人掛けカウンター席

 上の写真は、各号車の主な座席を撮影したものです。他の乗客がなるべく写り込まないように注意しており、撮影できたのは一部の座席に限られます。ちなみに1号車と3号車は、カラーリングは異なるものの座席配置はほぼ共通で、1人掛けのカウンター席、2人掛けのテーブル席、4人掛けのテーブル席の3種類が用意されています。2号車は3~4人用のグループ席で長テーブルが並んでいます。また2号車には、お土産などグッズ販売を行うカウンターも設置されていました。どの座席の色合いも、外観の色調と統一されており見事です。JR四国がこの列車にかける並々ならぬ想いが、しっかりと伝わってきました。

 全車グリーン車ということもあり、どの座席も間隔が広く、ゆったりと寛ぐことができます。特に1号車と3号車では、2人掛けと4人掛けのテーブルが千鳥配置となっているため、通路をはさんで反対方向の景色を眺める場合でも、視界を遮られることがありません。進行方向の左右に広がる風景を楽しむための配慮なのだと思います。また、食事をワゴンで運搬する都合上、通路も広めになっており、乗客同士もスムーズに行き違いすることができます。

f:id:Len_Railway:20201108161337j:plain

f:id:Len_Railway:20201108161355j:plain

 「四国まんなか千年ものがたり」は、乗車するだけでも十分にその魅力を感じることができますが、事前に車内での食事を予約することで、地元産の食材を使用した料理を堪能することができます。普段は乗り鉄メインの僕ですが、今回は乗車する時間がちょうど昼時ということもあり、「さぬきこだわり素材の洋風料理」というものを事前に予約しておきました。写真はその料理の一部です。見た目も見事で、もちろん味も最高です。琴平駅発車後、先に冷製のものが提供され、その後に温製の煮込み料理やライスが運ばれてきます。そして食後には、コーヒー(または紅茶)とお菓子もあり、まるでレストランで食事をしているような感覚です。車内での飲食ということで、お弁当の延長線上にあるような軽易な食事を想像してしまいがちですが、温製の料理はちゃんとした陶器の食器で提供される本格的なものです。さらに途中の琴平駅にある「四国まんなか千年ものがたり」の乗客専用のラウンジでは、食事の事前予約をした人を対象に温かいスープの提供もありました。まさに至れり尽くせりの「おもてなし」となっています。

f:id:Len_Railway:20201108153214j:plain

 車内での食事は事前予約制のため、遅くとも乗車日の4日前までに食事引換券を購入しておく必要があります。しかしこの引換券の購入がちょっと手間で、JR東日本JR西日本みどりの窓口では購入可能なのに対し、なぜかJR東海管内のきっぷうりばでは購入できません。JR四国の通信販売でも購入可能なため、これを利用することも考えましたが、今回はたまたま直前の乗り鉄旅でJR東日本管内を旅行する機会があったため、東京駅で購入しておきました。通信販売という方法があるとはいえ、JR東海管内でも購入できるようにしてほしいものです。

 なお、事前引換券は、車内でアテンダントさんに渡すことになっているため、手元には残っていませんが、出発前にスキャンしておきました。値段は5,600円と決して安いものではありませんが、車内でこうした食事を楽しむことができ、心暖まるひとときを過ごすことができるということを考えれば、自分へのご褒美としてちょっと贅沢するには、ちょうどいい値段といったところでしょうか。

f:id:Len_Railway:20201108154411j:plain

 「四国まんなか千年ものがたり」は全車グリーン車指定席のため、今回の乗り鉄旅で使用する乗車票だけでは乗車することができません。通常であれば、別に特急券・グリーン券を購入する必要がありますが、今回利用する旅行商品には、グリーン券引換証を1乗車当たり2,000円で購入することができるというオプションがあったため、それを利用することにしました。旅行商品を予約する際に、希望する列車を伝えて手配してもらうという方法です。旅行商品とセットで発券される特急列車のグリーン券とはどういったものかと期待していましたが、届いたきっぷを見てみると、単なる指ノミ券でした。自由席特急券の乗車票に指ノミ券を組み合わせても、グリーン券に相当するものが不足しているような気がして、本当にこれで大丈夫なのだろうかと思っていましたが、当日は、特に問題なく利用できました。乗車票の券面に押印された「指定券発行」が、グリーン券相当の役割を果たしていると解釈するのでしょうか?

 券面には「四国まんなか千年ものがたり」オリジナルのチケッターが押印されていますが、実は自分で押印したものです。観光列車では、乗客がチケッターを押すことができるサービスもあると聞いたことがありましたが、僕はこれまでにそういった機会がありませんでした。今回もアテンダントさんが押印してくれるものと思い押印をお願いしたところ、「よかったら自身で押印してみますか?」と言われ、うまく押印できるかドキドキしながら、初めてチケッターを手に取りました。普段はできない貴重な経験となりました。

 ちなみにグリーン券引換証を申し込む際、僕は1人掛けのカウンター席を希望していましたが、満席で確保できなかったということで、2人掛けテーブル席となりました。平日の運行で、しかも発売初日に手配してもらったにもかかわらず、早々に満席とは驚きです。実際に当日の乗客を見ると、確かに満席でしたが、そのほとんどが何らかのツアー客のようでした。運行開始から3年以上が経過していますが、いまだにその人気は衰えていないようです。

f:id:Len_Railway:20201108162857j:plain
f:id:Len_Railway:20201108162914j:plain

 車内には記念乗車証もあり、自分でスタンプを押印することができます。揺れる車内できれいにスタンプを押すことは結構難しいものです。今回は、いい位置に押すことができましたが、一部がかすれてしまいました。まあ、これもいい思い出ということで、大切にしたいと思います。

 >>(3)に続く