レン鉄★気ままな乗車記

乗り鉄&きっぷ鉄の管理人が、備忘録を兼ねてブログに綴っていきます。

乗り鉄&きっぷ鉄っぽい管理人が、乗り鉄旅行とそこで使用したきっぷを思うがままに記録したブログです。
どうぞ、お付き合いください。
 

3つの「ものがたり列車」に乗車する四国乗り鉄旅(3)

 前回の記事からの続きです。

 大歩危で下車した後、後続の特急南風に乗車して終点の高知を目指します。せっかく大歩危まで来たからには、せめて駅前散策くらいはしたかったのですが、この先で二つ目の「ものがたり列車」に乗車するためには、到着直後に大歩危を発車する特急列車に乗車しないと間に合いません。乗車したのは前々の記事で紹介した「あかいアンパンマン列車」でしたが、昼の時間帯に運行される列車のため、自由席はそれほど混雑していませんでした。約50分の乗車で高知駅に到着です。

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あしずり号で使用されている2000系:窪川駅 2020/11/6

 土讃線をさらに西に向かうため、高知駅から先は2000系気動車の特急「あしずり」に乗車します。高知駅での乗換時間は8分でしたが、同じホームでの対面乗り換えのため、特に焦ることもなく無事に乗車できました。特急あしずりは、土讃線の終点である窪川まで行き、さらに土佐くろしお鉄道に乗り入れて中村(一部の列車は宿毛)まで直通しています。今回使用している乗車票は、JR四国全線だけでなく、土佐くろしお鉄道も全線で乗車可能なため、時間に余裕があれば、中村やその先の宿毛まで行ってみたいところですが、今回は窪川までで下車します。

 あしずり号は1日9往復されており、2~3両という短編成で運行されています。ちなみにJR四国の特急列車は、比較的自由席の割合が高く、ひとつの号車の中でも、前方と後方で自由席と指定席に分かれている車両もあります。僕が乗車したあしずり5号は、1号車の前半分が指定席、1号車の後半分と2号車が自由席という設定です。僕の予想では、相当ガラガラなんじゃないかと勝手に思い込んでいたのですが、自由席は結構な乗車率でした。車内を見渡すと、出張と思われる方や旅行客っぽい方もそれなりにいましたが、どうやら地元の方が短区間で特急の自由席を利用しているようです。

 2000系ですが、車両の外観はJR四国の他車両と同じ無地のステンレス製で、コーポレートカラーである水色の帯をまとっています。ドアはプラグ式で、この部分も水色に塗装されており、デザイン上のアクセントにもなっています。車内に目を向けると、背面がFRP製の化粧板で覆われたタイプの座席が並んでおり、何となくJR東海キハ85系気動車に近いものを感じました。

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1号車の「クロフネ(KUROFUNE)」:土佐久礼駅 2020/11/6

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2号車の「ソラフネ(SORAFUNE)」:土佐久礼駅 2020/11/6

 特急「あしずり」で窪川駅に到着すると、隣のホームにはすでに次に乗車する「ものがたり列車」が停車していました。それがキハ185気動車の「志国土佐時代の夜明けのものがたり」です。今回は始発の窪川から終点の高知までの全区間を乗車します。つまり、今しがた窪川に到着したばかりですが、すぐさま高知に逆戻りという訳です。

 「志国土佐時代の夜明けのものがたり」には、「四国まんなか千年ものがたり」と同様に、上りと下りでそれぞれ列車名が付けられています。先に発車する高知→窪川は「立志の抄」、そして僕が乗車する窪川→高知は「開花の抄」と呼ばれています。列車は2両編成で、1号車は幕末の歴史を象徴する「クロフネ」、2号車は新しい時代の夜明けを連想させる「ソラフネ」と呼ばれ、それぞれ異なるコンセプトのもとにデザインされています。

 それぞれの車両の先頭部分には独自の装飾が施され、列車の世界観が表現されていますが、個人的には両車両の連結部付近に描かれた坂本龍馬の絵が何とも印象的でした。

 近年、観光列車のトレンドは水戸岡鋭治氏によるデザインが主流となっていますが、JR四国の「ものがたり列車」は、すべて社内の職員が手掛けたものだそうです。「四国まんなか千年ものがたり」に乗車した時にも感じたことですが、列車のコンセプトが見事にデザイン化されており、他にはないオリジナリティが感じられます。水戸岡氏がデザインした車両は、日本各地で目にすることができますが、「ものがたり列車」には四国でないと出会うことができません。

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 この列車は最も新しい「ものがたり列車」ということもあり非常に人気が高く、指定席券は発売直後に完売となってしまうことも少なくないようです。僕が乗車したのは2号車でしたが、1号車は団体のツアー客がすべて押さえているようでした。できれば途中駅での停車中に、乗客が少ないタイミングを狙って1号車の車内を撮影したいと思い、何回か1号車の様子を見に行きましたが、常に団体の乗客が出入りしており、結局、車内の様子を撮影するタイミングがありませんでした。そのため、上の写真は2号車の車内を撮影したものです。とは言うものの、2号車も満席でしたので、満足いくアングルで撮影できなかったことが少し残念です。この2号車の内装について、JR四国によれば『宇宙空間までにも繋がる未来への「夢」をコンセプトに、レトロSF小説で描かれる空想科学上の宇宙船をイメージ』しているということで、これまでにないユニークな車内装飾となっていました。

 列車は全車グリーン車となっており、車内の座席配置は、1号車と2号車で異なっています。1号車は対面座席となっており、3~4名で利用できるBOX席と1名でも利用可能な「高知家の団らんシート」があります。2号車は全席が窓向きのカウンター形式の座席となっており、うち山側席は2名での利用に適した配置となっています(新型コロナウイルス感染症対策のため、1号車の「高知家の団らんシート」は当面の間、窓向きのカウンター形式の座席に変更されています)。

 ちなみに「志国土佐時代の夜明けのものがたり」でも、事前に予約すれば車内での食事を楽しむことができます。僕はすでに「四国まんなか千年ものがたり」の車内で昼食を済ませており、かといって午後3時過ぎでは、夕食というのも早過ぎる中途半端な時間なので、食事の予約はしませんでした。逆にこんな時間に食事する人はほとんどいないんじゃないかと勝手に思っていましたが、実際に乗車してみると、ほとんどの方が事前予約の食事を利用していました。うーん、皆さんは遅い昼食なんですか?それとも早い夕食なんですか?食事の時間ではないものの、ちょっとしたおやつタイムにはいい時間なので、何か注文してみようと車内メニューを見ると、いくつかのデザート類も販売されています。アテンダントさんに確認すると、モンブランがあるということだったので、これを注文しました。

 「志国土佐時代の夜明けのものがたり」は、時刻表上での乗降可能駅は、高知駅土佐久礼駅ー窪川駅となっていますが、途中駅で数回の運転停車があり、駅によっては車外に降りて地元の方のおもてなしを受けることもできます。僕も途中駅で列車から下りて、写真撮影をしました。

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 「四国まんなか千年ものがたり」と同様、「志国土佐時代の夜明けのものがたり」のグリーン券も、旅行商品のオプションであるグリーン券引換証で手配してもらいました。もちろんこちらも指ノミ券です。ちなみに車内では、そもそも乗車券類の確認すらありませんでした。券面のチケッターは、アテンダントさんにお願いして押印しもらったものです。

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 「志国土佐時代の夜明けのものがたり」にも車内に記念乗車証がありました。こちらも自分でスタンプを押印することができます。このスタンプのデザインは、上下左右がよく分からなかったので、何となく自分の勘で向きを決めました。これで正しい向きなんでしょうかね。

 >>(4)に続く