レン鉄★気ままな乗車記

乗り鉄&きっぷ鉄の管理人が、備忘録を兼ねてブログに綴っていきます。

乗り鉄&きっぷ鉄っぽい管理人が、乗り鉄旅行とそこで使用したきっぷを思うがままに記録したブログです。
どうぞ、お付き合いください。
 

西九州新幹線と2つの観光列車に乗車する九州乗り鉄旅(2)

 前回の記事からの続きです。

 長崎駅を訪れるのは今回が初めてですが、新しいきれいな駅舎となっていました。ちょっと調べてみると、2000年9月に4代目となる駅舎が完成したそうですが、駅全体が高架化されることに伴い供用を終了し、2020年3月から現在の駅舎が使われているそうです。ということは、先代の駅舎はたった20年間しか使われなかったということになり、年数だけを見れば何だかもったいないような気もします。しかし最近は、都市部を中心として踏切を撤去するための連続立体交差事業が進められていることから高架化は避けられず、また西九州新幹線の開業を見据えると、より利便性が高く、時代にあった駅舎が必要になったということだと思います。

 そんな長崎駅ですが、ここからは今回の乗り鉄旅の目的のひとつである「ふたつ星4047」に乗車します。まずは「ふたつ星4047」の運転日と運転区間ですが、現在は、金・土・日・月曜日や休日を中心に運転されており、それぞれの運転日には、武雄温泉―江北―諫早―長崎を主に長崎本線経由で走行する午前便と、長崎―諫早早岐―武雄温泉を主に大村線佐世保線経由で走行する午後便とが設定されています。発駅と着駅は同じですが、単純な往復ではなく、途中の経路が一部異なっていることから、往路と復路では違った路線の旅を楽しむことができるようになっています。僕の場合、時間的に午前便には乗車できないことから、長崎発の午後便に乗車することにしました。午後便の運転時刻は次のとおりです。

 始発の長崎から終点の武雄温泉までを約3時間で結び、途中の停車駅は、諫早、新大村、千綿、ハウステンボス早岐、有田の6駅です。特急という種別である以上、基本的には利用者の多い駅に停車していきますが、千綿駅はその例外で、ここはいわゆる観光目的での停車ということになります。

 それでは早速、今回乗車した「ふたつ星4047」を紹介したいと思います。長崎駅では、ちょっと遅めの昼食を済ませてお土産のカステラを購入した後、早々に在来線ホームに移動しました。実は新幹線を下車する際に在来線ホームに目を向けた時、すでに「ふたつ星4047」が停車していたため、少し早めにホームに行けばゆっくりと写真撮影ができると思い、時間に余裕を持って発車番線に向かいました。

ふたつ星4047で使用されているキハ40形・47形:長崎駅 2022/10/14

 そこで撮影したのが上の写真です。発車時刻まで余裕があったため、反対側のホームに移動して車両全体の姿も撮影してみました。

 ここで、「ふたつ星4047」という列車名について紹介したいと思います。九州を走る列車と言えば、日本における周遊型豪華寝台列車(クルーズトレイン)の先駆けである「ななつ星in九州」が名実ともに有名ですが、何だかこの2つの列車はちょっと名前が似ています。「ななつ星〜」は九州7県を示しているのに対して、「ふたつ星〜」は佐賀県長崎県を表しているそうです。そして「〜4047」という謎の数字ですが、これは使用車両の形式であるキハ40形・キハ47形を示しているものです。つまり「ふたつ星4047」は、キハ40・47形車両に乗車して佐賀・長崎両県での観光を楽しむ列車ということになります。

 外観はパールメタリックを基調とし、輝かしいゴールドのロゴとラインを配したもので、「36ぷらす3」と対をなすようなカラーリングとなっています。車両のデザインはN700Sの「かもめ」と同じく水戸岡鋭治氏が手がけており、JR九州の他のD&S列車に通じる水戸岡テイストが伝わってきます。

 そしてこの「ふたつ星4047」車両ですが、カラーリングは変更されているものの、その外観にはどこか見覚えがあります。特に各車両の中央部に設けられた大型の側窓から、何となく種車が思い浮かぶ方もいると思います。実は「ふたつ星4047」用の3両のうち、1号車と3号車は「はやとの風」車両であった2両を再改造したもので、2号車は「いさぶろう・しんぺい」の予備車を再改造したものです。吉松―鹿児島中央間を結んでいた「はやとの風」は、僕が2017年に乗車した際は毎日運転される定期列車で、当時は指定席の確保も難しい状態でしたが、いつの間にか臨時列車となってしまい、2022年3月にはついに運行を終了しました。そこでこの列車が改造され、「ふたつ星4047」へと生まれ変わったというわけです。

 ちなみに1号車と3号車は普通車指定席の座席車ですが、2号車は「ラウンジ40(よんまる)」と名付けられた共用スぺースとなっており、指定席としての設定はありません。

 この日は平日にもかかわらず、すべての座席が発売済となっていました。長崎発車時点で周囲を見渡すと、確かにほとんどの座席が埋まっています。特に旅行会社が団体枠で座席を確保しているという雰囲気はなかったので、個人での旅行者が多かったということだと思いますが、正直、満席になるほど混雑するとは思っていなかったので、少し驚きました。

 車内が混雑する中で、車内の様子を撮影しずらい状況でしたが、なるべく人の少ない停車時間帯などのタイミングを利用して、ちょっとだけ座席や内装なども撮影してみました。

1号車

 午後便の場合、1号車は進行方向に向かって最後尾の車両となります。車内には一般的な回転式リクライニングシート以外に、4人掛けのボックス席と2人掛けソファ席があります。上の写真はリクライニングシートの一部を撮影したものですが、座席自体は僕が乗車した3号車のものと変わりありません。ただ、3号車のものより少し明るい色調のものが使われており、車内も軽快な雰囲気です。

2号車

 さきほどお話したとおり、2号車は1両丸ごとラウンジカーとなっています。車端部にビュッフェ兼物販カウンターがあり、その前には壁際にショーケースがあります。その他のスペースには、乗客が自由に利用することができるカウンター席やソファ席がありました。ちょうど「36ぷらす3」のマルチカーに似た雰囲気です。しかし、お互いに譲り合うという雰囲気がなく、一部の方がずっと独占している感じがしました。2人掛け座席で他の乗客と相席になるのを嫌ったり、テーブル付きの座席を使いたいという方が長時間に渡って利用しているようです。本来であれば、ビュッフェで購入したものを飲食する方や、指定された座席とは違った雰囲気で車窓を楽しみたい方が一時的に利用するスペースだと思いますので、早い者勝ち状態となってしまっているのは残念でなりません。

3号車

 今回僕が乗車したのが3号車です。車内の座席はおおむね1号車と同じで、回転式リクライニングシートと2人掛けソファ席がありますが、1号車にある4人掛けボックス席がない代わりに、1人掛けのカウンター席が4席設けられています。上の写真を見てもらうと分かりますが、回転式リクライニングシートは1号車のものと同じですが、少し暗めの落ち着きのある色調のものとなっています。1号車もそうですが、種車である「はやとの風」で使用されていたものがそのまま再利用されているようです。

 午後便は、一部区間大村湾沿いの海岸線近くを走るため、車窓の間近に海が広がっています。僕は進行方向左側の窓側にあたるD席だったため、こうした風景を存分に味わうことができました(この季節は陽が強く当たるため、かなり眩しいですが…)

ふたつ星4047で使用されているキハ40形・47形:千綿駅 2022/10/14

 途中停車した千綿駅でも写真を撮影しました。この駅では、約10分間の停車時間が設けられています。千綿駅青春18きっぷのポスターとして登場したことのあるそうで、ホームからは間近に海を望むことができます。以前、「伊予灘ものがたり」に乗車した際に予讃線の下灘駅に降り立ったことがありますが、どこか似たような雰囲気があります。また、レトロな木造駅舎も趣があり、多くの方が写真撮影していました(僕は駅舎の撮影を忘れてしまいました…)

 千綿駅では、「ふたつ星4047」の到着にあわせて、「くじら焼き」の販売が行われていました。千綿駅到着前、アテンダントさんから「くじら焼き」の案内がありましたが、はたしてどんな食べ物なのかよく分からず、興味本位で様子を見に行ったところ、どうやら「たい焼き」のくじらバージョンのようです。ちょうど小腹が空いていたので、車内で食べてみようと買ってみました。値段は2枚入りで500円です。モチモチ食感で、食べごたえは十分です。くじらをイメージした形ということでしたが、うーん、言われてみればくじらのようにも見えるのかなっていう感じです。ちなみに、一枚は小豆餡でもう一枚は抹茶餡でした。僕のお気に入りは抹茶餡の方です。

ふたつ星4047で使用されているキハ40形・47形:武雄温泉駅 2022/10/14

 終点の武雄温泉駅でも、最後に車両の外観を撮影しました。長崎から約3時間の乗り鉄旅でしたが、先ほどお話したとおりかなりの混雑ぶりで、あまりゆったりとできなかったのが心残りです。佐賀・長崎DCが終わり一段落すれば、もう少し落ち着いた車内で気兼ねなく乗り鉄旅を楽しめると思いますので、機会があればもう一度乗車してみたいと思えるような列車でした。

 車内には記念乗車証が置かれており、自由に記念スタンプを押印することができるようになっていました。揺れる車内で所定の位置にスタンプをきれいに押印するのは意外と難しいのですが、今回はうまく押印することができました。以前に乗車した別のD&S列車でも、こうしたポストカードサイズの記念乗車証をいただいたことがあります。旅の思い出として、大切に保管したいと思います。

 今回の乗車に使用したきっぷです。「ふたつ星4047」は座席数も少なく、特に希望する窓側座席は早々に完売してしまうことが想定されたため、いわゆる10時打ちで確保しました。本当のところを言えば、3号車にある1人掛けカウンター席が希望だったのですが、残念ながら10時打ちでも確保できませんでした。デビューからまだ1か月も経っておらず、また、佐賀・長崎DC期間中ということもあって、指定券の確保は難しい状態が続いているようです。

 さて、今回の1泊2日の乗り鉄旅のうち、1日目が無事に終了しました。いよいよ明日は、西鉄のレストラン列車である「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」に乗車しますが、その様子はまた次回の記事でお伝えしたいと思います。

 >>(3)に続く