レン鉄★気ままな乗車記

乗り鉄&きっぷ鉄の管理人が、備忘録を兼ねてブログに綴っていきます。

乗り鉄&きっぷ鉄っぽい管理人が、乗り鉄旅行とそこで使用したきっぷを思うがままに記録したブログです。
どうぞ、お付き合いください。
 

大阪阿部野橋から吉野まで往復乗り鉄旅

 鉄道好きの方はご存じだと思いますが、近鉄は日本で最長の路線網を持つ私鉄で、総営業キロ程は500kmを超えています。また、保有路線には、標準軌(1,435mm)と狭軌(1,067mm)の2つの線路の幅があり、奈良・京都線系統と大阪・名古屋線系統は標準軌南大阪線系統は狭軌となっています。実際に乗り鉄旅をする際に軌間の違いを意識することはありませんが、「しまかぜ」や「アーバンライナー」などの標準軌用の車両は狭軌線に入線することができず、逆に狭軌用の車両が標準軌線に乗り入れることもありません。

 僕はこれまで、名古屋から伊勢・鳥羽方面や大阪方面、京都から奈良方面へ近鉄特急を利用したことはありますが、南大阪線系統の狭軌線の列車には乗車したことがありません。南大阪線系統には、大阪阿部野橋から桜で名高い吉野までの間を「さくらライナー」や観光特急「青の交響曲」などが直通運転しており、一度は乗車してみたいと思っていました。特に「青の交響曲」は人気が高く、発売開始直後に特急券が完売してしまうこともあるようで、なかなか乗車する機会がありませんでしたが、今回は運よく、近鉄のインターネット予約サービスを利用して特急券を確保することができたため、大阪阿部野橋ー吉野を近鉄特急で往復する乗り鉄旅に行くことにしました。

 天王寺までは、青春18きっぷを利用して移動します。大阪阿部野橋発14:10発の「青の交響曲」第3便に乗車するため、遅めの出発でも間に合いますが、せっかくなので関西地区の他の列車にも乗車してみよう思い、早めの出発にしました。米原までは比較的順調でしたが、米原から乗車した新快速が激混みで、何とか着席できたのは京都からです。青春18きっぷ利用期間ということで、ある程度の混雑は覚悟していましたが、想像以上でした。そんなこんなで、大阪駅には予定どおり10時前に到着しました。

 大阪駅到着後、まだ時間に余裕があったため、南海のサザンに乗車しようと思い、地下鉄で難波まで移動しましたが、運悪く南海本線が人身事故の影響で運転見合わせとなっていました。今回の乗り鉄旅は、出だしからあまり運がないようです。サザンに乗車できなくなってしまったことから、再び青春18きっぷ大阪環状線などに乗車して時間を調整し、西九条で昼食を食べた後、天王寺で下車して大阪阿部野橋に向かいました。

 

青の交響曲(16200系)

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青の交響曲で使用されている近鉄16200系:大阪阿部野橋駅 2018/3/31

 大阪阿部野橋から吉野までの往路は、16200系「青の交響曲」(ブルーシンフォニー)に乗車しました。車両は3両編成ですが、2号車はバーカウンターとラウンジスペースとなっており、座席スペースは1号車と3号車です。座席はすべて2+1配置の幅広のデラックスシートで、2人用のツイン席や3~4人用のサロン席などがあり、一人から多人数までの利用に対応しています。種車である6200系の面影は残すものの、外観のデザインや車内設備は観光列車そのもので、「しまかぜ」のような豪華さとは少し違いますが、車内はまるで上品なホテルのロビーにいるような落ち着きのある雰囲気です。

 2号車にあるバーカウンターには、季節のオリジナルケーキセットなどのスイーツを購入する乗客が出発前から列をつくっていました。出発直後しばらくの間は、購入したスイーツをラウンジスペースで食べる方で混雑していましたが、途中からは人もまばらになっていました。せっかくの機会なので、僕もカウンターでドリンクを購入しました。

 吉野は千本桜で有名で、吉野線は開花時期になると多くの花見客で賑わいます。今日は3月下旬でまだ開花には早い時期でしたが、どうやら3号車はどこかの旅行会社による貸切のようでした。団体利用があると多くの席が旅行会社によって押さえられてしまうため、一般客に割り当てられる座席数が少なくなります。「青の交響曲」の特急券の確保が難しい背景には、こうした団体利用が多いといった理由もあるのかも知れません。

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 吉野駅に「近鉄特急運転開始70周年」を記念するスタンプがありました。「青の交響曲」の車両がデザインされ、駅名も入ったスタンプだったため、使用後の乗車券と特急券に押してしまいました。その影響で、券面の印字が若干薄くなってしまいました。ちなみにインターネット予約サービスから特急券を購入した場合、チケットレスで特急列車に乗車できます。大阪阿部野橋駅の駅員さんに特急券として発券してもらえるのか尋ねたところ、こころよく発券してくれました。

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 記念乗車証は、一般的なポストカードサイズのものではなく、グラスのコースターのような円形タイプです。上の画像では分かりにくいですが、金色に加工された文字が輝いています。「青の交響曲」の車両と同じカラーリングとなっていますね。

 

さくらライナー(26000系)

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さくらライナーに使用されている近鉄26000系:吉野駅 2018/3/31

 吉野から大阪阿部野橋までの復路は、26000系「さくらライナー」に乗車しました。車体裾部に吉野の桜をイメージしたピンク色のグラデーションが施され、明るく可愛らしい外観となっています。車内は随所に吉野産の建材が使用されているということで「MADE IN YOSHINO」をテーマにデザインされているとのことでした。

 「さくらライナー」が登場したのは1990年ですが、当時の近鉄特急と言えば、オレンジと紺の2色という外観が定着していました。もえぎ色の濃淡によるグラデーションのラインを纏った「さくらライナー」はとても新鮮で、これまでにない新たな近鉄特急の時代を感じさせるものでした。

 なお、登場時には、4両全てがレギュラーシートでしたが、リニューアル時に3号車がデラックスシートに改装されており、1+2配置で独立性の高い「ゆりかご型リクライニングシート」となりました。僕もデラックスシートを利用しましたが、レギュラーシートよりも乗客が少ない上、モバイルコンセントが1席ずつ肘掛に内蔵されており、1時間20分弱の乗車には十分な設備です。特別車両料金(デラックス料金)は210円と決して高い追加料金ではないため、吉野のお花見でさくらライナーを利用される方には、是非ともデラックスシートの利用をオススメします。

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 特急券は、往路の「青の交響曲」と同様、あらかじめインターネット予約サービスで購入しておいたものです。大阪阿部野橋で発券してもらいました。チケットレス乗車が便利なのは理解できますが、きっぷ鉄的には、紙の特急券を発券してもらえるのはありがたいです。