レン鉄★気ままな乗車記

乗り鉄&きっぷ鉄の管理人が、備忘録を兼ねてブログに綴っていきます。

乗り鉄&きっぷ鉄っぽい管理人が、乗り鉄旅行とそこで使用したきっぷを思うがままに記録したブログです。
どうぞ、お付き合いください。
 

近鉄「三都めぐりきっぷ」で「あをによし」に乗車

 月日が経つのは早いもので、今年も梅雨の時期がやってきました。僕が住んでいる愛知もすでに梅雨入りし、連日のように“じめじめ”“じとじと”した湿っぽい日が続いています。湿度だけでなく、蒸し暑さも加わって不快指数は相当高く、特に日中の時間帯には、何をするにも気力がわかない今日この頃です。さらに新型コロナウイルス感染症が広まって以降、屋内だけでなく屋外でも常にマスクを着用することが当然のようになり、これが不快指数の上昇に拍車をかけています。ちょっと息苦しいなと感じても、周囲の視線が気になってマスクを外すことをためらいがちですが、湿度や気温の状況によっては熱中症になる危険もあるようで、最近になってようやくマスクの着用を見直す動きが出てきました。現在では、単独で行動するときや、屋外で活動・作業をするような場面では、マスクを着用する必要はないとされています。よくよく考えてみれば、明らかに感染リスクがない(又は低い)場面において、マスクを着用する必要がないというのはごく当然のことなので、過剰とも言えるマスク着用に疑問を抱いていた人も少なからずいたと思います。何はともあれ、こうしたマスク着用に関する方針が明確に示されたことによって、世間の状況も少しずつ変化するのではないかと期待しています。

 さて、前置きはこれくらいにして、今回は休日出勤の代休として平日(月曜日)休みとなりました。雨の多い時期ではありますが、事前の天気予報によると、天気の大きな崩れはなさそうだったため、乗り鉄旅に出かけることにしました。今回の乗り鉄旅のメインは、新たな観光特急「あをによし」に乗車することで、あわせてちょっとだけ奈良観光も楽しむことにしました。

 まず、「あをによし」の基本情報についてですが、これは4月29日に運行を開始した近鉄の観光特急で、まだデビューして間もない列車です。車両は「スナックカー」としての役割を終えた12200系を改造したもので、新たな形式名は19200系となりました。運行区間は【大阪難波近鉄奈良-京都】と【近鉄奈良-京都】の2つがあり、全区間を通して乗車した場合の乗車時間は、前者が約1時間20分、後者が約35分となります。観光特急の乗車時間が約35分ではちょっと短いと感じる人が多いのか、やはり大阪難波発着の便の人気が高いようです。当初は僕も大阪難波発着の便で乗車しようと考えていましたが、行程を組み立てやすい【近鉄奈良-京都】で乗車することにしました。

 また今回は、いつものように日帰りの乗り鉄旅となりますが、行程としては、まず近鉄名古屋から近鉄奈良まで移動し、近鉄奈良から京都まで「あをによし」の第3便に乗車した後、折り返しとなる京都から近鉄奈良までの第4便にも乗車することにしました。その後、近鉄奈良から大阪難波まで移動し、帰路として大阪難波から近鉄名古屋まで「ひのとり」に乗車することにします。

アーバンライナーで使用されている21000系:近鉄名古屋駅 2022/6/20

汎用特急のACE 22000系:大和西大寺駅 2022/6/20

 近鉄名古屋から大和八木までは、名阪乙特急である「アーバンライナー」に、大和八木から大和西大寺までは汎用特急に乗車します。「アーバンライナー」は昨年12月の“大阪往復乗り鉄旅”の際にも利用しており、約半年ぶりの乗車となります。汎用特急に乗車するのは、おそらく一昨年12月の“伊勢志摩周遊きっぷ近鉄特急乗り鉄旅”のとき以来なので、約1年半ぶりとなります。

len-railway.hatenablog.jp

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 近鉄奈良に到着後は、「あをによし」の発車時間までの間、現地での観光を楽しむことにしますが、時間的な制約もあるため、あまり遠方まで足を伸ばすことはできません。そこで今回は、東大寺とその周辺の奈良公園に行ってみることにしました。

 東大寺には小学校の修学旅行で訪れたことがあり、その後は高校生の頃に家族旅行で立ち寄ったのが最後なので、実に約30年ぶりの訪問ということになります。今回の乗り旅の中で東大寺を訪れてみようと思った理由は、駅からのアクセスがよく時間的にもちょうどいいという点もありますが、奈良を訪れたからには大仏様を拝んでおきたかったからです。久しぶりに大仏様のご尊顔を拝見し、その迫力と存在感にあらためて圧倒されました。大仏様の前に立つと、ちっぽけなことで悩んだりくよくよしたりせず、他人を思いやる優しい心を持つ人間になれるような気がしてきます(注:実際になれるとは言っていません)。

 東大寺周辺の奈良公園では、当たり前のことですが、多くの鹿を見かけました。木陰で仲間と休んでいるものや、人に寄ってくるものなど様々ですが、どこものどかな雰囲気が漂っており、こちらも心癒される感じがしました。公園内では至る所で鹿せんべいを販売しており、自分の手で鹿にせんべいを与えることができます。また奈良公園に行く機会があれば、挑戦してみたいと思います(ビビりな僕は今回、挑戦できませんでした😞)。

近鉄の新たな観光特急あをによし19200系:京都駅 2022/6/20

 さて、いよいよ「あをによし」の紹介です。写真は京都駅のホームで撮影した「あをによし」です。車両は4両編成で、角のない丸みを帯びた外観は種車であるスナックカーの面影をそのまま残していますが、カラーリングは大きく変更されており、「冠位十二階」で最高位の色である紫を基調とした紫檀メタリックが全面に施され、さらに先頭車両のスカート部分や車体側面のラインには、金色が用いられています。また、車両前面には正倉院の宝物に描かれている吉祥文様「花喰鳥(はなくいどり)」をイメージした輝かしいエンブレムが取り付けられ、車両側面にも天平文様をイメージした図柄が描かれており、上品さと奥ゆかしさが伝わってくるデザインとなっています。

 「あをによし」は、木曜日を除いて毎日運行されており、1日あたり【大阪難波近鉄奈良-京都】を1往復、【近鉄奈良-京都】を2往復しており、あわせて計6便が設定されています。僕が今回乗車するのは第3便と第4便で、その運転時刻は次のとおりです。

 続いて車内の紹介です。全4両編成のうち1・3・4号車はツインシート、2号車は3人以上で利用可能な4人掛けのサロンシートとなっています。ツインシートはその名のとおり、2名での利用が基本となりますが、自身の乗車券・特急券・特別車両券に加えて、こども分の特急券・特別車両券を購入すれば1人であっても利用可能です。実際に乗車してみると、乗車日が平日だったということもあってか、ツインシートを1名で利用している方は僕も含めて数人いました。

 ツインシートには、長方形のテーブルを挟んで座席が対面に配置されているタイプ(座席番号がAB席)と、三角形のテーブルを挟み込むような直角の並びで座席が配置されているタイプ(座席番号がCD席)の2パターンがあります。僕は今回、このツインシートを利用する訳ですが、せっかくなので往復で異なるタイプのシートを利用してみようと思い、往路の第3便ではAB席を、復路の第4便ではCD席を利用してみました。両タイプを比較すると、テーブルが大きく車窓も眺めやすいCD席の人気が高いようですが、実際には座席設備自体に違いはなく、また、窓割と座席位置とが一致しないハズレ席も存在しないため、AB席であっても不便を感じることは全くありませんでした。

 こちらは2号車のサロンシートです。車内を一通り見ていると、サロンシートに空席があったため、そのうちの一区画分を撮影することができました。こちらはツインシートとは全く異なるソファーのような座席がU字形のテーブルを囲むように配置されており、また、通路との間にパーテーションが設置されているため、プライベート感のある空間となっています。グループで乗車する場合には是非とも利用したいシートですが、こちらは2号車にたった3区画(12席)しかないことから、サロンシートよりも特急券が確保しにくいようです。

 サロンシートがある2号車の車端部には、スイーツやアルコールなどを取り扱う販売カウンターが設置されています。こうした販売カウンターは、以前に乗車した観光特急「青の交響曲」にも設置されており、同じ近鉄ということもあって、どことなく雰囲気も似ているような気がします。今回は、このカウンターで販売されているバターサンドを購入してみました。「あをによし」の車体色をイメージして作られたスイーツは、風味はもちろんのこと、見た目にも楽しめるものとなっていました。

 近鉄奈良駅内にあるGOTO-CHI奈良店でお土産物を購入した際にいただいたポストカードです。車内の販売カウンターにも乗車記念証があり、こちらもいただいてきましたが、僕としてはこちらのポストカードの方が気に入っています。

 近鉄奈良-京都間の往復で「あをによし」の乗車を楽しんだ後は、大阪難波に向かいました。近鉄奈良で第4便を下車してそのまま帰路に着く行程も考えましたが、今回は後ほど紹介するように、奈良・京都・大阪を中心とする近鉄線の一部区間が乗り放題となる「三都めぐりきっぷ」というものを利用しているため、奈良と京都を訪れた後に大阪にも足を延ばすことにしたものです。大阪難波からは、昨年12月の“大阪往復乗り鉄旅”の際と同様、17:00発の「ひのとり」に乗車することとしたため、難波には2時間15分くらい滞在することができます。今回はこの時間を利用し、以前から気になっていたサロン・ド・モンシェール心斎橋店に行ってみることにしました。

 サロン・ド・モンシェールで注文したのは「大阪セット」という商品です。大阪らしさが一皿に凝縮されており、ふわふわした厚焼き玉子の「たまごサンド」と看板商品である「堂島ロール」、それに各種ドリンクがセットになったもので、ドリンクメニューには大阪らしい「ミックスジュース」も用意されていました。モンシェールの堂島ロールは、名古屋で何度か購入したことがありますが、店舗内のカフェスペースを利用するのは初めてです。お洒落で優雅な雰囲気の中、ちょっと贅沢な午後のひとときを楽しむことができました。

ひのとりで使用されている80000系:大阪難波駅 2022/6/20

 今回の乗り鉄旅の締めくくりは、名阪甲特急である「ひのとり」です。一度くらいは前面展望が楽しめる先頭車両の最前列の座席を利用してみたいところですが、僕のように乗車日直前になってから特急券の手配をしているようでは、やはり確保することは難しいですね。

 最後に恒例の(?)きっぷ紹介です。今回は名古屋出発から帰着まですべて近鉄での移動となりましたが、乗車券として利用したのは先に紹介したとおり、「三都めぐりきっぷ」という期間限定のきっぷです。

 このきっぷは、「あおによし」の運行開始を記念して発売されている企画乗車券で、大阪・奈良・京都のフリー区間内でのみ利用可能な1日フリーと、これに発駅からフリー区間までの往復乗車券もセットになった2日フリーの2種類があり、近鉄名古屋発着の2日フリーの値段は4,200円です。近鉄では土日を含む連続3日間で全線が乗り放題となる週末フリーパスという企画乗車券が発売されており、値段は三都めぐりきっぷと同額の4,200円です。単純に乗り放題区間や有効期間の違いだけに注目すると、三都めぐりきっぷの方が割高に感じてしまいますが、近鉄名古屋大阪難波間を往復する場合の正規運賃は4,820円なので、三都めぐりきっぷでも十分にオトクな価格設定となっていることが分かります(週末フリーパスが超激安の価格設定となっているため、これと比較すればどのきっぷも割高に見えてしまう訳です)。

 なお、先にGOTO-CHI奈良店でお土産物を購入した際に記念のポストカードをいただいたことを紹介しましたが、これも三都めぐりきっぷの特典のひとつです。他にも周辺店舗での飲食代や買い物代が割引きとなる特典もついていましたが、今回は利用しませんでした。

 写真2段目のきっぷは、往路の近鉄名古屋から大和西大寺までと、復路の大阪難波から近鉄名古屋までの特急券です。往路は途中の大和八木で乗り換えたため、2つの特急列車が2段書きで表示されています。いつものとおり、アーバンライナーではデラックス席を、ひのとりではプレミアムシートを利用しました(ちょっと贅沢になりますが、一人掛けの座席が好きなので、ついついアップグレードしてしまいます😀)。

 そして3段目が「あをによし」の第3便(近鉄奈良→京都)で、4段目が第4便(京都→近鉄奈良)で使用した特急券です。ツインシートを1人で利用するため、こども分の特急券も同時に購入しており、それぞれ2枚ずつが手元に残っています。以前に近鉄特急を利用した際もそうですが、乗車の記念としたいため、インターネット予約・発売サービスを利用して購入したチケットレス特急券を、事前に駅の窓口で換券してもらいました。

 今回の乗り鉄旅では、久しぶりに観光列車に乗車しました。乗り鉄好きとして、定期運行されている特急列車や新幹線に乗車するのも楽しみですが、やはり観光列車には他にはない特別感があり、乗っているだけでワクワクします。これまでの乗り鉄旅で、各地の観光列車に乗車してきましたが、まだ乗車していない列車も数多くあります。これからも暑い日が続きますが、体力にも十分に気をつけながら、夏の乗り鉄旅を楽しんでいきたいと思います。