レン鉄★気ままな乗車記

乗り鉄&きっぷ鉄の管理人が、備忘録を兼ねてブログに綴っていきます。

乗り鉄&きっぷ鉄っぽい管理人が、乗り鉄旅行とそこで使用したきっぷを思うがままに記録したブログです。
どうぞ、お付き合いください。
 

伊勢志摩に行ってきました

 僕は近鉄特急を利用する際、近鉄のWebページからインターネット予約・発売サービスを利用しています。最近は、わざわざ駅に出向かなくても指定券を購入することができ、また、シートマップを利用して好きな座席を選択することもできるため、以前と比べると非常に便利になったなと思います。さらに鉄道会社によっては、窓口や指定席券売機で発券することなく、チケットレス乗車に対応しているものもあり、乗客は紙のきっぷを手にすることなく乗降することができます。僕はきっぷ鉄でもあるため、インターネット予約によりチケットレス乗車が可能な場合であっても、乗車した記念に換券しておくことがありますが、僕のようにわざわざ換券する人は間違いなく少数派でしょうから、鉄道会社としても発券にかかる経費や手間を削減できますし、乗客も窓口や券売機の列に並ぶ必要がないことから、双方にメリットがあり、今後さらに拡大されるサービスの一つだろうと思います。

 また、こうしたインターネット予約・発売サービスの中には、利用金額や利用回数に応じてポイントが付与されるものもあります。近鉄にもこうしたポイントサービスがあり、インターネットで購入した特急券の10%相当分がポイント還元され、貯めたポイントを特急券に交換することができる独自のサービスがあります。僕の場合、昨年12月の大阪往復乗り鉄旅、今年6月の「あをによし」に乗車するための京都・奈良・大阪乗り鉄旅、そして今年11月の大阪旅行のうち往路(近鉄名古屋大阪難波)での特急列車利用でポイントがそれぞれ付与され、気がつけば約1,400ポイントたまっていました。しかし、このうち一部のポイントは12月末が利用期限となっており、そのまま失効させてはもったいないなと思っていました。近鉄の場合、1ポイントを1円として特急券に交換できますが、ポイントと現金やクレジットカードを組み合わせて支払うことができないため、特急券に交換する際にはその特急料金相当額以上のポイントが必要となります。近鉄名古屋大阪難波間の特急料金は1,930円のため、僕が持っている1,400ポイントでは交換することができません。そこで近鉄名古屋−賢島間の特急料金を調べて見ると1,640円で、こちらも僕のポイント数では足りません。どうしようなと思いながら近鉄のWebページを探していると、12月18日までの期間限定で「伊勢志摩チケレス割特別版」というキャンペーンが実施されており、名古屋−賢島間の場合、チケットレスサービスを利用して乗車日前日までに購入すれば特急料金が通常よりも300円割引となることが分かりました。これであれば、僕が貯めたポイントを使って特急券に交換することが可能です。

 伊勢志摩と言えば、「志摩地中海村」という宿泊リゾート施設があることを思い出しました。最初、地中海村という名前を聞いた時は、“志摩と言えばスペイン村でしょ。地中海村って何?”と思いましたが、少し調べて見ると、美しい英虞湾の景色と地中海のような光景が広がる施設が実際にあるようで、おしゃれなレストランも併設されているとのことです。宿泊リゾート施設ではあるものの日帰りでのランチプランも用意されているようで、機会があれば一度は行ってみたいと思っていたところでした。鉄道利用の場合、最寄りの近鉄鵜方駅から先の公共交通機関(路線バス等)がなく、アクセスに難がありますが、近鉄賢島駅から徒歩圏内にある船着場から海上タクシーを利用して地中海村に行くルートもあるようなので、今回は平日休みを利用し、また、貯まったポイントの消化も兼ねて、この地中海村を訪れる乗り鉄旅に出かけることにしました。

 旅行行程としては、鉄道で名古屋−賢島間を往復し、海上タクシーで賢島−地中海村間を往復するものになります。このうち鉄道区間については、もちろん近鉄特急を利用するのですが、単純に近鉄特急で往復するだけではちょっと味気ない感じがしました。そこで、往路か復路のどちらか一方の一部区間ではJR線を利用することにしました。

 上図のとおり、名古屋−賢島間のうち名古屋―伊勢市―鳥羽間ではJR線(伊勢鉄道線を含む。)が近鉄線にほぼ並走しています。上図では途中駅として伊勢市駅鳥羽駅のみを示していますが、その他にもJR線と近鉄線は桑名駅、津駅、松阪駅でも接続しています。これらの駅がJR線⇄近鉄線の乗り換え候補となる訳ですが、今回はJR線区間で利用する企画乗車券との兼ね合いから、鳥羽駅を乗り換え駅とすることとします。そして、往路では全区間近鉄特急を利用し、復路では賢島−鳥羽間のみ近鉄特急に乗車して鳥羽−名古屋間はJR線の快速みえ号を利用することにしました。実は計画当初、往路でJR線の快速みえ号を利用しようと思っていたのですが、僕が利用する時間帯に利用可能な列車がなかったことから、往路の方で近鉄特急を利用し、JR線は復路で利用することになりました。

 それでは早速、今回の乗り鉄旅について紹介したいと思います。

アーバンライナーで使用されている21020系:鳥羽駅 2022/12/9

 伊勢志摩方面に行く特急形車両としては、伊勢志摩ライナービスタカー、汎用特急などが充当されることが多いと思いますが、僕が今回乗車するのは「アーバンライナー」です。僕の中で「アーバンライナー」といえば、未だに名阪特急のイメージが残っていますが、「アーバンライナー」は名阪甲特急としての役割を「ひのとり」に譲り、現在は名阪乙特急として活躍しています。また、こうして一部の名伊特急などにも充当されています。そして「アーバンライナー」には、21000系の「アーバンライナーplus」と21020系の「アーバンライナーnext」がありますが、運用される本数は圧倒的にplusの方が多く、僕は今までnextに乗車した経験はありません。いつかはnextにも乗車したいと前々から思っていたところ、ついに今回の乗り鉄旅でnextに乗車することができました。

 「アーバンライナー」には、デラックスシートとレギュラーシートとがありますが、デラックスシートへの乗車に必要な特別車両料金はそれほど高くはありません。そのため、空席があればデラックスシートを利用することが多いのですが、今回は利用可能なポイントの範囲内とするため、レギュラーシートを利用しました。デラックスシートが1+2の座席配置であるのに対し、レギュラーシートは2+2のごく標準的な座席配置であり、また、1席あたりの座席幅も当然、デラックスシートに優位性があります。しかし、今回は平日の名伊特急ということでさほど混雑はなく、レギュラーシートであっても周囲の視線などが気になるようなことはありませんでした。

サニーカーの愛称を持つ12400系:賢島駅 2022/12/9

 せっかくなので、乗り換えなしに賢島まで乗車できるとありがたいのですが、今回乗車したのは途中の鳥羽が終点となる特急です。1時間前に発車する特急と1時間後に発車する特急は賢島行でしたが、僕が乗車する時間帯に名古屋を発車する名伊特急は鳥羽止まりとなっていました。そこで鳥羽でアーバンライナーを下車した後、鳥羽からは阪伊特急の賢島行に乗り換えることにしました。車両は汎用特急であることはあらかじめ承知していましたが、おそらくACEかAceだろうと思っていたところ、入線してきた車両は意外にも12400系の「サニーカー」です。「スナックカー」の引退はニュースなどでも大きく採り上げられたため、勝手にサニーカーも引退していると勘違いしていましたが、実際には新塗装が施され、現在でも現役で活躍しています。

 乗車してみると、最近の特急列車にあるような設備はなく、座席周りやインアーム式のテーブル、内装の雰囲気も正真正銘“昭和テイスト”です。何となく国鉄時代の客車のような印象です。座席のクッションが独特で反発性が強く、トランポリン(?)のような座り心地です。考えてみると、これからも末永く乗車する機会のある車両ではないので、そういった意味で貴重な経験となりました。

 ここからは、賢島駅で下車した後の旅の様子をダイジェスト版で紹介したいと思います。

 賢島駅から徒歩2,3分のところに船着場があり、そこから地中海村まで海上タクシーを利用します。見たところ10名くらい乗船できそうな船ですが、乗客は往復とも僕1人だけでした。地中海村に向かって英虞湾内を航行しますが、船長さんが肉声で観光案内を行ってくれました。12月ということで、海風がちょっと冷たく感じましたが、天気もよく海も穏やかで、心地よい船旅を楽しむことができました。

 乗船時間は10分程度で、地中海村にある桟橋に到着しました。予約した昼食の時間にまだ余裕があったため、施設内を色々と見学してみることにしました。

 志摩地中海村は、もともと会員制のリゾート施設として誕生したもので、現在は一般客も利用可能な宿泊施設となっています。スペイン人建築デザイナーが設計を担当したということで、忠実に再現された地中海沿岸の街並みや、気軽に海外旅行気分が味わえることなどが話題となり、テレビ番組で紹介されたこともあるそうです。ちなみに入場料を支払えば、宿泊客でなくても入村することができます(ただし一部エリアは宿泊者専用となっています)。

 そして今回は、この志摩地中海村の中にあるレストラン(RIAS by Kokotxa:リアス・バイ・ココチャ)でランチをいただくことにしました。上の写真はレストランの外観です。地中海村の雰囲気にマッチし、美しい英虞湾の中に溶け込んでいるような素敵な雰囲気です。ドレスコートはありませんので、普段の服装で入店することができます。

 ちなみに店内はこんな感じです。

 続いて、待ちに待ったランチコースの紹介です。

 伊勢志摩の豊富な食材を新しいテイストで提供する新バスク料理ということで、前菜から魚料理、肉料理そしてデザートに至るまで、見た目にも美しい料理が提供されました。さすが、ミシュラン1つ星とのコラボレストランです。グルメリポートは苦手なので、ひとつひとつの料理に対するコメントは省略しますが、内容としては「52席の至福」の車内で提供された料理に匹敵する本格的なもので、上品さと上質さを兼ね備えた料理ばかりです。テーブル横の大きな窓から景色を眺めながら、約90分かけてゆったりとコース料理を味わうことができ、最高の満足感の中でランチを楽しむことができました。ちなみに今回いただいたのはペルラ(Perla)というコースで、旅先でちょっと贅沢するにはちょうどいい7,700円でした。

伊勢志摩ライナーで使用されている26000系:賢島駅 2022/12/9

 ランチ後は施設内をもう一度見学してから海上タクシーに乗船し、賢島に戻りました。賢島から鳥羽までは再び近鉄特急を利用します。乗車するのは26000系「伊勢志摩ライナー」です。「伊勢志摩ライナー」には、赤色塗装の編成と黄色塗装の編成とがあり、これまでの乗り鉄旅ではどちらの編成にも乗車したことがありますが、今回は黄色塗装の編成になりました(僕が乗車する5番線には黄色編成の伊勢志摩ライナーが停車しており、隣の4番線には京都行の赤色編成の伊勢志摩ライナーが停車していました)。以前乗車した際の記事でも触れましたが、僕はこの黄色の方がかっこいいと思っています。「伊勢志摩ライナー」には、デラックスシートやレギュラーシートの他に、4人掛けのサロンシートや2人掛けのツインシートがあり、座席の種類もバラエティに富んでいますが、僕が今回利用したのは、至って平凡なレギュラーシートです。そもそも乗車時間は30分程度と短いためデラックスシートを利用するのはもったいないですし、また、ひとり旅でサロンシートやツインシートは利用不可のため、レギュラーシートを利用することになった訳です。

快速みえ号で使用されているキハ75形:鳥羽駅 2022/12/9

 鳥羽からは予定どおり、JR線を利用します。乗車するのは快速みえ号で、使用車両はキハ75気動車です。近鉄特急には様々なタイプの列車があり、今回の乗り鉄旅でも3種類の特急形車両に乗車することができましたが、快速みえ号はすべてキハ75形で運用されており、どのような車両が充当されるかを楽しむということはありません。快速みえ号には指定席が設定(ただし車両設備等は自由席と全く同じ)されていおり、今回は始発の鳥羽から乗車するため自由席でも着席できるだろうとは思ったものの、念のため指定席を確保しておきました。ちなみに快速みえ号の指定席ですが、事前にCYBER STATIONで空席確認したところ、午前中に名古屋を発車する便などを中心に満席となっているものもありました。僕は過去にも快速みえ号を利用したことがありますが、指定席がそれほど混雑するという印象はなく、直前でも余裕で確保できると思っていましたが、実際にはかなり込み合う区間もあるようです。そういったこともあり、ちょっと心配して指定席券を購入しました。

 キハ75形の車内の座席配置はある程度承知していましたが、指定席購入に当たり、もう一度、座席表を確認しようとしたところ、僕が欲しい情報が掲載されたWebサイトが見つからず、うろ覚えのまま指定席券売機で指定券を購入しました。参考までに乗車後、快速みえ号の1号車(指定席)の座席配置を簡単にまとめてみましたので、これから乗車する予定の方はよかったら参考にしてください。

 ほとんどの座席は転換クロスシートですが、赤色の点線囲みの座席は背もたれが固定されていて向きを変えることができません。したがって鳥羽→名古屋で乗車する場合、6番と12番の座席は進行方向と逆向きになり、さらに5番と11番の座席とのボックス席になります。また、黄色で示した座席も背もたれが固定されており、常にボックス席になっています(優先座席扱いとなっており、指定券が発売されているかどうかは未確認です。)

 窓枠と座席の位置関係は下の写真のとおりです。鳥羽駅発車前に撮影したもので、転換クロスシートは名古屋方を向いています。3列目と4列目(9列目と10列目)に割り当てられた窓は他よりやや大きくなっており、名古屋行の場合は3列目(9列目)に乗車すると窓枠に邪魔されることなく車窓を楽しむことができます。

 また、快速みえ号は2両編成で運行される便と4両編成(途中で増解結の場合あり)で運行される便とがあります。2両編成で運行される場合の指定席は1号車の半分、4両編成で運行される場合の指定席は1号車全車となります。

 次に参考として、名古屋−賢島間について「JR線(伊勢鉄道線を含む。)と近鉄線を利用する場合【鳥羽乗り換え】」と「近鉄線のみを利用する場合」との運賃と料金を比較してみました。

  JR線(伊勢鉄道線を含む。)区間 近鉄区間 合計
(片道)
運賃 料金 運賃 料金
JR線(伊勢鉄道線を含む。)と近鉄線を利用する場合【鳥羽乗り換え】 通常のきっぷ 2,500円 530円 480円 520円
(注1)
4,030円
快速みえ得ダネ4回数券※1 1,570円 3,100円
近鉄線のみを利用する場合 通常のきっぷ 2,010円 1,640円
(注2)
3,650円
株主優待乗車券※1 1,850円 3,490円
オトクなきっぷ※2       6,100円
    [往復]
6,100円
 [往復]

※1 金券ショップでの実売価格
※2 伊勢志摩レンタカークーポン付きっぷ又は伊勢神宮参拝きっぷ
注1 2023年12月30日乗車分まで、伊勢志摩・吉野チケレス割キャンペーンを利用すれば320円
注2 2022年12月18日乗車分まで、伊勢志摩チケレス割【特別版】を利用すれば1,340円

 所要時間や車両設備を考慮せずに運賃と料金のみで比べると、最も安価なのは「快速みえ得ダネ4回数券」を利用する場合です。ただし、金券ショップによっては「快速みえ得ダネ4回数券」の取扱いがないため注意が必要です。なお、往復で利用するとした場合に最も安価になるのは近鉄が発売している企画乗車券「伊勢志摩レンタカークーポン付きっぷ」又は「伊勢神宮参拝きっぷ」となります。

 最後になりますが、今回利用したきっぷ類の紹介です。往路の近鉄特急については、インターネット予約・発売サービスを利用して貯めたポイントを特急券に交換しており、駅の窓口で紙のきっぷに換券することができないため、ここにありません。また、乗車券についてはいつものように株主優待乗車券を利用したため、これも手元に残っていません。一方、復路で利用したきっぷは上のとおりで、賢島−鳥羽間の乗車券、鳥羽−名古屋市内間の「快速みえ得ダネ4回数券」とその指定券です。賢島−鳥羽間の近鉄特急も、インターネット予約・発売サービスを利用し、伊勢志摩・吉野チケレス割キャンペーンによる割引特急券を購入したため、これも換券することができず、ここにありません。

 「快速みえ得ダネ4回数券」については、マルス券で発券されるものと、近距離券売機で発券されるものがありますが、僕が金券ショップで購入したものは近距離券売機で発券されたものです。きっぷ鉄としては、マルス券で発券されたものが欲しかったのですが、金券ショップで購入する以上、文句は言えません。

 今回は、かなりインスタ映えする、そしてグルメな乗り鉄旅となりました。まあ、たまにはいつもとちょっと趣向の違った乗り鉄旅もいいものですね。