レン鉄★気ままな乗車記

乗り鉄&きっぷ鉄の管理人が、備忘録を兼ねてブログに綴っていきます。

乗り鉄&きっぷ鉄っぽい管理人が、乗り鉄旅行とそこで使用したきっぷを思うがままに記録したブログです。
どうぞ、お付き合いください。
 

関西で2つの気動車特急に乗車する乗り鉄旅

 京都や大阪を発着する列車の多くは、もちろん電車です。JR線について見ると、東海道本線琵琶湖線京都線神戸線)、湖西線阪和線福知山線はすべて電化されており、山陰本線は京都ー城崎温泉間で、播但線は姫路ー寺前間で、それぞれ電化されています。したがってこれらの区間では、当たり前ですが、基本的に電車により運行されています。一方、電車では走行することができない非電化区間を運行する場合や、非電化区間を含めた経路を運行する場合には、気動車により運行されることになります。

 関西圏のJR線における気動車の特急形車両を見ると、京都丹後鉄道KTR8000形で運行される一部の「はしだて」や、岐阜から高山本線に直通するキハ85系の「ひだ」を除くと、JR西日本キハ189系気動車で運行される「はまかぜ」(一部の「びわこエクスプレス」でも使用)と、智頭急行HOT7000系気動車で運行される「スーパーはくと」があります。 

 気動車と言えば、「エンジン音がうるさい」「加速性能や最高速度が電車よりも劣る」など、あまり評判が良くない面もありましたが、エンジン性能の高出力化や車内設備の改善、さらには環境対策など様々な改良が加えられ、最近製造された高性能気動車は、電車とほとんど変わらないものとなりました。
 青春18きっぷを利用した今回の乗り鉄旅では、豊岡の少し手前にある江原を目指し、そこから「はまかぜ」「スーパーはくと」を乗り継いで大阪まで行く行程を組んでみることにしました。

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 これが具体的な旅行行程です。往路は、金山から京都まで東海道本線で移動し、山陰本線に乗り換えて江原に向かいます。この間はすべて普通や快速列車を利用するため、青春18きっぷのみで移動できます。江原からは、和田山から播但線に直通する特急「はまはぜ」に乗車します。先に紹介したとおり、「はまかぜ」は大阪ー香住・浜坂・鳥取間を、播但線を経由して運転されていますが、播但線の一部区間と、山陰本線城崎温泉以遠が電化されていないために気動車特急となります。また、続いて乗車する「スーパーはくと」は、大阪ー鳥取・倉吉間のうち、智頭急行線、因美線が全線非電化区間で、鳥取から倉吉間も非電化路線となっていることから気動車の特急となります。復路の大阪からは、再び青春18きっぷを利用して東海道本線で帰路に着きます。

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 特急乗車区間では青春18きっぷを利用することができないため、あらかじめ江原から大阪までの乗車券を購入しておきました。窓口では特急券と同時に購入したため、何も説明しなくても、乗車券は播但線経由ですぐに発券してもらえるものと思っていたのですが、駅員さんはマルス内に収録されている複数の口座に戸惑いながら、「どの経路で購入しますか?」と確認されました。もちろん僕も「播但線経由の経路です。」と答えましたが、それでも若い駅員さんは、何やら手間取っている様子でした。正しい経路で発券されているのかちょっと心配になりましたが、受け取ったきっぷを見ると、乗車券はきちんと「経由:山陰・播但・山陽・東海道」になっていました。

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はまかぜ号で使用されているキハ189系:姫路駅 2017/8/15

 金山から江原までの乗車記の紹介はすっ飛ばして、さっそくのJR西日本キハ189系気動車による特急「はまかぜ」についてです。「はまかぜ」は、定期運行されている列車本数は上下それぞれ3本で、多客期には大阪ー浜坂間で臨時列車が1往復設定され、さらに、カニのシーズンには11・12月の週末と1月から3月中旬までの毎日、大阪ー浜坂間で臨時列車「かにカニはまかぜ」が運転されています。充当される列車はすべてキハ189系気動車で、最高速度は電車並みの130km/h、グリーン車は連結されずに全車普通車となっています。通常は1編成3両で運転されていますが、2編成を連結した6両で運転される日もあります。今回僕が乗車した「はまかぜ4号」も6両で運転されていました。

 車両の外観は、ステンレスの地色にアクセントとして配された茜色の帯が特徴で、誰が名付けたのか「ウルトラマン顔」と呼ばれている車両です。このカラーリングとフロントフェイスは、確かにウルトラマンを連想されるものがありますね。最近のJR西日本の特急形電車では、白地をベースにして側窓の下に細帯を配したものが定着していますが、キハ189系では、側窓の下にシンプルな白帯が配され、側窓を被うように幅広の茜色が配されており、他の特急形電車とは少し異なるデザインになっています。

 車内の座席は683系とほぼ同じ形状ですが、モケットは濃赤系色で、また客室とデッキの仕切りに木目調の化粧板が使わるなど、とても上品で落ち着きのある車内となっており、特急形車両として申し分のない車内設備となっています。

 ちなみに、「はまかぜ」と言えば、あの餘部橋梁を走行する列車として有名ですが、今回は餘部橋梁の区画を乗車することはできませんでした。高所恐怖症の僕ではありますが、あの有名は餘部橋梁は一度体験してみたいものです。きっと、美しい日本海の車窓が楽しめると思います。

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 江原から姫路までは85.4kmなので、JR西日本のB特急料金(繁忙期)である1,690円です。ちなみに「はまかぜ」は大阪まで運転されている列車ですが、途中の姫路でわざわざ下車するのは、姫路から「スーパーはくと」に乗車するためです。分割すれば特急料金が割高になり、さらに乗り換えることで手間と時間がかかります。乗り鉄旅をする人間ならではの乗車パターンだと言えるでしょう。

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スーパーはくと号で使用されているHOT7000 系:京都駅 2017/8/15

 姫路で「はまかぜ」を下車しました。ちなみに姫路駅には「播但線姫新線乗換改札口」というものがあり、山陽本線などに乗り換える際にも、この専用の乗換改札口を通る仕組みになっています。播但線姫新線などの駅員無配置駅が多い路線では、不正乗車防止の観点から、こうした乗換改札が設置されていることがあるようです。僕は姫路駅にこうした乗換改札があることを知らなかったため、一瞬、出口の改札と思い込んで、乗換通路を探してしまいました(笑)。

 無事にホームを移動し、姫路からはHOT7000系気動車の特急「スーパーはくと」に乗車します。この特急は、智頭急行線を挟む形でJR線に直通しており、倉吉―京都間のうち山陽・東海道本線区間では最高速度130kmで走行するなど、電車に負けない俊足ぶりを発揮します。

 先頭車には、貫通型と非貫通型の2種類があり、運用の都合上、どちらのタイプになるのかは当日にならないと分からないのようです。乗車するのは、「はまかぜ4号」からの乗り継ぎにちょうどいい「スーパーはくと10号」です。この車両は、京都・大阪方面の上り先頭車が5号車になります。5号車は指定席車で、もし非貫通車に当たれば、最前列から前面展望を楽しむことができます。5号車が非貫通型となるかそれとも貫通型になるかは運次第ですが、3日前に駅で特急券を購入する際に確認したところ、最前列となる1番D席が空いているとのことだったため、この席を押さえました。帰省客で混み合うことも予想していたため、まさか最前列に空席があるとは思っていませんでした。そして、上郡方面から入線してくるHOT7000系を見ると、先頭車の5号車は、狙い通り非貫通型車両でした。天候がいまいちだったのは少し残念でしたが、大阪までの約55分間、山陽・東海道本線区間での迫力ある前面展望を楽しむことができました。

 なお、今回掲載した写真は、往路の途中に京都で乗り換える際、ちょうど0番線にHOT7000系が入線してくるところに遭遇したため、思わずその場で撮影したものです。

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 「はまかぜ4号」の特急券と同時に購入したものです。姫路から大阪までは87.9kmで、先ほど乗車した「はまかぜ」の江原から姫路までとほぼ同距離です。しかし、所要時間は断然「スーパーはくと」の方が早く、山陽本線複々線区間では、横を並走する近郊形電車との間で、激しいデッドヒートを繰り広げていました。相手は普通運用に就いているとは言え、気動車が電車を追い抜いて前に出るという光景を見ることができました。

 大阪からは、引き続き東海道本線で東を目指します。僕は米原ー姫路間を利用する場合、速達性を重視して新快速を利用します。新快速は特急並みの最高速度130km/hで運転されており、大阪から米原までは100km以上の距離がありますが、新快速であれば1時間20分台で移動可能です。青春18きっぷを使って長距離移動する際には、乗り鉄旅にとって欠かせない存在となっています。