レン鉄★気ままな乗車記

乗り鉄&きっぷ鉄の管理人が、備忘録を兼ねてブログに綴っていきます。

乗り鉄&きっぷ鉄っぽい管理人が、乗り鉄旅行とそこで使用したきっぷを思うがままに記録したブログです。
どうぞ、お付き合いください。
 

青空フリーパスで485系「彩(いろどり)」に乗車(2)

 前回の記事からの続きです。

 米原までやってきました。米原駅は、在来線について言えばJR西日本JR東海との境界駅ですが、管轄はJR西日本となっています。したがって、駅構内の案内図や自動アナウンス、発車標などはすべてJR西日本の仕様になっており、特にJR西日本の接近メロディを聞くと、関西方面に来たことを強く感じます。

 さて、ここからは再び特急に乗車して、JR東海管内に戻ります。乗車するのは大阪発の「ひだ25号」高山行です。「ひだ」は名古屋-高山・飛騨古川・富山間を結ぶ特急ですが、1日1本だけ大阪発着の運用があります。大阪駅を出発後、新大阪、京都、草津米原、大垣、岐阜の順に停車し、岐阜からは高山本線の複数の主要駅に停車していきます。なぜ大阪発着の「ひだ」号が運行されているのか詳しい経緯は分かりませんが、どうやら、1999年12月まで大阪-高山間で運転されていた急行「たかやま」に起源があるようです。「ひだ25号」は、高山本線内での停車駅が多く設定されていますが、これも元の急行列車の名残なのかもしれません。

 今回乗車する「ひだ25号」ですが、基本的には3両編成で、多客期には4両編成になるようです。そして、岐阜で名古屋発の「ひだ5号」と連結作業が行われ、「ひだ5号」と「ひだ25号」は高山まで併結運転されます。そして高山で再び切り離された後、「ひだ5号」のみが終点の飛騨古川に向かうという、ちょっと珍しい運用が行われています。そして、岐阜での連結作業にも特徴があり、今回はその現場を乗車しながら体験すべく、「ひだ25号」に乗車することとしました。

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ひだ号で使用されているキハ85系美濃太田駅 2017/7/29

 米原から岐阜までは、東海道本線の電化区間をエンジン音を轟かせながら全力疾走していきます。カミンズ社製のエンジン2基を塔載した気動車の走行性能には驚かせられます。岐阜駅には9:56に到着しましたが発車は10:11です。つまり到着から発車までの間に15分もの時間があります。いくら連結作業に時間が必要となるとは言え、特急列車が途中駅に15分間も停車する運用はなかなかありません。では、この15分間で何が行われているのでしょうか?

 まず、「ひだ25号」は3番線に入線して降車扱いをします。降車が終了すると一旦扉を閉めて、後退して大阪側の待避線に下がります。そして、4番線に入線してきた「ひだ5号」の大阪方に連結させるため、「ひだ25号」は待避線から4番線に入線します。ここで連結作業を行い、「ひだ5号」を先頭にして高山方面に向かいます。つまり「ひだ25号」は、乗客を乗せたまま駅構内での入れ替えを行っているということです。中には、こうした入れ替えが行われることを知らない乗客の方もいるようで、待避線に向かって逆方向に走り始めると、ちょっと驚いている方もいました。乗り鉄の僕としては、なかなか貴重な体験ができたと思うのですが、そもそも何故、このような面倒な手順で連結作業をするのでしょうかね。

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 「ひだ25号」には美濃太田まで乗車しました。「青空フリーパス」の高山本線のフリー区間下呂までですが、後の行程の都合上、今回は美濃太田で下車します。「しらさぎ」は金山駅指定席券売機で購入できましたが、米原発の「ひだ号」の特急券は購入方法がよく分からず、窓口で購入しました。窓口の担当の方は、発券作業をしながら「大阪発のひだ号は岐阜駅で名古屋発のひだ号と連結しますが、なかなか他にはないおもしろい光景ですよ。」と教えてくれました。窓口の担当の方も、こちらが乗り鉄と分かって教えてくれたのだと思います。金山駅で大阪発のひだ号の特急券を購入する人はあまりいないでしょうから、乗り鉄であることがバレバレです。「よいご旅行を楽しんできてください。」と声をかけられ、こうした会話があると、たまには窓口で購入するのも悪くないなと思いました。

 普通列車で岐阜に戻り、東海道本線で名古屋に向かいます。名古屋から中央本線の快速で中津川に移動し、いよいよ今回の旅のメインである485系「彩(いろどり)」による「いろどり木曽路号」に乗車します。現在、JRグループでは、信州デスティネーションキャンペーン(信州DC)が開催されており、そのイベントのひとつとして運転される臨時快速列車です。JR東日本長野支社の車両が、JR東海区間である中央西線を走るということもあり、乗り鉄の間ではかなり注目を集めている列車です。

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485系ジョイフルトレイン彩(いろどり):南木曽駅・中津川駅 2017/7/29

 この車両、「彩(いろどり)」という愛称だけあって、外観色も華やかです。ベースの白と裾部のベージュを基調としながら、各号車ごとに異なるイメージカラーが配されています。例えば1号車の「ふじいろ」は、りんどうをモチーフにしており、6号車の「ときいろ」は、カーネーションといった感じです。

 そして、この車両で最もインパクトがあるのがフロントフェイスです。485系そのままの外観でありながら、愛称表示器として市販の液晶テレビが埋め込まれています。誰が名付けたのかは分かりませんが、あだ名は「フリーザ」で、つり上がった目にポカンと空いた大きな口は、一度見たら忘れられません。世間で言われる「魔改造」とは、まさにこうした改造のことを指すのでしょう。

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 次に車内の方ですが、大型のしっかりとした座席が並んでいます。シートピッチが1,200mmということで、前後幅に余裕があり、圧迫感はありません。また、座席の色が車両カラーとコーディネートされているようで、僕が乗車した6号車は、パープルの座席でした。快速列車のグリーン車としては十分すぎるほどの座り心地でしたが、ただ残念なことに、空調がかなり弱く、車内は蒸し暑い状態でした。乗務員の方がいろいろと調整してくれていましたが、結局、僕が下車する塩尻までの区間では改善されませんでした。さすがに7月の日中に乗車する列車がこの状態だと、ややキツいものがあります。

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 僕は、早々にこの臨時列車の情報をキャッチし、乗車日の1ヶ月前に「10時打ち」でグリーン券の確保をすることにしました。彩(いろどり)は6両編成ですが、回転リクライニングシートの通常席は1号車と6号車の2両のみで、2、3、5号車は簡易コンパートメント席、4号車はフリースペースとなっています。通常席は1+2の座席配置で、1号車と6号車をあわせて58席しかありません。もちろん希望は窓側席ですが、結果としては「10時打ち」でも窓側席は確保できず、通路側のB席となりました。団体枠の影響もあるかも知れませんが、相当の倍率だったのではないかと推測します。

 485系「彩(いろどり)」は、車齢を考えると、あと数年で廃車でなるのではないかとの噂があります。そう遠くない将来に、485系に乗車することができなくなる日が必ず来ます。今回、デスティネーションキャンペーンの機会にJR東海管内で485系に乗車できたことは、いい思い出になりそうです。