レン鉄★気ままな乗車記

乗り鉄&きっぷ鉄の管理人が、備忘録を兼ねてブログに綴っていきます。

乗り鉄&きっぷ鉄っぽい管理人が、乗り鉄旅行とそこで使用したきっぷを思うがままに記録したブログです。
どうぞ、お付き合いください。
 

紀勢本線ほぼ完乗の乗り鉄旅

 名古屋から大阪までを鉄道で移動する場合、複数のルートが考えられます。一番最初に思いつくのは東海道新幹線を利用するもので、当たり前ですが一番早く移動できるルートです。他には近鉄を利用する方法もあり、名阪特急アーバンライナーを利用すれば、新幹線よりもおトクに移動することができます。さらに青春18きっぷなどを利用してJRの在来線で行く場合には、東海道本線でひたすら西に向かい、米原で乗り換えて新快速に乗車すれば、大阪まで意外と早く到着することができます。

 多くの方が思いつくルートは、以上の3つだと思いますが、JRの在来線を利用して移動するマイナーなルートとして、関西本線を利用する方法(名古屋-亀山-加茂-JR難波)と、途中から紀勢本線阪和線を乗り継ぐ方法(名古屋-新宮-和歌山-大阪)というものもあります。どちらのルートも直通する列車はないため、途中駅での乗り換えが必要ですが、どちらも在来線だけで大阪までいくことができます。もちろんこれらのルートを出張や家族旅行で利用する人はいないでしょうから、実際に乗車したことがあるという方がいれば、相当な乗り鉄の方でしょう。

 3月になり、いよいよ今季の青春18きっぷの利用が開始されたことから、今回は、名古屋から大阪までを紀勢本線阪和線を乗り継ぐルートで乗り鉄旅を楽しむことにしました。途中には、特急「南紀」や、これまで乗車したことがない特急「くろしお」にも乗車してみようということで、次のような行程を作成しました。

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 名古屋から関西本線伊勢鉄道線、紀勢本線阪和線と乗り継いで大阪まで行き、そこから東海道本線で戻るという時計回りの一筆書きルートです。旅行行程では省略していますが、青春18きっぷが使用できない伊勢鉄道線は、別途、510円の運賃が必要となります。

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快速みえで使用されているキハ75形:多気駅 2017/3/4

 名古屋からは、途中の多気まで快速「みえ51号」に乗車します。あらためて思い返してみると、僕が快速「みえ」に乗車するのはこれが初めてです。車両はキハ75気動車で、最高運転速度が120km/hという電車顔負けの走行性能を有しています。以前は、急行「かすが」として使用されていたことでも有名です。

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 自由席でもいいかなと思いましたが、意外と混雑する場合もあると聞いたので、念のため指定席にすることにしました。
 なお、快速「みえ」に使用されているキハ75気動車は基本的に転換クロスシートですが、扉付近に一部固定席があるため、進行方向とは逆向きの席となる可能性があります。名古屋から伊勢市方面に向かう場合、1番席と7番席が進行方向逆向きの固定席となり、その関係で1番/2番席、7番/8番席がボックスシートになりますので、今回はそれを避けて指定席を予約しておきました。

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途中駅で停車中のキハ85系紀伊長島駅 2017/3/4

 多気から新宮までは、普通列車の運行本数が少ないため、特急「南紀1号」を利用することにしました。車両は特急「ひだ」でも使用されているキハ85系気動車であり、この車両に乗車するのは初めてではありませんが、「南紀」としての利用は初めてです。キハ85系に乗車するといつも感じるのが普通車のクオリティが高さです。側窓はワイドビューの名のとおり大きく、さらに車内の通路と座席の間に20cmの段差を設けたセミハイデッキ構造で、座席からの眺望に配慮されています。座席のシートピッチも1,000mmで、標準的な特急形車両よりも広くなっています。さらに、初期の「ひだ」車として導入された車両の座席は、フワフワとした柔らかい座り心地で、僕はこの座席が大好きです。初めて見る紀勢本線沿線の景色を楽しみながら、新宮までの約2時間の乗り鉄旅を楽しむことができました。

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 乗車券と特急券はあらかじめ購入しておいたものです。いつものとおり、窓側席にしました。

 新宮に到着後、「くろしお」の発車までには1時間以上あるため、ここで昼食にすることにしました。新宮はサンマ寿司が名物らしく、駅前の徐福寿司さんという店でサンマ寿司を購入し、天気がいいので屋外のベンチで食べていたところ、上空からトンビが僕のサンマ寿司目がけて急降下してきて、見事にサンマの約3分の1をさらって行きました。仕方なく残った酢飯を食べ、昼食は終了です。

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くろしお号で使用されている283系新宮駅 2017/3/4

 新宮から御坊までは、「くろしお22号」に乗車します。「くろしお」には、283系、287系、289系の3種類がありますが、今回乗車するのは、僕が一番気になっていた283系オーシャンアロー編成です。この車両には、制御付き振り子装置が搭載されており、カーブでの高速走行が可能という特長があります。また、イルカを連想させる外観は、海辺を走る列車にピッタリで、可愛らしい愛嬌あるフロントフェイスも大きな特徴の一つです。ちなみに市販の時刻表には、283系で運転される「くろしお」に「オーシャンアロー車両で運転」と注意書きがありますが、鉄道ファンでない一般の方にとって、オーシャンアローという呼び名はどこまで定着しているのでしょうか?

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283系の貫通形先頭車

 283系には、貫通形先頭車と非貫通形先頭車とがあり、こちらは貫通形先頭車です。カラーリングは非貫通形先頭車に準じていますが、車体の前面形状が、何となく383系「しなの」の貫通形先頭車に似ているような気がします。

 283系に乗車するのであれば、是非ともグリーン車に乗車したかったのですが、予算の都合で普通車にしました。283系の普通席は、奇数号車がブルー系、偶数号車がパープル系の座席色で、どちらもマリンリゾート感が漂う明るい雰囲気となっています。また、3号車には展望ラウンジコーナーがあり、海側を向いた座席とカウンターテーブルが設置されています。長時間の乗車に多少飽きる方もいるかと思いますが、こうしたスペースがあると、ちょっとした気分転換になるのではないかと思います。

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 今回使用した乗車券と特急券の一葉券です。後から思えば、乗車券を新宮で分割する意味はありませんでした。

 「くろしお」を御坊で下車し、その後は普通列車で和歌山に、和歌山からは快速に乗り換えて大阪に向かいます。大阪からは、予定どおり東海道線で帰路につきました。ちなみに今回乗車した新宮経由での名古屋ー大阪間の距離は503.8kmだそうです。東海道本線であれば190.4kmなので2.6倍以上の距離ということになります。乗車時間はそれ以上ということで、乗り鉄的には楽しい旅行となりました。いつかは、関西本線だけを利用して難波まで行くルートにも挑戦してみたいです。