レン鉄★気ままな乗車記

乗り鉄&きっぷ鉄の管理人が、備忘録を兼ねてブログに綴っていきます。

乗り鉄&きっぷ鉄っぽい管理人が、乗り鉄旅行とそこで使用したきっぷを思うがままに記録したブログです。
どうぞ、お付き合いください。
 

関西空港に行くならJR?それとも南海?

 関西国際空港は1994年9月に開港した日本初の海上空港です。そのアクセス路線として、JR関西空港線と南海空港線の運用が開始され、関西空港駅も開業しました。JR線は、阪和線日根野駅から分岐して空港連絡橋を渡り空港島内に入るルートで、南海は、南海本線泉佐野駅から分岐して同じく空港連絡橋を渡ります。JRと南海ともに途中駅として「りんくうタウン駅」があります。

 僕は飛行機に搭乗する予定はなく、わざわざ関西国際空港まで行かなければならない理由は全くありませんが、空港までを結ぶアクセス特急には興味があります。ちょうど手元には、金券ショップで購入した残り1回分の青春18きっぷもあります。名古屋から大阪までであれば、在来線だけでも十分に日帰りで往復することができるため、このきっぷを使って関西国際空港までの往復乗り鉄旅に出かけることにしました。せっかくならば、往路と復路で経路を変えてみようと思い、JRと南海のそれぞれのルートと料金を調べてみました。

JRを利用する場合
 新大阪駅から阪和線関西空港線直通の特急「はるか」を利用する。
 運賃1,360円+指定席特急料金1,490円=2,850円(通常期)

南海を利用する場合
 南海難波から南海本線空港線の特急「ラピート」を利用する。
 運賃910円+特別急行料金510円=1,430円
 ※スーパーシート利用には、特別車両料金210円が必要(合計で1,640円)

 見てのとおり、JRは南海のほぼ倍であり、さらに僕が利用する1月9日は繁忙期ということで、指定席特急料金が200円加算されるため3,050円になります。一方、南海には、難波⇔関西空港間でラピートに乗車することができる片道分の割引乗車券「関空トク割 ラピートきっぷ」があり、利用人数に縛りがないため一名で利用することも可能です。このきっぷの値段は1,130円(レギュラーシート利用の場合)で、スーパーシートを利用する場合でも1,340円とかなりおトクな設定となっています。
 今回は行程の都合上、往路は新大阪駅から「はるか」で関西空港に移動し、関西空港からの復路では「ラピート」に新今宮まで乗車してみたいと思います。

◆往路(JR)

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はるか号で使用されている281系関西空港駅 2017/1/9

 新大阪駅までは、青春18きっぷを使ってやってきました。東海道本線に乗車中、JR西日本のWebページでおトクなきっぷをいろいろと調べて見ると、主要駅から関西空港駅まで「はるか」の普通車指定席が利用可能な往復タイプのきっぷが紹介されていました。かなり割引率が高いようですが、僕のように片道のみ利用する場合には利用できません。片道の割引乗車券を発売しても、南海のラピートきっぷには勝てないと考えたのかどうかは分かりませんが、南海よりも路線網が広いJR西日本からすれば、大阪市内から関西空港に移動する乗客は南海に譲り、「はるか」を利用して米原・京都方面から関西空港に行く方や、姫路・岡山方面から山陽新幹線を利用して新大阪から「はるか」を利用する方をターゲットにしているのかもしれません。

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 乗車券と特急券は、新大阪駅で購入しました。僕は、てっきり「はるか」は全車指定席と思っていたのですが、実際には4号車から6号車までの3両は自由席でした。成田エクスプレスや京成スカイライナー、名鉄ミュースカイなど主な空港アクセス特急はすべて全車指定席となっています。多くの乗客がスーツケースなど複数の手荷物を持って乗降することを考えれば、確実に着席することができる全車指定席でもいいと思うのですが、価格面で少しでもラピートに対抗するために自由席を設定しているのでしょうか?

 車体色はシャイニングホワイトをベースに袖部にストラトブルーが施されたデザインで、特急らしい上質感があります。しかし、製造からすでに20年以上経過しており、車内設備にやや陳腐化が見られます。空港アクセス特急ということで、どうしてもE259系と比較してしまいますが、座席交換などのアコモ改造が期待されるところです。 

◆復路(南海)

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特急ラピートで使用されている南海50000系:関西空港駅 2017/1/9

 関西空港駅は、改札こそ別々になっているものの、JRと南海の改札口は隣同士で迷うことはありません。「関空トク割 ラピートきっぷ」を購入するため南海の窓口に行き、スーパーシート用のラピートきっぷを購入しました。ラピートに使用されている南海50000系には、レギュラーシートとスーパーシートの2つのタイプの車両があります。レギュラーシート(1号車から4号車まで)も2+2配置のリクライニングシートで快適なのは間違いありませんが、今回はより快適そうなスーパーシート(5号車と6号車)を利用することにしました。こちらは2+1列の座席配置でシートビッチも広く、さらにゆったりした旅を楽しむことができます。

 ちなみにラピートには、速達タイプの「特急ラピートα」と、停車駅が多い「ラピートβ」とがありますが、使用車両はどちらも50000系となります。

 この南海50000系ですが、見た目のインパクトが半端ありません。メカニカルで独創的なフロントマスクに楕円形の窓、濃紺色のボディカラーなど、モビルスーツを連想させるインパクト絶大な列車です。関西空港から新今宮までは、ラピートβで約35分の短い旅ですが、この車両であれば2時間でも3時間でも乗車していたい気分です。

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 きっぷの券面には、「関空トク割 ラピートきっぷ」の記載はありません。(右上に小さな文字で「*関トク」と表示されていますが…)僕は6号車に乗車しましたが、関西空港からの乗客は僕を含めて3名でした。車内はガラガラ状態です。レギュラーシートの方の乗車率は分かりませんが、スーパーシートには泉佐野や岸和田からの乗客もほとんどありません。確かに関西空港から新今宮や南海難波までの所要時間を考えると、レギュラーシートでも十分という気もします。

 今回は、関西空港までの往復乗り鉄旅をしてみましたが、「はるか」vs「ラピート」の対決は圧倒的に「ラピート」の勝利です。先にも書きましたが、JR側には、南海にはない広い路線網という最大の武器があります。片道でも利用可能な割引乗車券の設定や281系車両の置き換えなどの対抗策を打ち出すことで、よりよいサービスを展開してもらえるとありがたいです。