レン鉄★気ままな乗車記

乗り鉄&きっぷ鉄の管理人が、備忘録を兼ねてブログに綴っていきます。

乗り鉄&きっぷ鉄っぽい管理人が、乗り鉄旅行とそこで使用したきっぷを思うがままに記録したブログです。
どうぞ、お付き合いください。
 

4社連絡片道乗車券を使った会津若松乗り鉄旅(2)

 前回の記事からの続きです。

 今回の乗り鉄旅では、先ほどまで乗車していた「お座トロ展望列車」を含め、浅草までの間に3つの列車に乗車する訳ですが、鉄道会社としては、JR東日本会津鉄道野岩鉄道、それに東武鉄道を利用することになります。乗車する列車はそれぞれの会社の路線に対応しているというわけではなく、次のようになっています。

 「お座トロ展望列車」がJR東日本只見線会津鉄道線を走行することは前回の記事で紹介しましたが、今から乗車する特急「リバティ会津」は会津田島から引き続き会津鉄道線を走行した後、野岩鉄道線に入り、さらに新藤原から東武鉄道線に直通します。「リバティ会津」は実に運用範囲が広いですね。「リバティ会津」に乗車すれば、そのまま乗り換えなしに浅草まで行くことができますが、それでは今回の乗り鉄旅のメインとなる「スペーシア X」に乗車することができないため、今回はわざわざ鬼怒川温泉駅で乗り換える行程となっています。

 それでは、後半戦もよろしくお付き合いください。

 

 

会津田島駅から特急リバティ会津に乗車

 会津田島からは東武鉄道500系の「リバティ会津」に乗車します。「お座トロ展望列車」からの乗り換え時間が3分しかありませんでしたが、「リバティ会津」は構内踏切を渡ってすぐの位置に停車しており、特に焦ることなく乗り換えることができました。

 上の写真のように、構内踏切からは2つの列車が並んだ姿を見ることができます。最近は安全性の面から、列車と乗客の動線を分けるよう橋上駅舎が一般化しつつあり、こうした構内踏切が残る駅も少なくなっています。

 さて、ここから乗車する「リバティ会津」ですが、特急リバティは、けごん・きぬ・会津のほか、赤城方面のりょうもうでも使用されており、東武鉄道を代表する特急型車両となっています。「スペーシア」は、コンパートメントルーム(JR線内ではグリーン個室)設備を有し、3号車には物販用の販売カウンター(現在は営業終了)を備えるなど、観光利用を意識した特急型車両となっていますが、「リバティ」は通勤需要にも対応できるような特急型車両で、小田急ロマンスカーで例えると、「スペーシア」がVSEGSEで、「リバティ」がEXEやMSEといったところでしょうか。ちなみに僕は、これまでの乗り鉄旅で、浅草から下今市まで「リバティけごん」に乗車したことがありますが、「リバティ会津」は初めてです。車両自体は同じ東武500系ですが、何せ「リバティけごん」に乗車したのは約5年前のことなので、乗車した当時のことをあまりはっきりと覚えていません。言い訳をすれば5年前、豊橋から「ムーンライトながら」で東京駅に到着した後、そのまま浅草駅に移動して乗車したため、半分くらい寝ぼけたまま乗車していたものです。そういった意味でも、久しぶりに乗車する「リバティ」は新鮮に感じます。

リバティ会津で使用されている500系中三依温泉駅 2023/9/2

 始発の会津田島ではゆっくり写真撮影する時間がありませんでしたが、途中駅で行き違いのため数分間停車したため、その際に下車してホーム上から先頭車両を撮影することができました。あらためて見ると、「リバティ」はなかなかゴツい顔をしてますね。

 それにしても、「リバティ会津」の停車駅には「温泉」という名前の入った駅が非常に多いですね。駅の近くに温泉地や温泉施設があるのでしょうか? 今回は寄り道することなくひたすら乗り鉄を楽しむ旅で、途中下車は予定していませんが、再度この付近を訪れる機会があれば、どこかの温泉を訪問してみたいものです。

 続いて車内の紹介です。といっても、先ほどお話ししたとおり、「リバティ」は通勤特急という性格も持つ車両であり、車内には一般的な2+2配置の回転式リクライニングシートが並んでいる感じです。個室や展望席などの設備はありません。客室内には随所に木目が採用されており、天井には鬼怒川などの流れをイメージした間接照明が取り入れられています。また、座席のモケット柄は紫系のものが使用されており、これは江戸の伝統色「江戸紫」をモチーフとした配色なんだそうです。浅草を発着する特急らしい配色だなと感じました。

 車内には、最近の車両らしく車イスでの利用を想定したスペースも用意されています。ちなみに東武鉄道の特急に乗車する場合、もちろん特急券を購入する必要がありますが、会津田島鬼怒川温泉区間内のみを利用する場合に限り、特急料金が不要となります(ただし、特急券を購入しない場合は座席の指定を受けることができないため、空席がある場合のみ着席できます。確実に着席したい場合は、同区間内のみを利用する場合でも特急券を購入することになります)。会津田島発の「リバティ会津」がどの程度混雑するのか予想が付きませんでしたが、まあ満席ということもないだろうと思い、今回は特急券を購入せず利用することにしました。実際の乗車率はおそらく50%弱といった感じで、無事に着席することができました。

 

鬼怒川温泉駅から特急スペーシアXに乗車

 鬼怒川温泉駅に到着しました。この駅では「リバティ会津」から下車する方が結構大勢います。僕は一旦、この駅で途中下車するため、跨線橋をわたって改札口に向かいますが、通路のあちこちにこれでもかと言わんばかりにスペーシアXのポスターがが掲出されていました。

 改札を出たところで買い物を済ませて、再び改札口から入場します。「リバティ会津」を下車したときにすでに気が付いていたのですが、今回乗車する「スペーシアX」はすでに1番線に入線しており、折り返し運転のための車内清掃中でした。登場して間もない特急型車両ということもあり、多くの方が「スペーシアX」にカメラを向けており、僕もこの時間を利用して1号車側の先頭車両を撮影しました。

スペーシアXとして運行を開始したN100系:鬼怒川温泉駅 2023/9/2

 上の写真では、撮影の加減で車体色が少し青っぽく見えますが、これは日光東照宮の陽明門の胡粉をイメージした白色なんだそうです。実に東武鉄道らしいですね。他にもホームに設置されている昭和テイストの駅名標が入るアングルからも撮影してみました。

 駅名標の向こうに見えるのは1号車ですが、六角形の窓枠とその窓枠をXの文字に見立てるデザインは斬新で、「スペーシアX」の車名に相応しい外観です。また、車両側面には、「スペーシアX」のロゴマークも描かれています。

 もう一方の先頭車両である6号車付近にも多くの観客(?)がおり、珍しそうに車内の様子を見入っている方もいました。僕も清掃が終了して乗車が始まるまでの間、子供ようにドキドキワクワクしながら待つこと数分、発車時刻が近付き、いよいよ乗車が始まりました。

 また後で詳しく紹介しますが、僕は今回、1号車「コックピットラウンジ」にあるソファ座席を利用します。1号車にはカフェカウンターが併設されているため、乗車定員はわずか20人と6両編成の中で最も少ない座席数となっており、始発の鬼怒川温泉駅から1号車に乗車したのは、僕を含めてたった2人だけでした。1号車の乗客は、カフェを優先的に利用することができるということで、乗車すると早々に、スタッフの方からお声がけいただきました。何でもこの後、下今市駅で多くの方が乗車されるため、下今市到着前であればスムーズに購入できるとのことです。メニューを見ると、全体的にアルコール類が豊富ですが、ソフトドリンク類もあったので、その中から「ニッコーラ」というコーラと一口羊羹を注文しました。

 「ニッコーラ」とは、日光珈琲というメーカーが発売しているクラフトコーラで、スパイシーさが特徴的なオリジナル商品のようです。ちょうど喉も渇いていたため、鬼怒川温泉駅を発車する前から「ニッコーラ」をいただいてしまいました。確かに一般的なコーラとは全く違い、ジンジャーエールにも似た独特の風味があります。弱炭酸で味はスッキリとしていますが、思った以上にスパイス感がありました。

 そうこうしているうちに、「スペーシアX」は鬼怒川温泉駅を発車しました。ここで、下今市到着前の乗客がまだ少ないうちに車内の様子を撮影しようと思い、他の号車の様子も見てきましたので、まとめて紹介します。

1号車「コックピットラウンジ」

 まずは僕が乗車している1号車「コックピットラウンジ」です。座席は1人掛け、2人掛け、そして4人掛けのソファ型座席となります。利用には特別座席料金が必要で、1人用は200円、2人用は400円となっており、この料金を支払えば1人で2人掛け座席を利用することもできます(ただし、4人用は2人以上で利用可能)。僕も今回は、2人掛けを利用しました。

 1人掛けは2名分あり、運転席の真後ろに座席がありますが、残念ながら着席したまま前面展望や後方展望を楽しむことはできないようです。ちなみに鬼怒川温泉発の場合、1号車は最後尾となりますので、1人掛け座席は進行方向とは逆向きで着席することになります。そして2人掛けと4人掛けは通路を挟んでそれぞれ両側にあり、すべての区画にテーブルが用意されています。

 車内はラウンジの名にふさわしいデザインで統一されており、内装の色合いなどからクラシカルな雰囲気が漂っています。何でも日光金谷ホテルや大使館別荘などをモチーフに仕上げられたそうで、気品のある落ち着いた空間となっています。定期運行されている特急列車というよりも、観光列車のようですね。

 僕が「ニッコーラ」を購入したカフェカウンターです。僕は発車前に利用することができたため、上の写真のようにカウンターは混雑していませんでしたが、スタッフの方がおっしゃられていたとおり、下今市からは多くの乗車があってコックピットラウンジもほぼすべての区間が埋まり、カウンターも利用客で賑わっていました。

2号車「プレミアムシート」

 隣の2号車は2+1配列の「プレミアムシート」です。最近は、各地の特急型車両で「プレミアム」の名称を用いる座席区分が次々と登場しています。JR東日本のE261系サフィール踊り子のプレミアムグリーンや、近鉄80000系ひのとりのプレミアムシートなどがその例です。そして「スペーシアX」の登場により、東武鉄道にも新たなプレミアムシートが登場しました。後の方に気兼ねすることなくリクライング機能を利用できるバックシェル構造の座席が導入され、電動リクライニングや可動式の枕も装備された豪華な座席となっています。モケット柄のオレンジ色も鮮やかで、旅の高揚感が一段と高まるような車内と言えるのではないでしょうか。

 僕は今回、第一希望だった「コックピットラウンジ」を利用したため、プレミアムシートは利用していませんが、次回乗車する際には、是非とも利用し、その座り心地を確かめてみたいと思います。ちなみにプレミアムシートの利用には、プレミアムシート特急料金が必要となり、鬼怒川温泉-浅草間の場合、スタンダードシート特急料金よりも580円高くなります。

3号車から5号車「スタンダードシート」

 続く3号車から5号車までは、一般的な特急型車両らしい2+2配置の「スタンダードシート」となっています(5号車の一部には「ボックスシート」もあります)。各座席は背面テーブル付きで、また最近の車両らしくとモバイルコンセントも完備されており、2時間程度の乗車を想定した特急型車両としては、十分な設備となっています。

 また、スタンダードシート車両もプレミアムシート車両と同様、連続窓ではなくシート1列に対して1つの個窓となっているため、どの座席からでも同じ条件で車窓を楽しむことができるようになっています。なお、5号車の「ボックスシート」は写真撮影していませんので、説明は省略します。

 さらにこの先の6号車には、「コンパートメント」4室と「コックピットスイート」1室の個室がありますが、個室を利用されている方の迷惑になってはいけないと思い、今回は、6号車の車内に立ち入りませんでした。特に「コックピットスイート」は「スペーシアX」を代表する最上級の車内設備で、プライベートジェットをイメージした「走るスイートルーム」と言われる空間です。運行開始以来、「コックピットスイート」の人気は続いており、特急券も発売直後に完売してしまうようですが、グループで乗車する機会があれば、一度は利用してみたいものです。

 さて今回、「スペーシアX」に初めて乗車した訳ですが、車内の雰囲気やスタッフさんのサービスも含めて、非常にクオリティの高い特急型車両であることがよく分かりました。また、座席の種類が豊富で、利用人数や目的にあわせて車両設備を選択できる点もいいと思います。現在は、2編成での運行されているようですが、2024年にはさらに2編成が導入され、計4編成となるようですので、乗車できる機会も増えるのではないかと思っています。

スペーシアXの6号車側先頭車両:浅草駅 2023/9/2

 列車は時刻どおりに終点の浅草駅に到着しました。次回は、浅草発の「スペーシアX」にも乗車してみたいですね。久しぶりに降り立った浅草駅で記念にパシャリ📸

 

東京駅から東海道新幹線に乗車

 浅草駅で下車した後は、東京メトロ銀座線と京浜東北線を利用して東京駅に移動しました。東京駅からは再び東海道新幹線豊橋に帰ります。もう30分早く東京駅を発車する新幹線でも間に合いますが、今回は時間に余裕を持って、東京駅19:57発の「こだま755号」に乗車することにしました。

 往路はちょうどいい時間に豊橋に停車する「ひかり」号が運行されていたため、これを利用しましたが、残念ながら復路では都合のいい「ひかり」号がなかったので、「こだま」を選びました。まあ、後は帰宅するだけですので、「こだま」でも全然問題ありません。

東京駅18番線で出発を待つN700系:東京駅 2023/9/2

 いつものように、東京駅の乗車ホームで先頭車両の写真を撮影していると、遠くに何か短い編成の新幹線が見えました。もしかしてドクターイエローか?と思って近づいてみると、反対側のホームに停車している黄色いボディの車両が見えてきました。

 やはりドクターイエローです。これまで新横浜駅に停車しているところや、小田原駅を通過するところを目撃したことはありますが、東京駅でドクターイエローを目にするのは、おそらく初めてです。ちょうど発車する直前で、僕が写真撮影するとすぐに発車していきました。旅の終盤で久しぶりにドクターイエローの姿を見ることができ、僕としては大満足です。

 時間になり、「こだま755号」に乗車しました。往路に続き、復路もグリーン車を利用します。グリーン車は座席幅やシートピッチも広く、ゆったりと寛げる点が大きなメリットですが、車内でお弁当をいただく際にも周囲の目が気になりにくく、落ち着いて食事をすることができる点も非常にありがたいですね。夕食がまだでしたので、今回は鬼怒川温泉駅の改札外にある売店で購入したお弁当を車内でいただきます。それがこちら👇

 その名も「スペーシアX 日光埋蔵金弁当」です。「スペーシアX」の車両をあしらった容器に入れられたお弁当は、いかにも子供向け商品のようですが、値段は何と3,000円で、ふたを開ければ大人でも十分満足できるような“鱒寿し”と“ちらし寿司”が可愛らしい箱に入って並べられています。

 両方ともしっかりとした押し寿司で、十分満足できる味です。特に鱒寿しはネタも厚く、酢飯との相性も抜群です。ちなみに「スペーシアX」の容器の中には、スペーシアX刻印入り金色ランチスコップと金色日本刀型ナイフとが入っていました。ナイフで細かく切れ目を入れた上で、スコップを差し込んで食べるということでしょうか? 僕は普通に割り箸でいただき、ランチスコップと日本刀型ナイフはそのまま持ち帰りました。

 食後は約2時間10分のグリーン車でのひとときを満喫し、豊橋駅に到着しました。全体を通してみると、今日は東海道新幹線東北新幹線、さらにトロッコ列車や最新型の特急列車などに乗車することができ、充実した乗り鉄旅になりました。また、会津若松駅での食事や「スペーシアX」のお弁当も、美味しく楽しくいただくことができ、いつものとおり大満足です。

 

乗車券類の紹介

 最後に、今回の乗り鉄旅で使用した乗車券類を紹介します。

 東海道新幹線の往復分の乗車票です。いつものようにJR東海ツアーズのずらし旅のプランを利用しています。このうち往路分については、東京駅の新幹線改札口で係員の方に乗車券類の持ち帰りをお願いしたのですが、JR東海の場合、事務用のパンチで穴を開けて無効印を押印するのがいつものパターンです。しかし、今回利用した改札口では、きっぷを機械に通して磁気を無効化(?)する処理を行ってくれたようで、パンチによる穴あけはありませんでした。さらに無効印も駅名だけのゴム印ではなく、新幹線のイラストが描かれたスタンプ印を押印してくれました。このあたりは利用する改札口や対応いただく係員によって違いがあるのかもしれませんね。

 続いて、東京から会津若松までの区間で使用した乗車券です。左は郡山まで乗車した東北新幹線分の一葉券なのですが、前回の記事で触れたとおり、普通車指定席の「お先にトクだ値」を購入することができなかったことから、かわりに購入したグリーン車用の「お先にトクだ値」です。右は郡山から会津若松までの乗車券で、東京駅で「お先にトクだ値」のきっぷを受け取る際に、一緒に購入しておいたものです。

 会津若松から浅草までは、JR、会津鉄道野岩鉄道東武の4つの鉄道会社をまたいで乗車することになります。もちろんそれぞれの鉄道会社ごとに乗車券を分けて購入することも可能でしょうが、それでは手間がかかります。そこで会津若松から東武の主な駅までの4社分の連絡乗車券が発売されており、それが今回の記事のタイトルにある「4社連絡片道乗車券」です。4社連絡といえど単なる片道乗車券ですが、一見すると企画乗車券のようなマルス券となっています。会津若松駅みどりの窓口で購入しましたが、「浅草までお願いします。」と伝えると、乗車日の確認があった後、されてすぐに発券してくれました。僕と同じように、4社の鉄道会社をまたいで浅草まで乗車する方は一定数いらっしゃるんでしょうね。

 それと「お座トロ展望列車」の指定席券と「スペーシアX」の特急券ですが、両方ともインターネットを利用して予約・購入したため、紙の乗車券類はありません。

 さて、今回もいつものように、思うがままに旅の思い出を紹介させてもらいました。自分でももうちょっと簡潔にしたほうがいいかなと思ったりしますが、まあ趣味でやっていることなので、その時の気分次第っていう感じです。ということで、また次回も長文になったらスイマセン😥