レン鉄★気ままな乗車記

乗り鉄&きっぷ鉄の管理人が、備忘録を兼ねてブログに綴っていきます。

乗り鉄&きっぷ鉄っぽい管理人が、乗り鉄旅行とそこで使用したきっぷを思うがままに記録したブログです。
どうぞ、お付き合いください。
 

4社連絡片道乗車券を使った会津若松乗り鉄旅(1)

 8月が終わり、「残暑お見舞い申し上げます。」とあいさつすべき時期になりましたが、一向に暑さが収まりません。8月後半になっても最高気温が35℃近くになる日も珍しくなく、当たり前のように猛暑日が続いています。ここまで暑いと身体がバター🧈のように溶け出すのではないかと本気で思ったりしてしまうあたり、暑さの影響によって脳細胞の一部が壊滅的なダメージを受けているのかもしれません。僕はどちらかと言えば、暑い夏よりも寒い冬のほうが苦手ですが、さすがにここまで暑さが絶え間なく続くと、冬が待ち遠しく思えてきます。ちなみに最近はほぼ毎日、クーラーをフル稼働させて何とか生命活動を維持していますが、冷房の効いた部屋の中にばかりいると、それはそれで身体にダルさを感じてきます。つまりは屋外・屋内どちらにいても体調は万全とはいかないわけで、一体どうしたらいいものなのか、全く分かりません。冷房がなくても快適に過ごせるような涼しい場所はないのでしょうか? 聞くところによると、最近は北海道でも真夏日になる日が増えているようで、どうやら今の日本国内には、人間らしく生きられる場所などないような気がしてきます😭。

 そんな状態が続いているのですから、乗り鉄旅に出かけるような気分にはなれません。不用意に外出すれば、熱中症になってしまう危険性がありますからね。さらに今年は昨年12月に亡くなった父親の初盆ということで、もともと旅行などを事前に計画していなかったということもあり、8月は全く乗り鉄旅に行きませんでした。

 そして今年の8月は、帰省や旅行などで公共交通機関が最も混雑するお盆休みの後半になって、台風と大雨の影響により大規模な運休や遅延が発生しました。特に東海道新幹線では、8月15日に名古屋ー新大阪で終日運転見合わせとなり、翌16日には静岡県内での大雨により一時的に全線での運休を余儀なくされ、さらにその影響が17日にも及んでしまったことから、合計3日間にわたって大幅にダイヤが乱れることとなりました。僕はこの期間、自宅と職場を往復するだけだったので、特に列車の運休や遅延に巻き込まれることはありませんでしたが、中には長時間にわたって足止めを余儀なくされた方も多くおられたようです。こうして見ると、今年は不遇の8月だったと言えそうです。

 さて、僕はと言えば、9月に向けて着々と旅行プランを計画していました。それは、7月15日にデビューしたばかりの浅草ー日光・鬼怒川方面を結ぶ東武鉄道の新型特急「スペーシア X」に乗車するものです。東武には大別して、日光・鬼怒川・会津方面に向かう特急と、館林・足利市・太田・赤城方面に行く特急がありますが、特に日光方面に向かう特急には、100系スペーシア」や500系「リバティ」のほか、JR線との直通運転ではJR東日本253系も充当されるなど、様々な車両が活躍しています。こうした特急型車両には、これまでの乗り鉄旅で乗車してきましたが、そこに新たに投入されたのがN100系「スペーシア X」です。その名前のとおり、東武特急を代表する100系スペーシア」の後継となる車両で、新たな東武特急の“顔”となる、いわばフラッグシップモデルといってもいいと車両だと思います。乗り鉄的にはこの車両に乗車しないという選択肢はなく、1日でも早く乗車してみたいと思っていたのですが、ようやく8月上旬になって希望する座席を確保することができたというわけです。

 ということで、今回の乗り鉄旅のメインはもちろん「スペーシア X」に乗車することになりますが、「スペーシア X」の運行本数は、月~水は2往復、木・金・土休日は4往復となっており、日光方面に向かう特急の一部に充当されています。そして基本的な運行区間は浅草-東武日光間ですが、1日あたり1往復は浅草-鬼怒川温泉間での運行となっています。僕は当初、浅草-東武日光(または鬼怒川温泉)間を往復とも「スペーシア X」に乗車することを考えていましたが、いろいろ調べて見ると、会津若松から会津鉄道の「お座トロ展望列車」で会津田島まで行き、会津田島から「リバティ会津」号に乗車することで、鬼怒川温泉発の「スペーシア X」に乗車できることが分かりました。確か以前は、会津田島駅で「お座トロ展望列車」と「リバティ会津」の接続が図られておらず、「リバティ会津」の発車時刻よりも「お座トロ展望列車」の到着時刻の方が遅いダイヤとなっており、何とも不便なものでしたが、今年3月のダイヤ改正で改善され、「お座トロ展望列車」の会津田島駅への到着時刻が早くなりました。その結果、会津田島駅で「リバティ会津」に乗り換えることが可能となったわけです。

 そこで今回の乗り鉄旅では、当初計画していた「スペーシア X」には鬼怒川温泉ー浅草間の片道で乗車し、その前に「お座トロ展望列車」と「リバティ会津」にも乗車することとしました。そして具体的な旅行行程は、次のとおりとしました。

 豊橋から東京までは、いつものとおり東海道新幹線で移動します。東京からは郡山まで東北新幹線に乗車し、郡山から磐越西線に乗り換えて会津若松を目指します。会津若松で昼食をいただいた後、ここから「お座トロ展望列車」に乗車して会津田島へ、そして会津田島からは「リバティ会津」に乗車して鬼怒川温泉へ、さらに鬼怒川温泉から終点の浅草まで「スペーシアX」に乗車します。浅草からは東京メトロとJR線を乗り継いで東京に向かい、東京からは再び東海道新幹線に乗車するというものです。全体的に列車の接続がいいため、かなりの移動距離となるにも関わらず、日帰りが可能です。

 では、今回の乗り鉄旅を順に紹介したいと思いますので、よろしくお付き合いください。

 

 

豊橋駅から東海道新幹線に乗車

 旅の出発は、例によって豊橋駅です。名鉄線に引き続いて新幹線に乗車するため、乗り換え改札を利用します。

 僕はどうもこの乗り換え改札にある自動改札機との相性が悪いようで、豊橋までの名鉄線のきっぷと豊橋から乗車する新幹線の乗車票を同時に投入すると、なぜか⛔ピンポーンという音と共にピシャっと弾かれてしまいました。確か以前にも同じようなことがありました。駅員さんが僕に代わってきっぷを投入すると、今度はきちんと処理してくれます。どうやら2枚のきっぷをきれいに重ねて投入するのではなく、名鉄線のきっぷを投入した直後に新幹線の乗車票を投入するくらいのタイミングがベストのようです。

 そして今回乗車するのは「ひかり632号」です。豊橋発の上り列車は、始発から2本続けて「ひかり」の東京行きとなりますが、632号はその2本目になります。以前は7時前に豊橋駅を発車するダイヤだったはずですが、現在では7:09発となっており、僕にとってはこれまでよりも利用しやすいものとなりました。

東海道新幹線で活躍を続けているN700系:東京駅 2023/9/2

 豊橋駅では先頭車両まで移動して列車を撮影するチャンスがなかったため、東京駅下車後に撮影したのが上の写真です。いつものとおりN700系に乗車しました。そういえば、東海道新幹線では「のぞみ」と「ひかり」でのワゴン販売が10月末で終了するそうですね。「こだま」でのワゴン販売は以前から休止されていたものの、最近は東海道新幹線の利用者も徐々に回復してきているようでしたので、このタイミングでの営業終了にはちょっと驚きました。新幹線のワゴン販売と言えば、真っ先に“シンカンセンスゴイカタイアイス”を思い浮かべる方も多いのではないかと思います。現にインターネット上では、アイスクリームを行く末を心配する声もあるようですが、果たして新幹線の車内であのアイスクリームを食べることはできなくなってしまうのでしょうか? 確かにワゴンによる車内販売は終了してしまいますが、グリーン車の乗客に対しては、スマートフォンなどを利用してオーダーした商品をパーサーの方が座席まで届けてくれる新たなモバイルオーダーサービスがスタートするということですので、このサービスを利用すれば、引き続き車内で“シンカンセンスゴイカタイアイス”を購入することができるのではないかと思います。

 ちなみに今回はグリーン車を利用しました。また、せっかく「ひかり」に乗車したので、ワゴン販売であのアイスを購入しようかなと思いましたが、さすがに朝からアイスを食べる気分にはなれませんでした。

 

東京駅から東北新幹線に乗車

 東京駅からは東北新幹線の「なすの255号」に乗車します。東京駅では、20番線から23番線までの4つの発着番線の中で、東北(北海道)・山形・秋田・上越・北陸の各新幹線に接続する列車が行き来しており、E4系「つばさ」やE6系「こまち」、E7系「かがやき」「はくたか」など色々な新幹線車両を見ることができます。しかしこれだけ多くの種別の列車を限られた路線容量の中で運行できるというのは、本当にスゴいことだと関心してしまいます。よほど緻密な運行管理がなされているんでしょうね。僕みたいな大雑把な人間にはとても真似できるものではありません。

 ホーム上でそんなことを考えていると、今回乗車するE5系が入線してきました。折り返し運転のため到着後すぐに車内清掃が始まり、しばらくは車内に立ち入ることができません。そのため、この時間を使ってゆっくりと写真撮影を楽しみました。

東北新幹線で活躍を続けているE5系:東京駅 2023/9/2

今回は終点の郡山駅まで乗車します。前回の団体旅行でE5系に乗車した際には普通車でしたが、今回は久しぶりにグリーン車を利用することにしました。

 実は今回の旅行計画当初には、普通車指定席が30%オフとなる「お先にトクだ値」を利用しようと思い、わざわざ事前予約までしておいたのですが、結果は申込不成立でした😭。事前予約しておけば間違いないと思い込んでいましたので、この結果はショックでした。土曜日とはいうものの、夏休み期間真っ只中という時期でもありませんし、そもそも「なすの」が10時打ちでも確保できないほど申込みが集中するとは思えないのですが、ひょっとしたら「お先にトクだ値」での発売枚数が相当限られているのではないかと推測します。ちなみに申込不成立のメールを確認したタイミングでは、すでに10%オフとなる「えきねっとトクだ値」も購入できず、どうしたものかと悩んだ末に、だったら久しぶりにグリーン車にしようと開き直り、グリーン車用の「お先にトクだ値」を購入したものです。

 E5系グリーン車の車内です。上の写真は郡山到着後に撮影したため、乗客は写り込んでいませんが、東京駅発車時点でも乗客は思った以上に多く、先ほどの「ひかり」よりもグリーン車の利用率が高いなと感じました。しかし、よくよく考えてみると「ひかり」のグリーン車が編成中に3両あるのに対して、「なすの」ではグランクラスを除くとグリーン車は1両なので、1両あたりの乗客数が多く見えただけなのかもしれません。

 ちなみにN700系グリーン車にはフットレストが装備されていますが、E5系グリーン車にはフットレストの代わりに電動のレッグレストが備わっています。どちらがより快適に感じるかは好みの問題となりますが、僕はE5系のレッグレストがお気に入りです。一方で、車内全体の雰囲気というか居心地の良さは、N700系の方が僕好みです。もちろんどちらのグリーン車も上品さがあり、不満に感じる点はありません。

 

郡山駅から磐越西線会津若松

 E5系「なすの」グリーン車で快適な移動を楽しむこと1時間35分、終点の郡山に到着しました。ここからは在来線の普通列車会津若松を目指します。乗り換え時間は約25分と余裕がありましたが、なるべく早く乗車できるようにと、新幹線下車後はすぐに在来線ホームに向かいました。ちなみに郡山ー会津若松間には快速の設定もあり、さらに一部の快速は「あいづ」という列車名で指定席の設備があります。せっかくなので、まだ乗車したことがない「あいづ」の指定席を利用したかったのですが、「あいづ」は1日3往復しか運転されておらず、あいにく僕が乗車したい時間帯には設定がありませんでした。

磐越西線で使用されているE721系会津若松駅 2023/9/2

 この区間普通列車がどれくらい混雑するのか分からず、着席できるかどうか心配しましたが、そのイヤな予感が的中し、僕が乗車する頃には、2両編成の車内はすでに多くの座席が埋まっていました。辛うじて窓側座席を確保できましたが、発車時刻が近付くとドア付近だけでなく通路にも立ち客が発生する程の混雑ぶりです。せめて4両編成にならないものかと思いましたが、そう簡単に増結はできないのでしょう。しかし、終点の会津若松まで乗車する観光客も多い路線なので、土休日には指定席の設備がある「あいづ」の運転本数を増やすなどしてもらえると、より安心して利用できるようになるのではないかと感じました。

 なお、今回乗車した普通列車は、普段であれば郡山駅の1番線から発車するのですが、この日は2番線に変更となっていました。1番線には団体専用列車が停車しており、車内からその様子を見ていると、何とE655系「なごみ」ではありませんか! 実は以前の乗り鉄旅で1度だけ乗車したことがありますが、なかなか見かける機会の少ない列車です。普通列車の車内からになりますが、記念にパシャリ📸ました。(ガラス窓越しに撮影したため、こちら側の車内が反射してしまっていますが、ご容赦ください。)

 会津若松駅に到着しました。会津若松と言えば“赤べこ”が有名で、駅構内にも大きな顔の愛くるしい“赤べこ”とご当地キャラの展示がありました。

 さて、会津若松駅ですが、僕は2018年12月に訪れて以来の約4年9月ぶりの訪問となります。確か前回は、早々に郡山に引き返すという慌ただしい日程だったため、外から駅舎を眺めることすらしていなかったような気がします。瓦屋根の城郭のような建物が特徴的で、駅前には白虎隊士の銅像もあります。

 ここで当初の予定どおり、昼食をいただくことにします。会津若松に行ったら是非とも食べておきたいものって何だろうと思い、インターネットで調べると、どうやらソースカツ丼会津ラーメンが有名なようです。とは言っても、現地に滞在できる時間は1時間なので、あまり遠くまで移動することはできませんが、ちょうどいい具合にラーメンやソースカツ丼を提供している飲食店が駅中にあったため、今回はここを利用することにしました。お店の名前は会津山塩食堂さんです。

 店頭にあったメニューを見ながら何を注文しようかと悩みましたが、一番気になった「会津山塩レモンラーメンとミニソースカツ丼セット」に決めました。僕は麺類の中でそれほどラーメンが好きということはありませんが、レモンラーメンというのは食べたことがなく、どういう風味なのか、興味があったからです。注文から提供までの時間は意外と早く、やはりエキナカということで、限られた時間で食事をする方に配慮していただいているようです。

 上の写真が今回いただく「会津山塩レモンラーメンとミニソースカツ丼セット」です。写真で見ると、それほど量が多くは見えませんが、実際には僕が思っていた以上のボリューム感です。当たり前ですが、本当にラーメンに薄切りレモンが添えられています。いつものとおり食レポはしませんが、それほどレモン風味が強いというわけではなく、スッキリした食べやすい味でした。ソースカツ丼の方は甘いソースが絶妙で、僕好みのちょっと濃いめの味付けです。基本的に外出時には少食の僕ですが、最後まで飽きずに完食することができました。ごちそうさまでした😊。

 

会津若松駅から「お座トロ展望列車」に乗車

 食事を終えたところで、「お座トロ展望列車」の発車時間が近付いてきましたので、改札口から入場し、5番線へと向かいました。今回乗車する「お座トロ展望列車」は会津鉄道が運行する列車ですが、会津若松西若松間ではJR只見線を走行します。「お座トロ展望列車」以外の列車も含めて、会津鉄道の列車は基本的に会津若松駅に乗り入れており、会津若松駅が実質的に会津鉄道線の始発駅のような役割を果たしています。会津若松駅の発車標にも、ちゃんと「会津鉄道」という案内があります。

 僕がホームに到着した時点では、まだ列車は入線していませんでしたが、僕と同じようにこれから「お座トロ展望列車」に乗車するであろう方々がすでに何人かホームに見えました。しばらくすると、西若松方面から「お座トロ展望列車」がゆっくりと入線してきました。

お座トロ展望列車で使用されているAT-400形とAT-350形:会津若松駅 2023/9/2

 それでは、まず始めに「お座トロ展望列車」について紹介したいと思います。

運転日と運転本数

 「お座トロ展望列車」の運転日は基本的に4月から11月までの土休日となっていますが、ゴールデンウイークやお盆休み期間、紅葉シーズンなどには、平日にも運転されることがあるようです。運転本数は1日当たり3本(1.5往復)で、発車が早い順に会津浪漫花号、会津浪漫風号、そして会津浪漫星号と呼ばれています。ちなみに僕が今回乗車するのは、“会津浪漫星号”の便です。3便ともJR区間を除いて全車指定席となっており、指定料金は大人400円です。

運転区間

 すべての便が、会津若松会津田島間の約45kmの区間で運転されています。先に紹介したとおり、このうち会津若松西若松間はJR只見線で、西若松会津田島間が会津鉄道線の区間となっています。会津鉄道線内は快速運転となっており、主要駅にのみ停車します。

使用車両

 「お座トロ展望列車」で使用される車両は、会津鉄道が所有・運行するものですが、新たに製造された車両ではなく、JR東日本のキハ40形気動車とキハ30形気動車種車として、AT-400形(1号車)とAT-350形(2号車)に改造されたものです。また、両車両とも2021年7月に外装リニューアルを受けており、現在のカラーリングとなっています。

 全2両の短い編成ですが、車内には、お座敷席、トロッコ席、そして展望席と色々な種類の座席があり、これが列車名の由来にもなっています。それでは、それぞれの座席を見てみましょう。

お座敷席

 まずは「お座トロ展望列車」の“お座”に当たるお座敷席で、1号車の約3分の2を占めています。以前は1号車全体が回転リクライニングシートとなっていたようですが、現在は改装されて掘りごたつ式のお座敷席になっており、通路の左右に32席分並んでいます。4人掛けのボックスタイプで、大きなテーブルを囲んで着席することになります。夏場はやはりトロッコ席の方が人気のようで、僕が乗車した便では空席が目立ちました。しかし、天候の悪い日や車内で静かに寛ぎたい場合には、こちらのお座敷席がピッタリだと思います。

ロッコ

 次に僕が乗車した、「お座トロ展望列車」の“トロ”に当たるトロッコ席の紹介です。2号車は52席すべての座席がトロッコ席で、いかにもトロッコらしい簡易なベンチタイプの座席となっています。もちろん、リクライニング機能などありませんが、座り心地が気になることはありませんでした。こちらの座席も 4人掛けのボックスタイプが基本ですが、車端部にある一部の座席は2人掛けとなっています。僕は今回、相席にならなかったため、4人掛けのボックスシートを贅沢に独り占めすることができました。

 また、6月から9月までの夏季期間中は、トロッコ車両のガラス窓が取り外されており、外気を感じながら列車の旅を楽しむことができます。(雨天☔の場合はどうなるんでしょうかね?)

 トロッコ車両の連結部付近には、オリジナルグッズや飲み物類を販売するスペースがありました。上の写真にも写っていますが、車内に郵便ポストも設置されています。この郵便ポストは単なる展示物ではなく、実際にハガキを投函することができるのだそうです。

展望席


 最後に「お座トロ展望列車」の“展望”に当たる展望席です。展望席は1号車の会津若松寄りのハイデッカー部分に12席設置されており、会津田島発の場合は前面展望を楽しむことができますが、会津若松発の場合は残念ながら後方展望になってしまいます。進行方向と逆向きというのはあまり好まれないようで、展望席の座席は運転席に背を向けて進行方向側に転換されていました(もちろん乗客自身で反対方向に転換し直すこともできます)。会津若松駅発車時点で確認したところ、展望席の利用客も少ないようです。

車内から眺めるトンネルシアターとビュースポット

 さて、ここからは実際の旅の様子を紹介したいと思います。僕が乗車した“会津浪漫星号”は、定刻どおり会津若松駅を発車しました。しばらくはJR線区間を走行しますが、すぐに会津鉄道の起点となる西若松駅に到着します。会津若松西若松のJR線の区間は乗車券のみで乗車できるため、18きっぱーの中には、会津若松西若松間のみこの列車に乗客する方もいるようです。

 西若松からは会津鉄道線をします。「お座トロ展望列車」はやはり観光利用を目的とした列車ということで、走行中にも沿線の観光案内などがありました。しかし気動車ゆえにエンジン音でかき消されてしまい、ほとんど聞き取れないのが残念なところです。加えて僕が乗車しているトロッコ車両は窓がない状態のため、思っていた以上に強い風が車内に吹き込んできます。テーブルに置いたスマホやペットボトルが飛ばされるのではないかと心配になるほどです。

 暑さは感じるものの、風に当たりながらの乗車を楽しんでいると、他の乗客の方が車内でアイスを購入されていました。それを見たら僕も食べたくなってしまい、バニラ味のアイスをいただくことにしました。

 このアイス、例のアイスとは比べものにならないくらいの柔らかさです。風が強いため、この後フタが飛んで行きました。

 会津鉄道線内にはいくつかトンネルがあります。トロッコ車両に乗車してトンネル内を通過するというのもなかなか経験できないことですが、この列車ではトンネルシアターなるものがあり、走行中の車内からトンネル壁面に映し出される映像を鑑賞することができます。僕は今回、9番D席を利用しましたが、この席だとちょうど真横に映像が映し出されます。

 もちろんトンネルシアター以外にも見どころはあります。途中には3つのビュースポットがあり、橋梁の上で一時停車して、乗客が景色を眺めたり写真撮影などを行える時間が設けられています。この日は若干曇り気味でしたが、雄大な自然とその中にある人工物の美しいハーモニーが織り成す風景を楽しむことができました。緑の多い自然の中に身を置くと、何とも言えない清々しい気分になりますね。列車に乗車したままこうした景色を楽しめられるのは、何とも贅沢なことです。

 「お座トロ展望列車」での約1時間20分の乗り鉄旅はあっという間で、列車は終点の会津田島駅に到着です。会津鉄道線自体は、この先の会津高原尾瀬口駅まで続きますが、僕はここから先、「リバティ会津」に乗車していきます。長くなってきましたので、以降は次回に続きます。

>>(2)に続く