レン鉄★気ままな乗車記

乗り鉄&きっぷ鉄の管理人が、備忘録を兼ねてブログに綴っていきます。

乗り鉄&きっぷ鉄っぽい管理人が、乗り鉄旅行とそこで使用したきっぷを思うがままに記録したブログです。
どうぞ、お付き合いください。
 

観光列車「etoSETOra」に乗車

 いよいよ8月となり、最高気温が猛暑日に迫る日が続く今日この頃です。最近はある程度、身体が暑さに慣れてきたとはいえ、熱中症には十分に気を付けなければなりません。また8月と言えば台風シーズンの真っ只中で、さらに近年は、線状降水帯が停滞することによって、局地的に非常に強い雨が長時間にわたって降り続き、土砂崩れなどの予期せぬ災害が発生することも少なくなく、こうした異常気象にも注意する必要があります。さらに新型コロナウイルス感染症においては、従来株よりも感染力が強いとされるデルタ株が猛威を振るっており、より一層の感染対策が重要となっています。現在は、青春18きっぷ利用可能期間の真っ只中ということで、これを利用した乗り鉄旅に出かける訳ですが、外出に際しては、気温や大雨と言った気象状況もこまめにチェックし、新型コロナウイルスの感染防止対策にもしっかりと取り組んでいきたいと思います。

 さて、今回の乗り鉄旅ですが、タイトルにあるとおり、「etoSETOra(エトセトラ)」に乗車するというものです。「etoSETOra」は、JR西日本が広島地区で運行している観光列車で、列車名としてはちょっと変わったネーミングですが、調べてみると、ラテン語で「その他いろいろ」という意味を持ち、また、広島地方の方言で「えっと」という言葉が「たくさんの」「多くの」という意味も持っていることから、“瀬戸内の数々の魅力を感じることができる旅”を演出する列車ということで、この名前が採用されたようです。

 そんな「etoSETOra」ですが、7月25日付けの記事にも書いたとおり、僕は当初、7月上旬に「etoSETOra」に乗車するための広島旅行を計画していました。その際は、往復とも東海道・山陽新幹線を利用するという前提で旅行商品をいろいろと比較検討し、その結果、名古屋-新大阪間はJR東海ツアーズの「日帰り1day大阪」を、新大阪-岡山間は日本旅行の「プレDC晴れの日おかやま 日帰り岡山」という商品を利用して新幹線に乗車し、岡山-広島間は別に乗車券を購入して在来線を利用するという、何ともマニアックでテクニカルな行程を組み立てて、手配を済ませていました。しかし、広島県を中心とする中国地方での大雨の影響により、呉線の一部区間が不通となるなどしたため、乗車する予定だった「etoSETOra」が直前になって運休となってしまいました。東海道・山陽新幹線は通常どおり運転されており、広島まで行けない訳ではなかったのですが、旅のメインとなるはずだった「etoSETOra」が運休となっては、もはや広島に行く意味がなくなったのも同然で、また、「etoSETOra」への乗車に代わるような代替プランも思いつかなかったことから、旅行自体をすべてキャンセルしたという経緯があります。

 こうしたことから、できるだけ早い時期に、何とか広島への乗り鉄旅に出かけたいと思っていたところ、ちょうど8月8日に時間が確保できたことから、当初の予定から約1か月遅れて「etoSETOra」に乗車する日帰り旅に出かけることになりました。

 なお、先にもお話ししたとおり、現在は青春18きっぷ利用可能期間であるため、今回の乗車に際しては、7月上旬に予定していた当初の旅行行程を大幅に変更し、往路は東海道・山陽新幹線「のぞみ」で直接、広島に行き、広島→尾道間で「etoSETOra」に乗車した後、尾道からの復路は青春18きっぷを利用し、すべて在来線で移動するという行程に変更しました。尾道から金山までの営業キロは実に448.6kmで、乗り換えを繰り返しながら在来線で一気に駆け抜けるという、一般常識から逸脱した(?)旅行行程です。真っ当な旅行を検討している人には、オススメできません。しかし、久しぶりに青春18きっぷ1回分を思う存分に活用した乗り鉄旅になるということで、「etoSETOra」への乗車とあわせて、こちらも楽しみたいと思い、こうした旅行行程を作成しました。

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etoSETOra号で使用されているキハ47形:広島駅・尾道駅 2021/8/8

 上の写真は、広島駅と尾道駅で撮影した「etoSETOra」です。「etoSETOra」としての運行区間はすべて電化された区間ですが、車両は非電化区間でも走行可能なキハ47形気動車です。JR西日本には、「○○のはなし」「花嫁のれん」「ベル・モンターニュ・エ・メール(通称べるもんた)」「あめつち」など、国鉄気動車を改造して製作された観光列車が数多く活躍しており、「etoSETOra」もその仲間のひとつと言えます。

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 外観は、青と白のツートンカラーに金色のラインが描かれており、瀬戸内海の青色と海岸線から見える波の白色を表現したものとなっています。実はこの車両、2020年10月に始まった「せとうち広島デスティネーションキャンペーン」にあわせて登場したものですが、それまで運行されていた「瀬戸内マリンビュー」を再改造して製作されたものです。こうした経緯もあり、車両の外観には、一般形車両であった頃のキハ47形気動車としての面影だけでなく、「瀬戸内マリンビュー」時代の面影も残されており、特に客用扉付近にある大きな丸窓は、「瀬戸内マリンビュー」から引き継がれた、この車両の大きな特徴となっています。

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 次に「etoSETOra」の運行区間ですが、往路と復路で経路が異なっており、往路の広島→尾道間では呉線経由で、復路の尾道→宮島口間では山陽本線経由で運行されています。僕は呉線区間に乗車した経験はありませんが、呉線は、海岸線沿いを走る路線で、車窓からは瀬戸内海や海に浮かぶ島々の眺望が楽しめるということなので、観光列車として乗車するからには、やはり呉線経由となる往路での乗車を楽しみたいところです。

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 ちなみにJR西日本が7月28日付けで公表したプレスリリースによると、10月2日以降は復路の運行ルートを変更し、往路と同じ呉線経由となるそうです。今回のダイヤ見直しを機に、わざわざ経路を変更するということは、やはり呉線で乗車したいという要望が相当多かったのではないかと思います。

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 今回乗車した「etoSETOra」の上り列車(往路)の時刻表です。広島駅の発車は9時32分ということで、これに間に合うよう、僕は広島に9時17分に到着する「のぞみ77号」を利用しました。名古屋発の場合はこれで十分に間に合いますが、首都圏からの場合、東京を6時ちょうどに発車する「のぞみ1号」に乗車しても、広島着は9時49分なので「etoSETOra」の発車時刻に間に合いません。品川を6時ちょうどに発車する「のぞみ79号」でも間に合わず、結局のところ、首都圏からでは日帰りで往路の「etoSETOra」に乗車することはできません。首都圏からの集客は見込んでいないのか、はたまたダイヤの都合なのかは分かりませんが、可能であるならば、広島発車時刻を30~40分程度遅らせてもいいのかなと思いました。

 それから実際に乗車してみて感じたことは、途中駅での停車時間が非常に短く、ホーム上で記念撮影をする余裕がありません。せっかくの観光列車なので、せめて5分程度の停車時間があれば、もっと楽しむことができたのではないかと思います。そんなダイヤとなっている往路の「etoSETOra」ですが、始発の広島から終点の尾道までをちょうど3時間で駆け抜けます。

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2号車の2人掛けの対面座席

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1号車の2人掛けの対面座席

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1号車の1人掛けカウンター席

 続いて車内です。2両編成の全車グリーン車指定席で、広島寄りが1号車で、尾道寄りが2号車です。グリーン車といっても、一般的な車両にあるような回転式リクライニングシートではなく、それぞれが独立したソファータイプの座席となっています。座席配置は様々で、1号車は、窓側向きの1人掛けカウンター席×6、4人掛けのボックス席×2、2人掛けの対面座席×3の計20席で、このうち1人掛けカウンター席は、呉線内で海側に位置する側に設置されています。2号車は、窓側向きの1人掛けカウンター席×2、2人掛けの対面座席×5、4人がコの字型に着席できるグループ席×2の計20席という座席数で、編成全体の座席数は計40席となっており、グリーン車らしいゆったりとしたものになっています。ちなみに1号車と2号車では、異なるモケット柄が使用されています。

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 車内で全体を見渡すと、最近の車両としては珍しく、側窓にレースのカーテンが取り付けられています。最近は、特急形車両でもブラインドタイプの日よけが主流で、横引きカーテンはあまり見かけない中、レース付きのカーテンはとてもお洒落で、ノスタルジックな雰囲気が感じられました。

 懐かしさが感じられる一方で、車内には最近の観光列車らしく、しっかりとFree Wi-Fiが完備されており、スマホタブレット端末の充電に利用できるUSB端子も設置されていました。車内にモバイルコンセントが用意された列車は最近よく見かけますが、USB端子が設置されている列車は初めて見ました。

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 「etoSETOra」には、1号車の連結部寄りにバーカウンターが設置されており、アルコール類やソフトドリンクなどの飲み物、地元のお菓子・おつまみ類の販売が行われています。合わせてワゴンサービスによる車内販売も実施されており、僕はレモンケーキとサブレを注文しました。なお、アルコール類は、新型コロナウイルス感染拡大防止のための時短要請に基づき、販売時間が午前11時からに制限されていました。

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 観光列車によくある乗車記念証ですが、どうやら「etoSETOra」には、専用の記念乗車証といったものはなく、左側のコースターが乗車記念証を兼ねているようです。コースターには「etoSETOra」のロゴマークがデザインされ、確かに乗車記念にはなりますが、僕としては、スタンプを押印できるようなポストカードタイプのものを想像していたため、その点はちょっと残念でした。とは言っても、こうした乗車記念証はJR側のご厚意でいただけるものなので、これはこれで、今回の旅の思い出として大切にしたいと思います。ちなみに右側はチケットホルダーで、中にマルス券が差し込めるようになっていました。

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 今回使用した普通列車用グリーン券です。「etoSETOra」は「e5489」でのシートマップに対応しておらず、希望する座席を個別に指定することができません。先ほどお話ししたとおり、車内には1人掛けカウンター席以外にも、2人用や4人用の座席もあるため、「e5489」ではどのような席になるのか、運次第ということになります。ということで、今回は希望の座席を確保すべく、「e5489」ではなく駅の窓口で購入しました。購入したのが乗車4日前ということで、希望する1人掛けカウンター席に空きがあるかどうか心配しましたが、結果的には希望の座席を確保することができました。どうやら僕が窓口で申し込んだ際、残り2席だったようなので、その中で希望の座席を確保できたのは、かなりラッキーでした。そして、1人掛けカウンター席を利用する場合のオススメ座席ですが、僕の個人的な見解から言うと、窓枠に邪魔されずに車窓を楽しむことができるのは、1号車の4A、4D、10Aの3席がベストで、これらに次ぐベターな席が、1号車の2A、10D、2号車の2A、2Dの4席といった感じです。

 3連休期間ということもあってか、1人掛けカウンター席だけでなく、2人用や4人用の座席もほぼ満席の状態でした。運行開始からすでに9か月以上が経過していますが、夏休み期間ということもあってか、なかなかの盛況ぶりです。

 さて、前々回(7月25日)の「越乃Shu*Kuraに乗車する乗り鉄旅」で青春18きっぷの1回目を使用して以来、今回が2回目の使用となりました。残り3回の乗り鉄旅はまだ検討中のものもありますが、引き続き夏の乗り鉄旅を楽しんでいこうと思います。