レン鉄★気ままな乗車記

乗り鉄&きっぷ鉄の管理人が、備忘録を兼ねてブログに綴っていきます。

乗り鉄&きっぷ鉄っぽい管理人が、乗り鉄旅行とそこで使用したきっぷを思うがままに記録したブログです。
どうぞ、お付き合いください。
 

道東フリーパスで北海道内を巡る乗り鉄旅(3)

 前回の記事からの続きです。

 6月27日には、駅近くにあるホテルグランテラス帯広に宿泊しました。部屋自体はいたって普通で、よくあるホテルと変わりありませんが、1階に宿泊客が無料で利用できる大浴場がありました。ビジネスホテルだと客室内のユニットバスを利用することが多いと思いますが、どうしても窮屈感があります。大浴場だと大きな湯船にゆったりと浸かることができ、とても気持ちがいいものです。さらに今回は、朝食付きプランを利用しましたが、バイキング形式の朝食も美味しかったです。今日も楽しい1日となる予感がします。

 ただ、ホテルをチェックアウトして外に出てみると、6月下旬だというのにかなり寒かったです。さすがは北海道だなと思いました。セイコーマートでペットボトルのお茶を購入し、帯広駅に向かいました。

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スーパーおおぞら号に使用されているキハ283系釧路駅 2019/6/28

 帯広から釧路までは、特急列車の第4弾としてキハ283系気動車の「スーパーおおぞら」に乗車します。見た目はキハ281系にそっくりで、カラーリングはステンレス製の無塗装にブルーの先頭部、そして扉周辺がブルーとグリーンに赤を組み合わせた配色となっています。(キハ281系とはライトの位置の違いで区別できます。)

 「おおぞら」は伝統ある特急の愛称のひとつで、調べてみると昭和36年に北海道初の特急列車として函館と旭川間で運行を開始した特急に付けられたのが始まりのようです。こうした伝統ある愛称の列車に乗車することができ、感慨もひとしおです。先頭車前面の愛称表示器は、方向幕ではなく3色LED式になっており、タンチョウが飛び立つ様子を表したGIFアニメーションのようなものが表示されていました。

 ちなみに僕が帯広から乗車した際、車内には暖房が入っていました。ホームで列車の入線を待っている時はとても寒かったので、ちょうどよかったのですが、この時期に車内に暖房を入れるというのは北海道ならではのことだと思います。

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 今回も指ノミ券で乗車します。「スーパーおおぞら」は札幌ー釧路間で運行されていますが、その間の距離は約350kmにもなります。この間を完乗する人はどのくらいいるのかは分かりませんが、少なくとも今回乗車した「スーパーおおぞら1号」は、それほど混雑していませんでした。帯広を出発した後の停車駅は池田のみで、池田から終点釧路までの約100kmは停車しません。広大な北海道を走る特急らしさを感じました。

 釧路にはほぼ定刻に到着しましたが、「くしろ湿原ノロッコ4号」の発車までには時間があるため、その時間を利用して厚岸まで往復します。なぜ厚岸かと言えば理由は2つで、一つ目は花咲線にも乗車してみたかったことで、二つ目は厚岸駅前で氏家かきめし弁当を購入することです。

 釧路から根室行きの快速ノサップに乗車しましたが、1両編成ということもあって車内は非常に混雑していました。JR北海道のローカル線といえば、乗客がまばらな閑散とした状況をイメージしていましたが、観光客や地元利用客で立ち客がいるほどの混雑ぶりでした。僕が利用した日はたまたま混雑していただけかもしれませんが、毎日こうした状況が続いているのであれば、是非とも2両編成で運転してほしいものです。

 厚岸では、駅前の氏家待合所という所で弁当を購入しました。僕以外にも同じように列車で駅弁を買いに来た人や、車やバイクで旅行中だと思われる人も立ち寄って購入しており、やはり有名な弁当なんだと実感しました。

 厚岸からは再び釧路まで引き返します。帰りは快速はなさきに乗車しました。快速ノサップは途中でいくつかの駅に停車しましたが、快速はなさきは釧路まで停車しません。行きのノサップほどは混雑していませんでしたので、車内で早速、氏家かきめし弁当をいただきました。期待どおり、牡蠣づくしの美味しい弁当でした。

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くしろ湿原ノロッコ号を牽引するDE10ディーゼル機関車釧路駅 2019/6/28

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くしろ湿原ノロッコ号の客車:塘路駅 2019/6/28

 釧路まで戻ってきました。ここからは釧網本線に乗車します。そしてここから途中の塘路までは、これまでとは少し趣きを変えてトロッコ列車に乗車しました。JR北海道には、主に夏季に運行するトロッコ列車が2つあり、そのひとつが「くしろ湿原ノロッコ号」です。DE10が牽引する510系(50系客車を改造したトロッコ風客車)で指定席は展望車、自由席は通常のボックスシートの客車となっており、今回は釧路湿原側に位置する展望席に乗車しました。

 自動車では立ち入ることができない釧路湿原内を走行する観光列車ということで景色は抜群です。天候はちょっと曇りぎみでしたが、車内にいながらにして、北海道の涼しげで爽やかな初夏を感じることができました。

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 今回は「道東フリーパス」を利用しているため、これをみどりの窓口に提示すれば追加料金なしで指定席券の交付を受けることができます。しかし、進行方向に向いた湿原側の窓側を確実に確保したかったため、1か月前の発売日に指定席券だけを購入しておきました。車内に記念スタンプがあったため、思わずマルス券に押印してしまいました。

 ちなみに指定席の展望車には2種類の座席があり、片側が6人掛けテーブル席、もう片側は2人掛けのベンチシートです。2人だけで仲良く座りたい場合にはベンチシートもいいですが、雄大な景色をダイナミックに楽しみたいのであれば、6人掛けのテーブル席がオススメです。しかしB席は、場合によってA席とC席の人に挟まれてしまうため、1人や2人で利用する場合には避けた方がいいと思います。

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 車内では乗車証明書をいただきました。「釧路⇒塘路 のぼり」とありますので、塘路から釧路の下り列車では、別のデザインの証明書がもらえるようです。ノロッコ号は30周年のようで、列車のヘッドマークにも乗車証明書にも30周年のロゴがデザインされていました。

 塘路からは普通列車で網走に向かいます。釧網本線には定期特急の運行はなく、しかも釧路ー網走間は普通列車が1日当たり上下各5本運行されるのみです。塘路から乗車する利用者は結構いて、車内には立ち客もいました。花咲線と同様に1両編成ですが、途中駅の摩周、川湯温泉知床斜里でも乗降があります。観光利用の方も多いようなので、車両を増結するか指定席を設定するなど、長距離利用者が安心して着席できるような配慮がなされるといいなと感じました。

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オホーツク号に使用されているキハ183系:網走駅 2019/6/28

 網走からは、特急列車の第5弾として、キハ183系気動車の「オホーツク」に乗車しました。キハ183系といえば基本番台のスラントノーズ型のイメージがありますが、このタイプはすでに引退しており、今回乗車したのは500番台・1500番台の混合編成でした。国鉄からJR初期にかけて、キハ183系は北海道を代表する気動車特急でしたが、現在の定期運用は「オホーツク」と「大雪」のみとなっています。

 キハ183系の後期型と言えば、僕の中では、白色の地色にオレンジ色と赤色の帯を配したカラーリングの車両があまりに印象的ですが、実際に車両を見てみると、ライトグレーの地色にコバルトブルーが配色された現在のカラーリングも、なかなか似合っていると感じました。

 僕は、今日の宿泊地である旭川まで乗車しますが、それでも乗車時間は約3時間50分です。昨日は「スーパーとかち」に約2時間50分乗車しましたが、それをさらに1時間も上回ります。さすがは北海道を走る特急列車という感じです。

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 「オホーツク」に乗車した際の指ノミ券です。ちなみにこの編成は1号車の全車と3号車の半室分が指定席で、2号車は全車グリーン車です。僕は指定席に乗車しましたが、駅で車内を見た際の印象では、普通車指定席よりもグリーン車の方が乗車率が高いようです。この編成のグリーン車は床面を嵩上げしたハイデッカー構造で、側面窓は眺望を重視した大型ガラスとなっており、リゾート感が味わえるとあって人気があるようです。今回使用しているフリーパスではグリーン車に乗車することができないため諦めましたが、この車両が引退してしまう前にもう一度乗車する機会があれば、グリーン車にも乗車してみたいものです。

 >>(4)に続く