レン鉄★気ままな乗車記

乗り鉄&きっぷ鉄の管理人が、備忘録を兼ねてブログに綴っていきます。

乗り鉄&きっぷ鉄っぽい管理人が、乗り鉄旅行とそこで使用したきっぷを思うがままに記録したブログです。
どうぞ、お付き合いください。
 

道東フリーパスで北海道内を巡る乗り鉄旅(1)

 僕はこれまで、北海道に一度だけしか行ったことがありません。高校生の時に父親の実家がある青森県に帰省した際、足を延ばして親戚のいる函館まで行くため、初めて青函トンネルを渡りました。それまで、飛行機か連絡船でしか行くことができなかった北海道に、本州側から列車で行くことができるようになり、あらためて青函トンネルの偉大さを感じたものです。

 その当時のことを思い返せば、1992年3月下旬に家族で青森県まで行き、父親の実家で1~2泊した翌日、朝早く起床して八戸駅まで送ってもらいました。そこから東北本線で青森に出て、さらに快速「海峡」に乗り換えて函館まで行った筈です。手元に残っているきっぷを探してみると、八戸から100km以内の急行券が見つかったので、おそらく八戸から青森までは、急行「八甲田」に乗車したのだと思います。この日は函館に1泊しました。

f:id:Len_Railway:20200130201426j:plain

 当時のマルス券です。現在は地紋が水色ですが、それ以前はこのような緑色でした。裏面も黒ではなく灰色です。今回の記事を書くに当たり、過去のコレクションの中から久しぶりに引っ張り出しましたが、印刷文字は全く褪せていません。熱転写の保存性の高さに驚きました。さらに中央上部に入鋏痕があります。現在は有人改札を利用した際に券面にスタンプが押されますが、この時代は鋏を入れるのが当たり前でした。僕は、改札で鋏をカチカチ鳴らしながらきっぷを切る駅員さんに憧れ、保育園から小学校低学年の頃には、大人になったら改札の駅員さんになると決めていましたね。

f:id:Len_Railway:20200130202155j:plain

ED79-17が50系客車を牽引する快速「海峡」:(撮影場所不明)1992/3/27

 函館から再び八戸に戻る帰路でも、青森まで快速「海峡」を利用しました。「海峡」ヘッドマークを掲げた電気機関車の写真が残っていますが、どこの駅で撮影したのかは記憶にないです。今のようにデジタルカメラなどありませんので、フィルムカメラで撮影して現像したポジを、スキャナーで読み込んだものです。

  なお、当時はまだまだ“青函トンネルブーム”が続いていました。快速「海峡」のうち数本が青函トンネル内部にある竜飛海底駅吉岡海底駅に停車し、事前に見学券(ゾーン539きっぷ?)を購入すれば、実際に海底駅で下車して、乗務員同伴で施設の一部を見学できるツアーのようなものがありました。もちろん僕も参加するため、函館12:27発の海峡10号に乗車し、竜飛海底駅に向かいました。見学時間は1時間くらいだったと思います。見学後、再び「海峡」に乗車して青森に行き、青森から八戸までは特急「はつかり」に乗車したのだと思います。あまりはっきりとは覚えていませんが、当時使用した、青森から100km以内の自由席特急券がコレクションの中に残っていました。

f:id:Len_Railway:20200130203646j:plain

 これが、見学に必要なきっぷです。乗車するのは快速列車なのに、なぜか「急行券」となっており、ゴム印で「見学券」と押印されています。また、座席が指定される「指定席券」を兼ねていますが、料金内訳は「急820、指0」となっています。指定席料金はどこに行ってしまったのでしょうか? 120mm券というのも、何か意味があったのでしょうか? 何かと謎が多い不思議なきっぷです。

f:id:Len_Railway:20200130204038j:plain
f:id:Len_Railway:20200130204050j:plain

 どこで入手したかは忘れてしまいましたが、トンネル体験読本というものがありました。これはその表紙と裏表紙です。ちなみに「ゾーン539」と言うのは、青函トンネルの長さ53.85kmにちなんで名付けられたそうですが、この愛称で呼ばれているのをあまり聞いたことがありません。

f:id:Len_Railway:20200130204822j:plain

 海底駅では、パスポート型の「青函トンネル体験証明書」が販売されていました。値段は忘れましたが、オレンジカード付きで、中のページに記念スタンプが押印してあります。いまでも貴重な思い出の品として僕の手元に残っています。

 

 昔話にそれてしまいましたが、あれから数十年が経過し、ついに東京から新幹線で北海道に行くことができる時代がやってきました。北海道新幹線の開業です。鉄道ファンの間では、本州と札幌を結ぶ寝台特急の廃止などを惜しむ声もありましたが、世間一般では、ついに新幹線が北海道の地に上陸するということで、青函トンネルが再び大きな注目を集めました。

 北海道新幹線開業後、一度は新幹線で北海道を目指してみようかと考えましたが、時刻表で調べてみると、豊橋6時40分発の「ひかり号」で東京まで行き、そこから「はやぶさ号」に乗り換えた場合、新函館北斗に到着するのは最速でも正午過ぎです。帰路についても、新函館北斗を16時20分に発車する新幹線に乗車しないと、その日中に最寄りまで着くことができません。旅行に充てることができる日数は限られており、新函館北斗をこの時間に発着していては、北海道内を十分に周遊できません。また、仮に新幹線を使って往復するとした場合でも、正規運賃と特急料金で片道3万円弱かかり、道内での移動や宿泊費も含めると相当な額になります。

 そんなこんなで二の足を踏んでいたところ、航空機利用のパッケージツアーを利用する方法もあることに気付きました(遅い)。時期にもよりますが、価格的にはそれほど高くなく、さらにパッケージツアー利用者だけが購入できるフリーパスがあるということも知りました。

 しかし、僕はこれまで飛行機に乗ったことがありません。いわゆる「乗らず嫌い」です。飛行機自体を嫌う訳ではありませんが、言葉では言い表せない恐怖感が払拭できないのです。飛行機に搭乗することを考えると、恐怖のあまり旅行に行く楽しみも半減してしまうような気もしましたが、航空会社の北海道行きのパッケージツアーは、時間的にも費用的にも、そしてフリーパスが購入できるという点でも魅力的です。

 そこで意を決し、今回は中部国際空港新千歳空港間を飛行機で移動し、2泊3日で道東を中心した乗り鉄旅に行くことにしました。久しぶりの北海道旅行ということで、かなり気合を入れて旅行行程を作成してみました。

 

 6月27日の旅行日程

f:id:Len_Railway:20200130205806p:plain

6月28日の旅行日程

f:id:Len_Railway:20200130205856p:plain

6月29日の旅行日程

f:id:Len_Railway:20200130205921p:plain

 基本的にはJALパックツアーのオプションとして購入する「道東フリーパス」を最大限利用して周遊するコースです。ただし、フリーパスがカバーしていない室蘭本線の一部にも乗車したいため、新千歳空港東室蘭間では企画乗車券「乗車券往復割引きっぷ」も利用します。1日目と2日目は帯広、釧路、網走、旭川といった主要都市を順に巡り、最終日の3日目は富良野や小樽といった北海道を代表する場所を訪れるルートです。フリーパスの強みを活かし、北海道内の特急列車になるべく多く乗車できるように組み立てて見ました。

 6月27日の朝は天気も良く、週間予報によれば北海道も天候が崩れるようなことはなさそうなので、まずはひと安心です。中部国際空港を離陸した飛行機は、ほぼ定刻どおりに新千歳空港に着陸しました。ついに、新千歳空港駅から始まる2泊3日の北海道乗り鉄旅のスタートです。

 >>(2)に続く